枕返し/反枕/枕翻

登録日:2011/04/22 Fri 20:58:46
更新日:2024/08/08 Thu 19:24:35
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枕返しとは、妖怪の一種。
読んで時の如くを返すだけの妖怪……と思われがちだが、実際は枕を返すだけではなく、
眠っている人の方向を反転させたり、寝ている人の体を押し付けたりもする。
また、枕返しに枕を弄られた場合、その人には災いが降り懸かると言われている。

発祥は以外に新しく資料として残っているもので江戸時代。
鳥山石燕著の『図画百鬼夜行』にその姿を見ることが出来る。

日本各地で伝えられる妖怪だが、和歌山県における七人の樵の話が最も有名(後述)。
しばしば座敷童子と同一視される。
今でこそ枕返し=結構無害な妖怪と思われがちだが、古くから眠りとは死に近いものとして恐れられていた為、実際はかなり危険な妖怪。

ざっくりとした説明になるが、民俗学において眠りとは死の象徴であり、また、とは異世界の象徴である。
枕は眠り夢に通じるものであり、それを返すということは、死異世界と生実世界を入れ替えるものとして考えられていた。
それを表している前述した「七人の樵」の話である。
似た話に八人の樵があるが、恐らくこれは七人の樵の派生系である為、割愛する。

昔、七人の樵が古くから信仰されている檜の大木を切り落とした。
それに怒った木の精が、その夜樵の元に現れ、その枕を返したことで殺してしまったという話である。
これはよくある自然報復系の話であるが、他にも大金を持った旅人が強盗に襲われ、以来その部屋に泊まる人間を殺すという話もあり、その実体は安定しない。
石燕は自著においてその姿を仁王に準えたが、そもそも近代における枕返しのイメージは小僧だったり、話によっては女性だったりもする。
妖怪と言えば、正体不明が常であるが、この枕返しは、それが特に顕著であると言えよう。



さて、自然信仰が薄れた現代ではあるが、それでもなおこの妖怪は恐ろしい。



創作作品における枕返し


基本的に敵として現れ、敵として倒される事が多いが、一部例外もある。
夢を操る能力や眠気を引き起こす砂、夢の国へ行ける虹の橋を架ける能力等を持つが、塩に弱い。また悪夢を食べる妖怪である獏が事実上の天敵である。

原作アニメ第1期アニメ第4期では自分の領域に入った子供を夢世界に連れ去って食べようとして、鬼太郎達に倒された。
原作とアニメ第4期では塩で溶かされて、アニメ第1期では動物園の獏に食べられている。

アニメ第3期では夢の世界の番人であり、寂れてしまった夢の世界を復興するために天童ユメコの魂を狙った。
最初は巨大化していたが、大量の塩をかけられて人間大にまで小さくなった。
その後もユメコを狙い、鬼太郎達を悪夢で苦しめるも、獏をけしかけられて降参、ユメコに励まされて改心し、その後は鬼太郎の仲間になった。
詳細はゆめ妖怪まくらがえし(ゲゲゲの鬼太郎)を参照。

アニメ第5期では子供の夢を壊す妖怪であり、動物園を経営する夢を持つ子供の思いから出現した動物園の漠に食べられて倒された。

アニメ第6期では最初から味方として登場した。
かつては夢繰りの鈴を使って子供を夢の世界にさらったが、とあるおっかない僧侶に敗北して鈴を奪われ、それ以降は悪さをしなくなったという。

枕を返す際に相手をパラレルワールドに送り込むという妖怪として描かれ、作中では郷子を24歳になった世界に送り込む。
この世界では郷子はOLになっているがとても仕事がきつく、とは別れている(更に広は美樹と結婚している)。
更にぬ~べ~は郷子達の卒業後に妖怪との戦いによる大怪我でほぼ廃人のような状態で律子に介護されており、ゆきめも山から帰ってこなかったという郷子にとっては最悪の世界だった。
最終的にこの世界のぬ~べ~が鬼の手を使い、枕返しを脅したことで郷子を元の世界に戻した。
アニメ版では最終話のエピソードに抜擢されている。

なお、スピンオフ作品『霊媒師いずな』のあるエピソードではこれを基としたと思われるエピソードがある、ぬ~べ~が廃人となる切っ掛けとなった妖怪の呪いを、いずながチャブクロ(正しい心で触れると一度だけ過去を改変できる妖怪)の力を借りて過去に戻り回避するという展開が描かれた。


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最終更新:2024年08月08日 19:24