登録日:2011/12/16 Fri 08:28:56
更新日:2025/03/06 Thu 15:28:13
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一度として全力で戦ったことなどない
全てお前を倒すための準備運動に過ぎない
声:岸祐二(旧アニメ)、川島得愛(新アニメ)
目次
【人物】
天空闘技場編にて登場した、「フロアマスターに一番近い男」と呼ばれている格闘家。
かつてヒソカに負けたことを除けば敗北無しだった。
顔立ちは長髪の
イケメン。
高い実力を持ち、天空闘技場内ではあの
ヒソカとライバル関係と目されていた。
200階の住人なので当然
念能力者であり、系統はそのフィジカルの強さからウイングの見立てでは強化系。
一応「強化系は単純一途」というヒソカの性格診断にも当てはまる。
ヒソカから唯一ダウンを奪った相手であり、ヒソカもカストロをいい「玩具」と見ていた。
両手を
虎の爪や牙のように模して戦う拳法「虎咬拳」の使い手。
かつてヒソカに負けたことから打倒ヒソカを目標にし修行を積み、新たな能力「
分身」に目覚める。
理由は後述するが、彼の念に対する理解力から誰かに師事したわけではなく、念は独学と思われる。
(「絶」の様な固有名詞を知っていたので完全独学という線は薄いが、洗礼直後にヒソカが一通りの基本を伝えたのみ程度、または他の念能力使いたちの試合を見て、そこで交わされる単語を独自に拾っていったなどの可能性は高い)
このことと彼のヒソカに洗礼を受けたという台詞からも、ヒソカに負けた時は念能力者ではなかった可能性が高い。
にもかかわらず、そのヒソカ戦では「ダウン一発、クリーンヒット三発」を取ったという。
才能豊か且つ五体満足であることから、ヒソカは玩具として彼の才能を買って真っ先に戦い、悪意無しで洗礼したものと思われる。
ちなみに旧アニメ版では肝心のヒソカ戦をほぼ丸々カットされてダイジェスト処理で絶命するという結構不遇な扱いだった。
よってまともな映像化は2011年の新アニメ版とかなり長い時を擁した。
【物語での活躍】
ヒソカとの決戦、当初は「ダブル」で優勢に試合を進め、ヒソカの両腕を切断するほどで、能力を見破られても最初は全く慌てることはなかった。
しかしヒソカの話術や手品と、失ったはずの手がまた生えてるといったような奇術に翻弄される。
その後、死の予知、ダブルを完全に見破られる(自身も知らなかった欠点を見破られた)、悪い所を次々言及されるといった精神攻撃を重ねかけられ、精神的に追い詰められていく。
最後はヤケになってヒソカを攻撃しようとするも、予め「
伸縮自在の愛」が貼り付けられた右腕をモロに顎に食らう。
そして同じく「伸縮自在の愛」が貼り付けられていた特製カード13枚を食らい、ヒソカの予言どおり踊り狂うようにして息絶えた。
【敗因】
ヒソカは彼の敗因を「容量のムダ使い」と評しており後にウイングもそれを肯定している。
どういうことかというと、前述の通りカストロの系統は強化系なのだが、ダブルの能力は具現化系と操作系に属する。
のみならず、ダブルを肉体から完全に切り離して使うとなるとこれは放出系の要素まで必要となる。
しかし具現化系と操作系は、強化系にとって非常に相性が悪い系統である(特質系の方がより難しいが、特質系は特質系でないと習得できないので最初からないものと見ていい)。
しかもダブルは本人そっくりな姿を具現化、さらには人間と全く同じ動きをするという高度な操作を同時に必要とする。
おまけに具現化系と操作系同士も相性があまり良くなく、放出系に至っては具現化系と相性が最悪。
(一応放出系単体で見れば強化系とも操作系とも相性はいい)
つまりカストロは本人の資質として強化系でありながら、相性の悪い具現化系と操作系に加えて放出系を高度に複合させた技を開発したということ。
ヒソカは個人個人が覚えられる・操れる念能力の限界を「容量」と呼んでおり、
こんな使い手と相性の悪い系統で高難度の技を覚えたカストロは「容量」をほぼ全て使ってしまっていたということである。
ウイングも「彼の虎咬拳(拳法)とダブル自体は見事なものだが、強化系を極めればもっと強くなったはず」と言った内容の発言をしており、ゴンやキルアに悪例として教えた。
