念能力(HUNTER×HUNTER)

登録日:2011/11/10 Thu 05:41:05
更新日:2025/04/23 Wed 07:39:03
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念能力とは『HUNTER×HUNTER』に用いられる設定・能力のこと。

この設定・能力により『HUNTER×HUNTER』の戦闘は単なる殴り合いでは終わらず、作品を語る上では欠かせない魅力的な要素の一つとなっている。



【概要】

作中で初めて言及されたのは天空闘技編からだが、それより以前から念能力による現象が何度か描写されている為、比較的はじめのほうから作品世界観に組み込まれていたと思われる。

ある程度の戦闘能力も求められるプロハンターにとっては不可欠なものだが、予め試験項目として組み込むとハンターになるべきではないタチの悪いハンター崩れ犯罪者が大量発生する恐れがあるので、
大抵はプロハンター本試験の後、心源流という念能力を体系化した流派に師事することで修得する。*1

このプロセスを「裏ハンター試験」と呼んでおり、ある意味表の試験より重要視されている。
「裏試験」の存在はハンター試験終了直後に明らかになっているため、ある意味でここが念の初言及とも言える。
念能力のないハンターは、ライセンスを持っていても当てにされることはない。
それに加え、心源流の修行法として方便の(ネン)が存在する。

《念能力》

誰もが生まれ持っている内に秘めている力、オーラと呼ばれる生命エネルギーを自在に使いこなす能力。
オーラは体中にある精孔(しょうこう)から出すことが出来るが、生命エネルギーを下手に漏らすとすぐ死んでしまうため、普段の状態では「精孔」は閉ざされている。

「精孔」を開く方法は、様々な修行を積むことで自然に開くのを待つ方法と、「オーラによる攻撃を受ける」などで無理やり開く方法(外道の方法)がある。
しかし前者は安全だが何年・何十年という途方もない時間がかかることが多く、後者はすぐに目覚めるが重篤なダメージを受けてしまうケースが少なくなく、どちらも短所のある方法。

危害を加えないと信頼できる念能力習得済みの人物に協力を仰げるのであれば、上記2つの中間である「手加減したオーラを流し込んでもらう」という比較的穏健な方法でオーラを目覚めさせることが出来る。これがある意味最善の方法である。
ただしこれにもデメリットが無い訳ではなく、目覚めてすぐの状態はオーラが制御不能で垂れ流し状態になるため、すぐにコントロール技術を身につけなければオーラが枯渇して倒れてしまう。
作中この方法で念を会得したゴンキルアはコントロールのコツをウィングから言葉で教えられてすぐにコントロールに成功しているが、
これは単にこの2人が「1000万人に1人」と言うほどの素質を持っていたからできたことであって、常人ならば危険な方法であることに変わりはない。

逆に、協力者でない念能力者に何も知らぬままに出会ってしまった場合は最悪である。
念能力者と敵対して戦闘になった場合、基本的に「害意を持って」念能力による攻撃を対策無しで受けることになるため、念能力は目覚めはするだろうが、大抵はそれ以前に死亡し、運良く生き延びても身体の一部欠損などの重大なダメージを受けることになる。
この方法で念能力を目覚めさせていたキメラ=アントは人間に比べてけた違いに頑丈であるために五体満足で生き延びられた個体が多い。
また邪念は更なる邪念を招きやすいらしく、そういった危険性からもこの方法での習得は警戒される。

暗黒大陸編ではクラピカが念能力の基礎がない者に、1週間程度で肉体的なリスクもなく覚醒させる離れ業を見せているが、これはクラピカの「他人に念能力を貸し与える能力」とビルの「成長を促す能力」の組み合わせによる裏道的ルートであり、一般的な能力習得の過程とは比較できない。

「精孔」が開いていない人にとって、オーラは「生ぬるい粘液のような、見えないぶよぶよが皮一枚隔ててあるような肌触り」がするらしい。あまり気持ちいいものではなさそうだ。

オーラはただ放出している状態では物体を通過させることが可能*2、そのため屋内から屋外への探知や攻撃と言った芸当も可能だが、後述の能力の制約上、物質を完全無視して自由自在に念を操ると言った芸当は難しかったりもする。
オーラ自体も気配を発しているため、オーラを荒く放出したり、貯めている時は遠くでも気配を感じられるし、逆にオーラを放出していない時や静かな時は近くでも気配を感じにくくなる。
ただし、流石に物質中のオーラについては気配を感じ取りにくくなるらしい*3

達人なら相手のオーラに触れることで力量をかなり高い精度で把握できるといった性質もある。

ちなみにオーラは カメラに映りビデオテープに記録される という性質があるようで、才能があるとはいえ基礎訓練中のゴン達ですらヒソカの試合のテープを凝で見ることでオーラの性質を看破していた。


【四大行】

念能力における「基礎中の基礎」「基本技」とも言える。
基礎だからと言って馬鹿には出来ず、基礎の練度=念の強さと言っても過言ではない。
基礎が碌に鍛えられてない者は高確率で敗北に直結する他、例え後述の「発」が戦闘に全く向かずとも、基礎の練度の高さによっては戦闘力を完璧にカバーできる。
そもそも基礎が固まってなければ戦闘の重要要素である応用技がボロボロになるし、「発」によって実現出来る現象の程度も変わるので、やはり基礎は大事。

(テン)

肉体から微弱に流れ出ているオーラを肉体の周囲に留める。
オーラ攻防力で表すなら全体10の状態。

念能力者としては最も自然な状態で消費もない。
そのため念能力者が一般人に偽装する際はわざと微弱にオーラを流す技術が逆に必要になり、こちらも使い手により出来栄えに差があるとのこと。

生命エネルギーの垂れ流しを防ぐため、これを習得した時点で「若さの維持」「防御力向上」「寿命がかなり延びる」等の効果もあると思われる。

(ゼツ)

肉体から体外に流れ出るオーラを一切絶つ。
結果的に気配を消し自然治癒力を底上げする*4
狩りなどで気配を消す経験を積んでいると知らず知らず会得しているケースがあり、気配に敏感になる効果もある。
ただし追跡の途中で使うと、突如気配が消えたことになるため念能力に長けている人にはかえって怪しまれる。
攻防力は全0。

勘違いされがちだが、あくまで「体外にオーラを出していない」だけであり、念能力の全てが使えなくなるわけではない。
主に自分自身を対象にしたタイプの能力ならば使える場合もある。
ただし、「相手を強制的に『絶』にする*5」ような能力を食らった場合は、一切の念能力が使えなくなる模様。

(レン)

オーラを練り通常時以上のオーラを生み出す。
基本技術だが未熟な者だと、例え強化系であろうとも完了までに時間がかかる上に増加量も大したことがない。
出来栄えで念能力の練度もある程度分かり、これでゴンとゲンスルーは互いに練度の差を早々に理解した。
念を用いた戦闘は基本この状態がニュートラル、攻防力は全50。

ハンターのスラングで「『練』を見せろ」というのがあるが、これは「修行の成果を見せろ」と言う意味なので、この場合求められるのは後述の「発」や実力が分かる行動。

(ハツ)

オーラを自在に操る念能力の集大成。
俗に「必殺技」「特殊能力」「固有能力」等とも称される。
一部の例外を除けば後述の術者の属する系統を基にした能力を生み出すのが道理。

