MLRS 多連装ロケットシステム

えむえるあーるえす たれんそうろけっとしすてむ

陸上自衛隊所属の超長距離面制圧用の自走多連装ロケット砲。実在する。

※出典:陸上自衛隊ホームページ (https://www.flickr.com/photos/90465288@N07/8266805966/
乗員 3名
全長 6.85m
全高 2.59m
全幅 2.97m
重量 24.95t
エンジン カミンズ VTA903 水冷4サイクルV型8気筒ターボチャージド・ディーゼル
出力 507馬力
最高速度 64.3km/h
行動距離 480km
武装 227mmロケット弾×12
・M26クラスター弾
・M31誘導弾(GPS)
有効射程 30km以上(M26)
70km以上(M31)

概要


多連装ロケットシステム(Multiple Launch Rocket System、通称:MLRS)は、冷戦後期にアメリカ陸軍がソ連機甲師団の圧倒的な物量による縦深戦術に対抗する長距離阻止砲撃用として開発した履帯式自走多連装ロケット砲システム。
1971年に研究開始、1981年に最初の量産車が完成し、翌1982年から運用が開始された。
陸上自衛隊では上陸作戦中の敵部隊に対する制圧攻撃用として1992年より配備が開始され、5個大隊分99輌が調達されている。

MLRSはM270自走発射機のみを指すと誤解されがちだが、実際には自走発射機*1、指揮車、弾薬補給車で構成されるシステムである。
M270自走発射機はコスト低減のため、M2/M3ブラッドレー装甲車とコンポーネントを共用したM993運搬車の車体が使用されている。
乗員キャビン後方の荷台には227mmロケット弾6発が収まるコンテナ型発射機を2基搭載し、コンテナを交換することで各種のロケット弾/ミサイルが発射できる。

M26ロケット弾(射程30km以上)はM77子弾644発を収めている多弾頭弾(クラスター弾)である。
M77は対人・軽装甲用の子弾で、外殻の破片により危害半径4m、中心部の成形炸薬により63.5~102mmの鋼板を貫通できる威力を獲得している。M26ロケット弾12発を使用した場合、12~20万㎡に7,728個のM77子弾がばら撒かれる*2。コンテナは3分で交換可能で、再発射まで8分しかかからない。
前線部隊に随伴して瞬間的に大火力を投射、敵の攻撃を遮断したり、戦線に穴を開けて突破口を作るのが本来の役割だが、召喚後の新世界では完全に過剰火力(オーバーキル)で、殲滅兵器と化している。

2008年7月にクラスター弾禁止条約(オスロ条約)を批准したため、M26ロケット弾の代わりにM31精密誘導ロケット弾*3が導入された。
これによりMLRSは兵器としての性格が大きく変わるはず*4だったが、新世界ではGPSがまだ未整備であるため、M31精密誘導ロケット弾の出番は当分は無さそうである。

日本では日産自動車宇宙航空事業部(現在のIHIエアロスペース)が車両のライセンス生産を行ったが、ロケット弾は輸入していたため、M26ロケット弾の再生産には時間がかかるものと思われる。
また現在M26の代替として、HEATとは似て非なる自己鍛造弾を使った高密度EFP弾頭が開発中である。
こちらも面制圧は可能だが、範囲はクラスターより狭く現代の戦車を撃破する火力はないとのこと。
こちらも場合によっては登場するかもしれない。

なお、現実日本ではオスロ条約締結によって有用性が低下したため、陸上自衛隊ではMLRSの後継は検討しないことになっている*5*6
運用部隊の縮小も行われており、開発中の島嶼防衛用高速滑空弾極超音速誘導弾等に更新される計画になっている。

随時加筆をお願いします。

劇中での活躍


最初に新世界で使用されたのは、クワ・トイネ公国城塞都市エジェイ防衛戦で、ロウリア王国軍の先遣隊2万人を、多数の99式自走155mm榴弾砲*7と共に12輌のMLRSで文字通り消滅させてしまった。

