といた(戸板)……担架代わりにも用いられる。
どうあっても……なにがあろうも。
どういうかぜのふきまわしか(どういう風の吹き回しか)
とうかいどう(東海道)……江戸日本橋から京都三条大橋までの街道。東海道の海沿いを歩いてゆく道。
とうかいどうごじゅうさんつぎ(東海道五十三次)……東海道の宿駅の総称。
とうかいどうののぼりくだりがとまっちまう(東海道の上り下りが止まっちまう)
どうかおめこぼしのほどを(どうかお目溢しのほどを)…見逃して下さい。「めこぼし」
どうかごかんべんを(どうかご勘弁を)
とうけ(当家)
とうけいのみち(刀圭の道)……医術。
とうげごえ(峠越え)
  • ねぶそくのとうげごえはこたえますからね(寝不足の峠越えは堪えますからね)
とうげのちゃみせ(峠の茶店)
とうげみち(峠道)
とうこうさいこうぜもふぜもなし(東行西行是も不是もなし)
とうじかぼちゃ(冬至南瓜)……からだによいと言われて来た。
とうじそば(冬至蕎麦)
どうしたしおりか(どうした機縁か)
どうしてもってきかなかったんだから(どうしてもって聞かなかったんだから)
どうしょくのへんたい(動植の変態)……動植物が姿を変える様子。
とうじをすぎるとこめひとつぶぶんずつひがのびるもんだ(冬至を過ぎると米一粒分ずつ日が延びるもんだ)……▼日照時間が少しずつ長くなる。
どうせ
  • どうせおやくにんにはわかってもらえないんですから(どうせお役人にはわかってもらえないんですから)
どうせいというのだこのわしに
とうせつの(当節の)
とうせつは(当節は)
とうぜんじゃ(当然じゃ)
どうぞおみしりおきを(どうぞお見知り置きを)
どうぞごゆだんなく(どうぞご油断なく)
どうちゅうごきげんよろしゅう(道中ご機嫌よろしゅう)……どうぞご無事で。
どうちゅうであみをはってる(道中で網を張ってる)
どうちゅうてがた(道中手形)
どうちゅうぶっそうだよ(道中物騒だよ)
とうていわたくしのおよぶところではございませぬ(到底わたくしの及ぶところではございませぬ)
どうですいいたまでしょう(どうです良い玉でしょう)……上玉の獲物ですぜ。
とうとい(尊い)
  • とうといおかた(尊いお方)
  • とうといむき(尊い向き)
  • とうときおいのちをねらうくせもの(尊きお命を狙う曲者)
  • とうときおんみ(尊き御身)
どうにもならないよ
どうにもやりきれない……《どうにもやりきれねぇ》
とうにんのかってだろ(当人の勝手だろ)
とうまちくいととりかこまれ(稲麻竹葦と取り囲まれ)……軍兵たちにぐるりと取り囲まれる。
どうみょう(同苗)……一族。
とうもく(頭目)……かしら、おやぶん。
どうもはなしがちがうようだな(どうも話が違うようだな)
どうもふにおちない(どうも腑に落ちない)
どうもめんどうだったね(どうも面倒だったね)……おじゃましました。
どうやらつきものはおちたようだな(とどうやら憑物は落ちたようだな)……もう死にたくはなくなったろう。
どうやらとうげはこえたようだ(どうやら峠は越えたようだ)……じきに病は癒えるであろう。
どうりこそ(道理こそ)
とうりむごんあいえいじてひらく(桃李無言相映じて開く)
どぅれ……案内を乞われた際の門番や従者たちのかけ声。
とおのはしごをここのつまでのぼりつめたみ(十の梯子を九つまで登り詰めた身)
とおのり(遠乗り)……馬で郊外まで外出。
どかどかはいってくる(どかどか入って来る)
とかくきぶんがすぐれず(とかく気分が優れず)……体調わるい。
とがにん(咎人)……罪人。
  • おめぇはとがにんだ(お前は咎人だ)
ときどききいたみみがくもん(時々聴いた耳学問)
ときまだうしみつなかばなるにはくちゅうにひとしきこのありさま(時まだ丑三半ばなるに白昼に等しきこの有様)……術を使って明るくさせる。
どくあるはなときよいはな(毒ある花と清い花)
とくがわにうらみをいだいておる(徳川に恨みを抱いておる)
とくがわけのごおん(徳川家の御恩)
どくぐすり(毒薬)
どくくらわばさらまで(毒喰らわば皿まで)
とくしんがいったらひとつわけをはなしてくれんか(得心がいったらひとつわけを話してくれんか)
どくじんとう(独参湯)……気付け薬のひとつ。「参」は薬用人参(朝鮮人参・高麗人参)から。
とくせん(徳川)……徳川家のこと。《とくせんけ》
どくりゅうゆくところくさしょうぜず(毒竜行くところ草生ぜず)
とけいのけん(時計の剣)……針。
どこかよそのとちへいってくらすんだ(どこかよその土地へ行って暮らすんだ)
とことん……太鼓のこと。芸者などのことば。
どこにさいなんがあるかわからん(どこに災難があるかわからん)
どこにさいなんがころがってるかわからねぇ(どこに災難が転がってるかわからねぇ)
どこのどいつがあんなこどいことを(どこのどいつがあんな酷いことを)
とこばなれ(床離れ)……病床から回復する。
とこばらい(床払い)……病床を片付ける。
どこへおいきなさる(どこへお行きなさる)
ところがさにあらず(ところが然に非ず)
とざいとうざい(東西東西)
としかっこう(年恰好・年格好)……人相風体。
としごろ(妙齢・年頃)
どじ……へま。失敗する。