「発」つまり固有能力は「攻撃」「防御」「治癒」「補助」など人それぞれ千差万別であり、念の戦闘が単なる特殊能力による殴り合いの強さでは決まらない最大の要因となっている。
自身の系統と合致していれば最適だが、この「発」はその人間の好みや性質に大きく左右されてしまうため、そちらに引っ張られて理想の系統をベースとした能力とはかけ離れた「発」を修得してしまう失敗例もままある。
我流で念を覚えた際に最も失敗しやすい技術。

豊かな才能の持ち主ならば後から能力の条件付けの付け足しなどの応用も出来る。

【応用技】

基本技となる四大行を応用した高等技術。
一部はこれらの応用技を更に発展して用いる。
これらの練度と精度が念の戦闘力に直結する。

(イン)

「絶」の応用で高等技術。
「絶」が精孔を閉じて体からオーラが出ていない状態にするのに対し、こちらはオーラそのものを見づらくする。

強いオーラを発していても相手には見えにくくなると説明されていることから、オーラを薄めるとかではなく文字通り隠す技術であり、オーラの強さは維持される。
なので、「伸縮自在の愛(バンジーガム)」のように体から離れているものに対しても実行できる。
ウボォーギンは隠と土煙を併用してクラピカに接近したことから、目視のみならず気配も察知しにくくなる模様。
強襲や騙し討ち等に用いられる。

(ギョウ)

「練」の応用。
肉体の一部にオーラを集中する。

武器や身体の一部に「凝」を施せば攻撃力が大幅に上がるし、目に「凝」を行えば「隠」で隠されたオーラや物質に宿ったオーラを見抜く事も可能。
念戦闘で情報不足の敵と対峙した際の常套手段。
一般的に「凝」と言えば「目に『凝』」を指すが、目以外に集中させるのも「凝」ではある。

(エン)

「纏」と「練」の応用。
通常は肉体の周囲にあるオーラを円状に広げる。
「円」の圏内全てが触覚として機能する、一種のレーダー。

オーラはもちろん、ただの物質も感知可能なので「絶」も感知出来る。
広範囲で使える能力者は疑う余地無く念に長けた実力者なので、その時点で強者だと断定出来る。
しかし、得手不得手が大きく出る技術でもあるため、逆に「円」の範囲が「小さい」「使えない」からといって弱いとは一概に言えない。

便利な技能ではあるものの、扱う上で難点は多い。
まず、「円」で収集する情報の精度には練度に応じた個人差がある上に、膨大な情報を大抵は無差別かつ雑多に拾い上げてしまう。ノイズとなる余計な情報を選り分け精査するには、それに特化した適性と練度が欠かせず、常に神経を削られる作業を求められる。
更に、「円」を使うには自身のオーラを広範囲に拡散させて肉体を守るためのオーラが著しく減るため、先天的に膨大なオーラを備える能力者でない限り、「円」の使用中は無防備な状態を晒し続けることも意味する。
しかも、「円」のオーラに触れたのが一端の能力者であれば、誰かが「円」を使用中だということくらいは容易に分かるので、敵対者にも自分が無防備な状態にあると喧伝するに等しい。

広範囲を探る間も異変や危機を明敏に察知出来る洞察力や勘、それに加えて有事には拡散させたオーラを瞬時に戻せる制御能力が無ければ、徒に身を危険に晒すリスクを抱える技能である。

(コウ)

「纏」「絶」「練」「凝」を複合した応用技*6
体中のオーラを一カ所に集め、それ以外の部分を「絶」で塞ぐ。
攻防力は「一カ所100」「他0」と極端になる諸刃の刃。

ゴンはウイングの「教えたこと全部を同時に見せなさい」というヒントから自力でこの応用技に辿り着いたため、深い思い入れがある。

(シュウ)

「纏」の応用。
道具類を肉体の一部としてオーラを纏わせ、物質の強度や機能を大幅に底上げする。

例えばスコップに使えば岩をプリンのように掘り進める。
ただし、体にまとわせるだけに比べると体力の消耗が激しい。
ヒソカ、ノブナガなど得物を用いて戦う術者は基本使用していると思われる。*7
消耗が激しいからか他の理由もあるのかは不明だが、体術がメインである者が多く、意外と作中での使用機会は少ない。
ウボォーが物に強く念を込められるのは操作系か具現化系と推測していたことからも、結構難儀な技術なのかもしれない。
さらに「硬」との併用により、刃物の先端等の一か所に全オーラを集中する使い方もあるが、当然ながら難易度と消耗はさらに跳ね上がる。

(ケン)

「纏」と「練」の応用。
「練」を維持し続けて、全身を通常時以上のオーラを用いて防御する、攻防力は全50。

念戦闘における防御の基本でこれを長時間続けられることが実戦では求められる。
しかし「堅」の維持=凄い勢いでオーラを消耗し続けるということであるため、術者のオーラ総量が最大の問題。
技術でどうにかなるものではないので、どれだけ才能があろうとも成長には時間が必要。

(リュウ)

「凝」の応用。
「練」や「堅」のオーラ攻防力全50の状態から状況に合わせて攻撃部位や防御部位にオーラを移動させるオーラ攻防力移動技術。
念戦闘での攻撃・防御の基本であり、奥義

未熟な者の場合、例えば片方の腕でフェイントをかけてからもう片方の腕で本命となる打撃を入れるつもりの時、
  • フェイントをかけるつもりが本命の方にオーラが集まってしまっていてフェイントの意味を為さない
  • フェイントの段階ではフェイントの腕にオーラを集めていたが本命の打撃をする時までにオーラの移動が間に合わず本命の打撃でダメージを与えられない
と言ったことが起こる。

また、「相手に身体のどの部位を攻撃されるか分からないが、攻撃を防ぐには攻防力70以上が必要」だと予想される時、未熟な者は相手の攻撃を見てから狙われている部位にオーラを集中させても間に合わないため、攻撃を防ぐには全身を攻防力70以上の堅のままで戦わなければいけないという非効率な戦いを強いられる。

これらを防ぎ、かつ十全に技術を活かすための技術が「流」である。
この技術が高ければ、前者の例なら本命の攻撃を繰り出す直前までオーラをフェイントの腕に集めて相手を確実に騙し、本命の打撃を入れる瞬間にだけ本命の打撃に十分なオーラを集中させる。
後者の例なら通常時は全身30程度の負担の少ない状態でいて、攻撃を受ける瞬間の攻撃を受ける部位だけ攻防力80にすると言った無駄のない運用が可能になる。
またこれを十全にこなすには「流」のみならず、体術や自他のオーラの読み、フェイントや不意打ちのタイミングや箇所に対する反射や勘なども必要になるので非常に奥が深い。
極限まで鍛えた術者ともなれば一切相手にオーラの流れを先読みさせず、オーラの移動を穏やかかつ完璧に行うことが可能。

似たような無駄技術として、オーラのいぼを操るという遊び(通称「イボクリ」)がある。
また、オーラを文字にする、という技術もある。これは変化系の簡単な技(系統別の修行法)でもある。

【方便の「燃」】

○点

頭の中で目標を定める。

○舌

目標を口に出す。

○錬

想いを高める。

○発

高めた思いを実行へと移す。
錬(想いの強さ)で勝れば発(実行)に移さずとも相手は怯むという理屈で、発=ハツ=「ハッタリ(発に足りる)」という言葉の語源。(もちろんこの説明自体がハッタリ)