次に登場したのはフェン王国の戦いのゴトク平野。
99式自走155mm榴弾砲5輌と共に10輌が出撃、90式戦車AH-64Dの攻撃で追い詰められたパーパルディア皇国陸戦部隊にトドメを刺した。
降伏旗を振るパーパルディア陸戦部隊に向け発射し、一兵残らず全滅させている。

そして、グラ・バルカス帝国ムー侵攻に際しても派遣されている。
空洞山脈の戦いで散々に追い散らされたグラ・バルカス帝国第4師団は、これと99式自走155mm榴弾砲の斉射により、装甲に守られた戦車・装甲車と偵察で離れていた第19偵察隊以外の自動車部隊、歩兵部隊、オートバイ部隊がほぼ全滅してしまった*8。なお書籍6巻の該当シーンではMLRSは登場せずに99式のみが攻撃しており、原作では無事だった戦車や装甲車を含む残存部隊の7割を撃破している。

その威力と攻撃範囲により、撃たれた相手はそのほとんどが消滅に近い全滅(と言うか、装甲もない歩兵にはオーバーキル)と言う結果が待っている。
また、転異時点で既にクラスター弾禁止条約に調印している関係で、廃棄を待つばかりだったロケット弾をエジェイ防衛戦で使用しているが、その後も使用されていることから、M26クラスター弾を新造している可能性がある。

コミカライズ版でも、エジェイ攻防戦で威力を発揮している。
このときの、空中で散布されているM77子弾の落下シーンは特に必見。M26ロケット弾がいかにヤバい兵器かがよく分からせてくれる*9
関連項目
兵器陸上自衛隊99式自走155mm榴弾砲

