いいかげんにかんべんしてくれよ(いい加減に勘弁してくれよ)
いいきなもんだぜ(いい気なもんだぜ)
いいきみだ(いい気味だ)
いいってことよ……気にすんねぇ。
いいところにきておいでだ(いい所に来ておいでだ)
いいともよ(良いともよ)
いいぬけがきかない(言い抜けがきかない)……言い逃れが出来ない。
いいひとができてね(いい人が出来てね)
いいわかいいもん(いい若い者)
  • いいわかいもんがなにいってるんだ(いい若い者が何言ってるんだ)
いうことをきけばのはなしよ(言う事をきけばの話よ)
いうにことかいて(言うに事欠いて)
いうにはおよばずだ(言うには及ばずだ)
いえのさかえがしもがれて(家の栄えが霜枯れて)……営業不振。
いかがあそばさいました(いかが遊ばさいました)……どうなされました。
いかがじゃそちのみたては(いかがじゃそちの見立ては)
いかがなさいました……どうなされました。
いかがなもんでございましょう……この条件で。
いかさま……ぺてん。
いかさまさい(いかさま賽・いかさま骰)……仕掛けをしたさいころ。いかさま博奕に用いる。
いかさまばくち(いかさま博奕)
いかにたくみにつつみかくそうともあかるみにでるものだ(如何に巧みに包み隠そうとも明るみに出るものだ)
いかにもうしたとてしょせんきさまなどにはわからぬ(如何に申したとて所詮貴様などにはわからぬ)
いきがみさまだ(生き神様だ)
いきじごくをみせてやれ(生き地獄を見せてやれ)
いきしににかかわる(生き死にに関わる)
いきせいはって(息精張って)
いきだおれ(行き倒れ)
いきたここち(生きた心地)
  • いきたここちがしませんよ(生きた心地がしませんよ)
いきたべんてんさま(生きた弁天さま)
いきていられぬみでございます(生きていられぬ身でございます)
いきてかえさねぇぞ(生きて帰さねぇぞ)
いきどころがない(行き所がない)
いきながらうめられるのじゃ(生きながら埋められるのじゃ)
いきなとしまだねぇ(粋な年増だねぇ)
いきのね(息の根)
  • いきのねとめてやる(息の根止めてやる)
いきぼとけさま(生き仏さま)……ありがたやありがたや。
いきるこころをうしなった(生きる心を失った)
いくついのちがあってもたりない(いくつ命があっても足りない)
いくらなんでもむしがよすぎるんじゃないかい(いくらなんでも虫が良すぎるんじゃないかい)……そっちの都合が良すぎるよ。
いけしゃあしゃあと
いけておいてはごじつのさまたげ(生けて置いては後日の妨げ)……「生かして置いては後日の妨げ」
いけないくち(飲ない口)……お酒をたしなまない。
いけるくち(飲る口)……お酒が好き。
いこく(異国)……外国。
  • ちかごろいこくよりまいったるめずらしきそうもくがござる(近頃異国より参ったる珍しき草木がござる)
いごはきとおつつしみくださいますように(以後は屹度お慎み下さいますように)
いごよしなに(以後よしなに)
いささかそういござなくそろ(聊相違無御座候)……申請書などの末尾の文句。
いささかふにおちぬ(いささか腑に落ちぬ)
  • いささかふにおちぬてんがございまする(いささか腑に落ちぬ点がございまする)
いざとなるとおんなのほうがしっかりしてらぁ(いざとなると女の方がしっかりしてらぁ)
いさみあし(勇み足)
いさみごま(勇み駒)
いしあたま(石頭)……頑固者。
  • いしあたまのおおばかやろう(石頭の大馬鹿野郎)
いじのきたなそうなつらだ(意地の穢なそうな面だ)
いしゃだくすりだ(医者だ薬だ)
いしゃとしてとうぜんのことをしたまでだ(医者として当然のことをしたまでだ)
いしゃにみてもらうようなやまいじゃねぇや……(医者に診てもらうような病じゃねぇや)
いしゅいこん(意趣遺恨)……うらみ。
いしゅがえし(意趣返し)
いずこへまいった(何処へ参った)
いずまい(居住い)……家・店。
  • いずまいをもつ(居住いを持つ)
いずれあやめかかきつばた(いずれ菖蒲か杜若)……きれいどころが勢ぞろい。「いずれがあやめかかきつばた」
いずれたすからぬいのちじゃ(いずれ助からぬ命じゃ)
いずものかみ(出雲の神)……縁結びをしてくれるかみさま。▼俗に神無月は全国の神々が出雲国にあつまって人間たちの縁結びの相談をしてると語られてた。
いずものかみさんもごぞんじはあるまい(出雲の神さんもご存知あるまい)……ふしぎな恋模様。