これは念能力を教えてはならないと判断される相手に秘匿するための嘘だが、念の習得に向けた精神鍛練となるため完全な嘘ではない*8

作中では天空闘技場にてズシの異様なタフさの秘密を探ろうとしてきたゴン・キルアに対し、ウィングが誤魔化すために説いたのが初出。
この時、ウィングは説得力を持たせるために倫理的にも実力的(キルアの見立て)にも実行できるはずが無い「二人の殺害」をテーマに実際にやって見せ、舌の段階の「君を殺す」からの錬による圧倒的な殺意はキルアを瞬時に天井の隅に避難させるほどの威力を発揮し、これに関しては二人はとりあえず納得せざるを得なかった。(直ぐに想いだけであんなのは不可能だと怪しまれたが)

先述のように、大抵はハンターライセンス取得後に念の存在を知る。
あるいはハンターでなくとも誰かに師事して教わっている場合が多いのだが、極僅かながら無自覚に念能力を修得している者も居る。
そうした場合、本人も念能力だと自覚しないうちにいきなり「発」のみを扱う者が多い。
そういった者は世間で「天才」「超人」と呼ばれる。

また、こうした「天才」達は、流派として基礎から学んでいないどころか念の概要を大抵知らないため、修得状態が歪になり得る。
上記のように発のみ扱う者は勿論、「堅」は恐ろしく高度なレベルで出来るが、「絶」や「流」は酷く未熟な者。
もしくはそもそも「凝」の概念すら無い、といった具合。

名のある「天才」の作品や遺品に念が残留することも多いため念能力者ならば「掘り出し物を見つける」という使い方も可能。

なお、ファンの間でよく見られる勘違いに、出会い頭に「凝」を怠る奴は未熟者というものがある。
これは、闇雲に「凝」を使ってもオーラの無駄・配分への影響が出るので、心源流では「"違和感を覚えたら即座に「凝」を行え"と教えている」のが正しい*9
実際の念能力者同士の戦いでは
  • 「凝」を使わせないようにする意識誘導
  • 別の対象に「凝」を敢えて使わせて全て看破したと油断させ、物理的に視認し難くした本命を隠す目くらまし
  • 「凝」を使わせてオーラの薄くなった部分を攻撃
等のように、「凝」による看破に対策を練ったり、逆に利用する戦術もあるため、全ては状況によるもので正解はない。


【系統六性図】

人それぞれ得手不得手があるように念能力にも得手不得手が存在する。
術者は生まれつき必ず後述の系統のどれかに属している。
ただし、属していると言ってもあくまで「どの系統に最も近いか」であり、同じ強化系でも放出系寄りの強化系、変化系寄りの強化系など同じ系統であっても得意分野には差がある。
系統図の完全な中間点に属するような能力者もおり、キルア(変化系と強化系)やクラピカ(具現化系と特質系)のような主要人物にも見られる。中間点に属する者は2系統の能力を効率的に取得することができるとされ、実際にGI内の石割り(強化系修行)でキルアはゴンよりも多くの石を割ることができている。
中間であるため、例えば具現化系と変化系の中間でも具現化系に属する者(カイト、ツボネ)と変化系に属する者(ハンゾー)の両方が存在する。
中間に位置する者は生来の系統のみを長期間鍛えることにより、生まれ持った系統へ適性を寄せることができる。
下の図は系統の相性を表しており近ければ近いほど得手、遠ければ遠いほど不得手。



/  \
放      変
|  発  |
操      具
\  /


強化系

オーラを用いて武装の性能や生物の身体機能を強化する。

上記の「基本技」「応用技」各種の延長線上にある系統で、他の系統と比較すると強化系の「発」はやや地味だが、独楽の回転の強化・維持なども強化系である。
「特殊な効果の『発』」「複雑な『制約と誓約』」に頼らなくても、「基本技」「応用技」を鍛え上げるだけで戦闘力を十分強化でき、隣接する変化系と放出系も高い精度で覚えられるので遠近問わず隙が無い。

攻め・守り・癒しを最も効率よく補強できる為、単に戦闘目的だけなら最も安定している、というか一強と言われている。
これは単純に強化系を極めただけでも防御が桁違いに上がるため、他の系統だと中々攻撃を通せなくなるため。
更に単純な肉体強化だけでも通常の投擲などを一撃必殺の威力にすることが可能なので、仮に他の系統を伸ばさずとも戦い方次第では正しく隙が無い。
オーラ量が上回る同じ強化系が相手でも体術で上回っていたり、「堅」「硬」「流」を上手く使いこなせれば単純な殴り合いでも勝ち目が十分生じると思われる。
ウィング曰く「特別な能力や制約を付けなくても基本的な修行を積んでいけば念能力者として大成する」

そのため自己強化の能力者の奥義は全員共通して「流」である。
「走り出す際は足」「攻撃を受ける際は被弾面」「攻撃を当てる際は打撃面」、そして過程においては必要な個所に、瞬時に且つ滑らかに、オーラを集約することができれば強化系の身体能力は他の系統とは桁違いのものとなるだろう。
固有能力の熟達にも容量を割かねばならない他系統と違い、オーラの本質たる強化一点絞りゆえの性質と言える。

一方、単純なだけに攻撃力・防御力を無視できるような能力には弱く、搦め手や特殊効果持ちが多い具現化系や体の自由を奪いやすい操作系が最も苦手ともされ、術者も直接戦闘に特化してしまうため当然ながら搦手には弱くなる。
加えて強化系だからといって慢心していると五感を封じられるなどの異常事態に陥った途端一気に精彩を欠き、まともに行動できなくなるといった事例も起きやすいとされる。

作中に登場する念能力者の大半が戦闘を生業としているためか基本的には何かしらの自己強化を行う能力者が多いが、「他者を回復する」などもこの系統になる。
クラピカ曰く、男性の強化系で補助系の能力者は希少らしい。

また、強化系によって高められるのは身体能力のみならず五感にも及ぶらしく、例えばドッグマンは嗅覚を強化することで念能力系統の判別が可能になる補助能力を得ている。
明言こそされていないが強化系能力者にもかかわらず「水晶を介して対象を監視する」という一見強化系らしくないパームの「淋しい深海魚(ウィンクブルー)」も、超感覚の強化の範疇だった可能性がある。
他にも「冨樫義博展」において強化系能力に目覚めたと明言されたコムギも「新しい手が湧き上がってくる」の言からして、脳に作用させることで知能の強化も可能なようだ。


変化系

オーラの性質や形状を変化させたり、特殊な性質を付与する。

自系統だけで応用が利く能力が作れる上に強化系の隣なので安定して戦闘にも強く、強化系の欠点である搦手への弱さも、ある程度補える。
強化系も得意としているので、複合して強化や治癒能力を兼ねた何かなどにも向いていると思われる。
能力の例としては電気やゴムの性質を持たせたオーラなど。
ゴンの「ジャジャン拳」の様に単純に鋭い刃にするだけでも中距離対応の切断攻撃が可能となるなど、全体的にトリッキーな攻撃になりやすい。

ただ放出系はやや苦手としていることもあり、中~遠距離には対応させにくい可能性がある。
例えば作中ヒソカやマチはオーラを伸ばすことで遠距離にも対応しているが、体から一端離すと途端に低精度・短射程になる。
具体例としてヒソカの場合は体から離すと10m程度の伸縮が限界と解説されている。
また一見トリッキーな能力に向いているかと思いきや、操作系を最も苦手としているので使い勝手は良いものの力業になりやすい傾向にあると思われる。
事実作中に登場する術者はオーラを「電撃」や「火薬」などそれ自体に攻撃力のあるものに変化させるか、攻撃力は無いが自身の身体能力でカバーするという方針を取っている者が多い。


