近鉄大阪線

登録日:2009/11/15(日) 12:27:32
更新日:2025/07/09 Wed 21:18:30
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近鉄大阪線は、大阪上本町駅から伊勢中川駅までを結ぶ近畿日本鉄道の路線である。
路線記号はD

(出典:日本の旅・鉄道見聞録)

概要

大阪中心部から奈良県を経由し、三重県までを結ぶ長距離路線である。
近鉄の始祖である大阪電気軌道が1914年に奈良線とともに開業させた近鉄最古の路線である。
伊勢志摩・名古屋方面に向かう多数の特急列車が運行されるほか、大阪~奈良中和地区の通勤・地域輸送を担う一大幹線である。
年末年始には伊勢神宮や奈良県内のお寺や神社へ初詣に行く人が多いため、毎年終夜運転が行われている。
そのため、深夜に大阪から伊勢志摩方面に特急が30分間隔で走ることも。

その営業距離は108.9kmと非常に長く、これはJRや第三セクター転換路線を除いた私鉄としては東武伊勢崎線に次いで2番目の長さとなる。
また、全線が複線以上の路線ではこちらが私鉄最長となる。

大阪起点の私鉄路線では唯一、Osaka Metro御堂筋線との接続駅がない。そのため特急以外の列車に乗る場合は鶴橋か大阪上本町での乗り換えが最低一回必要となる。

鹿との共存をコンセプトとして近鉄・京三製作所・モハラテクニカが共同開発した線路内侵入防止システム「シカ踏切」(2017年度 グッドデザイン賞)が、榛原~室生口大野及び東青山付近で約1kmずつ設置されている。

列車種別

特急
全車指定席。
乗車券の他に特急券が必要。
フラッグシップでもある名阪特急と(京都線からの直通を含む)伊勢志摩特急が運行されており、停車駅は列車により様々。
名張や伊賀神戸を始発・終着とする便もある。
他社のような列車愛称は設定されていないが、観光特急及び流線形の車体を持つ特急列車については区別のためか車両愛称も案内で使用される。

快速急行
無料優等列車では最速の種別。
朝と夕のラッシュ時に運転。
大阪上本町から青山町を越えて走る列車は、基本的にはトイレ付きの車両が使用されるが、トイレ付きであってもロング車の可能性も。
大阪上本町発鳥羽行きという列車が設定されており、総運行距離150.4kmは私鉄の料金不要列車では全国2位の長距離となる。
以前は最大10両で運転されていたが、現在は最大8両編成での運用で、青山町または名張で増解結する。
また、大阪上本町発名張行きは、基本的に名張で急行に種別変更して伊勢中川以東に直通する。逆に言えば、伊勢中川以東の名張行き急行は実質大阪上本町行きの一部である(伊勢中川始発の最終便は名張止めで、平日は大阪上本町への接続列車もない)。
ちなみにこの運転形態はかつて運行されていた区間快速急行と全く同じだったりする。

急行
方面により異なるが一部時間帯を除き、終日主力無料優等列車。
一部の駅のホーム有効長の関係で最大でも6両編成でしか運転できないため、混雑の激しい朝ラッシュの上りと夕方・夜ラッシュの下りでは運転されない。
ただし快速急行の項目で前述の通り、名張以西では快速急行、名張以東では急行に種別変更する便が存在する。
準急以下の種別の大半は大和朝倉や榛原で折り返す関係上、その補完で桜井〜榊原温泉口間は各駅停車の役割も担ってる。その間15駅連続で停車。全然急じゃない*1
快速急行同様、大阪上本町から青山町を越えて走る列車はトイレ付きの車両が使用されるが、ロングシートの可能性もある。

2018年のダイヤ改正までは朝に1本だけ名張発近鉄名古屋行の急行があり、伊勢中川でスイッチバックを行っていた。
これは近鉄全線全定期列車の中で唯一、スイッチバックを行う列車であった。

