登録日:2012/02/15 Wed 21:03:39
更新日:2024/07/30 Tue 19:33:47
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棄てられた建築物の事。特に橋や隧道とかの道路・鉄道遺構よりも家やビルの建物を示す事が多い。
棄てられる理由は倒産、閉鎖、建設中の放棄など様々。
棄てられた建物は管理されなければ数年経たずにボロボロになる。
木造だけではなく、たとえそれがビルだろうが橋だろうが。
そして倒壊や崩落の危険性が出てくる為、廃墟は立入禁止にして一般人を近付けない様にする。
廃墟を愛する愛好家が居るのだ……と、言うか廃墟愛好家は実は世界的にはそこそこメジャーな存在だったりする。
だが、やっぱり理解はされない。
廃墟探索が基本的に違法行為であることも嫌われる原因である。
日本でも廃墟愛好家は中々多い方で、本やネットを探せばかなり数が出てくる。
因みに同じ
廃を愛する人に
廃線・廃道愛好家がいるが彼らとは探してる物も、準備物も、
萌えるポイントも違うので一緒にはしないように。
勿論、どちらも好きな人もいる。
【廃墟の種類】
田舎ならそこら辺にゴロゴロ転がってる物件。
ただの空き家なら中々萌えないが、遺物がたくさん残されているとそれはそれで味なもの。
これが密集して……
になると話は別。
数十年前から山奥の村は過疎化により人が居なくなり、廃村になってる所がある。
山奥の森の中の廃墟集落…
ロマンである。
近代廃墟。病院やホテル等。
特にバブル時代に建てられ、バブル崩壊と共に棄てられた建物が多い。
昭和40~50年代に作られ、時代の変化に取り残された建物も多数派である。
廃墟愛好家がよく訪れるタイプの廃墟だが後記の人も訪れる為、萎えるパターンが多い。
工場は直ぐに撤去される事が多いので町工場以上のサイズはかなりレア。
錆び付いた鉄骨や配管は最早芸術。
工場愛好家も勿論愛してる物件である。
特撮や実験の舞台となる。
寺は基本的に木造建築なので古い廃寺は残ってない事が多い。こちらもそこそこレア。
遊園地の遺構は見ていて中々不気味。
八百万の神々の湯屋にいけるかもしれない。だがそこが良い!
旧軍施設は管理されている所が多い。放置してる所はとことん放置してる。
各種工場・鉱山施設・鉱山町の三種類の廃墟を楽しめる廃墟のテーマパーク。
辺鄙な山奥にあるため到達の難易度は高めだが、他の廃墟では味わえない壮大さを持つ。
特に廃鉱山の王様・炭鉱の竪坑櫓はいずれも圧倒的な存在感を放っている。
何かと噂が多い。夜どころか昼でもスリル満点。
【嫌悪】
廃墟愛好家だけではなく、
廃線・廃道愛好家も嫌ってるもの。
説明不要。
廃ホテルの客室で生活している人々。
敷かれた布団の周りにお酒や
エロ本が転がってるのはもはや廃ホテルの原風景。
ヤクザなど犯罪者が良からぬ企みをしてたり、不届き者にお仕置きしてるかもしれない。
そんな場所に鉢合わせたら無事に帰れる保証はまずない。
これもまた廃墟の楽しみ方の一つではあるがマナーの悪い人は下記の行為をするし、何より荒らされる。壊される。
愛好家はそのままの廃を見たいのです。
これを見たら萎え度が半端ない。
壁にガリガリ、又はスプレーをプシューっと…
チラシの裏にして下さい。
※グラフィティは落書きとは似て非なる物です
景観も気分も台なしである。
廃だからと言って捨てていい物では無い。
特に
廃線・廃道は現道が近いと不法投棄の量がハンパない。
山盛りのゴミを見た日には怒りを通り越して悲しくなってくる。
かなり邪魔だが
DQNや肝試しや噂に流れて来る人が引き返す要因になるため中々有り難い存在だったりする。
ただし
藪に埋もれた貯水槽に落下して死亡なんて事例もあるので、危険なことには変わりがない。
中で死んでしまった浮浪者や自殺者などの遺体。
廃墟マニアは
幽霊は恐れない人が多いが、さすがにグロ肉や白骨は別。
部屋から別の部屋に移動した際、窓際に首吊り死体なんかがあったら発狂モノ。
場所が場所なので、
ハッテン場となっている廃墟も存在するという。
鉢合わせしてしまった日にゃ…アッー!
