【ストーリーデモ】
※タイトル画面でしばらく放置していると流れるデモシーン
【デモ1】
1994年……
サッカー・ワールドカップ アメリカ大会が行われる、この年……
ワールドトーナメントの激闘を締めくくる
全日本対カンピオーネ戦の数日後……
片桐「諸君、優勝おめでとう」
翼 「片桐さん!」
石崎「俺たち、これで世界一になったってわけですよね!」
片桐「世界規模の大会で優勝したという意味では、確かにそうだが……」
片桐「しかしながら、あのワールドトーナメントの評価はあまり高くない」
石崎「ありゃ!?」
片桐「各国代表とクラブチームが同一大会で戦うという趣旨は面白いものだったが、
実際に開催してみると、その問題点も浮き彫りになった」
翼 「問題点……」
片桐「選手がどのチームから出場するかによって、戦力が分散されてしまう問題があった。
例えば若林がいないハンブルガーや、シュナイダーがいないバイエルンはあっけなく初戦敗退。
翼がいないレッチェは、出ても勝てないからと出場を見合わせてしまったほどだ」
翼 「あっ……」
若林「国の代表チームとクラブチーム、両方に出る事はできないからな……」
片桐「逆になったのがブラジル代表だ。怪我で出場できないコインブラはともかく、
他の有力な選手たちは、皆、所属するクラブチームが手放さなかった。
ブラジル代表で出たのはカルロス・サンターナとエウゾ・ゲルティスぐらいだったな。
そしてブラジル代表という一つのまとまった集団ができなかったために、
それぞれが個々に敗退してしまった」
片桐「そうした問題があったために、
ワールドトーナメントは本当の意味での世界一を決める大会とは言えない……。
やはりワールドカップの歴史と重みには及ばない、お祭り行事だったというのが世間の評判だ」
石崎「ちぇー、あんな強いチームと戦ったってのに」
翼 「やっぱり、ワールドカップ……」
片桐「そうだ。世間の目は、すでにそちらに向いている」
片桐「これまで日本は……ワールドカップ本戦に進出できた事は一度も無い。
だが、君たちほど強い日本代表もまた、かつて無かった。
君たちの世代に、日本のサッカー界の希望が託されているんだ。
ワールドカップ本戦進出の夢が……」
翼 「片桐さん……。
けど、俺の夢は違いますよ!」
片桐「翼……?」
翼 「俺の夢は、ワールドカップ優勝です!!」
片桐「……!!
そうだ……。翼……君たちなら、それができるかもしれない……!」
翼 「よし!みんな行くぞ!!」
選手「おう!!」
【デモ2】
1994年……
サッカー・ワールドカップ アメリカ大会が行われる、この年……
ワールドトーナメントの激闘を締めくくる
全日本対カンピオーネ戦の数日後……
※電話機の着信音が鳴る
ロベルト「はい、ロベルト本郷です」
ブラジルサッカー協会関係者(キャプテン翼2にいた高橋監督の色違いの人)
「ご無沙汰しております、ロベルトさん。
ワールドトーナメント優勝おめでとうございます」
ロベルト「ありがとうございます。
ブラジルの様子はいかがですか」
関係者 「ブラジルは……大変な事になっています」
ロベルト「ええっ!」
関係者 「コインブラが出場できなかったのは不運と言えましたが、
そのためにチームの戦力も整わず、
唯一の新戦力として期待されたシニョーリも
チームの輪に加わろうとせず勝手気ままに動くばかりで……」
関係者 「やむなく、前半はシニョーリに好きにやらせ、
後半はサンターナに指揮を執らせて
チームの主軸を前後半で変える作戦に出たものの
結局は日本のチームワークの前に敗れました」
ロベルト「………………」
関係者 「ライバルと見ていたアルゼンチンやドイツよりも先に敗退した事で
ブラジル代表は国中から非難を受けて、監督は更迭……」
関係者 「オリベイラを中心としたチームの体制を大きく変えることになりました」
ロベルト「……申し訳ない気持ちです。
日本がブラジルに勝ったために、そんな事になってしまっているとは……」
関係者 「……ついては、ロベルトさん。