準急
大阪近郊の中距離優等列車という位置付けで、全線通しの列車はないが、方向幕には青山町行き準急や宇治山田行き準急の表示もある。
名張で種別・行先変更を行って、青山町まで普通として運行する便もある。
終日運転されていたが、2012年のダイヤ改正で日中の便は区間準急に置き換えられ、現在は朝、夕、夜に運転。ただし2018年のダイヤ改正で日中の区間準急の一部が準急に戻った。
朝ラッシュ時の下りは快速急行の折り返しのため、8・10両編成の運用もあり、高安駅で増結を行う。

区間準急
2012年より運行された新種別。
当初は日中のみの運転だったが、2013年の改正で早朝にも設定され、2016年の改正では深夜の準急が区間準急に置き換わるなどして運転本数は増加している。

普通
全区間で運転されているが、名張を境に運行が分断されている。
大阪上本町発着列車は6両編成が基本だが、一部4両編成の列車も。
伊勢中川発着列車は大三、伊勢石橋、川合高岡のホーム有効長の関係で2両編成だが、全列車車掌乗務である。
統括部が東青山駅で分かれることから、大阪管区は各駅停車、名古屋管区は普通電車と放送される。

車両

概ね名古屋線と共通しているため、本項では特急列車と大阪線メインの車両について解説する。
一般車については近鉄名古屋線の項目も参照。
伊勢志摩へ向かう観光特急。詳細はリンク先を参照。
2014年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。
電算記号はSV
  • 80000系「ひのとり」
2020年に登場した新たな名阪特急のフラッグシップ。
渋い赤の塗装と直線的なデザインが特徴で、デザイン担当はGKインダストリアル。
全ての座席にバックシェルが装備されているのが特徴。
2021年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。
電算記号はHV
ひのとり登場までの名阪特急のエース。詳細はリンク先を参照。
21000系は1989年・21020系は2003年にそれぞれ鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。
電算記号はULだが、21000系増結用の2両編成はUBが振られる。
  • 23000系「伊勢志摩ライナー」
志摩スペイン村開業に合わせて1994年に登場。
アーバンライナーと違って観光要素が強いため、サロンカー・デラックスカーが連結されている。
現在はリニューアルされ黄色基調と赤基調の2色が存在し、最近では青基調のミジュマルライナーもデビューした。
これだけの豪華な設備を持ちながら残念ながらブルーリボン賞は逃してしまった。
逃したというよりは同時期にデビューした南海ラピートに全部掻っ攫われてしまったといったほうが大きいだろう。相手が悪すぎた。
電算記号はiL
パンティーライナーで伊勢志摩へ~♪
  • 22000系「ACE」
1992年に登場した汎用特急車。
近鉄特急初のVVVFインバータ車で、ドアもこの形式からプラグドアになった。
車いす設備を装備した初の特急車である。
ちなみに「ACE」の通称は本形式での置き換え対象になった11400系「エースカー」にちなんだもので、汎用性の高さをトランプのポーカーにおけるエースにちなんで名づけられた。
電算記号は4両がAL、2両がAS
  • 22600系「Ace」
2009年に登場した汎用特急車。
基本デザインは22000系に準じているが、全体的に鋭くなった表情と正面のシングルアームパンタが針に見えることから「スズメバチ」と呼ばれている。
本形式には阪神なんば線直通対応の編成も存在し、団体列車で神戸三宮まで乗り入れる。
2010年鉄道友の会ローレル賞受賞。
電算記号は4両がAF、2両がAT
  • 30000系「ビスタカー→ビスタEX」
1978年に登場したビスタカー3世。
従来のビスタカーと異なり汎用性を重視しており、平屋車体の形状は先に登場したサニーカーとほぼ同じ。
形式全車がボギー車となったのもビスタカーではこれが唯一。
登場当初は先頭車の先頭部にもパンタグラフを装備していたため、連結についても制約があった。
1996年からのリニューアルでビスタEXに名を改め、正面のパンタグラフは撤去され、二階建て車は鋼体を全交換し窓は大型のものとなった。
2017年からはグロい新塗装への変更も実施された。
昭和期までは名実ともに近鉄特急のフラッグシップだったが、アーバンライナー登場以降は設備の陳腐化が目立ち、名物だった2階建て車も時代の流れで敬遠されるようになったこともあり、今やサニーカーに毛が生えた程度の存在感しかないのが寂しい限り。
基本的には一般特急と同じ扱いだが、時刻表には使用列車に「V」のマークが掲示されるため識別可能。
1979年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。
電算記号はV
  • 12400/12410/12600系「サニーカー」
1977年に登場した汎用ハズレ特急車。
基本設計は先に登場した12200系「スナックカー」に準じているが、行先表示が前面中央部に移設され、前面の塗り分けも変更された。
この形式は前述した30000系のパイロット版的形式で、当初は12200系の増備車扱いだったが設計変更が多くなったため別形式になった経緯がある。
内外装の更新は実施されているがなにぶん設備が古くコンセントもないため、ビスタカー共々ハズレ扱いされる。
1978年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞(12400系)。
電算記号はいずれもNN
  • 5800系
L/Cカーで、奈良線向けの編成と異なり車内にトイレが設置されている(名古屋線向けも同様)。
…だが、大阪線には6両編成2本しかない。
1998年鉄道友の会ローレル賞受賞。
電算記号はDFで、次述の5820系もこの番号を使う。
  • 9020/5820系
大阪線系統唯一のシリーズ21で、車両番号は50番台に区別されている。
…だが、9020系は2両1編成、5820系は6両2編成しかない。
2001年鉄道友の会ローレル賞受賞。
電算記号はEW(9020系)。