(※必ずしも廃墟=
ハッテン場ではない)
【問題点】
やはり私有地の為、不法侵入が一番の問題点である。
許可を貰って入ればいいのだが許可が下りる事は中々無い。
危険だし、何より上記の(行為や)人が来るため晒したくないのだ。警備を強化されて入れなくなったり解体されてしまっては元も子もない。
更に古い物件だとアンティーク品として収集したり、売却するため遺構を盗む人もいる。
勿論、窃盗罪です。
廃好きにとっては
「そのままにして下さい。ほっといて下さい」
と言いたい気持ちになる。
そのため、ネットに写真は出しても場所は明記しない事も多い。
また、建物の老朽化により天井の落下や床・階段の抜け落ち、場合によっては建物全体の倒壊の危険もある。
他にも老朽化したドアによる閉じ込め、ガラスや釘・薬品による怪我(+破傷風)、カビ・アスベスト等有害物質による汚染、危険な動物・人物との遭遇など、考えられるリスクを挙げたらキリがない。
行くには相当な装備が必要。
そして必ず単独ではなく複数で行き、また家族には行き先を連絡しておくように。
間違っても夏の帰りにそのまま
肝試しに行くような場所ではない。
ごく普通の人は本やネットで楽しもう。
最近は廃墟マニアの高齢化や飽きから廃墟化している廃墟サイトも多いけど。
【著名な廃墟】
●
松尾鉱山(
岩手県)
廃鉱山及び廃墟となった鉱山街。閉山した昭和40年代当時は地上の楽園と言われた程の生活水準の高さを誇った。
全体的な雰囲気は人類滅亡後の工業都市。
●
鬼怒川温泉(
栃木県)
東京から特急一本で行けるお手軽な廃墟群。
未来日記に出てきた温泉街廃墟群のモデル。
バブルの崩壊に伴い経営破綻して廃墟となったホテルが取り壊されることなく数多く点在しており、全盛期の大手であった「きぬ川館本店」などの廃墟が有名。
現在でも大手企業が経営するホテルや経営再建が成功したホテルなどが残り人気の温泉スポットとなっており、温泉街自体が完全に廃れたわけではない。
なお、同じ日光市内の足尾地区も廃墟群として有名。
こちらは閉山した鉱山の施設が存在しており、鉱山施設に向かう廃線、ダムに沈んだ廃線も存在する。
●
端島(
長崎県)
通称
「軍艦島」。廃墟愛好家なら誰もが知る廃墟島。
海底炭鉱による石炭の算出によって栄えていた孤島だったが、主要エネルギーが石油に移行したことや自然発火による事故の発生をきっかけに規模を縮小し最終的には閉山。
炭鉱の衰退に伴い人口が減少していき、1975年を以て住人が全て退去したことで学校、アパート、
プールといった当時の生活を色濃く残した廃墟と化した。
以降は島の一部が整備されて観光スポットとなっており、それ以外の箇所は老朽化などで危険なことから立ち入り禁止となっている。
2015年に「明治日本の産業革命遺産」の一部として世界文化遺産に登録された。
●
高崎金属(
群馬県)
高崎市にある廃工場で、現在は社名変更した東洋熱工業が管理している。
特撮における「いつもの廃工場」。戦隊・ライダー含め毎月数回は使われるので、視聴者なら一目でピンと来るはず。
呼吸するだけでも鼻の中が真っ黒になる程空気が悪い。
●
摩耶観光ホテル(
兵庫県)
マヤカンの通称で知られるアールデコ風のデザインが特徴的な廃ホテル。
あまりにも有名すぎるため警備が厳重なのが難点。
●
グリュック王国(
北海道)
バブル時代、僻地・道東に突如として現れ、バブルの崩壊と共に廃墟と化した遊園地。
ここも廃墟マニアの間で有名になり過ぎて不法侵入が相次いでいるらしく、
立入禁止看板の警告文が怒りで満ち溢れている。
●
ピエリ守山(
滋賀県)
俗に「生ける廃墟」と呼ばれるショッピングモール。
●
イーゴス108(
滋賀県)
その近くにある観覧車。
最近解体され、ベトナムで再び観覧車として活躍するそうな。
今日も時の流れに任せて朽ちて行く建築物
それをカメラ片手に記録に残しながら見守る愛好家達
「廃」を愛する方、追記・修正お願いします
- SIREN、世界樹の迷宮など廃墟のゲームをやっていたら現実の廃墟も気になってきた。 -- 名無しさん (2013-11-01 21:03:32)
- フラジールは素晴らしい廃墟ゲーだった -- 名無しさん (2013-11-25 15:29:11)
- 山間部の村とかは段々こうなるとこが増えてくんだろうなぁ とか考えると諸行無常 -- 名無しさん (2014-03-01 21:25:03)
- 心霊映像でもよく廃墟が出るよな。特にほんとにあった!呪いのビデオシリーズとか -- 名無しさん (2014-03-01 21:44:32)
- とにかく怖い話の部隊のベタ。 -- 名無しさん (2014-07-10 13:59:12)
- かつて人々の営みがあった場所が朽ちていくのを見るのは好き。商店とかだと「かつてはここで一旗上げてやろうとした人がいたんだなぁ…」とか「なんでここで成功すると思ったんやろ」とか思いをはせるのは楽しい -- 名無しさん (2016-08-31 09:45:09)
- ヨーロッパにある古城はちゃんとした管理がされてるせいか、廃墟になっても美しい状態を維持してる場合が多い。 -- 名無しさん (2017-04-15 03:20:10)
- ↑2 遺物から当時の考察をしていたブロガーには感心した -- 名無しさん (2024-07-30 19:33:47)
最終更新:2024年07月30日 19:33