放出系

オーラを放出する。
正確には、オーラが体から完全に離れた状態でも放出時に与えられた性質を維持する。

この系統が得意かどうかで、消費量に対して実際に放出したオーラの「割合(量)」「持続距離」なども影響を受ける。
瞬間移動も基本的にはこの系統に属しており、安全な特定地点に飛ばす程度ならゲーム機に「発」を行う条件程度でも可能な難易度*10

放出時に特定の命令を与えておけば、オーラが尽きるまでその命令を遂行させることができ、得意とする操作系能力と併用することでより幅が広がる。
ただ「オーラを放出する」だけでは能力に幅がないので他の系統と複合させたいのだが、ここで問題がある。
  • 強化系との複合では「強力なオーラを飛ばす」単なる飛び道具程度の能力にしかならない*11
  • 操作系との複合で離れたオーラを操作するのが主目的なら、操作系能力者が射程はやや短くはなるが高精度になる
そのためか劇中では他系統の念能力者によるコンボ用パーツとしての登場が多い。
他にも命中精度の低い打ちっぱなしのような能力だと、オーラの無駄遣いを招きやすいことも大きい。
とは言え、遠距離戦に最も対応しやすい系統の上に、強化系も高い精度で習得出来るので安定したパフォーマンスを発揮しやすい系統である。
もっとも半端な能力者は距離を取れるというアドバンテージが強みゆえにインファイトを強いられるなどの直接対決に脆弱な描写が多い傾向がある*12

また他系統からしても重要になることが多く、この系統が不得手だとオーラが体から離れた瞬間にとてつもなく低精度、あるいは消滅してしまうことになる。
射程が広くなりやすい分、他者から見て系統の判別は簡単な部類だが、オーラが途切れても維持出来る性質から、かく乱も割合しやすい。
また、操作系能力者だがモラウは放出したオーラを戻すあるいは再利用が可能な能力者であると描写されており、そのような場合は省エネである。

昔は「オーラを弾丸のように飛ばして攻撃する」という要素ばかりが取り沙汰されやすく、他の系統と比べて若干不遇気味だったが、暗黒大陸篇にてダメージを別の場所に移すような一風変わった個性的な能力も登場*13
作中屈指の強能力と名高いノヴや、キメラ=アントの王メルエムの能力も放出系だと2022年の冨樫義博展で判明し、不遇気味だった昔と比べて評価面で大きく躍進した。


操作系

オーラを用いて物質や生物を操作する。

単純に不規則な攻撃を仕掛けることが可能になったり、戦闘以外にも比較的応用が効きやすい他、能力で相手を洗脳できるなど、上手く決まれば相手を一方的に完封できる一撃必殺の手段になり得るという唯一無二の強みがある。
また「マニュアル」「オート」操作なども分かれており、同じ能力でも使い分け出来る者も多く登場している。
ただし、
  • 操作したい対象が既に他人に操作されている場合は干渉できない。
  • 条件に「使い込んだ道具」を必要とすることが大半なので、道具が奪われたり破壊されると能力が発揮出来なくなりやすい。
特に人間操作の様な高度なものでは顕著。
  • 他にも生物操作などは対象に何かを刺すなどの行為が必要なことが多く*14、上記の「道具」と併せて生物操作系は体術を要求されることが多いが、肝心の強化系は不得手。
  • 相性のいい隣の特質系の取得可能レベルが0。
といった点がネック。
搦手に特化した系統でありながら比較的直接戦闘系能力者のようにインファイト要素を要求されやすい難点を抱える。
また洗脳という特性から他の系統と比べて最も警戒されやすい面もある。
ただし警戒のされやすさは「熟練の念使いほど操作系の恐ろしさと脅威を知っている」ことの裏返しであり、操作系の能力要素をちらつかせればそれだけで相手にとってプレッシャーとなる。

生物操作の種類にもいくつかパターンがあり、
強制型 相手の心身を完全に奪い操る。
一番分かりやすいオーソドックスなタイプだが、強力な分能力発動が難しく使いこんだ道具や困難な条件が必要。
半強制型 身体の自由だけを完全に奪って操るタイプ。
或いは標的が自ら念の命令通りに動かざるを得ない状況に追い込む。
要請型 操る相手に選択の余地を与えつつ術者のために動かすタイプ。
最も効果が薄い代わりに能力発動が簡単だったり広範囲に能力を及ぼすことも可能。
という3種類の操作がある。
基本的には敵対者や無関係な第三者を操って手駒とするのが基本だが、操作すると状況対応力が低下する代わりに、(被操作者の負担さえ考慮しなければ)限界を超えた能力を無理矢理引き出せるため、味方を操作したりあえて自分自身を操作する能力も存在する(これは前述の特性から「相手の操作系能力への事前対策」という側面もある)。
また、例外として副次機能である「意識」「記憶」を奪うという一点だけに特化し、相手そのものを操らないというケースも存在する。
曲がりなりにも操られた、という事実だけは残るため、自分の状態が正常か判断できなくなってしまい撹乱効果は高い。

総評すると念の性質の長所と欠点の差が最も激しい系統。
性質上、放出系と組み合わせなければグリードアイランドのリモコンラットの様にオーラが伸びてバレバレ&射程も短くなりやすいので、組み合わせていることが多い。
操作対象に接近する必要がある場合が多いため、距離を取っても不利にならない放出系相手は苦手な部類と思われる。


具現化系

オーラを物質や生物として具現化する。

物質だけでなく「念獣」と呼ばれるエネルギー生物を生み出すのもこの系統。
具現化された物質は術者により特殊な能力を与えることも可能。

操作系と同じく隣にある特質系が使えないのがネック。
また、イメージを具現化させるまでの修行が大変で、自分の思い入れのある物をベースに作るのが基本となる。
そして、例えばよく斬れる刀を具現化するなら名刀を買った方が楽で無駄がない*15とすら言われるので、具現化した物に何らかの能力を付加するのが基本。
ただし現実に存在しようが無い超常の物や自身の能力を超えたものは基本的には作れない*16
しかも放出系とは対極の関係にあるので、飛び道具など自分の体から離す必要のあるものを高精度で具現化することは困難。

色々とバランスが悪い上に癖が強く、他系統と複合させなければ使いものにもなりにくい最も扱いの難しい系統と言えるが、それだけに独創性のある能力を作ることが可能。
性質上、相互協力型(ジョイントタイプ)の念を作ることにも向いていると思われる。
また、常時実体化させておけば操作系を装うことで、何をせずとも欺瞞情報を与えることができるし、「隠」で見えなくすることが可能。
これがバレても「凝」を強制させることに繋がる。
他の念能力と異なり、一般人でも目視出来たり、固形物として触れるという唯一の特徴もある。

具現化系特有の特徴として、常人にも見えるように具現化すると行動に制限がつくので破壊力が増したり、逆に常人には見えないように具現化した場合は隠ぺいにエネルギーを使ってしまうので別のリスクが必要となるというものがある。
念能力者にすら見えない具現化物もあるが、これは基本的に攻撃力はない上に具現化に特別な条件が必要となっているものが多い。
念能力者にすら見えない状態で攻撃出来るとなるとノーリスクで強すぎるため、仮に攻撃力を持たせようとすると更に複雑な条件が必要になると予想される。
逆に無害(あるいは能力を相手に知らせるなどの制約として)にすることで、除念以外には無敵の存在にすることも可能。