駅一覧

●…停車
△…一部停車
|…通過

駅番号 駅名







特急 乗り換えなど









D03 大阪上本町 近鉄難波・奈良線
Osaka Metro谷町線・千日前線(谷町九丁目駅)
しまかぜ停車駅
D04 鶴橋 近鉄奈良線
JR大阪環状線
Osaka Metro千日前線
しまかぜ停車駅
D05 今里 近鉄奈良線
D06 布施 近鉄奈良線
D07 俊徳道 JRおおさか東線(JR俊徳道駅)
D08 長瀬
D09 弥刀
D10 久宝寺口
D11 近鉄八尾
D12 河内山本 近鉄信貴線
D13 高安
D14 恩智
D15 法善寺
D16 堅下 柏原駅(JR大和路線・近鉄道明寺線)
柏原南口駅(近鉄道明寺線)
D17 安堂
D18 河内国分
D19 大阪教育大前
D20 関屋
D21 二上
D22 近鉄下田 JR和歌山線(香芝駅)
D23 五位堂
D24 築山
D25 大和高田 JR和歌山線・桜井線(高田駅)
D26 松塚
D27 真菅
D39 大和八木 *2 近鉄橿原線
しまかぜ停車駅
D40 耳成
D41 大福
D42 桜井 JR桜井線
D43 大和朝倉
D44 長谷寺
D45 榛原
D46 室生口大野
D47 三本松
D48 赤目口
D49 名張
D50 桔梗が丘
D51 美旗
D52 伊賀神戸 伊賀鉄道伊賀線
D53 青山町
D54 伊賀上津
D55 西青山
D56 東青山
D57 榊原温泉口
D58 大三
D59 伊勢石橋
D60 川合高岡
D61 伊勢中川 近鉄名古屋線山田線

上記の通り営業距離が長く駅数も多いため、ここでは主要駅のみ挙げる。

D03 大阪上本町
難波線・奈良線、Osaka Metro谷町線・千日前線(谷町九丁目駅)乗り換え。
大阪線のターミナル駅で、所在地の略称である「上六」とも呼ばれる。
近鉄発祥の地であり周囲には近鉄の本社や関連施設が多数点在する。
…だが、駅周辺は進学校や予備校の多い文教地区であり、接続路線は地下鉄のみでJRや他私鉄とは接続も近接もしていないため、難波線開業後は地位が低下傾向にある。
大阪線の列車は一部特急を除き地上ホームから発車する。一方難波方面のホームは地下なので、日本橋以西へ行くときの乗り換えは隣の鶴橋が便利。また近年は日中に地上ホームへ特急が入線しなくなったため、人が減る昼間とかはホームを持て余し感がある。
そのせいか7面6線もあったホームも1面削られ、バスターミナルへの連絡通路にリニューアルされ改札も新設された。

