あぁらふしぎやな(あぁら不思議なや)
あいがも(合鴨)……▼合鴨や夏鷺など、水鳥の料理は好まれてた。
あいがものしぎやき(合鴨の鴫焼)……合鴨料理のひとつ。
あいくち(匕首)……▼事件の凶器としての登場頻度が高い。
あいたやみたやこいしやと(逢いたや見たや恋しやと)
あいてはなにしろなんこうふらくで(相手は何しろ難攻不落で)
あいにくだがひとあしおそかったな(生憎だがひと足遅かったな)
あおいいきをはいて(青い息を吐いて)……苦しんでる様子。
あおいかお(青い顔)
  • あおくなってやがる(青くなってやがる)
あおだけのさしまた(青竹の交叉)……竹を合わせて立てたもの。
  • あおだけのさしまたになまくびをつっさして(青竹の交叉に生首を突っ刺して)
あおじろいかお(青白い顔)……病弱そう。
あかいけだし(赤い蹴出し)……女の下着。
あかいちのかよったにんげん(赤い血の通った人間)
あかいまんま(赤い飯)……お赤飯。
あかいめし〈赤い飯〉……お赤飯。
あかえびす(紅毛人)……南蛮人。
あかしがなくっちゃなぁ(証しがなくっちゃなぁ)
あかのたにん(赤の他人)……まったくのみずしらずの他人。
あがるのはたこばかりだ(あがるのは凧ばかりだ)……結果などが挙がらないときのぼやきことば。
あかんぼうのまえでかざぐるままわしながらいうんじゃねぇや(赤ん坊の前で風車回しながら言うんじゃねぇや)……ねぼけたことをぬかすな。
あきかぶ(空株)……権利者に空席がある状態。「空株があったのでそれを買って」
あきないがうすい(商いが薄い)……利益がない。
  • こんげつはあきないがうすかったもんで(今月は商いが薄かったもんで)
あく(灰汁・渋汁)
あくじ(悪事)
  • あくじがろけんするをおそれて(悪事が露顕するを惧れて)
  • あくじにつかう(悪事に使う)
  • あくじにはしる(悪事に走る)
  • あくじのかずかず(悪事の数々)
あくじせんりをはしる(悪事千里を走る)……悪い噂はすぐに拡がるよ。
あくどいあきない(あくどい商い)……あこぎ。
あくとう(悪党)
  • あくとうどもがあつまってきてます(悪党どもが集まって来てます)
  • あくとうにうまれついて(悪党に生まれついて)
  • あくとうのなかまいりをする(悪党の仲間入りをする)
あくのみちへはしるもの(悪の道へ走る者)
あくのむくい(悪の報い)
あくまにさそいこまれて(悪魔に誘い込まれて)
あくるひ(明くる日)
あげくのはてが(挙句の果てが)
あげしお(上げ潮)……満潮。
あこぎなしょうばい(あこぎな商売)……悪く儲ける。
あさがはやいのはとしよりのくせですからな(朝が早いのは年寄の癖ですからな)
あさからばんまでこのはんじょう(朝から晩までこの繁昌)
あさっぱらから(朝っぱらから)
あさまだき(朝まだき)……夜明けの前。
あしげい(足芸)……見世物の芸のひとつ。盥や傘などを逆立たせた足の上でまわす。
あしごしらえ(足拵え)……旅のしたく。
  • あしごしらえもげんじゅうに(足拵えも厳重に)
  • あいごしらえをかためて(足拵えを固めて)
あじなところ(味な所)……よいところ。
あしべをさしてみずけむり(葦辺をさして水煙)
あしをすりこぎみたいにして(足を擂粉木みたいにして)……歩き過ぎてくたくた。
あしをぼうにして(足を棒にして)……歩き過ぎてくたくた。
あずかりもの(預かり物)
あずけつかわす(預け遣わす)
あすじゅうに(明日中に)……あしたのうちに。
  • あすじゅうにみみをそろえてもってこい(明日中に耳を揃えて持って来い)
