やぁざわざわとかしましい(やぁざわざわと喧しい)
やぁやぁめずらしや(やぁやぁ珍しや)……仇討ちの相手に出会ったとき常套句。「もうきのふぼくうどんげのはな」などもつづく。
やいと(灸)……お灸。
やいばのしたをかいくぐり(刃の下を掻潜り)
やおぜん(八百善)……有名な料理屋。
やきがまわる(焼きがまわる)
  • てめぇもやきがまわったらしいな(手前も焼きがまわったらしいな)
やぐ(夜具・寝具)……ふとんなど。「お夜具」
やくおうえん(薬王円)……子供の脾肝・疳の虫の薬。
やくおとし(厄落とし)
  • おんやくはらいましょうやくおとし(御厄祓いましょう厄落とし)
  • やくおとしだとおもってあきらめようや(厄落としだと思って諦めようや)
やくぎによっておたずねもうす(役儀によってお尋ね申す)
やくしゃがいちまいうえ(役者が一枚上)……口やあしらいが達者。
やくしゃみたいないいおとこ(役者みたいな良い男)
やくにん(役人)
  • やくにんにとがめられる(役人に咎められる)
  • やくにんのてがのびてこない(役人の手が伸びてこない)
  • やくにんもてはだせねぇぜ(役人も手は出せねぇぜ)
やくばらい(厄祓い・厄払い)
やくめがら(役目柄)
やくれい(薬礼)……医者に支払う薬代。
やけっぱちよ(焼けっぱちよ)
やさいのにたの(野菜の煮たの)……煮物、煮〆。
やじきた(弥次喜多)……ふたり旅のこと。《やじきだ》▼『東海道中膝栗毛』の弥次郎兵衛・喜多八に由来する。
  • やじきたをきめこむ(弥次喜多を決め込む)……ふたりたび。
やしないおや(養い親)……養父母、保護者。
やすけ(弥助)……おすしのこと。芸人などの符牒。
やすみどころ(休処)……茶店。「おやすみどころ」
やすみせ(安見世・安店)……低廉な店。
やすらぎをおぼえる(安らぎを覚える)……こころがほっとした。
やせてもかれてもぶしのはしくれ(痩せても枯れても武士の端くれ)
やだいじん(矢大臣)
やたいばやし(屋台囃子)
やたらめったに(矢鱈滅多に)
やちゅうにもかかわらず(夜中にも拘わらず)
やちゅうむだんでがいしゅつするなどもってもほかじゃ(夜中無断で外出するなど以ての外じゃ)
やちゅうをもかえりみず(夜中をも顧みず)
やっかい(厄介)
  • やっかいなことになるとこまるな(厄介なことになると困るな)
やっかいになる(厄介になる)……世話になる。《厄介をかける》
やっかいもの(厄介者)
  • やっかいものをかたづけろ(厄介者を片付けろ)
  • やっかいものをしまつしておえどをとんずらだ(厄介者を始末してお江戸をとんずらだ)
やっかみ……妬み。ねたみややっかみ。
やっせっせどっこいしょのしょやっせっせどっこいしょのしょ……荷物を運ぶかけ声。
やつばら(奴等・奴輩)
やつばらなおくっせず(奴等なお屈せず)
やつらのねじろ(奴らの根城)
やでもてっぽうでももってこい(矢でも鉄砲でも持って来い)
やど……夫、亭主、主人。
  • やどがそういっておりました(主人がそう言っておりました)
やといびと(傭夫)
やといをとかれる(雇を解かれる)……解雇。
やどさがり(宿下り)
やはりひとのこ(やはり人の子)……堅いようであっても、悪人であっても。
やぶからぼう(藪から棒、籔から棒)……突然に、だしぬけに。
  • なんでぇやぶからぼうに(なんでぇ藪から棒に)
  • なんですかそんなやぶからぼうなことをいって(何ですかそんな藪から棒なことを言って)
  • やぶからぼうでおおあわて(藪から棒で大慌て)
やぶだたみ(薮畳)
やぶれかぶれ
  • ええぃこうなったらもうやぶれかぶれだ
やぶんおそく(夜分遅く・夜分晩く)
  • どうしたんだいこんなやぶんおそくに(どうしたんだいこんな夜分遅くに)
  • やぶんおそくにすいません(夜分晩くにすいません)
やねからおっこっちゃった(屋根から落っこっちゃった)
やまいはきから(病は気から)
やまいはちまき(病鉢巻)……頭痛鉢巻。
やまいというものはげんいんがわからぬではてのほどこしようがない(病というものは原因がわからぬでは手の施しようがない)
やまがのかか(山家の嬶)……田舎ずまいのおかみさん。
やまがのさる(山家の猿)……田舎者。
やまぐに(山国)
やまぐにのことゆえてんきのよいのはあてにならない(山国の事ゆえ天気の良いのは当てにならない)……天候が変わりやすい。
やまくじら(山鯨)……いのしし肉。
やまくじらおすいもの(山鯨お吸物)……ももんぢ屋の看板。
やまだし(山出し)……田舎から引っ張り出して来た者。
やまのなかでだれにもしられずはえてだれにもしられずかれてしんじまう(山の中で誰にも知られず生えて誰にも知られず枯れて死んじまう)……野生の「しのぶ草」のこと。
やまぶきいろ(山吹色)……小判。「いつ見てもいい色だぜ」
やまぶきいろのゆめ(山吹色の夢)……おかねがいっぱい。
やみにさくおしろいのはな(闇に咲く白粉の花)……私娼。
やみにころげたたどんだま(闇の転げた炭団玉)……まっくろぶつ。
やむにやまれず(止むに止まれず)
やみのせかいへしずみゆく(闇の世界へ沈みゆく)
やみのなかにだってめはあらぁな(闇の中にだって目はあらぁな)……夜だからといっても世間には見ている目がある。
やもめぐらしがながいもので(鰥夫暮らしが長いもので)……ひとり暮らしが長い。
やりやがったなこんちくしょう(やりやがったなこん畜生)
やろうばかりのさけはうまくない(野郎ばかりの酒は美味くない)……ちょっとこっちへ来い。
やわらかいごしょうばい(やわらかいご商売)……遊び人に対する婉曲表現。
  • おきゃくさんみたいなやわらかいごしょうばいですとね(お客さんみたいにやわらかいご商売ですとね)
やわらかもの……絹の衣類。
やんごなきおかた(やんごとなきお方)
最終更新:2025年04月14日 15:46