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過去のコメント
  • 作成お疲れ様です - 名無しさん (2019-01-05 17:33:39)
  • ゴジラ×メカゴジラとか、最終兵器彼女(OVA)とか、映像作品で見かける事って少ないんですよねぇ。 - ドリフ提督 (2019-01-05 18:01:00)
    • そりゃ、ただただ”残酷”だもの。 そりゃもう異世界の軍隊が民間人においたするのは、ストーリー上こいつで処刑する事に正当性を与える為のフラグだってレベル。 - ハインフェッツ (2019-01-05 22:17:09)
      • 今日、前々からフラグ立てていたグ帝の陸戦部隊に降り注ぎましたね - 名無しさん (2019-01-12 23:50:34)
        • チハもどきなら、M77の成形炸薬弾で穴だらけになるはずなんだけどね。 - 名無しさん (2019-01-13 23:17:44)
          • まあ、ありがちなゲームバランス調整に伴う弱体化ってやつじゃないのかな。それに作者は割とグ帝気に入ってるのか、今回は降伏に成功した人も出たし。 - ハインフェッツ (2019-01-14 09:04:00)
            • 言ってる意味が分からんし普通に非装甲の程度を間違えたんだろ - 名無しさん (2019-01-14 10:52:35)
              • 単に10式の大軍を登場させて活躍させたかっただけじゃ、あとMLRSじゃなの形で降伏できんしね。 - 名無しさん (2019-01-14 10:55:43)
              • みのろうさんロデニウス海戦みたいに少数が顔見世からの増援登場好きそうだし。 - 名無しさん (2019-01-14 10:58:43)
              • だからチハ如きが下手すりゃ現代戦車でも危ない成形炸薬弾のトップアタックを生き延びるなんて、作者の依怙贔屓とでも考えなきゃ説明が付かないって言ってるの。でなきゃ一人残らずドルボ将軍みたいに生きたまま砕かれてたんだから。 …大方後で外伝でジブラ氏を主人公に後日談でちょっといい話でも書きたいと思ってるんじゃないの?よく知らないけど。 - ハインフェッツ (2019-01-14 13:40:21)
                • チハのようでチハ以上の装甲だったりしてね。 - 名無しさん (2019-01-15 18:22:42)
                  • チハのサイズかつ、MLRSに耐える装甲圧。それじゃあ装甲で内部容積がほぼ消滅して人間は入れないな。 - 名無しさん (2019-01-15 19:11:04)
                  • 軍板で十年以上前から言われてる精神力装甲強化技術ってやつか。 …て言うか、”本物のチハだったら”対物ライフルで普通に抜かれるんだから、ムーの野砲が当たった時点で全滅は無理でも普通に大損害食らってる筈なんだよな。 - ハインフェッツ (2019-01-15 23:38:22)
                    • ムーの野砲は中口径の榴弾じゃねえの?戦車なんてないから対歩兵用途だからチハのFHAに砕かれたんじゃ - 名無しさん (2019-03-15 22:44:00)
                      • それもまたどうかな?ノモンハンではBT相手に徹甲弾撃ったもんで、スッポスッポ抜けちゃって、結局ストッピングパワー不足で肉薄・蹂躙の憂き目に遭ったなんて話もあって、戦間期の戦車程度の今の基準で言えば軽装甲車両みたいな相手には、むしろ榴弾の方が効果的という説もあるらしいが。 - ハインフェッツ (2019-03-15 22:58:47)
                        • チハの装甲はFHAでBT戦車はRHAの紙装甲だから比較対象が微妙すぎるよ…それにノモンハンでの日本軍の速射砲や戦車砲の使用弾種は徹甲榴弾だからそれはちょっと例外的なものじゃない?事実ソ連戦車が日本軍戦車を蹴散らしたことはないし、被害が大きかったのもソ連の機甲部隊だけだし(800近い撃破で完全破壊は約400)戦車に榴弾は効率が悪いよ?チハでも米軍砲兵の制圧射で直撃弾食らっても履帯以外への損害は乗員の一瞬の気絶だけだし - 名無しさん (2019-03-17 03:47:43)
                        • ↑の制圧射食らっても日本軍基準では数時間の戦線離脱レベルで戦車の進撃は砲兵による阻止砲撃(榴弾)では阻止しえないと結論しているよ野砲の直射でも複数門で一斉射で何発か当てないと構造破壊もままならない。危機感が薄いムーの守備隊がそんな大量の野砲を据え付けてるとは到底思えないが - 名無しさん (2019-03-17 03:52:42)
                          • つっても12cm榴弾でM4を撃破できる話があるし小口径砲の話じゃない - 名無しさん (2019-04-26 08:33:50)
            • 好意的に解釈するなら、グ帝戦車が想定よりも堅かった+クラスター弾禁止条約で元々数が少なく、M26ロケット弾を急ピッチで生産+今世界では歩兵にはオーバーキルすぎて国民の理解を得にくい&生産性を上げるために火力を減らした…辺りだろうか - 名無しさん (2019-01-19 12:38:33)
              • つまり、作中で明言されてはいないがBP-3Cを作ったのと同様のニーズから、グ帝戦の頃には成形炸薬を無しにする代わり子弾を小さくして数を増やし制圧面積を増やすなどのカスタムを加えられたロケット弾に載せ替えられていたと。 - ハインフェッツ (2019-01-20 09:55:59)
          • チハに似ててもチハより重装甲って可能性もあるじゃん - 名無しさん (2019-04-10 16:03:06)
        • まあそんな粗探ししてたらしょーもないぜよ。そんなこと言ったら、現実はちょうど移転した前後(書籍版基準)の2015年2月にはクラスター弾頭はスウェーデンにて爆破廃棄完了になってるんだから・・・web版だと違法状態になっちゃう。どちらにせよ、全滅には変わらないし、ある程度は大目に見たほうがいいのでは。 - 名無しさん (2019-01-15 21:33:19)