貴方に、来たるワールドカップのブラジル代表監督を引き受けて頂きたいのです」
ロベルト「なんですって!?」
ロベルト「今の私は日本の代表監督なのですよ!」
関係者 「もちろん、日本サッカー協会へのお詫びは私どもからさせて頂きます」
関係者 「しかし、今ブラジル国内では日本を率いて数々の大会を優勝に導いた
ロベルトさんへの評価が非常に高まり、
他の誰も代表監督を引き受けようとはしない状況なのです」
関係者 「ロベルトさん、ブラジルには貴方が必要なのです。
これはジョアン氏からの要請でもあります」
ロベルト「ジョアン監督が!」
関係者 「はい。先だってジョアン氏に監督就任を依頼したところ……
わしよりもロベルトの方が監督として上じゃ、と仰いまして……」
ロベルト「………………」
関係者 「その代わりに、必ずロベルトをワールドカップで勝たせてやる、
とも言われました」
ロベルト「それは……?」
関係者 「詳しいことは教えて頂けませんでしたが……」
関係者 「ともかく、監督就任の件……よろしくお願い致します」
ロベルト「……少し、考える時間を頂けませんか」
関係者 「もちろんです。良い返事をお待ちしております」
ロベルト「はい。それでは……」
ロベルト「翼…… お前が夢見ていた最後の戦い……」
ロベルト「俺は……」
ロベルト「……お前の敵として戦うことになるのか!!」
【デモ3】
1994年……
サッカー・ワールドカップ アメリカ大会が行われる、この年……
ワールドトーナメントの激闘を締めくくる
全日本対カンピオーネ戦の数日後……
※病院の遠景、病室の前の扉が順に映る
※扉の表札
『アルツール・アンチネス・コインブラ』
※病室の中。ベッドに寝ているコインブラ
コインブラ「あんたは……!」
コインブラ「ジョアン……!!」
ジョアン 「試合は見ておったかな。
わしはロベルトに負けたよ。いや……」
ジョアン 「ツバサと言う、ロベルトの弟子に……」
コインブラ「ツバサ……!」
ジョアン 「サッカーが上手くなるためには……
まず、ボールと友達になれ」
ジョアン 「ずっと昔、わしがロベルトに教えた事だ。
ロベルトが怪我で引退してからというもの、
この言葉をわし自身が忘れてしまっていた……。
それをあのツバサという若者がロベルトから受け継ぎ、
ツバサのプレーを見たアルシオンにもそれが伝わった。
そして……わしもやっとその言葉を思い出したよ……」
コインブラ「確かにな……」
コインブラ「俺を育てていた時のあんたは、
そんな事は一度も口にしていなかった」
ジョアン 「コインブラ……。
選手として再起不能となったロベルトが、
わしの後を継いでサンパウロの監督になったと聞いた時、
わしも今度こそ、ロベルトに負けない選手を育てあげ
世界最強のチームを作り上げようと思い至った。
そして最初に出会ったのがお前だった」
ジョアン 「若くしてスーパーストライカーとして完成したお前をロベルトに預け、
ロベルトの手でブラジルユースを優勝させる。
ロベルトを優勝監督にしてやれるはずだったのだ……」
ジョアン 「だがお前は……あの試合でカルロス・サンターナと出会い、
わしの元を離れ、カルロスとプレーするようになってしまった。
カンピオーネがチームとして動き出すまでの事だと思っておったら、
ようやくカンピオーネが戦えるようになった矢先に、
今度はお前が大怪我を負って選手生命の危機だとは……」
コインブラ「ジョアン……。
なぜ……今、そんな話を……?」
ジョアン 「わしはもう同じ間違いはしたくないのだ。
ロベルトを失ったあの時、
自分にはもっと何かできたはずでは無かったかと悔やみ、
己を責め、ついにはサッカーに背を向け、
かつて自分が語った言葉さえ忘れてしまった……」
ジョアン 「わしがお前を再びフィールドに立てるようにしてやる。
わしの手で完成したスーパーストライカー……
コインブラ、お前をロベルトと同じにはさせん。
必ず、立って、もう一度戦うのだ!」
ジョアン 「ツバサ・オオゾラと……!!」
最終更新:2024年09月02日 19:58