いせまいり(伊勢参り)……伊勢神宮へお参りに行く旅。
いたいめ(痛い目)
  • いたいめにあわせてやんな(痛い目に遭わせてやんな)
  • いたいめをみてぇってのかい(痛い目を見てぇってのかい)
  • いたいめをみる(痛い目を見る)
  • もうてちどいたいめにあいたいか(もう一度痛い目に遭いたいか)
いたくもないはらをさぐられる(痛くもない腹を探られる)
いたごいちまいしたはじごく(板子一枚下は地獄)……船の危険。
いたずら(淫事)
  • いたずらをした(淫事をした)
いたっきれ(板っきれ)……板。
いだてんばしり(韋駄天走り)
いたぶり(痛ぶり)……痛めつける。
  • ぞんぶんにいたぶってやんな(存分に痛ぶってやんな)
いためぎんみ(痛め吟味)……拷問。
いためつける(痛めつける)
いたわってつかわせ(労わって遣わせ)……いたわってやるがよい。
いちごんもないようだな(一言も無いようだな)
いちだいじだよっ(一大事だよっ)……てぇへんだてぇへんだ。
いちどうのものおもてをあげぃ(一同の者面を上げぃ)……お白洲でのはじまりの号令。
  • いちどうおもてをあげぃ(一同面を上げぃ)
いちなんさてまたいちなん(一難去ってまた一難)
いちにちさくさざればいちにちくわず(一日作せざれば一日食わず)……仕事をしなかったのでその日は食べない。聖者の暮らしかた。
いちにちもはやくげしゅにんをあげて(一日も早く下手人を挙げて)
いちまいかむ(一枚噛む)……仲間に入る。
いちまいくわわる(一枚加わる)……仲間に入る。
いちめんのぎんせかい(一面の銀世界)
いちもうだじん(一網打尽)……一挙に捕まえる。
  • それっいちもうだじんにせよ(それっ一網打尽にせよ)
  • やつらもこれでいちもうだじんよ(やつらもこれで一網打尽よ)
いちゃもんつけようってのか……商いの邪魔だぜ。
いちようおちててんかあきなり(一葉落ちて天下秋なり)
いちれんたくしょうだ(一蓮托生だ)
いつきいてもいやななきごえだぜ(いつ聞いても嫌な鳴き声だぜ)……薄気味悪いからすの鳴き声。
いっきにふみつぶすのでござるよ(一気に踏み潰すのでござるよ)
いっけんのこらずたたきだせ(一軒残らず叩き出せ)
いっこうにおぼえがありません(一向に覚えがありません)
いっこくにいっかしょのくびづかをきづかんたいがんをたて(一国に一ヶ所の首塚を築かん大願を立て)
いっこくもはやく(一刻も早く)
いっこくもゆうよはならねぇ(一刻も猶予はならねぇ)
いっさいいつわり(一切偽り)
いっさいばんじ(一切万事)……すべて。
  • いっさいばんじきょうじたて(一切万事京仕立て)
いっさいもろもろのざいく(一切諸々の罪垢)
いっさいをみずにながして(一切を水に流して)
いっしもまとわぬ(一糸も纏わぬ)……はだかに近いすがた。
いっしゃくのあくすい(一杓の悪水)
いっしょうますにいっしょうごんごうははいらない(一升枡に一升五合は入らない)……分相応不相応が人間にはある。
いっしんをとしてあたられい(一身を賭して当たられい)
いっすんさきはやみのよ(一寸先は闇の夜)……何が起こるかわからない。
いったんのかちはかちにあらずしじゅうのかちこそかんようなれ(一旦の勝ちは勝ちに非ず始終の勝ちこそ肝要なれ)
いっちょうら(一張羅)……ひとつっきりの衣服。ひとつしかない正装。
いっておやりよ(言っておやりよ)
いってくれるぜ(言ってくれるぜ)……言い過ぎだぞ、褒め過ぎだぜ。
いってにとりしきって(一手に取り仕切って)
いってにひきうける(一手に引き受ける)
いってみりゃ(言ってみりゃ)
いってやらぁ(行ってやらぁ)
いっとうのもとにいのちをたつ(一刀の下に命を断つ)
いつびのげん(溢美の言)……褒め過ぎなおせじ。「溢美の言には非ず」
いっぷく(一服)……たばこや茶で休憩すること。
  • いっぷくおつけなさいよ(一服おつけなさいよ)
  • いっぷくする(一服する)
いっぷく(一服)……くすり一回分。
  • いっぷくできくとはかぎらんでな(一服で効くとは限らんでな)……投薬一回で治るとは限らない。
  • いっぷくもったな(一服盛ったな)……毒薬。
いっぽんすじがとおってる(一本筋が通ってる)……信念理屈がとおってる。
  • さすがえどっこだいっぽんすじがとおってる(さすが江戸っ子だ一本筋が通ってる)
いっぽんだち(一本立ち)……独立してる。