「オーラを変質させる」という点が一致しているため初見の印象だと変化系との違いがわかりにくいが、
  • 「オーラそのものの性質を変化させる」のが変化系
  • 「オーラを特定の物質として固定化させる」のが具現化系
というのが大雑把な違いとなる。


特質系

他に類を見ない特殊な性質のオーラ。

希少な上に最も能力の効果が読みにくい系統でもあり、対処は非常に難しい。
能力者の割合としては極端に少なく、暗黒大陸篇で登場したモレナの調べによると3000人に1人の確率らしい。
他の5系統に属さないオーラは全てこれに当てはまるので、その性質は「念能力の奪取」「予知」「相手の身体情報の解析」等と極めてバラエティに富んでいる。

非常に稀なケースだが後天的に特質系に変わることもあるとされ、中でも両隣の操作系・具現化系が変わりやすいとされている。
実際「何かを具現化する」タイプの特質は多い。

だが強化系から最も遠い位置であるため、能力にもよるが最も直接戦闘には適さず扱いも癖や難のある能力が多いのが欠点。
また、他の5系統は苦手な系統でもある程度習得できることに対して、特質系は努力しても習得は不可能とされている。
更に系統別の効率的な修行も普通に当てはまらないあるいは独自のものになるらしく、他の系統もバランス良く修行した方が良いという説明でビスケは(特質は別だけど)と述べている。

なお、作中では特質系能力者の他系統に対する習得率は不明であり、特質系が強化系を最も苦手とするかは長年議論の対象だった。
後年「冨樫義博展-PUZZLE-」で発表された資料によれば、「六性図で本来特質系が習得不利とされる位置にある能力」があるとされたため、やはり六性図に配置されたとおり「六性図上の位置による不利」が存在し、強化系が一番苦手である模様。

だが、暗黒大陸篇において特質系は苦手な能力系統がないことが明言された。
上記資料と矛盾するようだが、そちらでも特質系を極めるにあたって「習得不利とされる位置にある能力の修練が覚醒の条件になることもある」とも書かれているため「全系統を極めることも可能だが習得不利な能力を極めるには時間がかかる」といったところが現時点での落としどころだろうか。
そのため、全系統の能力を100%引き出せるクラピカの「絶対時間(エンペラータイム)」は彼だけの固有能力というわけではなく、特質系能力者全般がデフォルトで持つ特性ということになる*17
この特性が普通であれば相性最悪な能力系統を高いレベルで組み合わせた高難易度技(ハイブリッド)を実現したり*18、どの系統にも属さないような特異な能力を発現・行使できる理由にもなっている。
正に器用万能とも言えるような能力だが、強いて難点を挙げるならば苦手がないため特質系だということを知らないまま別系統を極めてしまい、後から後悔するというのが特質系あるあるらしい。
3000人に1人の超レアケースであるあるとは……?

しかし、やはり強化系とは対極であることは間違いないだろう。
簡単に言えば、強化系は「自己完結」「基礎重視」であるのに対し、特質系は「依存型」「発」ありきなのだ。
特質系とその両サイドは、まず「発」ができなければ意味がない。
一方、強化系とその両サイドは基礎を積めばその分だけ練度を高めやすい。
また、特質側は他系統・他者や道具のフォローなく満足に使うことができないが、強化側は特質側の系統や自分以外の重要度は低い。
強化系に至っては自己の基礎訓練自体が「発」の訓練である。
逆に言うと、強化側は「発」らしい「発」がなく、ただ初期に付与した性質を高めただけという形になりやすく、見たままの通りゆえに見切られやすくもあると思われる。
強化系からの相性が0%なのも、今そこにある自分を高めればいいだけのシンプルかつ現実的極まる特性と、そこにない物でも如何様に作れるという複雑かつ空想的な特性との相性の悪さが故と考えられる。
特質系にしても、何でも作れる性質だというのに、基礎を積めばいいだけの強化系を要素に組み込む重要性は低いと言える。


【系統別取得可能レベル・威力、精度】

前述の通り念には得手不得手が存在する。
下の図は取得可能レベルと系統別能力を使用した場合の威力・精度を表している。
ただし、これは「その系統の能力を100%発揮できる才能」を持っていると仮定した場合であり、実際には放出系寄りの強化系など、多少の偏りが出るとされる。
また特質系は例外であり、特質系に属してない限り特質系能力は一切の取得も使用も不可能である。
強化系の優位性の一つはそんな特質系の能力から最も遠い位置にあるために、取得可能レベルの合計が全系統で最も高くなるという性質もある。


術者が属する系統

/  \
○     ○
|  発  |
△     △
\  /
×

取得可能レベル、使用時威力・精度
◎レベル10、100%
○レベル8、80%
△レベル6、60%
×レベル4、40%
※なお作中のビスケの浮き手の説明から、系統技はレベル5を80%の威力・精度で使用でやっと戦術に幅が出る程度である。

このように不得手な能力の習得は苦労するだけでなく、実際の威力・精度もがた落ちしやすくなる。
更に才能次第で大きく増減するが個々で習得出来る能力の質や数なども決まっており、ヒソカはこれをメモリ(容量)と表現していた。
つまり、才能豊かな者でもあまりにも不得手な能力を習得した場合は、他の能力を習得できなくなるなどの弊害が生じる。
なお、このことはヒソカのみならずちゃんと教わった念能力者も知っている。

こう見るとメインの系統だけ鍛えたほうが効率が良さそうに見えるが、
実際は別系統の修業も多少混ぜた方が効率良い(意訳)と言及されている。

理由として作中でも複数の系統が作用している能力の方がむしろ多く、他にも複数の能力を習得したり、仮にシンプルな能力でも実際の運用は別系統の習熟が必要なことが多いから*19などからだろう。
一つの系統で完結するなら一つだけ極めるでも大丈夫だと思われるが*20、当初は単一でも後に複合した能力や使い方で発展していくことも多々考えられるため、やはり間違いない教えだろう。

【水見式】

念、取り分け「発」等の固有能力は系統との相性が最重要であり自身の系統を知ることが重要な要素の一つとなっている。
水見式は自身の系統の調べ方。
水で満ちたグラスに葉を浮かべ、グラス全体に対して「練」を行う。
その時起きた現象により属する系統を判別する。
  • 水量の増減→強化系
  • 水の味が変わる→変化系
  • 水の変色→放出系
  • 葉が動く→操作系
  • 水に不純物が精製される→具現化系
  • その他の現象→特質系:*21

なお、水見式は「発」の基礎に相当するため、「発」の訓練としても使われる。
習熟度合いや能力が高まるにつれて変化も大きくなる傾向にある。

系統別性格分析

ヒソカが独断と偏見で決めた所属系統ごとの性格の傾向。
本人も「血液型占いと同じ」と言っておりこれといった根拠は存在しないが、意外にも当てはまる人物が多い。
というか作者の冨樫がこういう発想で描いているということなので当然と言えば当然だが。
ノブナガも多少言及していたため、類似の推測をしている者もそこそこ居る模様。
  • 強化系→単純で一途
  • 変化系→気まぐれで嘘吐き
  • 放出系→短気で大雑把
  • 操作系→理屈屋、マイペース
  • 具現化系→神経質
  • 特質系→個人主義者、カリスマ性有り
ただ、これに当てはまらない個人ももちろんいる。
たとえば幻影旅団で言えば、
  • マチ(変化系)は嘘つきという場面はなくむしろ直情気質(ただし勘が鋭く行動指針に影響が生じるところも描かれており、そこらは気まぐれかも)
  • パクノダ(特質系)は仲間との協調を優先(ただし行動は個人主義寄りなところがある)
  • シズク(具現化系)は神経質というより天然
といった具合。