後に同じく「
具現化系と操作系と放出系を複合させた技」が登場しているが、こちらはその開発と運用に自分を含めて三人の念能力者を必要としているうえに、
『備品』となる二人は固有の発を使えなくなるというハンディまで背負っている。
とはいえ、こんな容量の無駄遣いな能力でも、精神的な動揺さえ無ければヒソカ相手に善戦くらいはできたはずだったと言われる辺り、
ハンター協会の会長選挙編の基準で見てもかなり上位の実力者であったことが窺える。
普通の強化系の使い手だとダブルは習得できないと言及されているため、ヒソカに将来を見込まれるほどの才能があったことも確かである。
むしろ本来は習得できない分類の、かつ超難関レベルの技を、まがりなりにも習得して短期間で実戦レベルに高めたというのはとんでもないことだといえる。
実際劇中でも「類稀なる才能と絶え間ない修練のなせる技」とダブルを生み出してしまったカストロの才能と努力を評するシーンがある辺り本当に「宝の持ち腐れ」や「才能の無駄遣い」と言わざるを得ない。
後に
クラピカが系統に関する話をした際に、苦手な系統は習得しづらい上に
威力・精度も苦手な分だけ低下すると説明していた。
更に身体・精神状態でも上下するが、誓約・制約無しだと自分の実力相応の能力しか実現できないため、
仮に具現化系に属していて放出系要素を無くしたと仮定しても、誓約・制約無しでは自身より一段劣る強さの分身になっていた可能性が高い。
そのため、強化系の彼が自分の見た目・動き・実力と全く遜色のないダブルを制約なし(同時行動しながら精密操作も可能)で使いこなしていたのはまさに驚嘆するべき話だと言える。
更に付け足すと後にジャジャン拳に対する言及で苦手な系統で威力・精度が落ちてもオーラの消費量は変わらないと説明されていたため、逆算すると燃費も凄まじく悪いということに……。
天空闘技場編は作中初めて「念能力」が登場したエピソードであり、カストロは
「ダメな念能力を覚えたらどうなるか」という例の為の存在。
そしてゴンとの戦いの前にヒソカの強さと念を読者へ教える為の踏み台である。ぶっちゃけた話が
かませ犬。
当初は余裕ぶっていたのに惨めなまでに動揺し、さらには必死の修行で覚えた技を「ムダ」とまで批判されるという残念なイケメンぶりを披露してくれた。
加えて物語中だけでなく、読者にも
- 扱う念と使い手の系統の一致の大切さ
- 自身の能力の特性の把握の大切さ
- 下手に念能力を考えなしに作ったらどうなるか
を非常に分かりやすく実演した、
文字通りの体を張った反面教師である。
◆虎咬拳
両手を虎の爪や牙に模して攻撃する拳法で、達人ならば大木さえも容易く引き裂くことも可能として知られる流派。
カストロ自身の本来の系統が強化系ということもあり、両手にオーラを集めて繰り出すと威力が非常に増大すると思われる。
ただ『分身』で念を消費(AOPの消費)&容量不足に陥っていることから、作中での破壊力は念とはあまり関係が無い可能性が高い。
この仮説が正しければ、カストロは拳法の説明通り念能力とか抜きにしても一流念能力者の肉体を引き裂けるということである。
本編では両手にオーラのようなものが描写されているので、流石に「念能力ゼロ」「完全体術」ということは無いだろうが、それでもこっちに回しているオーラは多分最低限。
それでもウイングが「すばらしい威力」と高評価を下すほどで、「強化系として極めれば随一の使い手になっていた」と評している。
極めれば、単純に
ウボォーギンの如く攻撃が命中したら腕どころか全身がバラバラになるほどの威力になった可能性もある。
同じ強化系であるゴンの『
ジャジャン拳』のように、隣接する系統の性質を加えて更に強化された可能性はある。
変化系と合わせて爪のリーチを長く大きくするとか、放出系と合わせて爪から衝撃波を出すとか、可能性はいくらでもある。
また虎咬拳の殺傷力は十分として、身体能力・機動力を鍛え上げて基本性能を底上げをする、というのもいいかもしれない。
ヒソカが避けられない、罠を仕掛けても対応できるほどのスピードを身につけて、虎咬拳を打ち込めるようにすれば勝ち筋もあった。