いっぽんとられたぜ(一本取られたぜ)……《こいつぁ一本取られたぜ》
いつまでおいておくおつもりで(いつまで置いておくおつもりで)
いつみてもいいいろだぜ(いつつ見てもいい色だぜ)……山吹色(小判)。
いつものおまえらしくないしったいだ(いつものお前らしくない失態だ)
いつわりをもうしたてておる(偽りを申し立てておる)
いてもたってもいられねぇ(居ても立ってもいられねぇ)
いてもたってもたまらねぇ(居ても立っても堪らねぇ)
いとあやつり(糸操り)……あやつり人形の芝居。
いとしいとしというこころ(糸し糸しと言う心)……戀(恋)という漢字の書き方を示したもの。
いとすじ(繊維質)
いとのようにやせておしまいになって(糸のように痩せておしまいになって)……ものすごく痩せてしまった様子。
いとみち(経緯)
いなかざむらい(田舎侍)
いにかいする(意に介する)……気にする。
  • いにかいすることなどない(意に介する事などない)
  • いにかいすることはない(意に介する事はない)
いぬくぼう(犬公方)……徳川綱吉。
いぬねこにもおとるあつかい(犬猫にも劣る扱い)
いぬのとしいぬのつきいぬのひいぬのこくのたんじょう(戌の年戌の月戌の日戌の刻の誕生)……こういう生まれのひとは狐に化かされない。
いのちのおやのだいおんじん(命の親の大恩人)
いのちのつる(命の蔓)……牢内での賄賂。「つるを持って来たんだろうな」
いのちびろい(命拾い)
  • いのちびろいしやがって(命拾いしやがって)
  • いのちびろいをした(命拾いをした)……気難を逃れた。
いのふ(胃の腑)
いのふのくすり(胃の腑の薬)
いまおうごきになってはおからだにさわりまする(今お動きになってはお体に障りまする)……まだ体を休めねばいけません。
いまからでもおそうございませぬ(今からでも遅うございませぬ)……さぁ早く。
いまごろそんかおしたっておそいいぜ(今頃そんな顔したって遅いぜ)
いまさらあらたまってせっきょうできるみぶんじゃねぇが(今更改まって説教出来る身分じゃねぇが)
いましばらく(今暫く・今暫時)
  • いましばらくおまちのほど(今暫時お待ちの程)
  • いましばらくのごゆうよを(今暫時のご猶予を)
いまでもきのうのことのようにおぼえております(今でも昨日のことのように覚えております)
いまないたからすがもうわらった(今泣いた烏がもう笑った)……さっきまで泣いてたのがもう笑ってる。
いまなんどきだとおもってるのさ(今何時だと思ってるのさ)
いまにこうかいするぞ(今に後悔するぞ)
いまのうちにたまったしごとかたづけとかねぇと(今のうちに溜まった仕事片付けとかねぇと)
いもっぱにしょんべん(芋っ葉に小便)……ききめがない。
いやぁまいったまいった(いやぁ参った参った)
いやですぜだんな(いやですぜ旦那)……いきなりばっさりと来たりしないでしょうね。
  • いやですぜだんなくちふうじにばっさりなんてのは(いやですぜ旦那口封じにばっさりなんてのは)
いやですよ
いやなおきゃくとねるときはこおりのじごくひのくるま(嫌なお客と寝る時は氷の地獄火の車)……女郎の憂い。
いらせられませ……いらっしゃいませ。
いらぬおせわ(いらぬお世話)
いろ(恋人)
いろごと(色事)……色欲にまつわることがら。
  • なかまうちでのいろごとはまちがいのもとだ(仲間内での色事は間違いのもとだ)
いろとどようぼしはしたことがない(色と土用干しはした事がない)
いろもかもなきふつつかもの(色も香もなき不束者)
いわくありげな(曰くありげな)
  • いわくのありそうなむすめごだ(曰くのありそうな娘御だ)
いわくみ(岩組)……磯辺などの絵の岩のこと。
いわずかたらずこころがかよう(言わず語らず心が通う)
いわれいんねん(由緒因縁)
いんきょ(隠居)
いんきょじょ(隠居所)
いんきょのみ(隠居の身)
いんごう(因業)……強欲・欲張り。
  • いんごうなばばあだ(因業な婆だ)
いんちき……にせもの・詐欺。
  • いんちきなしなもの(いんちきな品物)
いんちきぼうず(いんちき坊主)
いんちきやろう(いんちき野郎)……信用出来ないやつ。
いんはくしてようしゅとなる(影剥して陽主となる)……陰陽が動く。
いんようのたいしゃ(陰陽の代謝)……寒熱の往来。季節の動くこと。「陰陽の消長」「四序の変遷」
最終更新:2025年06月11日 15:35