【制約と誓約】


クラピカ「これは制約と誓約!!覚悟の証!! リスクはバネ!!制約と覚悟が大きい程、念は強く働く!!」

能力にルールを決めそれを遵守すること。ルールが厳しければ厳しいほど能力の強さは爆発的に増大する。
この「厳しさ」は「守ることが厳しい」でも「破った際のペナルティが厳しい」でもどちらでも構わない。
前者が緩くても後者が厳しければ、念能力はより強化される。逆もまた然り。
もちろん両方とも厳しくすればそれだけ念能力も強大なものになるが、使い勝手もまた悪くなる。
制約と誓約を定める以外にも、自身にリスクが伴うことを覚悟しその上で実行することで、リスクの大きさに比例して念を強化することができる。

制約は大まかに
  • ルールを満たさずとも使えるが、ルールを満たすことで十全に威力を発揮出来るタイプ
  • ルールを破った時に罰則があるタイプ
  • ルールを満たすことで能力が発動可能となるタイプ
の3種類が存在する。

一つ目のタイプは比較的緩い制約だが、その分他二つより威力では劣る傾向にある。
強い思いや覚悟も制約と誓約に類似した効果を発揮することが多々あり、これは概ね一つ目に値するが、二つ目の様に具体的な罰則を組み込むことも覚悟だと言える。
二つ目のタイプは場合にもよるが、ルールを守らず能力を発動すれば念能力の全てを失う等の重い制裁が下され、最悪死ぬこともある。
特定の能力のみを失うという罰則にしているケースもある。
三つ目のタイプは作中で最も多いパターンだが、条件が複雑になったり難易度が高くなる傾向にある。
更に実力や才能にもよるが、強力な能力になるほど発動条件や踏まなければならない手順が難しくなる傾向にあるため、
実力者ですら一方的にはめ殺せる念能力も作中いくつも登場しているが、いずれも条件が厳しいものになっている。

必ずしも制約が無ければ弱いというわけではなく、ヒソカのように特に制約を設けておらず一撃必殺の様なリターンも得てはいないが、その分自由に扱えて使い勝手の良いタイプの能力者もいるため、そこらへんは術者の裁量次第だろう。

流石に数は少ないが、他人に能力を明かすというリスクを負うことを「制約」にする場合もある。
これには、バトル漫画でありがちな「敵が自分の能力をべらべら喋る」ことの不自然さをカバーする効果もある。
ただ、相手の説明を聞かないという対策は難しいため意外と有効で、戦闘中に多くの無視不可能な情報をわざと流すことで相手の判断力や選択肢を乱す使い道もあったりする。*22

○覚悟による念能力の強化

何らかの重大なリスクを自らに課すことで念を強化するパターン。
当然見返りは大きく、通常の念より遥かに強力となった念能力に昇華される。
当然不可逆の重篤な後遺症やデメリットを負ってしまうためこのパターンを行う者はそうそういない。
安易に「覚悟」を用いてリスクを背負って念を強化してしまった結果、後々になってその厄介なデメリットを身を以って味わってしまう場合もある。
またこのパターンで念を強化してしまった場合、強力になる分、念の使い勝手が悪くなることもある。

劇中では以下の通りのリスクを背負うことで能力を強化している者が存在する、
  • 「旅団メンバー以外に能力を使えば死ぬ」「発動中、1秒につき1時間寿命が削れる」(クラピカの一部能力)
  • 「両手の指先を切り落とし、銃口に見立てる」(フランクリン)
  • 「人体に直接電流を流す*23」「充電した分までしか電流オーラの能力を使えない」(キルア)
  • 「ダーツゲームの最後で「バースト」を起こした場合、敵に与えたダメージが全て術者に降りかかる」オロソ兄妹
  • 二度と念能力が使えなくなってもいいという覚悟を決める(ゴン)
  • 「この先ずっと一番大切な人に触れない」パクノダ

○神字

時間をかけて術者が場所や道具等にオーラを込めた字を書くことで自身の能力を底上げする手段。
手間暇かかる上に場所や道具の制限まで付くが、制約と誓約と違って比較的にローリスクで行えることが強み。
「纏に反応して結合が解ける」「念を使うと糸が切れる」といったプログラムも可能。
上手く使えば便利だが、戦闘能力をこれに頼っている場合は大した能力者ではないと推測されてしまいやすく、警戒するまでもなく攻撃されやすいということにも繋がる。


【発の種類】

「発」や固有能力には一部大別出来る能力が存在する、以下はその一例。

○念弾

放出系能力でオーラを弾丸として飛ばす。
弾に仕掛けを施している場合もある。
高レベルな放出系能力者は通常攻撃としても用いる(フランクリンなど)。
放出系能力者は強化系と隣り合っているのでオーラの総量が多く、それだけでも強力な戦闘手段となる。
強化系による肉弾戦と並んで最も単純な攻撃方法のため、駆け引きによる対策も難しい。

レイザーのように、オーラを物体にまとわせて放つタイプのものも、技としては念弾の亜種と言える。
なお、レイザーはボールなしでも同威力の念弾を放てる。
ちなみに似たような技を使っているゴトーは「コインを指で弾いて飛ばす勢いを強化する」強化系能力者。
やってることは似ているが、実は別系統。

○念獣

念能力により生物を現し操る。
人型の場合は「念人形」と呼ばれる。

生物を作るのに具現化、操るのに放出・操作を必要としていると思われる。
  • 具現化系能力者は精巧で強力な念獣を作れる
  • 放出系能力者は念獣を操れる射程限界が長くなる
  • 操作系能力者は精密な操作(条件付け)や感覚共有などが可能になりやすい
などの差別化ができるが、「誓約と制約」次第でもあるので絶対ではない。
他にも自動型のオートと遠隔操作のリモートに大別される。
ゴレイヌさんは凄い。

○念空間

通常空間から隔絶された空間を生み出したもので、空間内や出入りに様々な法則やルールを作りこむことが多い。

基本的に放出系と具現化系の相反する能力の複合で作られる模様で、一方通行や出入り不可能な空間にすることも可能。
なお、放出系は空間そのものを移動させることに長けていて、具現化系は空間内に様々な法則やルールを持たせることに長けている。
両方の性質を合わせ持つものも多い。
これらの性質上、基本的に何らかの制約が必要になると思われる。

○呪念

主に他人にかけて何らかのルールやダメージを強いる、一種の呪いに近い能力。
かける側の代表的なメリットとしては、ルールを破るもしくは満たせなかった場合に強力な制裁を与える効果が挙げられる。
常軌を逸した思慕や呪詛の感情が重ね合わさると、遠く離れた対象を瞬く間に呪殺するといった、系統の相性すら凌駕するかのような大損害を与えることも可能となる。
ただし当然ながら、効力に応じて制約と誓約を課す必要が生じるので、効力を強烈にすればその分だけ能力の汎用性は著しく低下する。
上記のゴンの例は自分を対象とする呪念とも言えるものであり、アニメオリジナルではあるが、「百鬼呪怨・羅刹*24」も呪念の貸与型と言える能力である。