パームの『暗黒の鬼婦神』のように肉体の強度を上げれば、必然的に肉体を使った攻撃力も上乗せされるので、身の安全を確保しながら強化も可能。
仮に具現化と合わせるにしても「腕や脚だけを増やす」とかであればメモリの消費は少なく、数本の腕で掴まえて虎咬拳で切り裂く必勝パターンもありえる。
この手足を例えばネテロの『百式観音』のような「決まった動き」、あるいは「一秒のみ」などといった制約を付ければ、拳法としてもはや攻防面で完璧となるだろう。
虎咬真拳
虎咬拳と下記の「分身」を組み合わせ、分身と共に虎咬拳を繰り出すというカストロ独自の拳法。
まず「分身」が攻撃をしかけ、「分身」が作った死角に潜んだ本体がさらに攻撃を仕掛けるという、二人一組によるコンビネーションを生かした拳法で、一人を相手にするならかなり強力。
「念によって完成した真の虎咬拳」と本人は自賛していたが、ものすごくネーミングが単純である為、アナウンサーが突っ込みを入れた。
◆分身
具現化系・操作系(と放出系)の複合技。
衣服も含め
「自分と全く同じ外見・身体スペックの分身」を念で具現化し操る能力。
別名
「ドッペルゲンガー」。
念で出来た分身は実体及び本体と同等の身体スペックを備え、相手に打撃を加えたり、迎撃させるなどが可能。
普段は本体と重ねて二重の攻撃を加えるようにしたり、分離させて敵の死角から攻撃を仕掛けたりと、自身の攻撃を敵に『錯覚』と誤認させる幻惑・錯乱用の能力として用いている。
もちろん最初から分離させて二人一組による連携を駆使して攻撃を行うことも可能なので、単純に強力である。
二人一組で攻撃できることによる奇襲効果を高める為、本体も分身も同じようなひらひらとした服を着て相手の死角を増やす工夫をしている。
ウイングが放出系に言及せず「具現化系・操作系の能力」と評したのは、この二つが強化系から離れた素質ということが大きいのだが、そもそも分離する必要がなければこの二つで成立するためだとも思われる。
本編のダブルのように「体から完全に分離・独立させる」場合は放出系の素質も必要になる。
単純に考えれば2対1で戦えるので非常に便利なのだが、こんな高度で複雑な能力を独学で生み出してしまった結果、欠点がとんでもなく多いことで知られる。
欠点
まず大前提として「人間」のような複雑なモノを具現化し「自由に操作する」には高い集中力が必要なので、
本体が精神的動揺に加えて顎にクリーンヒットを受け脳震盪を起こした場合、分身を出すことができなくなる。
さらに言えば脳震盪までいかなくとも出せなくなっていた可能性は高い。
(まあ
脳震盪なんて起こしたら戦闘できなくて普通なので、弱点といえるかは微妙だが)
さらに具現化するイメージは「普段の自分」であるため、戦闘中に服に付いた汚れや傷は再現することができず、本体と分身を誤認させる「目くらまし」「
影武者」としては(特に戦いが長引くと)あまり役に立たない。
「じゃあ戦闘中に服についた汚れや傷などもイメージするようにすればいいのでは?」と思うかもしれないがそれは戦闘中にリアルタイムで汚れや傷などを完璧に把握して逐一イメージに反映させる必要があり、発動に高い集中力が必要なのにそれを要求するのは
考え事をしながら精神統一しろと言ってるようなもので無理がある。
しかも、
術者であるカストロ自身が能力の欠点に気が付いておらず、あまつさえ勝手に「勝利した」と思い込みヒソカの面前で堂々と能力の詳細をネタばらししてしまったことも完全に裏目に出ている。
このあたりの
「ネタがわかれば強みがなくなってしまう」のもヒソカが批判した点。
オーラはビデオテープに記録される
という性質の関係上、カストロよりはるかに性質を掴みにくいヒソカの能力ですらゴンとキルアは
「凝」の鍛錬を兼ねた修行として
ビデオテープの映像を何度も見返すことでヒソカの能力の性質を見抜いている。
もし同じ条件ならば念による分身であることは即座にバレるため、仮にあの試合でヒソカに勝てたとしてもこれ以降の試合に勝ち続けるには性質がバレやすく、バレると一気に対応策を取られる能力は
天空闘技場で勝ち抜くには不向き
と言える。