あずまえびす(東夷)
あせりはきんもつですぞ(焦りは禁物ですぞ)
あそびにん(遊び人)
あそびのあかをあらいながしてまっとうなにんげんになるのさ(遊びの垢を洗い流して真っ当な人間になるのさ)
あそびのあじをおぼえた(遊びの味を覚えた)
あだおろそかなことではないな(徒疎かなことではないな)……些細なことではない。
あたしにはなせないってのかい(あたしに話せないってのかい)
あたしのさいふをかえしておくれ(あたしの財布を返しておくれ)
あだなす(仇なす)
あだなすやもしれませんぞ(仇なすやも知れませんぞ)
あたまがさがる(頭が下がる)……かなわないな。
あたまがさがるおもいだ(頭が下がる思いだ)……恥かしい。
あたまであんじだす(頭で案じ出す)……絵の工夫をつけること。
あたまからけむりをあげる(頭から煙を上げる)……怒ってる。
あたりいちめんひのうみで(あたり一面火の海で)
あたりいちめんやけちまって(あたり一面焼けちまって)
あたりきしゃりき(当りきしゃりき)……「あたりきしゃりきのこんこんちきよ」
あたりめぇよ(当り前ぇよ)
あたるあらしにちるさくら(当たる嵐に散る桜)
あついところ(熱いところ)……熱燗。
  • あついところいっぽんくんな(熱いところ一本くんな)
  • あついところでもどうぞ(熱いところでもどうぞ)
あつささむさもひがんまで(暑さ寒さも彼岸まで)
あっしならかまいやせんがね(あっしなら構いやせんがね)
あっしなんかがでしゃばっちゃりしちゃごめいわくでしょ(あっしなんかが出しゃばっちゃりしちゃご迷惑でしょ)
あっしはそんなことしてませんよ
あったけぇめし(温けぇ飯)
あっぱれじゃ
あっぱれちまつり(あっぱれ血祭り)
あっぱれちゅうせつ(あっぱれ忠節)
あてずいりょう(当推量)
あてみをくらわせる(当身を食らわせる)……気絶させる。
あてもの(当物)
あてものや(当物屋)
あとあじがわるい(後味が悪い)
あとがま(後釜)……後任の者。
  • あとがまにすえる(後釜に据える)
あとくされ(後腐れ)……未練、後悔、因縁。
  • あとくされがねぇようにしまつしておけ(後腐れが無ぇように始末しておけ)
  • あとくされなしだぜ(後腐れ無しだぜ)
あとくちをさがす(後口を探す)……後釜を探す。
あととり(跡取り)
あととりむすこ(跡取り息子)
あとのたたりがこわい(後の祟りが怖い)
あとのまつり(後の祭り)
あとはうじむしがしまつしてくれる(あとは蛆虫が始末してくれる)
あとめをつがせる(跡目を継がせる)
あないをたのみましょう(案内を頼みましょう)……▼武家では玄関に案内を求める来客があったときは必ず子弟や従者などの男性が出るのが習慣だった。
あなたさまの(貴方様の)
  • あなたさまのうでをおかしくださいまし(貴方様の腕をお貸し下さいまし)
  • あなたさまのうでのなかでしにとうございます(貴方様の腕の中で死にとうございます)
あなたさまは(貴方様は)
あにい(兄哥)
  • あにいとおだてられていいきになっておりました(兄哥とおだてられて良い気になっておりました)
あにさん(兄さん)……「おあにいさん」
あのこむすめにほれたのかい(あの小娘に惚れたのかい)
あのひとのちえがひつようだ(あの人の知恵が必要だ)
あのようなこあくとう(あのような小悪党)
あのよにたびだつ(あの世に旅立つ)
あばよ……バイバイ。
あばよしばよかなすぎよ(あばよ芝よ金杉よ)……「あばよ」のしゃれことば。
あぶないはしをわたる(危ない橋を渡る)……危険なしごと。
