■共鳴士
共鳴士は任意の対象を呼び出す魔法使いではない。
彼らはその才能に目覚めたときに共鳴した特定の存在しか呼び出すことが出来ないのだ。
故に彼らは共鳴した相手を己の半身のように扱い、絆を育み、力を引き出し合っていく。
共鳴士には3種類のカテゴリーが確認されている。
武具を呼び出すコール。
共鳴した相手に変じるクロス。
共鳴した相手を呼び出すサモン。
コールで呼び出される武具には意思を持った存在であるという共通項がある。
また、共鳴士の才能を持った者は危険である。
ある日突然農村の子供がドラゴンを呼び出せるようになったら? おそらく力を暴走させて農地を焼き払ってしまうだろう。しかし潜在的に共鳴士の才能を持つ人間が多いことと、先人たちの弛まぬ努力のおかげで共鳴士が迫害されているわけではない。共鳴士の才能に目覚めた者は、境界学園都市でレゾナントとの付き合い方を学んでいく。
■レゾナント
隣接異界に住む存在をレゾナントと呼ぶ。
彼らはドラゴンであったり、精霊であったり、魔剣であったり、その姿は千差万別だ。
共鳴士は彼らをその力で呼び出し、力を借りる。
だが忘れてはならない。彼らも異なる世界に住む人格を持つ存在であることを。
■境界学園都市
境界学園都市は各国政府の支援を受けつつも、独立した行政機関を持つ中立都市だ。
入学は強制ではないが入学させるのが一般的と認知されている。年齢に規定はなく、共鳴士としての才能に目覚めれば入学となり、必要単位を修得し終えると卒業となる。
基本的に入学から卒業にかかる期間は6年であり、その間学生は寮に住む(稀に自宅を購入する富豪もいる)。
■クエスト
学園内には掲示板がありクエストが張り出されている。
これらは学費に困窮した学生への支援策であったり、短期授業の応募であったり、生徒間での依頼であったりと様々だが、張り出すには正式な書面の元事務室を通さなければならないため、偽のクエストを掴まされることはほとんどない。
■学外の様子
基盤世界には4つの主要国家が存在する。
『
赤の王国・グレン』
岩盤をくり抜いて作られた城とその城下町を中心に加工技術を中心に発達した国家である。火山地帯には大きな温泉街が存在し、観光業も盛んだ。
気候は年間を通して非常に暑く、薄着の文化となっている。
『
青の都市・ブルアットル』
海産物の輸出を中心に栄えた海洋国家であり、優れた造船技術で知られている。また芸術の国としても知られ、食文化から音楽、アートまで幅広い芸術家が集う。
政治形態は民主制ではあるものの、貴族たちによる政党の独占が横行している。
『
黄の砂漠・エラォウ』
砂漠地帯が領土のほとんどを占めるものの、運河を利用した農地とヤギの遊牧に力を入れる食料生産国家。
裕福層は巨大な亀のレゾナントの背に作られた娯楽都市『リンフォン』に住んでいる。
『
白の聖山・ビィエーラヤ』
一面の銀世界に包まれた雪国であり、その雪を利用した醸造と、鉱物資源の冶金、発達した医療技術が見られる。
宗教色が強く、聖女によって治められているのが特徴的であり『我々は助け合わなければならない』という教義を第一としている。
◾️隣接異界の様子
隣接異界にも様々な土地や国が存在する。
『浮遊大陸・オラトリオ』
浮遊する大地に根差す飛行生物たちの住む領域。
現在は天使たちによる強固な階層社会が形成されている。
『遥かなる大地・ルバート』
隣接異界でも最大を誇る大陸。
大小様々な国があるものの、大抵は同一種族によるコミュニティに留まる。
『竜の国・ドラガリア』
ルバートに存在するドラゴンが統べる実力主義国家。
それを快く思わないドラゴンが反政府組織を乱立させていたりと内乱が絶えない。
しかし現在の王の力は強大で、クーデターで先代のドラゴンを討ち倒してから200年、クーデターを尽くを返り討ちにしている。
『地下魔法都市・アヌビス』
かつて魔法の研鑽を目的に地上を離れ、地下に作られた魔法都市。
その背景から古のマジックアイテムが保管されているものの、共鳴術によりいつのまにか基板世界に持ち去られていることも……。
現在では派閥の形成や権力闘争に明け暮れ、悪魔たちがその大半を牛耳る結果となっている。
『妖精の森・ブロセリアンド』
鬱蒼とした大木の生茂る森林地帯。
自然崇拝と精霊信仰の合わさった宗教観が根付いており、小さな部族が縄張りを持って生活している。
最終更新:2020年07月20日 22:55