このような格闘試合ならそれこそネタがバレようが全く問題ない強化系の基礎能力の方が向いているだろう。
「ヒソカに勝てればもう何もいらない」とまで覚悟を決めた様子もなかったし
ただ、後述するように別に「分身がどちらか」と見抜かれても能力的にはそこまで変化するものではないのだが。
更に付け加えると、師匠もなく独学で念を学んで習得した結果、念能力で重要な要素である制約と誓約が全く施されていないという致命的欠点まで抱える。
後に定番となる「あえて使える場面を限定することで、苦手な系統の能力も扱えるようにする」という応用技術を使用している様子が全くない。
強化系・放出系能力ならともかく、操作系・具現化系能力は制約と誓約が重要な要素として絡むため、余計に拡張性や能力強化要素が失われているのも惜しい所。
また、カストロは制約も誓約も一切設定せずダブルを作った結果容量不足に陥っているため、ダブル発動中は「凝」などの念の応用技がロクに使えなくなっている可能性も高い。
また、他の念獣・念人形を放出・操作する能力者たちの大多数は、複数体を、しかも何らかの特殊能力を伴って操ることが出来る。
しかしカストロのダブルはたった一体、しかも固有の特殊能力がない。
後述の手数云々にしても、そういった多数の手駒を同時に操れる能力者に比べれば劣るものでしかない上、本人自身に虎咬拳という高い殺傷力のある攻撃手段がある以上はただ単に手数を二倍にするよりも本人の虎咬拳をいかにして強化・命中させるかに絞った能力を作るなど、戦闘能力を向上させるなら手数に頼るよりもマシな選択肢があったはずである。
ダブルは手数を二倍に出来る能力かもしれないが、そこ止まりでしかないのだ。
(ただし異論あり。後述)
ちなみに平時に関しては忍び寄った
キルアをあっさり察知しているため、ダブル使用中でなければ応用技もある程度は出来ると思われる。
以上のことがヒソカを完全にガッカリさせ、カストロへの興味を失わせてしまったため、彼に容赦なく命を奪われる大きな原因となった。
長所
欠点が先に書かれたが
「自分そのものを一人増やす」というのは上手く使えば戦闘・非戦闘を問わず戦力2倍以上の結果をもたらす可能性が高く、一概に弱いとは言えない。
実際作品内でも「念獣」や「念人形」など、カストロの分身とは違った形の分身を作って操る念能力者がチラホラ出てきているため、アイディア自体が有用であったことは間違いない。
能力を見せつけられた際に
「ドッペルゲンガーというやつかい?」と、特に驚く事もないヒソカの冷静な口ぶりからも、念能力者の間ではわりとポピュラーな発想であることがうかがえる。
「自分自身の姿」というのも、
クラピカの具現化系の修行から推察して「多くの具現化系能力者にとって最も具現化のイメージがしやすいのが自分自身なのでは?」という考察もある。
彼は念能力習得以前から拳法家であったため、分身を作るのに自分自身ならなおイメージはしやすかっただろう。
誤認性は失われても、集中力さえ保てれば自由自在に出し入れ可能&二対一に出来るのは単純に強力であり、思考面でも常にダブルがいる・いないの2通りの状況判断を強いられるのはかなり煩わしいと言える。
肉体スペックも本体と遜色ないため攻撃の幅も飛躍的に高まっている。
本体の意のままに操作できる以上、連携攻撃もしやすいだろう。
ボマーが登場した際、「大勢で掛かればボマーの制圧も簡単では」という意見に対して「先頭に立って掛かる者は少ない」ということで不可能と言われる場面があるが、ダブルはそんな恐れを抱かないし、レイザー戦のキルアのような無茶な連携技を頼まれても問題ない。
ヒソカ戦の序盤のような、擬似的な四本腕の攻撃、分身の影からの奇襲といった絡め手の攻撃もできている。
キルアに対してやって見せたように、分身をあらかじめ展開しておき、そっちに気を取られた侵入者の不意を突くという芸当も可能(天空闘技場の試合形式では使えない技だが)。
「欠点」のところでは「特殊能力がない」「出せる数は一体のみ」と言われているが、「本人と非常に似ている」の他にも、
「ダブルが『虎咬拳』を使えるなど運動能力・精度が非常に高い」という点は十分強力である。
同じく分身を使う『