除念

「む、無理よ。こんなドス黒いオーラ背負えない」

他者がかけた能力を除去する。
非常に強力な反面習得が難しく、基本的には「他人のリスクを何らかの方法で自らが代わりに背負う」という代償で能力が成立している。
念による被害を自分に対する比較的無害な形に変換する能力ともいえる。

非常に稀有な能力であり、後述の死者の念を祓うことが出来る術者は分かっている限りでは全世界十人にも満たないとされていて、依頼することも困難。
ハンター協会員の中に除念師と表明している者は一名のみ。
また、「稀有」「リスクを背負うという性質」「バレると敵を増やしたり確実に止めを刺すことに拘られる」などからか、この能力自体を隠している者が多い。

○変身能力

その名の通り、自身及び他人の肉体や物品を変身・変形させることで姿を変えることができる念能力。
登場自体は結構早く、イルミが自身の顔に針を刺してギタラクルとして活動していたのが初出。
単純な肉体操作は操作系能力でもできるが、暗黒大陸編に登場したマフィア・ヒンリギの「てのひらを太陽に(バイオハザード)」のように、物品を生物に変えるほどに大きく変身させる場合は具現化系能力に該当すると思われる。

また、身長や体格まで変化させるような変身能力は結構なレアケースらしく、念能力者の人探し任務を課せられたシュウ=ウ組の構成員も「明らかにターゲットと異なる体格の人物は対象から外して良いのではないか」との議論になっていた*25

ビスケは本来のマッシブな姿を嫌い少女の姿になっていてこれも念能力によるものとされているが、ビスケ自身どういう能力なのかは分かっていない(長年祈り続けた結果とのこと)。

○念能力の奪取

数は少ないが、「他者の念能力(発)を自分のものにする」能力者も存在する。
作中で発現した事例は基本的に特質系(クラピカも絶対時間発動中でないと使用できない)。
ただし、能力を奪うだけなら具現化系の通常時クラピカでも可能、強化系のイカルゴも「取り付いた死体の念能力のみ」という条件だが似た効果を使用しているなど、奪って自由自在に使えるともなると特質系に限られるだけで、「誓約と制約」次第で類似の効果を得ることは可能らしい。

他者が修業の末編み出した必殺の念能力を修業なしにものにでき、更に奪われた者は基本その間その能力を使えなくなる非常に強力な能力だが、
その代償として奪取の条件は非常に厳しく、少々緩い条件のものもあるがその場合は奪った能力の使用に時間や回数制限があったりする。
また使用条件も原則そのまま引き継ぐので、元の使用者ほどには使いこなせないことも多く、念能力の解析も別口で行う必要が多いなど、強力だが癖も非常に強い。
奪った相手が死亡した場合も使えなくなることが多い(後述の「死によって強くなる念」の場合は例外の模様)ので*26、相手を完全に無力化するのが難しいという欠点もある*27。ただこの欠点を逆に使えば遠く離れた相手の生死確認にも利用できる。
相互協力型の念を奪った場合にどうなるのか*28は、登場した数が少ないこともありわかっていない部分は多い。

ちなみにジンがレオリオの能力を即興でパクって見せたのは単なる「解析と模倣」であり、特殊な念能力ではない。
(レオリオの能力が比較的シンプルな打撃系能力で模倣がしやすかったのと一度喰らったこと、そしてジンの類稀な才覚があってのことであり、常人には真似できない。)

相互協力型(ジョイントタイプ)

暗黒大陸篇にて出てきた新たなタイプの念能力。
名称は出ていなかったが、ボマーらが使う「命の音」や、オロソ兄妹の「死亡遊戯」、グリードアイランドのゲームマスター陣によるグリードアイランドそのものの維持もこれにあたると思われる。
一人で念能力を発動するのではなく複数で協力して念を使用し、個人個人で念を使うより効率的で強力な念を発動する形式。
例えば能力者Aが「念弾を撃つ銃火器」を具現化し、Aが具現化させた銃火器を能力者Bがオーラを使って使用し「念弾を放つ」といった感じ。
このことで互いの弱点を補ったり、念能力の効率が増したり、使用者のオーラ量のみに依存する安定した力を発揮することなどができる。
念の強化具合に関してはただの足し算ではなく相互に高め合う…いわば協力人数が増えるほどに強化倍率が増える性質をもたせることも出来る。
代表例はゾルディック家執事のツボネが持つ「大和撫子七変化(ライダーズハイ)」。

○寄生型

暗黒大陸篇で出てきた新たなタイプの念能力。
具現化系能力に多い種類の念。

宿主のオーラを消費することで能力を発動させる性質を持ち(呪いと性質が似ている)、宿主には寄生された自覚もなければ寄生している念を操作することもできない。
宿主の思いと混ざって生まるため能力者も完全な制御は出来ず(ルールを設けることは可能)、同じ能力でも宿主を守護することもあれば危害を加える可能性もあるなど、行動原理がバラバラでランダム性が強い。
利点としては、宿主が念を知らず念に覚醒していない場合でも宿主からオーラを得て能力を発動できる点が挙げられる。

代表例はカキン帝国の「守護霊獣」。
守護霊獣は特定の条件に沿って行動し、宿主となる王子達を守りながら王子の計略や策謀の手助けを行っている。

迎撃型(カウンタータイプ)

暗黒大陸篇で説明されたタイプの念能力。
登場自体はヨークシン編のゼノの台詞で言及されている。

主に敵から攻撃されないと能力が発動出来ないという致命的な制約を課すため、威力を大幅に向上させたりとてつもない能力を実現したりできる。
被弾の必要性や軽症でも使えるかどうかなども幅広く異なり、これが厳しければさらに強力な能力となる。
例えば、苦手な系統の高レベル能力を付与することも可能となる他、フェイタンは才能の高さとこの特性(+怒り)によって作中最大の威力を生み出している。
キルアの「疾風迅雷」も迎撃型と言えるが、あくまでも後の先を取るためのプログラム(条件付け)でしかなく、迎撃型特有のリスクは負っていないので能力が強化されているのかは不明。

○無敵型

暗黒大陸篇で説明されたタイプの念能力。
相手が念能力の条件を満たしてしまうと、オーラが増大するだけでなく対象物への攻撃が効かなくなるシロモノ。
劇中では具現化系能力で披露され、自動追尾する無敵の念人形となってノブナガを拘束・室外に追放した。
その他の詳しい仕組みは不明。
元々(除念以外には)無害故に無敵という存在も登場しているので、単に無敵型にするだけなら制約と誓約次第で割と普通に可能だと思われるが、有用な能力にするのはリスクの兼ね合いなどから工夫が必要だと思われる。


【死者の念】

念とは死ねば消失するとは限らず、強い思いや取り分け怨念等の負の感情を基にしていた場合術者の死を切っ掛けに更におぞましく強くなることがある。
悪霊の域まで堕ちた念は術者の怨念の対象に襲いまた取り憑き、死してなお対象を苦しめ蝕む。
作中の例はゴンさんにやられたピトーで、頭を潰された状態でゴンさんの片腕を奪った。

