【試合順】
- 練習試合:ブラジル
- ワールドカップ欧州予選リーグ:ポルトガル、スペイン、デンマーク、ロシア、ポーランド
- ワールドカップ本戦グループリーグ:アメリカ、ベルギー、イングランド、ウルグアイ
- ワールドカップ決勝トーナメント1回戦:フランス、オランダ、アルゼンチンから1カ国
- 2回戦:ブラジル
- 準決勝:ドイツ
- 決勝戦:日本
14試合。
日本よりも試合数が少ないぶん、初期レベルが高い。
【ストーリー】
ワールドカップに臨むイタリア代表には
世代交代の波が押し寄せていた。
ヨーロッパ得点王に輝いた事のあるマッツォが昨年から急激に調子を落とし、
さらに今年は足を痛め、ワールドトーナメントではイタリア代表に選ばれず
攻撃の中心は若きストライカー、ストラットに任されるようになり……。
ベテランのゴールキーパー、ディーノにも衰えが見え始め、
ユベントスのゴールは日本から来た若島津が守るようになっていた……。
ディーノに代わってイタリアゴールを預けられるのは
パーフェクトゴールキーパーの異名を取るジノ・ヘルナンデス。
だが、度重なる敗北と屈辱によって彼の誇りは粉々に砕かれ、
ワールドカップを前に、深く思い悩んでいたのだった……。
[練習中]
ストラット 「おい、ヘルナンデス!」
ヘルナンデス「……うん?」
ストラット 「どうしたんだ、まるで元気が無いじゃないか!」
ヘルナンデス「……ああ。
今度のワールドカップ……
ボクはみんなの足手まといにならないかって思ってるんだ……」
ストラット 「足手まといだって?
お前の他に誰がイタリアのゴールキーパーをやるってんだよ!」
ヘルナンデス「ああ……。そうだな……すまん……」
ヘルナンデス「もっと落ち着いて……いつも冷静に……。
下手に誰かをライバル視しちゃいけない……。
なんて言うけれど……」
ヘルナンデス「正直、ボクは駄目だなあ……。
翼やシュナイダーのシュートは止められない……。
若林やミューラーの方がゴールキーパーとして上だ……。
それは認めざるを得ないよ……」
ストラット 「ヘルナンデス……。
世界のどこにも、点を取られないキーパーなんていやしないぜ?
たとえばゲルティスだ。
あんな凄いセービングをやるのに、大量失点で負けた試合もある。
お前が言うミューラーだって、日本と戦った時は失点して負けてる。
日本の若林なんか、ファンベルグにかかったら5失点だぜ?
誰だって負ける事ぐらいあるさ」
ヘルナンデス「………………。
彼らとボクは、どこが違うんだろう……」
ストラット 「そうだな。
前に負けた事を、いつまでもウジウジ引きずっていない事じゃないか?」
ヘルナンデス「………………!」
ストラット 「俺だって、チームに居づらくなって飛び出しちまった事がある……。
その時、ブラジルのサンパウロに拾ってもらってな。
そこのゴールキーパーが怪我をして、
代わりにユースチームから上がってきたのがいたんだ。
ひでえザルキーパーだったぜ。
そいつに言ってやったんだ、ゴールポストの方がまだマシだってな」
ヘルナンデス「そりゃ、酷いな……」
ストラット 「ああ、ちょっと言いすぎたと思ってるよ。あの時は俺も荒れてたんだ……」
ストラット 「で、俺に言われたゴールキーパーは、それから、あいつなりに頑張ってたよ。
そうすりゃなんとかなるもんでな、そのまま優勝まで行っちまった。
今思えば、あいつはブラジルのスーパー頑張りゴールキーパーってとこだな」
ヘルナンデス「……それ、褒めてるのかどうか分からないぞ」
ストラット 「こ、これでも褒めてるんだよ!一応!俺なりに!」
ストラット 「まあ、ともかくだ。
お前よりずっと下手な奴でも、気合入れりゃなんとかなっちまうものなんだ。
お前にできねえわけがねえんだよ。
俺は、そう思うぜ」
ヘルナンデス「ストラット……。ありがとう……」
ストラット 「いいんだよ。一人で悩んでても、ロクな考えは浮かんでこねえ。
でも、誰かが背中を押してくれるだけで解決できる事もある。
ブラジルにいた時の俺が、そうだった……」
※ストラットの回想で、翼の顔が画面に大きく映る
ストラット (そうだろ、ツバサ……)
ストラット 「それじゃあ、練習再開だ!」
ヘルナンデス「おう!」
【練習試合・ブラジル戦】
※ブラジルのGKはレナート。コインブラは控えに回っている。
[試合前ミーティング]
監督 「よし、みんな聞け。
ブラジルは正ゴールキーパー、ゲルティスがチームに参加していない。
ブラジルにはゲルティスの他に良いキーパーはいない。
守りは手薄だ。みんなガンガン攻めていくんだ」
ストラット 「なにィ、ゲルティスがいないのか!