縁の下の11人』は数こそ多いが、その精度や強度・能力はカストロのダブルとは比較にならないほどお粗末だった。
もちろん
盾に使うこともできる。実際、死の寸前には迫り来る
トランプに対して分身を出して盾にしようとしていた。
…が、これも致命傷レベルのダメージを喰らうと使用したオーラが戻ってくるわけではない。
更に付け足すとまだオーラの余力があってもその戦いの間は使えなくなる可能性が極めて高い。
一度ヒソカに分身を撃破されても当然のように分身を繰り出していたことから、この時はそうした設定が固まっていなかった可能性も高いが、後の様々な設定を考えると低燃費で無制限に分身を生み出し続けられるとは考え難い。
(オーラ量が
常人の数倍多いとかでもなければ)
ヒソカが問題視した「メモリの無駄遣い」も、「制約と誓約」を付けていたらそのぶん容量も軽くなり、さらなる発展性を持たせられた可能性も一応はある。
ゴンやネテロといった作中に出てきた強化系能力者も単純な肉体強化だけではなく戦闘における選択肢としての能力は持ち合わせている。
ただし、こちらもこちらで「基礎的な鍛練を怠らず」「制約と誓約を用いて」「自身の特性にあった能力」を付与しているので、やはり基礎がしっかりしている事が大前提である。
同じくヒソカに指摘された「どちらが本体か見破るのは容易」という点も、見破られたところで分身の攻撃力や運動力や操作性が落ちるわけでもない。
カストロ自身もそれまで戦った他の200階の念能力者にダブル無しで全勝なので、ヒソカといえども素の体術で対応したら余裕で捌ける相手ではない。
もっともヒソカがあの場において素直に体術で応じるわけがないのが難しいところだが。
このように「誤認による奇襲作戦」が出来なくなっただけなので、種明かし後であろうが本領発揮できていればヒソカでも油断出来る相手ではない。
ヒソカ戦での敗因は能力以外にも、相手の話術に翻弄されて「冷静に戦う」ことができなくなったカストロ自身の精神的な脆さが深刻だったと言える。
例えば直接敗因となった「顎を含む全身にガムを貼り付けられた」事についても、冷静に凝を使えば見破れたと記述されている。ここにはカストロの「相手の挑発に乗せられやすい」という精神面の問題が指摘される。
…もっとも、それがヒソカの狙いだったので敗北は必然だったとも言えるが。
以上のように作中の「冷静に戦えばヒソカに善戦くらいはできた」とは大きな欠点が多々あるにせよ、この使い方(連携)と精神部分も重要だったと示唆されている。
逆に言えば勝機があったとすら書かれていないので現段階の実力及び、この能力の向上の余地の無さと正々堂々戦う天空闘技場という場での対抗は難しかったと思われる。
もし彼が、確かな念の指導者に師事し、念能力の原理・詳しい知識・基礎能力をきっちり鍛え込んで「分身」を作っていればより凶悪無比な念になっていたかもしれない。
彼の場合、
- 「強化系を極めた虎咬拳の達人」
- 「より具現化の完成度を高めた分身の達人」
のどちらの道を歩んでも超一流の念能力者となりうる才能があり、しかもその才能を実らせるだけの努力や頭脳も充分にあった。
あれだけ分身と虎咬拳を駆使しても、戦闘中は体力を失った様子も虎咬拳が衰えた様子もなく、オーラ量も多いと思われる。
【余談】
闘いをよく見ると囮役や単身突撃する際など
危険が及ぶ役回りは常にダブルの方で、自分は基本的に安全な位置から攻撃している。
無論、攻撃されても死なず出し入れも自在のダブルで仕掛けるのは常套手段であるが、選択肢を狭めるのでヒソカの様なハイレベル相手には愚策と言える。
(別作品だが、実体のある分身の術を得意とする
うずまきナルトは、分身をあえて後方において本体であるかのように見せかけ、自分自身が攻撃を掛ける、という場面が何度かある)
頼みの綱だったダブルの弱点を見切られ、本体の自分を凝視されるなり慌てて攻撃した辺り、カストロは
ヒソカが怖くて仕方なかった可能性が高い。
強化系は単純一途な気質の者が多いとはいえ、その彼が「とにかく真っすぐ正面からぶつからないで済む」効果を求め、それに固執し続けた辺り、多分にこの理由が含まれていると思われる。
そりゃ怖いのも分かる話だけれど。
