びあく(卑悪)……よろしくない。質が悪い品。
びいどろ(玻璃・玻瓈)……ガラス。
びいどろさかづき(玻璃盃・玻瓈盃)
びいどろしょうじ(玻璃障子・玻瓈障子)……ガラスの窓。
ひいれ(火入れ)
ひかえよ(控えよ)
  • ひかえよげろう(控えよ下郎)
ひがみっぽいのはとしよりのしょうこ(僻みっぽいのは年寄の証拠)
ひがわるい(日が悪い)
ひきてちゃや(引手茶屋)
ひきまどのひも(引窓の紐)……ぶらぶらしてる者。「引窓の紐でぶらぶらしてる」
ひきょう(卑怯)
  • ひきょうなてをつかいおって(卑怯な手を使いおって)
  • ひきょうものめ(卑怯者め)
びく(魚篭)……釣った魚を入れるかご。
びくに(比丘尼)……尼僧。
びくにいん(比丘尼院)
ひけしつぼ(火消壷)
ひげはやかす(髭生やかす)
ひさしいのぅ(久しいのぅ)
ひざつき(軾)……御神楽の際に楽器を中心的に奏でる者が座る円座。
ひじきとあぶらげじゃいいちえはうかばない(鹿尾菜と油揚げじゃ良い知恵は浮かばない)……▼河内山宗俊のことば。
ひじきをぶっちらかしたようなじ(鹿尾菜をぶっ散らかしたような字)……まずい字。
ひじりのきょうげにてげだつなせしをありがたや(聖の教化にて解脱なせしを有難や)……解脱することの出来た霊のよろこびのことば。
ひたいぐちにあせがにじむ(額口に汗が滲む)
ひたいにあせしてかせぐおあし(額に汗して稼ぐお銭)
ひたかくし(直隠し)
  • ひたかくしにほんしんをかくしてきた(直隠しに本心を隠して来た)
ひだりきき(左利き)……飲酒家。
びちゃんこばな(びちゃんこ鼻)……低いお鼻。
ひぢりめん(緋縮緬)……女の下着。
びっくりぎょうてん(吃驚仰天)
びっしりしてとんでまいりました(吃驚して飛んで参りました)……ぜぇぜぇはぁはぁ。
ひっぷとはしたながし(匹夫とは舌長し)
ひとあしおそかったようだな(ひと足遅かったようだな)
  • ひとあしおそかったな(ひと足遅かったな)
  • ひとあしおくれたか(ひと足遅れたか)
ひとあわふかせる(ひと泡吹かせる)……屈服させる。
ひどいねつだ(ひどい熱だ)……《ひでぇ熱だ》
ひとおもい……一気に。
ひとおもいにころすにゃもったいねぇ(ひとおもいに殺すにゃ勿体ねぇ)
ひとかどのこころえのあるようす(一廉の心得のある様子)
ひときりぼうちょう(人切包丁)……刀のこと。
  • ひときりぼうちょうなんぞふりまわすものじゃございませんぜ(人切包丁なんぞ振り回すもんじゃございませんぜ)
ひとごろしのきょうじょうもちだ(人殺しの兇状持ちだ)
ひとごろしのげしゅにん(人殺しの下手人)
ひところよりも(ひと頃よりも)
ひとごろしをなんともおもわねぇあくとう(人殺しを何とも思わねぇ悪党)
ひとさまにはいえねぇうしろぐらいかぎょう(人様には言えねぇ後ろ暗い稼業)
ひとさまにめいわくかけずにすむ(人様に迷惑かけずにすむ)
ひとさまのこといえたぎりかい(人様のこと言えた義理かい)
ひとさまのことでごたごたいいやがって(人様のことでごたごた言いやがって)
ひとさまのないしょごとをかぎだすのがおれのしょうばいだ(人様の内緒事を嗅ぎ出すのが俺の商売だ)
ひとさまのものにはちりひとつてをつけたことはねぇ(人様の者には塵ひとつ手を付けたことはねぇ)
