た
たいいをのぞむ(大位を望む)……最高位を狙ってる。
- きよもりたいいをのぞむときく(清盛大位を望むと聴く)
たいか(大火)……大火事。
だいかんしょ(代官所)
だいかんやしき(代官屋敷)
たいぎであった(大儀であった)……ごくろう。
たいざんしんかい(大山深海)……「大山深海の徳」
だいじだいひしゅじょうをすくう(大慈大悲衆生を救う)
たいしたかもをくわえこんだもんだ(大した鴨を咥え込んだもんだ)……いいかねづるを拾ったな。
だいじないきしょうにん(大事な生き証人)
だいしょうにほんざし(大小二本差)……大刀と小刀。武士の装備。
だいじんあそび(大尽遊び)……大金を用いたぜいたくな遊興。「お大尽」
だいじんぐうさま(大神宮さま)……お伊勢さま。
だいじんぐうさまのおふだ(大神宮さまのお札)……お伊勢さまのおふだ。
たいしんのはたもと(大身の旗本)
たいせいせんぞ(大成せんぞ)……立派になれないぞ。
たいせつなひとじち(大切な人質)
- たいせつなひとじちですからきずなどつけさせてはいけませんよ(大切な人質ですから疵など付けさせてはいけませんよ)
たいそうおせわになりまして(大層お世話になりまして)
たいそうなぜんせいぶり(大層な全盛振り)
だいどう(大道)
だいどうしょうにん(大道商人)……路傍で露天を商う者たち。
だいのもの(台の物)……宴席に出す仕出し料理。
たいはく(太白)……飴売りのはじまり。▼神功皇后のお産のときに飴を献じたという。
たいへんなおかた(大変な御仁)
たいへんなおかねだ(大変なお金だ)
たいへんなもんだ(大変なもんだ)
だいほうこうをとばす(大宝光を飛ばす)……「大宝光」は「真如の月のひかり」
たいまいのかねがかかってる(大枚の金がかかってる)
たいめん(対面)
たいもうをはかる(大望を計る)……大それた計画を立てる。
だいや(台屋)……「台の物」を提供する仕出し屋。
たかいところへゆくとめがまわるたち(高い所へ行くと目が回る性質)……高所恐怖症。
たかいばかりであじがない(高いばかりで味がない)……「走りもの」な野菜に対する庶民の感覚。
たからまのぶね(宝船)……七福神が乗せている。初夢のときにこれを刷った絵紙をまくらの下に敷いた。
たきだし(焚出し)
たくあんがよっかかってる(沢庵が寄っ掛かってる)……弁当などのごはん・おむすび。
たくあんのぶあついの(沢庵の分厚いの)
たくあんふたきればくちはみきれ(沢庵ふた切れ博打は身切れ)……博打はやめ時が大事。
たぐいのないたのしみ(類のない楽しみ)
- たぐいのないたのしみをよういしてあるのであろうな(類のない楽しみを用意してあるのであろうな)……ぐふふ。
たくさんはいただけませぬ(沢山は頂けませぬ)
たくわえがないばかりに(貯えがないばかりに)……苦労をかけるのぅ。
たけなわなるころ(酣なる頃)
たけやらい(竹矢来)……ばりけぇど。
たこくへずらかる(他国へずらかる)……よそへ逃げる。
たこにゅうどう(蛸入道)……たこのおばけ。
たこのさくらに(蛸の桜煮)……たこの足を甘辛く醤油で煮たもの。
だしぬけにすいさんいたしました(出し抜けに推参致しました)
たすき(襷)
たたききれ(叩き斬れ)
たたきころしてやる(叩き殺してやる)……《たたっころしてやる》
ただじゃすまない(ただじゃ済まない)……ことが大きくなる。
ただぜにをだせばもんくはねぇ(ただ銭を出せば文句はねぇ)……強請や山賊のせりふ。
ただちにじょうちゅうにてぎんみのうえ(直ちに城中にて吟味の上)
ただでのみくいしやがって(只で飲み食いしやがって)
たたみさし(畳刺)……畳職人。
たたみのうえでしねない(畳の上で死ねない)……ろくな死に方をしない。
- おみこしをやくなんてやつはたたみのうえじゃしねないよ(お神輿を焼くなんて奴は畳の上じゃ死ねないよ)
- たたみのうえじゃしねねぇとおもえ(畳の上じゃ死ねねぇと思え)
ただものじゃありませんぜ(只者じゃありませんぜ)
ただものならざるにんそう(只者ならざる人相)
たちいにもことかくありさま(立居にも事欠く有様)……不自由。
たちいふるまい(立居振る舞い)
だち(達)……ともだち。
だちこう(達公)……ともだち。だち。
たちどころに……即座に・忽地に
たちのわるいのがごろごろしてますからね(質の悪いのがごろごろしてますからね)
たちもの(断物・禁物)
たっしゃでくらすがよい(達者で暮らすがよい)
たっしゃでくらせよ(達者で暮らせよ)
たつせがない(立つ瀬がない)