D04 鶴橋
JR大阪環状線・Osaka Metro千日前線乗り換え。
ここから布施まで奈良線との方向別復々線で、対面乗り換えもできるため大阪線布施以遠⇔難波方面への乗り換えはここが便利。
そのせいか、大阪線上りホームには時刻表も出発案内機もない*3
快速急行や特急の停車駅、行き先に気を付けないと一気に奈良や三重に連れて行かれる場合があるので、乗る前にしっかり確認しよう。

D06 布施
市役所は荒本駅前に移転したが、近鉄百貨店に商店街とあり東大阪市の中心的役割を担う駅。
一緒に走ってきた奈良線との分岐駅。
3階が大阪線、4階が奈良線の二層式ホーム。
阪伊特急の一部が止まるのに快速急行が止まらない奇異な駅。

D07 俊徳道
JRおおさか東線(JR俊徳道駅)乗り換え。
道路とおおさか東線を乗り越すためホームは4階にある。
居酒屋チェーン・鳥貴族の創業地はこのあたり。
実は奈良線の河内永和駅と近かったりする。
駅前は長年空き地だったが再開発され、スーパーやロータリーがようやく出来た。

D08 長瀬
この駅から地上に降りてくる。
近畿大学の最寄り駅。近大のほか古くからの住宅地でもあり、近鉄の優等通過駅では最多の利用客数を誇る。
入試の際は急行や区間準急が臨時停車する。常時停車を求める声がたびたび上がったりもするが、前後に踏切があり、ホームの延伸がこれ以上出来ないため難しいとされている。

D09 弥刀
「みと」と読む難読駅。もちろん茨城の県庁所在地とは何の関係もない。
2面4線で、よく優等が普通を追い抜く。
また駅の南側には引き上げ線があり、かつての近大への学生輸送列車が用いていた他、現在は信貴線の車両交換にも使われている。

D11 近鉄八尾
八尾市の実質的な中心駅。
駅前のビルに入っていたのは近鉄百貨店…ではなく西武百貨店だった。更にその先にはイトーヨーカドー。つまりセブン&アイホールディングスの支配下。
そのせいで急行が止まらないのでは?と専らの噂。

D12 河内山本
信貴線乗り換え。
3番のりばには滅多に停まらない。

D13 高安
車庫があり、ラッシュ時の区間準急・準急はここで車両の増解結を行う。
大半の普通が折り返している。
この辺りから田んぼが増えてくる。

D16 堅下
D17 安堂
それぞれ道明寺線&JR大和路線の柏原駅・道明寺線の柏原南口駅との連絡駅。
一旦改札を出て街中を500mほど歩くため、定期券でなければ初乗り運賃を二重に取られる。
道明寺線から乗り継いでいける南大阪線との貴重な連絡駅で、特に大阪市外の移動で両線をまたぐ時に便利。

D18 河内国分
かつて大半の普通はここで折り返していたが、日中は五位堂まで運転区間が延長したので、折り返しは朝夕のみとなっている。
周辺の踏切の兼ね合いもあってホームの有効長が6両分しかなく、ホーム延伸も困難。急行が最大6両までなのはだいたいこの駅のせい。

D19 大阪教育大前
1991年に開業した大阪線で最も新しい駅。
名の通り大阪教育大学の最寄り駅で大阪線の大阪府側最後の駅。すぐ前にトンネルがある。
長瀬駅同様、大学入試の際は一部急行が臨時停車することがある。

D22 近鉄下田
JR和歌山線(香芝駅)乗り換え。
駅名に「近鉄」の名を冠しているのは、JR香芝駅が2004年3月12日まで「下田駅」と名乗っていたため。

D23 五位堂
香芝市の実質的な中心駅で、乗降客が増加している数少ない成長駅。
工場と車庫がある。集電方式や軌間が違うけいはんな線や南大阪線系統の電車も、この工場まで運ばれて検査を受ける。
JR五位堂駅からは遠い。
朝晩は折り返しや車庫に入る電車や仕立電車があったが、最近は日中も普通などが折り返すようになり、朝ラッシュ前後はこの駅から化け急で種別変更する列車が増えている。
Xではよく、駅の名前からご移動となぞって、今日移動した道なりなどを投稿されていたりする。