- ↑すまん、後半の強度云々は連携技に対してね。 -- (名無しさん) 2024-06-29 10:20:58
- 強化系(カストロの系統)が変化系と相性が良いことを考えると、デスペル・デバフ効果のあるオーラを纏いつつ殴るというのがヒソカ対策にもなるし応用も効く。まぁ独りでこの結論に達するには無理があるが…。 -- (名無しさん) 2024-06-30 12:21:00
- 「ヒソカを恐れて直接対決を避ける能力を作った」は流石に妄想が行き過ぎてる気がする。ダメージ関係ない分身を囮に使わない方がアホだし。特に作中にそんな描写もないし。 -- (名無しさん) 2024-06-30 13:06:36
- ダブルの能力は強いし、カストロの使い方も模範的なんだけど。ヒソカによればありきたりな発想だし、何なら何人も返り討ちにしてそう。たぶんベテランハンターにも通用しない。まあカストロ自身、ハンターになるつもりはないだろうが。 -- (名無しさん) 2024-07-14 11:17:14
- 発想が悪いってより、念の系統の相性とかを理解してなかったのがね。まあ豆腐メンタルな時点で念使いとして大成は難しいと思う。 -- (名無しさん) 2024-07-24 14:58:19
- これ、強化系として自分の脚力に振って捉えられない超スピードで動けるようにして、分身の再現度をずっと落とす代わりに数を増やし、ファンネル同時攻撃みたいに使えば強かったよね。ネテロと同じく制約で発現を一秒ぐらいにしたら更に強くなるし、誓約も「自分が本気で恐怖した相手のみ」とかでもかなり限定されるからメモリも稼ぎようはある。 -- (名無しさん) 2024-07-24 16:02:03
- クロロが「天空闘技場で」「分身能力を使い」「ヒソカを殺す」を達成したからますますカストロの立場がない。一番死体蹴りしてるのは作者。 -- (名無しさん) 2024-09-04 21:19:47
- 一番立場が無いのは作中でも作外でもボロクソ言われてるキャラが舐めプせずに首狙ってきてたら油断したまま死んだヒソカ -- (名無しさん) 2024-09-04 21:30:11
- ていうか、ヒソカもカストロもお互いに相手の過去の試合を見たりしていなかったのだろうか?ヒソカは楽しむためにあえて見なかったかもしれないけど、カストロは過去のリベンジのためにも是が非でも見ておくべきだったのでは?過去の戦歴からしてまともに戦っていたようには思えないけど、「たとえ全容が分からなくても、相手の過去の戦いを見て少しでもヒントを得る」なんて念能力のバトルじゃなくても、対戦相手がいるなら必須だと思うけど。 -- (名無しさん) 2024-09-27 06:39:22
- ↑カストロの性格を考えると1・2回は見直して「いま修行している能力(ダブル)が完成すれば問題ない」と十分対策していない可能性が高いでしょうね。そういう意味でも師(パートナー、セコンド)となる人物がいないというのは大きいよな。仮に念が見えなくても対策なり分析をしてヒソカに善戦できただろうし。 -- (名無しさん) 2024-09-27 11:13:53
- ↑2そもそもカストロってヒソカ戦までダブルを温存してるから能力は知りようがない -- (名無しさん) 2024-09-28 10:26:05
- ふと思ったが、「ドッペルゲンガー」というのは「術者がリアルタイムでコントロールする系の分身」だったりしないだろうか。この時点で作者がどれだけ練っていたかは知らないけど、念で人形を創り出す、というのはさほどレアでもない印象だから、ヒソカのリアクションとちょっと合わない気がする。他の念人形使い見たく事前にある程度命令を仕込むのが基本で、常時術者が操る系は珍しいんじゃなかろうか。 -- (名無しさん) 2024-09-29 13:49:51
- あ、常時操作ってのはあくまで予想で根拠はないから、そこが気になるなら流しといて。 -- (名無しさん) 2024-09-29 13:52:10
- 今見返してみるとなんかアミバっぽいんだよなカストロ、キルアの背後を取った時とヒソカと戦ってる時とでキャラが違うっていうか急に弱くなったような印象があるんだよね -- (名無しさん) 2024-10-09 23:28:48