          • ↑すいません、勘違いと計算ミスでした。スルー願います(´;ω;`) - 名無しさん (2019-01-15 22:19:46)
  • シン・ゴジラのMLRSが撃ってた弾頭はここに描かれてるM31ロケット弾かな?クラスターではないだろうし - 名無しさん (2019-01-16 17:21:02)
  • このページには、『そもそも多連装ロケット発射機とは何ぞや?』という話も必要かも - ドリフ提督 (2019-01-29 15:23:22)
    • 「トラックの荷台にロケットつければ良くね?」というソ連面、なお空母の場合… - 名無しさん (2019-03-11 09:00:40)
  • コミック版にて、「おっと、いかんいかん。エジェイを守るのはあくまでも儂の役目…」とやってるノウ将軍の背後で不気味に鎌首をもたげる幕引き…さすがにおっそろしーわ! - ハインフェッツ (2019-03-26 23:24:57)
    • まさかマンガ作品でMLRSをお目に掛かる日が来ようとは…(ゲートにも出てこなかったし - ドリフ提督 (2019-03-27 09:03:31)
  • 誤解してる人がいるようだけど自衛隊の保有してるM26は対人特化で手榴弾ほどの威力しかないからなM77とかは持ってないぞ - 匿名 (2019-04-16 07:13:18)
    • ごめん間違えたかも - 匿名 (2019-04-16 07:16:38)
    • はぇ〜M26の中身全部M77って訳じゃないんだー - 名無しさん (2019-04-16 19:49:13)
  • マンガ版にも出てきたよ。というか、FH70も活躍を『マンガ』で見る日が来ようとは… - ドリフ提督 (2019-04-26 16:44:42)
    • 凄い細かい描写と言うか、クラスター弾の中身が本当にえげつないのがよく分かるシーンだった - 名無しさん (2019-04-26 18:16:55)
      • って言うか、あの描き方は演出からしてえげつない。わざわざ「禁止されたクラスター弾頭のロケット弾です」と言ってからのドパパパドパパパン「これが魔導兵器だと言うのか!」で、「タヒ~ん」となったのをエジェイの兵が「すげえ、ロウリア軍が消えて無くなった!」って、ギムのエピソードが無かったら普通に苦情殺到で打ち切り食らっても仕方ない描写ですがな。 - ハインフェッツ (2019-04-26 23:49:02)
        • 戦争描写が駄目じゃ犯罪者が主役の作品は全部打ち切りだぞ。 - 名無しさん (2019-04-27 13:49:14)
  • どうやら公式の反応からして単純にチハが耐えたのはミスっぽいな - 名無しさん (2019-04-27 18:55:24)
    • これから先またチハVS MLRSが起きた時はどうするのかね。 MLRSで破壊できるかどうかって陸戦だとかなり重要だと思うんだが… - 名無しさん (2019-04-27 19:52:53)
      • もしかしたら今回のMLRSのロケットは純粋なM26ロケットではなくて、数を揃えるために成形炸薬無しの対人特化型のロケットだった、なんて後付けがされると面白い - 名無しさん (2019-05-02 19:51:23)
        • 装甲車両に使う機会が、事実上第三文明圏にいる限りないから、新たに作るならそれでいいかもしれないね。グ帝戦が発生したことでまた見直されそうだが。 - 名無しさん (2019-06-16 21:21:06)
          • 魔王やオーガーみたいな超生物と戦ったのに完全対人弾頭とか威力低すぎ作る意味ねえわ - 名無しさん (2019-06-17 06:58:32)
    • 書籍版で修正するんだろうか? - 名無しさん (2019-05-03 23:15:14)
      • 六巻ではMLRS自体の記述が消えたよ、まあチハ如きが面制圧攻撃で大破しているから威力が変更されてるのは確実 - 名無しさん (2020-02-24 00:52:02)
  • クラスターのような面制圧兵器の再生産は転移直後からしてただろうし数年たってそれは考えにくい - 名無しさん (2019-05-02 21:31:09)
  • 令和になっているなら高密度EFP弾頭の試験終わっているから、作中で切り替えの動きがないなら従来型クラスターの再生産してる可能性あるな。再生産しないなら代替え兵器のめどが立ったので在庫一掃したのだろう - 名無しさん (2019-06-07 09:42:04)
    • HEAT弾頭はコストがやたら高いらしいからなぁ…ほかの兵器の片手間で作れるようなものじゃないらしい。 - 名無しさん (2019-11-05 23:42:12)
  • 日本だけ律儀に開発も所持も辞めたクラスター条約。 - 名無しさん (2020-09-17 12:06:45)
  • そりゃあ殺傷力より不発弾が脅威ってなると日本や半端な国はやめざるを得ないよな。つまり条約加入してない国はつまり不発弾が残って後々民間人が被害にあってもミサイル撃ち込むぐらい敵対した国の人間の誰がどうなっても構わないわ(笑)ってことだよな。 - 名無しさん (2021-07-25 01:59:43)
  • エジェイやゴトクじゃばらまかれた子弾の除去作業はちゃんとやったんですかいの? - 名無しさん (2022-07-26 11:06:52)
    • それわざわざ作中描写なんかするか? - 名無しさん (2022-07-26 11:24:49)
  • 今絶賛活躍中のHIMARSはこれのトラック搭載版みたいなやつなんだっけ?現実の日本もこれを後継として導入するべきなんじゃないだろうか。 - 名無しさん (2022-07-28 14:01:11)
    • うん、MLRSの発射器を小型化してトラックに載せたやつだから実質そうやね。ただ自衛隊はMLRSの後継を配備しない予定らしいし、後継として導入は難しいんじゃね - 名無しさん (2022-07-28 16:27:18)
      • トラックにロケット弾って、レイアウト的にまさしく大戦中の「カチューシャ」ロケット車両だなあ - 名無しさん (2022-12-07 00:31:26)
  • 結局お役御免に。まあGMRLSだと射程が微妙だもんな(島嶼戦で使うには短すぎ、本土で使うなら長すぎ) - 名無しさん (2023-01-10 20:50:44)
  • ウクライナ戦争の戦訓でMLRSは当面維持される事になった模様 - 名無しさん (2023-07-03 22:30:49)