あぶくぜに(泡銭)……汗水垂らさず簡単に手に入った銭。ふってわいたぜにかね。
あぶくぜにをはでにつかうのをおぼえちまうとじみにくらすのはみにこたえる(あぶく銭を派手に使うのを覚えちまうと地味に暮らすのは身に応える)
あぶのそうだち(虻の総発ち)……集まった人々が一斉に解散すること。
あぶのうございます(危のうございます)
あぶはちとらず(虻蜂とらず)……何も得られないこと。
  • いちもんもとれずあぶはちとらずよ(一文も取れず虻蜂取らずよ)……無駄骨折っちまった。
あぶらをうる(油を売る)……むだばなしをする。
  • あぶらうってないできゅうきんのぶんはたらけ(油売ってないで給金のぶん働け)
  • どこであぶらうってたんだい(どこで油売ってたんだい)
  • またあぶらをうってたんだね(また油を売ってたんだね)……ずいぶん帰りが遅いじゃないか。
あぶりたまご(炙卵)……めだまやき。
あへん(阿片・鴉片)……麻薬。ご禁制の品。
あへんのどくがにかかる(阿片の毒牙にかかる)
あまえたよわたりをおぼえさせてしまいますといけませんから(甘えた世渡りを覚えさせてしまいますといけませんから)
あまりのふびんさに(余りの不憫さに)
あみうつ(網打つ)
あみださまをしんじんしてたかいがあった(阿弥陀様を信心してた甲斐があった)
あめにふりこめられちまって(雨に降り込められちまって)
あめやみたいなかっこう(飴屋みたいな恰好)……派手すぎる衣装。
あやかりたいねぇ……《あやかりたいものだね》
あやつ(彼奴)
あやまちてはあらたむるにはばかることなかれ(過ちては改むるに憚ること勿れ)
あやまちはあらたむるにしかず(過ちは改むるに如かず)
あやめのしげみ(菖蒲の茂み)
あらごと(荒事)……芝居の演技様式。『暫』など時代物に多い。
あらしね(荒稲)……帯皮したままの米。反対語はにぎしね(和稲)
あらまし(概略・略説)
あらほうし(荒法師)
あらむしゃ(荒武者)
あらよっ……掛け声。
あらりょうじ(荒療治)……痛みを伴う治療。
ありがたいことじゃ(有難いことじゃ)……《有難いことじゃて》
ありがたいじゅもんをきけばごくらくじょうどへおもむける(有難い経文を聞けば極楽浄土へ赴ける)
ありがたやありがたや(有難や有難や)
ありがためいわく(有難迷惑)
ありがてぇ(有難ぇ)
ありていにへんとういたせ(有体に返答致せ)
ありていにもうしあげる(有体に申し上げる)
あることないこといいやがって(ある事ない事言いやがって)
あるところにはあるんだぜ(有る所には有るんだぜ)……かくれた物品。
あるようでないものがおかねだよ(あるようでないものがお金だよ)
あれでら(荒れ寺)
  • あれでらのとば(荒れ寺の賭場)
あれをみておくんなさい(あれを見ておくんなさい)
あわくってにげる(泡喰って逃げる)……急いで逃げる。
あわせるかおがない(合わせる顔がない)
  • おめぇのふたおやにあわせるかおがねぇや(おめぇの両親に合わせる顔が無ぇや)
あわもちや(粟餅屋)
あわれがさきにたつ(憐れが先に立つ)……かわいそうになる。
あわれみはむようだ(憐れみは無用だ)
あんかんとてをこまねいていたわけではござらぬ(安閑と手を拱いていたわけではござらぬ)
あんぎゃ(行脚)……各地を旅に歩く。
あんぎゃそう(行脚僧)
あんたとはなしてるときがやすまるね(あんたと話してると気が休まるね)
あんなきゅうきんでたいまいのしゃっきんがはらえるのか(あんな給金で大枚の借金が払えるのか)
あんのじょうだ(案の定だ)……思ったとおりだ。

最終更新:2025年06月03日 15:30