  • どしをふむ(どじを踏む)
どじなやろうだ(どじな野郎だ)
としのころ(年の頃)……年齢。
  • としのころならさんじゅうごろく(年の頃なら三十五六)
  • としのころならじゅうしちはち(年の頃なら一七八)
としのせいかこごとがくどくていけねぇな(年のせいか小言がくどくていけねぇな)
とじまりをきちんとしろよ(戸締りをきちんとしろよ)
としまわり(年回り)
としよりになにしやがる(年寄に何しやがる)
としよりのやまいはゆだんがならないからな(年寄の病は油断がならないからな)
としよりはきがみじこうござってな(年寄は気が短うござってな)
どぞうやぶり(土蔵破り)……蔵を狙う盗賊。
どちらさんで……「ごめんなすって」「どらささんで」
どちらともみきわめがつかない(どちらとも見究めがつかない)
どっかやぶけたようなこえ(どっか破けたような声)
とっくり(徳利)……液体を入れる焼き物の容器。
  • とっくりのけつ(徳利の尻)
  • とっくりぶらさげて(徳利ぶら下げて)……狸などもこの風体。
とっくりかんがえることだ(とっくり考える事だ)
どっけ(毒気)
  • どっけにあてられた(毒気に中てられた)……あっけにとられた。
  • どっけにあてられてうごけない(毒気にあてられて動けない)
どっこいしょ……掛け声。
どっこらせ……掛け声。
とったかみたか(取ったか見たか)……すぐに給金を使い果たしてしまうこと。取ったか見たかのうちに使っちゃう。
  • おまえもいいとしなんだからとったかみたかじゃいけないよ(お前もいい歳なんだから取ったか見たかじゃいけないよ)
とってくおうというわけじゃねぇ(捕って食おうというわけじゃねぇ)……おとなしくしろよ。
どっとそれへとびいだし(摚とそれへ飛出し・どっとそれへ飛出し)
とどのつまりが
ととうをくんで(徒党を組んで)
どなたさんで……「ごめんなすって」「どなたさんで」
とにかくきずのてあてを(とにかく傷の手当てを)
とのいをつとめております(宿直を勤めております)
どのかおさげてかえってきたんだい(どの顔下げて帰って来たんだい)
とののごいこう(殿の御威光)
どのみちたすからねぇ(どの道助からねぇ)……命の助かる道は無ぇ。
とば(賭場)
  • とばがよい(賭場通い)……博奕場に通ってばかりいる。
とばつのあってぎゅうようにつのなきこと(兎馬角あって牛羊に角なきこと)……さかさまな状態。
とび(鳶)……鳶職、鳶の者。
とびのかしら(鳶の頭)……鳶職の頭。
とほうもない(途方もない)……《とほうもねぇ》
とぼけちゃいけないよ
とぼけるんじゃねぇおれのめはふしあなじゃねぇや(とぼけるんじゃねぇ俺の目は節穴じゃねぇや)
とまりちゃや(泊茶屋)
とみくじ(富籤)……寺社でおこなわれたくじ。当籤者には大金が当たった。「とみ」「とみふだ」
  • とみくじがあたったんだよ(富籤が当たったんだよ)
とみふだ(富札)……富籤に用いられた番号の書かれたふだ。
とみのふだ(富の札)……「とみふだ」
とめどなしにふるゆきだか(止め度なしに降る雪だ)
ともしらがまでそいとげる(共白髪まで添い遂げる)
ともにめしつれ(供に召し連れ)
ともまわり(供回り)……お供たち。
とらのこ(虎の子)……大事な物、大切な金品。
とりがとんじまいますよ(鳥が飛んじまいますよ)……逃がしちまぅ。
とりこ(捕虜)
  • とりこになってくびをはねられる(捕虜になって首を刎ねられる)
とりつくしまもない(取りつく島もない)
とりみだしたってはじまらねぇ(取り乱したってはじまらねぇ)
とりもなおさず
どれだけおこころをくだかれたことか(どれだけ御心を砕かれたことか)
どれもこれもみごとなしなじゃて(どれもこれも見事な品じゃて)
どろぼうかぎょう(泥坊稼業・泥棒稼業)
どろぼうしょうばい(泥坊商売・泥棒商売)
  • どろぼうしょうばいもらくじゃありませんね(泥坊商売も楽じゃありませんね)
どろをはく(泥を吐く)……自白する。
どろんした……どこかへすがたを消すこと。
どをじゅしへきにしょす(土を呪し壁に書す)……まじないをおこなうこと。陰陽道の術。
どんすののばかま(緞子の野袴)
とんだくわせものだ(とんだ喰わせ者だ)
とんだけんとうちがい(とんだ見当違い)
とんだごさいなんでございました(とんだご災難でございました)
どんづまり……最後、行き止まり。
どんづまりにくる(どんづまりに来る)……大晦日。年の最後。
とんでもない
  • とんでもないことでございます
  • とんでもねぇことをしでかしやがった(とんでもねぇ事をしでかしやがった)
  • とんでもねぇどうらく(とんでもねぇ道楽)
  • ととんでもねぇものをすっちまった(とんでもねぇものを掏っちまった)……掏りとった財布に金品以外のすごいものが入っていた。
どんなかおぶらさげてくるかね(どんな顔ぶらさげて来るかね)……どんな顔をしてやって来るだろう。
どんなことがあってもくににつれてけぇる(どんな事があっても故郷に連れて帰る)
とんびがたかをうんだ(鳶が鷹を生んだ)
とんぼをきって……宙返りをして。
最終更新:2025年06月09日 15:40