- 作中でも言われているが才能はあったんだよな。人並の独学強化系では真似しても諦める所を、有り余る才能からダブル作れちゃったのが悲劇…。 -- (名無しさん) 2024-10-17 20:52:30
- とりあえず、長所と短所の中で「向こうの意見ではこうだが」って入っている構成は修正しない?そういうのは総評を新たに用意してそこに書くとか。 -- (名無しさん) 2024-10-26 11:09:57
- NARUTOの右近左近みたいな能力にすればよかった感がある。掴んで虎咬拳できるし腕を念の腕でガードすればヒソカのガムも効果なくなるだろうし。 -- (名無しさん) 2024-11-11 12:25:48
- 烈海王みたいに異世界でやり直すカストロさん二次創作か、ヒソカにボコられて念の修行を始めたばかりのカストロさんに転生する二次創作ワンチャンないかな、ないな -- (名無しさん) 2024-11-12 22:12:50
- 方向性のセオリーからはずれてでも環境入りし得るような電波な育成論ってゲームとかでもたまに発掘されるけど念にもそういうの実はあったりするのか・・・? -- (名無しさん) 2024-11-23 07:31:06
- のちに出てきた似たような能力もってるゴレイヌさんは、再現が容易いかつシンプルに腕力のあるゴリラ使ってたのが賢いよな。なんでえらんだのがゴリラなんです?って疑問はあるが -- (名無しさん) 2024-12-13 08:46:24
- ↑2念空間はそれにあたるかな。単純にセオリー外しているだけでは普通にダメだけど。 -- (名無しさん) 2024-12-13 09:04:26
- ↑2「具現化するのはイメージが重要」と書かれているから、ゴレイヌの場合はゴリラが身近だった・単純に好きだった可能性が高い。カストロの場合はシャドーボクシングなんかで自分をイメージすることが多くてそのままダブルにつながったのかも。ちなみに作者の富樫先生も「絵が上手くなりたければとにかく描け」とおっしゃっているから発想の源なのかも。 -- (名無しさん) 2024-12-13 11:07:23
- でも師事なく独学で無茶なスキル構成をここまで形にできるって、才能は本当にすごかったんだろうな。ヒソカとの再戦までそんな十年とかあったとも思えないし、完成までも早すぎる。 -- (名無しさん) 2024-12-28 02:49:27
- ↑下手したらゴン・キルア以上の才能だからな。ただ独学だから突っ走って本来なら何年もかけて完成させる能力がグチャグチャになっている。仮に誰かに師事していたら素直に強化系に進むかタブルを修得するにしてももっと柔軟性のある能力にしそう。 -- (名無しさん) 2024-12-30 12:20:08
- 念獣にも強化系の威力が出てるから初見殺しの必殺としてこれぞ念能力って感じで機能してるからそんな失敗扱いするほどとは思えんな -- (名無しさん) 2025-01-10 21:39:26
- ハンターハンター関連の記事って考察という名の長文妄想が多いよね -- (名無しさん) 2025-02-04 19:12:42
- 1回目に負けた時ですら、ヒソカからダウンポイントとか取ってんだなら、愚直に強化系鍛えてりゃシンプルに強かったんだろうにな -- (名無しさん) 2025-03-04 14:24:12
- 散々言われているが、惜しむらくは彼の「才能」を正しい方向に導ける存在が周りに居なかった事だな -- (名無しさん) 2025-03-06 12:26:04
- ヒソカが驚いてたのって分身が凝や堅使用してて見分けつかなかったことだと思ってる さすがにオーラの攻防力移動などを分身に使わせることができる念能力者は他にいない まあその分本当に影分身のようにオーラ総量を半分渡して分身が破壊された場合回収できなさそうだが -- (名無しさん) 2025-03-17 11:55:44
- ゴンやキルアは運が良かった 優れた指導者に出会えてるし -- (名無しさん) 2025-03-17 12:05:27
最終更新:2025年03月06日 15:28