たったいちどのあやまちで(たった一度の過ちで)
たったこれっきりのうちのなかだどこにかくせるもんか(たったこれっきりの家の中だどこに隠せるもんか)……探すんなら家探ししてみろ。
たってのねがい(たっての願い)
- たってのねがいでもだめですか(たっての願いでも駄目ですか)
- たってのねがいとあらば(たっての願いとあらば)
たっぷりとおもいしらせてやる(たっぷりと思い知らせてやる)
たっぷりとくすりがきかせてあります(たっぷりと薬が効かせてあります)……根回しはじゅうぶん。
たちさわがずともよい(立ち騒がずともよい)……落ち着け。
たちまちに(忽地に)
だて(伊達)……見せかけ。
- だてでころしにてをかしたわけじゃないぜ(伊達で殺しに手を貸したわけじゃないぜ)
たてつく(盾突く)……抵抗する。
たてば(立場)……街道沿いにある人足や雲助たちの休憩場。
たてばのちゃみせ(立場の茶店)……立場茶屋。
だてやすいきょうで(伊達や酔狂で)……見せかけで。
- だてやすいきょうでやってるんじゃねぇぜ(伊達や酔狂でやってるんじゃねぇぜ)
たなだて(店立て)……借店(借家・長屋)を追い出されること。
たなちん(店賃)……家賃、借家代。
- たなちんがどれだけたまってるとおもってるんだい(店賃がどれだけ溜まってると思ってるんだい)……とっとと納めろ。
- たなちんためるせつないくらし(店賃溜める切ない暮らし)
- たなちんのかしがある(店賃の貸しがある)
たにんのそらに(他人の空似)
たにんのつみをひっかぶって(他人の罪をひっかぶって)
たぬきおやじ(狸親父)
たぬきばばあ(狸婆)
たのしみじゃのう(楽しみじゃのう)
たのもう(頼もう)……玄関で案内を乞うときに掛ける声。「たのもぉーーーーーーーーーーう」
たのもしいこころねじゃのう(頼もしい心根じゃのう)
たばこはしょもうでござらぬ(煙草は所望でござらぬ)……煙草は喫わない。
たばねをする(束ねをする)……取締役になる。
たぶらかす(誑かす)
- きつねにたぶらかされたんじゃねぇのかい(狐に誑かされたんじゃねぇのかい)
- むすめはあのやろうにたぶらかされたにちがいない(娘はあの野郎に誑かされたに違いない)
たべものみせ(飲食店)
たべるものもたべないんじゃびょうきになっちまうよ(食べるものも食べないんじゃ病気になっちまうよ)
たまげるほどこうかなおしな(たまげるほど高価なお品)
だまされたとおもって(騙されたと思って)
- だまされたとおもってのんでみな(騙されたと思って飲んでみな)
- だまされたとおもってもういちどやりなおしてみるんだな(騙されたと思ってもう一度やりなおしてみるんだな)
だまされてさくむろのうめ(騙されて咲く室の梅)
たまっころ(玉っころ)……玉。
だまってひっこむ(黙って引っ込む)
たみのくるしみがきこえませぬか(民の苦しみが聴こえませぬか)
たみひゃくしょう(民百姓)
ためしぎり(試し斬り)……辻斬り。
たもと(袂)
たもとくそ(袂糞)……着物のたもとにたまってる糸くず綿くず。
だれかきておくれ(誰か来ておくれ)
だれだいそんなところにいるのは(誰だいそんな所に居るのは)
だれだてめぇは(誰だ手前は)
だれのさしがねだ(誰の差金だ)
だれひとりしらないものはない(誰一人知らない者はない)
だれもいやしないよ(誰も居やしないよ)
だろうそく(駄蝋燭)……安価な蝋燭。大坂蝋燭、薩摩蝋燭。
たわけたやつじゃ(たわけた奴じゃ)
たんきはいけませんよ(短気はいけませんよ)
たんきはそんき(短気は損気)
だんごじるがにたったみたい(団子汁が煮立ったみたい)……僧侶が大勢いる様子。
だんごっぱな(団子っ鼻)……まるい鼻。「だんごばな」
たんさくがた(探索方)……捜査班。
たんしん(単身)
- たんしんむかった(単身向かった)
- たんしんさつまりょうないにむかっていた(単身薩摩領に向かっていた)
たんせいこめて(丹精こめて)
たんせいしたものだ(丹精したものだ)……ていねいに手をかけたもの。
だんばしご(段梯子)……階段。梯子段。
だんびら(大刀)
だんぶくろ……洋服。
たんまり……たっぷり、たくさん。
- たんまりおれいをしてやる(たんまりお礼をしてやる)……損を取り戻させてもらうぜ。
- たんまりとうめぇしるはすわせてもらうぜ(たんまりと美味ぇ汁は吸わせてもらうぜ)
- たんまりともうけさせていただきやしょう(たんまりと儲けさせていただきやしょう)
たんもの(反物・段匹)……布。
最終更新:2025年05月14日 16:30