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〔最終更新日:2023年12月22日〕

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添付ファイル

*1 陸自では1個大隊あたり18輌が定数

*2 これはサッカー場14面に相当する面積だが、小説版では計算間違いのため狭くなっており、コミカライズ版で訂正されている

*3 射程70km以上の単弾頭式GPS誘導弾。2022年に勃発したロシアによるウクライナ進攻において、M270と装輪式発射機であるM142HIMARSから運用されてロシア軍に対して猛威を振るい、その有用性を明らかにしている

*4 本来の「上陸作戦中の制圧攻撃」に加え、新たに「輸送艦に艦載し、敵上陸部隊・占領する敵部隊への洋上からの精密射撃」「上陸作戦を試みる敵艦艇への対艦攻撃」といった任務が追加された。実際に2014年にはおおすみ型輸送艦に搭載して模擬射撃訓練を行った他、2016年には地対艦誘導弾と共同して敵艦艇の排除を行うデモンストレーションが実施されている。

*5 ちなみにアメリカやロシア、それにウクライナは(2023年10月現在)批准していない。ただし、アメリカは国内でも批判があるため、子弾の不発発生率10%未満と独自規定を設けており、M77子弾のような緩降下弾は撃発信管が作動しない恐れがあるため使用中止となり順次処分されている。アメリカのクラスター弾は不発率3%以下となっている。ロシアのクラスター弾不発率は30%近いそうな……

*6 なんで日本が批准したのかと言うと平和主義という話もあるが、そもそも日本の防衛ドクトリンは「海で沈める」なので、陸自は開戦劈頭に辿り着いた敵第一波を追い払うことが主要な存在意義となる。従ってこの条件で自国本土にクラスター弾をバラまくリスクに対してメリットが薄いのである。NATOにおいてアメリカと並ぶ、或いはそれ以上のタカ派であるイギリスも、同じように自国本土が島国なので批准している。

*7 漫画版ではFH70 155mm榴弾砲がこの役目を取って代わっている

*8 ちなみにこれは作者サイドがHEAT弾頭ではなくHE弾頭だと勘違いしていた故の描写ミス、本来なら最も守りが薄い上面装甲にHEAT弾頭が降り注ぐので、第二次世界大戦レベルの戦車・装甲車が耐えられるようなものではない

*9 勘違いされやすいが、クラスター弾禁止条約で問題になったのは殺傷力ではなく、子弾の不発弾化率が高く、不発になった子弾が民間人に対する地雷と化してしまうためである