D25 大和高田
大和高田市の中心駅で、阪伊特急の一部が停車する。
駅のデザインが秀逸。
JR和歌山線万葉まほろば線高田駅とは徒歩5分の距離にあり、もっと離れたところに南大阪線の高田市駅もある。

D27 真菅
普通車しか停まらない2面2線の駅。
え?特徴がないだって?とりあえず駅番号に注目して欲しい。
で、この次の駅が大和八木駅なのだが…。

D39 大和八木
橿原線乗り換え。橿原市の中心駅。
橿原線とは立体交差しており、橿原線ホームが1階で大阪線ホームは2階。
大阪難波・京都発着⇔伊勢志摩方面の一部の臨時特急は、ここで連結・切り離しが行われる。
両線を跨ぐ電車は大阪寄りにある2本の連絡線を利用しており、京都発着の特急が利用するのは京都方面から来た列車が伊勢中川方面を向いて大和八木駅に進入する新ノ口連絡線である。
もう一方の連絡線は橿原神宮前方面と大阪方面を直接繋ぐ短絡線であり、定期列車の運用はないが五位堂で検査を受ける車両を含む回送や貸切列車などで使われている。

さて、上記の真菅駅と大和八木駅の駅番号を見て欲しい。
ご覧の通り、両駅は隣接しているのにも関わらず番号が盛大に飛んでいる。
当然両駅間に10駅以上駅があったわけでもこれから駅を作るわけでもなく、京伊特急の系統に番号を合わせて橿原線からの連番とした結果こうなってしまっているのだ*4
駅番号がカオスなのも近鉄クオリティと言ったところか。

D42 桜井
桜井市の中心駅。
JR万葉まほろば線乗り換え。
急行はここから榊原温泉口まで各駅停車。
三輪神社が近いため、年末年始限定で特急が停まる。

D43 大和朝倉
島式ホーム2面4線で、大阪方面へ折り返し可能。
2018年3月17日のダイヤ改正で急行の停車駅に昇格し、準急以下の下位種別が同駅で折り返すようになった。ただし引上げ線が無いため、列車によっては従来通り榛原まで運転されるが、今は大多数の準急以下の種別が当駅で折り返すようになっている。

D44 長谷寺
長谷寺最寄駅。
急行の臨時停車駅だったが、2018年3月17日以降は定期停車駅に昇格している。
駅前は門前町を兼ねた小さな温泉街で、駅舎も風情ある立派なもの。

D45 榛原
宇陀市の中心駅。
行き止まりの5番線ではかつて、準急ないし区間準急がよく折り返していた。現在も大和朝倉駅の構造上や快速急行が運行される時間帯などは折返し列車があるも、昼間は全て大和朝倉に短縮されたため、当駅の折り返し列車は大幅に減った。

D46 室生口大野
室生寺や大野寺などの観光地の最寄駅。
といっても室生寺はかなり離れている。

D47 三本松
奈良県最東端の駅。
ただ利用者は少なく、快速急行が運行される時間帯は三本待つ駅名以上に電車が通過する。
とはいっても利用する人はほとんどいないが。

D48 赤目口
赤目四十八滝最寄駅。
この駅から三重県に入る。

D49 名張
名張市の中心駅にして運行上の拠点駅の一つ。車庫があり、折返し列車に加えて増解結なども設定されている。
大阪から来る準急以下の電車はこの駅まで。
早朝に一本この駅発の伊勢中川でスイッチバックして名古屋に行く急行があった。
深夜には特急が特急を抜かす謎の光景が見られる。
西口は開業当初からの木造駅舎。

D50 桔梗が丘
名阪特急と阪伊特急の一部が停車する。近鉄が開発したニュータウンの最寄り駅。
西名張まで並行していた伊賀線の美旗新田駅の代替としての意味もあり、ホームと駅舎の間のスペースは伊賀線の跡。

D52 伊賀神戸
元近鉄である伊賀鉄道伊賀線乗り換え。
伊賀市の中心部は伊賀線の上野市駅周辺にあり、周りはかなり田舎。コンビニすら無い。
名阪特急と阪伊特急の一部が停車する。