そうか……会って、礼を言いたい事があったのに……」
監督 「怪我から復帰したばかりのコインブラも試合に出ないらしい。
ワールドカップを目前に控えて、
手の内を見せたくないと言ったところだな」
ストラット 「チッ、舐めやがって」
監督 「それでもブラジルには必殺シュートを使う選手が大勢いる。
こちらはヘルナンデスの守りが鍵だ。頼んだぞ」
ヘルナンデス「はい!」
[試合前 コートに出て]
ストラット 「あいつだ……!
あのヘボキーパー、ブラジルの代表になったのかよ!」
ヘルナンデス「相手のキーパーが……あの頑張り……」
ストラット 「へへっ、こりゃ楽勝だな」
ヘルナンデス「……相変わらず酷いな、ストラット」
ヘルナンデス(ボクは……その男ほど頑張っていただろうか……)
ヘルナンデス(いくら力が及ばなくても……結果が出なくても……)
ヘルナンデス(そこだけは誰かに負けちゃいけないんだ!)
[試合中・ヘルナンデスが必殺シュートを防ぐ]
※前半はブラジルは個々に必殺シュートを撃ってくる。簡単に防げるものが多い
ヘルナンデス「よし!」
ヘルナンデス「これなら、行ける!」
※交互に繰り返し
[試合中・ヘルナンデスがカルロスとシニョーリの必殺シュートを防ぐ]
ヘルナンデス「今のシュートを止められるなら……!」
[試合中・ストラットがボールを持ってペナルティエリアに入る]
ストラット 「おいヘボキーパー!
ポストよりはマシになったかどうか確かめてやるぜ!」
レナート 「なにィ!」
ストラット 「いくぜ!メガロゾーンシュートだァ!!」
※ストラットのメガロゾーンシュート、レナートを吹き飛ばすがこぼれ球になる。ドトールがボールをキープする。
チャーリー 「こぼれ球をドトールがキープ!」
ストラット 「なにィ!」
ストラット 「くそっ……!あの時の言葉は取り消してやるぜ!」
レナート 「へへっ……どうだ……」
ヘルナンデス「凄いな……あれが頑張りか……」
ヘルナンデス「よし……!ボクだって!」
[ハーフタイム]
ロベルト 「見事だ、ヘルナンデス……。
今日の彼は、これまで以上に凄い。
パーフェクトキーパーとしての自信を取り戻しつつあるようだ」
ロベルト 「だが、こうなった以上は
上には上がいることを思い知らせてやろう」
ロベルト 「まだいるんだ、ブラジルには……。
完成された」
ロベルト 「スーパーストライカーが!!」
チャーリー 「選手の交代をお知らせします。
ブラジル、シニョーリ選手に替わりまして……」
チャーリー 「コインブラ選手。背番号10」
ヘルナンデス「…………!!」
ストラット 「来やがったな!!」
[試合中、マッハシュートを止める]
※後半はブラジルはパスをカルロスとコインブラに集めてくる
※コインブラの必殺シュート、マッハドライブは使用してこない
コインブラ 「なにィ!」
ヘルナンデス「やったぞ……!これなら大丈夫だ……!」
[勝利後]
ストラット 「やったぞ!勝った!」
ヘルナンデス「ああ……やったぞ……!」
ヘルナンデス「あれだけのシュートを止める事ができたんだ……」
ヘルナンデス「待っていろ、シュナイダー、ツバサ……!」
[ブラジルのベンチ前]
レナート 「くっ……みんな、済まない……。
今日は完全にゴールキーパーの差だったよ……。
俺がもっとボールを取れていたら負ける事なんてなかった……」
カルロス 「そう悔やむなよ。サッカーは一人だけの責任じゃない。
もっと点を取ってやれなかった俺たちのせいでもあるんだ」
ヘルナンデス「そうさ、君はよく頑張ったんだよ」
レナート 「!?」
ヘルナンデス「実を言うとね、今日は君を見習わせてもらっていたんだ。
どんな相手でも最後まで諦めない、君の頑張りを。
それがなければ、後半にきっとボクは負けていた。
くじけずに戦う事……それを、ボクは君から学んだんだ」
レナート 「俺みたいなキーパーから……」
ヘルナンデス「そうさ。ありがとう」
※ヘルナンデスとレナートが握手をする
[ブラジル側ベンチの奥で]
シニョーリ 「ちぇーっ。なんでオレを引っ込めちゃったんだよ、ロベルト?
オレが出てたらあんなのちょろいのによー?」
ロベルト 「そうだな。俺もそう思うよ、シニョーリ」
シニョーリ 「えっ」
ロベルト 「お前と、カルロス、コインブラの3人が揃った時こそがブラジルの真の力だ。
それはワールドカップまで見せる必要は無い。
そしてゲルティスが戻ってくれば、守りの堅さも違う」
シニョーリ 「ワールドカップで勝ちゃあいいのか」
ロベルト 「そういう事だ」
最終更新:2024年08月31日 19:13