要は自我のリミッターが外れた暴走にも近い状態、練習することはできないので狙っての発露はまず不可能。
一応狙って実行することも可能だが、気狂いの領域だと言える*29
場合によっては死者の念となるだろうというのは予測可能ではある*30

メタ的に言えば念能力を正規の手段で解除するよりも術者を殺すことで無効化しようという解法を防ぐ作劇上の効果がある。


【オーラの量】

オーラは体内に蓄積されていてその「MOP(最大容量)」は個人差がある。
また、いくら体内の「POP(潜在オーラ量)」が多くても、体外に出せる「AOP(顕在オーラ量)」が少なければ戦闘では不利になる。
RPG風に言い換えると「最大MP=MOP」「現在のMP=POP」「消費MP=AOP(消費量と威力が比例)」。


強化系もしくは両隣りの系統が戦闘に適しているといわれるのはこのあたりも関係しており、修練や才能に応じて最大AOPは高まるが、強化系統は他系統より効率的にAOPを増加させられる。
更に「誓約と制約」次第では実力以上にAOPを増やしたり消費量などを減らせる。
他にもナックル曰く「発」(溜めの長さや防御力を犠牲にするなどいわば必殺技固有のリスク)などでも最大AOPが一時的に向上する。
例えるなら「堅」を維持しながら通常のAOPによる「凝」や「硬」を上回る攻撃を繰り出すことは決して不可能ではない。
そのため自身の攻撃を自前のAOPで防御していて一見非効率的なゲンスルーやフェイタンでも、「流」や「硬」などの殴打より「発」の威力が高くとも不思議ではない(前者の能力は威力以上に別の意味合いが強いが)。

「MOP」「POP」も修行で増やせる。
自然回復の他、瞑想することで回復を早めることも可能。
実力者は隠すのも上手になるが、念能力者なら相手のAOPのみならずMOPやPOPもある程度は見て把握することが出来る。


余談だが
MOPは「マックス・オーラ・ポイント」
POPは「ポテンシャル・オーラ・ポイント」
AOPは「アクティヴ・オーラ・ポイント」
の意味だと思われる。しかしオーラの綴りはAuraだからOじゃなくてAになるんじゃね?とか言ってはいけない。
冨樫先生にはエイリアンの頭文字をEだと勘違いしていた過去があるのだ。
と言ってもこの「Oura」を言い出したのはナックルが「天上不知唯我独損」の解説を兼ねてのことであり
他のキャラは基本使わないため ナックルがアホだからスペルを知らない という可能性も無いことはない。



追記・修正は四大行を取得してからお願いします。

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最終更新:2025年04月23日 07:39

*1 ズシが「自分の流派は心源流っす」とまだ念能力について隠している時期に自己紹介しているため「一般的な意味での拳法の流派」としても名が通っている模様。

*2 逆に言えば密度を高めて物体を通過できなくさせて破壊することも可能

*3 ジンによるレオリオの能力の推測・解説より

*4 逆に一部分に念を集中させて機能を強化させて治癒力向上させる例もある

*5 言うまでもないが念能力者同士の戦いでは極めて強力なので、この手の能力は発動にはかなり重い制約がいることが多い。

*6 説明では「発」も含まれていたが、どの要素に該当するのかは少々不明瞭

*7 念能力が初登場する以前のハンター試験で、終始ヒソカはこの周でトランプを強化し、刃物のような切れ味を発揮していた

*8 ちなみにこの「ウソの部分もあるが事実の部分もある」というウソの吐き方は作者である冨樫義博自身が実際に漫画術として使っている手法で、「漫画の描き方」を紹介する漫画『ヘタッピマンガ研究所R』にゲスト出演した際、実在の専門用語や隠語を造語に置き換えるなど「半分ホントで半分ウソみたいな感じ」で設定を組み上げていくと「大ウソがポンと紛れてももっともらしく思えたりする」と説明している。

*9 この勘違いの元になったのはヨークシン編でクロロが団員に「凝を怠るな」と指示したことだが、これは「旅団員が巻きつけられたら即アウトの念の鎖を、『隠』で隠して繰り出してくる敵がいる」という事前情報があってのこと。

*10 主にグリードアイランド編参照。自由に瞬間移動したい・させたい場合や、『*いしのなかにいる*』みたいな感じや超高所に飛ばすなどの即死に繋げたい場合は難易度が相応に高くなる

*11 尤もフランクリンやレイザーの様に威力や連射性能次第で強力な武器になる

*12 ノストラードのファミリーのシャッチモーネやグリードアイランド編のレイザーの部下など

*13 テレポートなども登場しているが、こちらは暗黒大陸篇以前から放出系要素として度々登場している。

*14 念じるだけで生物の洗脳などはほぼ不可能と思われる

*15 出したり消したりは無理だが

*16 制約や圧倒的な能力の持主など、例外はある

*17 無論クラピカの場合、緋の眼になることでオーラの絶対数が増え「具現化→特質」に変わる特異体質や、全系統の能力を100%引き出すにあたって様々な制約と誓約を重ねているため、そういう意味では彼のみの固有能力ではある。

*18 パクノダを例に挙げると彼女は銃を具現化して、そのまま銃弾を発射する放出系という相性最悪な二つの系統の能力を併用している。

*19 色々あるが分かりやすい例としてヒソカのバンジーガム。運用は頭脳の他に熟練の強化系能力者顔負けのフィジカルもあってこそなので強化系統も鍛えないとあれほどには使いこなせない。また、放出系統を鍛えているかは不明だが離しても10mまでは伸ばせるためこの状態も使い道は十分にある。

*20 例えばウボォーギンは発言や行動からこれにあたると思われる

*21 「水の色が変わり、葉が回る(クラピカ【″緋の眼″時】)」「葉が枯れる(ネフェルピトー)」「水が悪臭を放ち沸き立つドロドロとした液体に変化する(ツェリードニヒ)」など

*22 ゲンスルーの一連の行為やヒソカ対ゴトー戦、ヒソカ対クロロ戦などを参照

*23 東ゴルトー共和国宮殿にて充電を行っていた際、通常のコンセントだったと思われる電線を握って充電してなおそれなりの時間がかかっていた様子があったので、事実上一般人であれば感電死の危険があるレベルの電流を自分の身体に流す必要があると思われる

*24 映画「THE LAST MISSION」作中では「念能力を超えた『怨』能力である」とキャラクター達が称していたが、パンフレットにて『怨』とは念能力の一種に過ぎない、と解説されている。

*25 結局、そのターゲットであったヒソカ(に化けたボノレノフ)は身長まで変えられるレアケースの変身能力者だったが、変身対象者が自分より小さい程変身時間が短くなる(様に感じている)という制約を抱えており、やはり自分からあまりに乖離した形態への変身は難しいようだ。

*26 前述の通り前提条件からイカルゴはむしろ死亡していないと不可能。クラピカもオーラを奪った状態だからか死亡していても可能らしい。

*27 ベンジャミンは逆に「死なないと奪取できない」だが、彼の場合は対象が味方のみなので奪取というよりは「味方の死を無駄にしない」という意味合いが強い。

*28 例えばオロソ兄妹の能力を片方だけ奪っても何一つ役に立たない。

*29 かなりの狂人であるヒソカでも『どうせ死ぬなら』という状況だったので試した程度

*30 キメラ=アント編でのメレオロンはメルエムへの怨恨を持っており、念の発動中に死んだ場合死後強まる念になる可能性が考慮されていた。