D53 青山町
運行上の拠点駅の一つ。大阪側への折返し列車が多く設定されている他、10両編成の電車が入れるのも当駅まで。事実上関西東の玄関口ともいえる。車庫があり、時々撮影会などのイベントが開かれている。
西青山よりも西にあるが、これは青山峠から名前を採っている西青山に対し、当駅は旧町名の名賀郡青山町から採っているため。そのためか、合併で青山町が消滅しても駅名はそのままになっている。
通常は快速急行までの停車駅だが、早朝にダイヤに載らない始発の特急が存在する。

D55 西青山
近鉄屈指の秘境駅として有名。ただしホームのすぐ下を国道が通っており、秘境駅にしては割とマシな部類。
何故か快速急行が止まっていたが、2012年以降伊賀上津、東青山ともに通過。
当駅と隣の東青山駅の間には青山峠を貫く大手私鉄最長の5,652mを誇る山岳トンネル*5である新青山トンネルがある。この青山峠が文化的にも関西圏と中京圏の境界線。
駅の裏手には旧線跡が見える。

D56 東青山
一部普通は伊勢中川方面へ折り返す駅。そのため無人駅だが係員の詰所がある。
一応近くに集落があるぶん西青山よりはマシだが秘境。ただし、西青山と違って周辺道路が細く、夜になると駅前は完全な闇と化す。
駅前には東青山四季のさとという公園があり、青山高原へのハイキングコースもあるため行楽客が多い。ちなみに四季のさとの看板が立っているのは旧線跡。
特急列車正面衝突事故現場の総谷トンネルも近く、駅近くの寺院に慰霊碑がある。

D57 榊原温泉口
榊原温泉最寄り…と言ってもだいぶかかるが。一応バスは出ている。
阪伊特急の一部が停車する。
隣の東青山駅から統括が大阪から名古屋管区に変わる関係で、駅の自動アナウンスが異なる。
駅前の列車から見える位置にはルーブル美術館の世界唯一の姉妹館、ルーブル彫刻美術館があるが、屋外には何故か金ピカの巨大観音像が立っている。

D59 伊勢石橋
駅舎が撤去されたらしく設備がしょぼい。
JR名松線の井関駅が近い…但し、南に2.3km、徒歩にして30分程度離れている。
乗客数53人と近鉄大阪線の駅48駅の中では、西青山駅に次ぐワースト2の47位だが名松線井関駅と比べると26倍以上と圧勝している。
そう、井関駅は僅か2人…。

D60 川合高岡
JR名松線の一志駅が近く、約150m南方に離れている。
津方面に出るには松阪経由の名松線だと遠回りになることもあって、乗換客がそれなりに居る。

D61 伊勢中川
大阪線の終点。
近鉄名古屋線山田線乗り換え。
大阪線⇔名古屋線を直通する特急は駅手前にある短絡線を通るため、ホームまで列車が来ない。
そのため全列車が通過となる。
大阪線⇔山田線直通列車は観光特急「しまかぜ」・阪伊甲特急以外は全列車が停車する。
ちなみに2~4番線はホーム両側に挟まれていて、特に3番線と4番線到着列車は両方の扉すべてが開く。
特急・急行は基本的にこの2線に入線するため、乗換にはかなり便利な構造になっている。
伊勢市名物の老舗和菓子店「赤福」の広告がしつこいくらいに駅中に掲げられている事でも有名である。


追記・修正は乙特急でハズレ車両が来ないのを祈りながらお願いします。

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最終更新:2025年07月09日 21:18
添付ファイル

*1 そのため従来駅の停車案内の放送では停車する駅全て放送されていたが、現在は準急以下の種別のように各駅区間は省略されるようになっている。

*2 臨時便で停車することあり

*3 2022年以降に形式が変わった時刻表以降はホームにも掲示されるようになっている。

*4 これは近鉄奈良線の大和西大寺駅〜近鉄奈良駅間も同様。

*5 開通した1975年11月23日~1984年3月末までは、日本の私鉄の中でも最長だった。