ひとじにがでる(人死にが出る)……死亡者が発生する。
ひとそれぞれにぶんというものがございます(人それぞれに分というものがございます)
ひとだすけはきもちのいいものだ(人助けは気持ちのいいものだ)
ひとだまがふわりふわり(人魂がふわりふわり)
ひとっこひとり(ひとっこ一人)……「ひとっこひとり居やしない」
ひとっぱしり(ひとっ走り)
  • ひとっぱしりいってくるよ(ひとっ走り行って来るよ)
  • ひとっぱしりしてきた(ひとっ走りして来た)
  • ひとっぱしりしらせにいってくれ(ひとっ走り知らせに行ってくれ)
ひとつぶだね(一粒胤)……ただひとりの子。
ひとつや(一つ家)……一軒家。
ひとにいえねぇいわくがあるんですかねぇ(他人に言えねぇいわくがあるんですかねぇ)
ひとにいけんをいえるようながらじゃあねぇが(他人に意見を言えるような柄じゃあねぇが)
ひとねいり(一寝入り)
ひとねむり(一眠り)
  • ひとねむりさせてもらうよっ(一眠りさせてもらうよっ)
ひとのいのちをことなげにけした(人の命を事なげに消した)
ひとのきもしらないでいいきなもんだよ(人の気も知らないでいい気なもんだよ)
ひとのこころのおくそこはおにとほとけのあいずまい(人の心の奥底は鬼と仏の相住まい)
ひとのこころをもたぬげどう(人の心を持たぬ外道)
ひとのさいふで(他人の財布で)……他人の銭で。
ひとのせいはほんらいぜんなるもの(人の性は本来善なるもの)
ひとのでさかるさいちゅうでざっとういたしますから(人の出盛る最中で雑踏致しますから)
ひとのふりみてわがふりなおせ(人の振りみてわが振り直せ)
ひとのみちをはずれた(人の道を外れた)
ひとのみちをふみはずした(人の道を踏み外した)
ひとのよはなまじかけるなうすなさけ(人の世はなまじかけるな薄情け)……かえって相手に悪い結果をもたらすこともある。
ひとばしをかけてきいてもらう(人橋を架けて訊いてもらう)……人伝てに訊く。
ひとはぜにのためならおにもじゃにもなる(人は銭の為なら鬼にも蛇にもなる)
ひとひとりころされてじゅうりょうものかねかがぬすまれてるんですぜ(人ひとり殺されて十両もの金が盗まれてるんですぜ)
ひとひんにしてちみじかし(人貧にして智短し)……貧すれば鈍する。
ひとりずまい(独り住まい)……独居人。
ひとりたび(一人旅)
ひとりのこさずたたきだせ(一人残さず叩き出せ)
ひとりもの(独り者)……独身。
ひとをあやめる(人を殺める)
ひなにはまれなる(鄙には稀なる)
ひのあたらないせかい(日の当たらない世界)……苦界。
ひのきえたとち(火の消えた土地)……さびれてしまった土地。
ひのけがない(火の気がない)
ひのとっぷりとくれた(日のとっぷりと暮れた)
ひのはかま(緋の袴)……緋袴。官女や巫女がつける。
ひのほうけん(日の宝剣)……天叢雲剣。
ひのめをみたるむぐらもどうぜん(日の目を見たるも土竜も同前)……手も足もでない。「むぐら」は「もぐら」のこと。
ひのめをみない(日の目を見ない)……世の中に出ない。
ひのめをみる(日の目を見る)……世の中に出る。
ひのもと(日本・日の本)
ひのもといち(日本一・日の本一)
びふじん(美婦人)
  • そのびふじんはいずれにおりまするな(その美婦人はいずれにおりまするな)
ひびちゃわん(ひび茶碗)……悪い茶碗。
びみ(美味)
  • びみじゃ(美味じゃ)
  • びみなにおいじゃ(美味な匂いじゃ)
ひめさまこれいじょうとしよりのじゅみょうをちぢめないでくださいませ(姫様これ以上年寄の寿命を縮めないで下さいませ)
ひもうせん(緋毛氈)
ひやかしせんにんきゃくひゃくにん(素見千人客百人)
ひやみず(冷や水)……夏に売られた冷たい井戸水や湧き水に白玉・砂糖を入れたもの。
ひやめしぐいのやっかいもの(冷飯食いの厄介者)
ひゃくたたき(百叩き)……笞刑のおしおき。
ひゃくにちのへいもん(百日の閉門)……罰のひとつ。武家に対するもの。
  • ひゃくにちのあいだへいもんつつしみをもうしつけ(百日の間閉門謹慎を申付け)
ひゃくやにひゃく(百や二百)……まだ些細な数。
  • ひゃくやにひゃくじゃないよせんりょうですよ(百や二百じゃないよ千両ですよ)
びょうき(病気)……悪い癖。
  • びょうきにいいのはねぇからな(病気にいいのはねぇからな)
ひょうじょうしょ(評定所)……武家向きの裁判の場。
  • ひょうじょうしょからせっぷくをめいじられ(評定所から切腹を命じられ)
ひょうろうがん(兵糧丸)……忍びの者の非常携帯食。
ひょうろうまい(兵糧米)
ひょうろくだま(兵六玉)
ひよくのおもいは(比翼の想い羽)
ひよくれんり(比翼連理)……仲睦まじい。▼比翼は比翼鳥、連理は連理木。どちらも共にふたつが一緒になってる動物植物。
ひよっこ(雛)
ひよっこひとり(雛一人)
ひょんなことになる……思いもよらぬ、意外なこと。
ひらせい(平清)……有名な料理屋。
ぴりっとする……お湯が熱い。
ひるとんび(昼鳶)……昼日中に入って来る盗賊。あるいは「すり」のこと。
ひるなおくらい(昼なお暗い)……真昼でも暗い道。
  • ひるなおくらいうつのやとうげ(昼なお暗い宇津の谷峠)
ひるのじごく(蛭の地獄)……無間の鐘を撞くと一代限りで大金を獲得するがこの地獄に墜ちるとされる。
  • かじわらげんたをたすけるためにひるのじごくへうめがえは(梶原源太を援けるために蛭の地獄へ梅ヶ枝は)
ひるはとそつよるはえんぶ(昼は兜率夜は閻浮)……天と地を行き交う。
ひるひなか(昼日中)……白昼。
  • ひるひなかっからいいきなもんですよ(昼日中っから良い気なもんですよ)
ひるまのさけってのはきくねぇ(昼間の酒ってのは効くねぇ)
びるをうごかしえてかいがくくらし(毘盧を撼かし得て海岳昏し)……毘盧遮那仏(大仏)をひっくりがえして天地がまっくら。
びろう(尾篭)……きたない。
  • びろうなおはなしですが(尾篭なお話ですが)
ひろぶた(平蓋)……「ひらぶた」の転訛。料理に用いる平椀。これの大きいものが「おおひら」(大平)。
ひをたいてくれっ(火を焚いてくれっ)……水難救助をしたときのことば。
ぴんともしゃんともこたえない(ぴんともしゃんとも応えない)
びんぼうがみ(貧乏神)……相撲のことばで、「十両」の筆頭の力士のこと。
びんぼうくせぇ(貧乏臭い)
びんぼったらしい(貧乏ったらしい)……びんぼうくさい。
びんぼうにん(貧乏人)
  • びんぼうにんにはおてんとさまがみかたについてんだ(貧乏人にはお天道さまが味方に付いてんだ)
びんぼうひまなし(貧乏暇なし)
最終更新:2025年06月09日 15:23