な
ないしょばなしにむかないこえ(内緒話に向かない声)……おしゃべりが大きい。
ないぞうにあぶらがたまる(内臓に膩が溜まる)
ないみつ(内密)
- ないみつにとどける(内密に届ける)
- ないみつにねがいます(内密に願います)
なうての(名うての)……有名な。
なおいけませんや……余計に悪いぞ。
なおったやまいがぶりかえす(治った病がぶり返す)
なか(廓内)……吉原などの遊廓のこと。
ながいことない(長いことない)
なかご(瓤・瓤子)……野菜などの種やその周囲の食べない部分。わた。
ながさきがえりのおいしゃさま(長崎帰りのお医者様)
ながさきや(長崎屋)……▼江戸にあったかぴたんたちの宿泊先。
なかだちどうぐ(媒具)……媒介となる物や装置。
ながちょうば(長丁場)
なかなかしっぽをださないな(なかなか尻尾を出さないな)……早く正体を出せ。
なかなかすじがよいぞ(なかなか筋が良いぞ)
ながねん(永年・長年)
ながねんおなじものをたべているとにてくるのかもしれません(永年同じ物を食べていると似て来るのかも知れません)……夫婦はよく似る。
なかまいりのしるし(仲間入りの印)……金を寄こしな。
なかむつまじくくらすようにいたせ(仲睦まじく暮らすように致せ)
なかむつまじくともしらが(仲睦まじく共白髪)
ながものがたり(長物語)
- わしのながものがたりもこのあたりでしまいにしようか(わしの長物語もこのあたりで終いにしようか)
ながればたらき(流れ働き)……決まった勤め先を持たない働き方。
ながわずらい(長患い)……《ながのわずらい》
なきがら(亡骸)
なきもの(亡き者)
なきをみる(泣きを見る)……悪い境涯になる。
- なきをみなくちゃならねぇ(泣きを見なくちゃならねぇ)
なぐさみもの(慰み物)
なげかわしい(嘆かわしい)
なげこみでら(投込寺)……死んだ者を無縁仏として処理する寺院。
- なげこみでらへでもほうりこまれるんでしょ(投込寺へでも放り込まれるんでしょ)
なげちゃう(投げちゃう)……辞める。
なげぶみをする(投文をする)……投書する。
なさけがふかいおひとだ(情けが深いお仁だ)
なさけしらず(情け知らず)
なさけねぇやい(情けねぇやい)
なさけないまね(情けない真似)
なさけぶかい(情け深い)
なさけもかえってあだとなる(情けも却って徒となる)
なさけをもちあわせておらねばにんげんとはいえぬであろう(情けを持ち合わせておらねば人間とは言えぬであろう)……まことの心がなければ人間のすがたをした獣に過ぎん。
なしのつぶて……返答がない。
- このはんつきなしのつぶてじゃありませんか(この半月なしのつぶてじゃありませんか)……とっとと払って下さいよ。
なだかい(名高い)
なたねあぶら(菜種油)
なつさぎ(夏鷺)……▼合鴨や夏鷺など、水鳥の料理は好まれてた。
なつさぎのちゃわんもり(夏鷺の茶碗盛)……夏鷺の料理のひとつ。
なにがしんきのたねじゃやら(何が辛気の種じゃやら)
なにかのおまちがえでございましょう(何かのお間違えでございましょう)
なにかふつごうがおこりましたらおとのさまのおちからで(何か不都合が起りましたらお殿様のおちからで)……おたのみいたしますよ。
なにからなにまでおせわになりまして(何から何までお世話になりまして)
なにくわぬかお(何食わぬ顔)
なにごとださわがしい(何事だ騒がしい)
なにごとでございますかこのようなところへ(何事でございますかこのような所へ)
なにしろおあつうございますから(何しろお熱うございますから)……灸点。
なにしろふるいことでございますからなぁ(何しろ古いことでございますからなぁ)
なにせきゅうなことでしたからねぇ(何せ急な事でしたからねぇ)
なにねぼけたこといってるんだい(何寝惚けたこと言ってるんだい)
なにぶんともによろしくおねがいします(何分ともによろしくお願いします)
なにもかにもあったもんじゃない(何もかにもあったもんじゃない)
なにもかもぞんじております(何もかも存じております)
なにもございませんが(何もございませんが)……お食事を供するときのことば。
なにやらものさわがしいひとごえ(何やら物騒がしい人声)……騒がしいのぅ。
なにをぐすぐずしてやがるんでぇ(何をぐずぐずしてやがるんでぇ)
なにをしでかすかわかりゃしない(何をしでかすか分かりゃしない)
なにをしょうこにそのようなごむたいを(何を証拠にそのようなご無体を)
なにをなまけてやがる(何を怠けてやがる)
なにをぬかすか(何をぬかすか)……何を言うか。
なむさん(南無三)
なまあたたかいかぜがふいてきた(生暖かい風が吹いて来た)
なまえといどころ(名前と居所)
なまがいなまだいなまいわし(生貝生鯛生鰯)……早口ことば。
なまきをさかれる(生木を裂かれる)……てひどい仕打ち。
なまぐさぼうず(生臭坊主、腥坊主)……破戒な僧侶。
なまぐさもの(生臭物)……魚や肉。
なまぐさばんだばさらんだ(生臭ばんだばたらんだ)……真言のもじりかえ。
なまけごころがおこるともかぎらん(懶け心が起こるとも限らん、怠け心が起こるとも限らん)
なまず(癜・癜風)……皮膚に生じる病気。
なまっちろい(生っ白い)
なまりのどくがからだにまわる(鉛の毒が体にまわる)
なまんだぶつなまんだぶつ(南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏)
なみだがでるほどうれしいね(涙が出るほど嬉しいね)
なみだとくびをおしつつみ(涙と首を押包み)……敵方に差し出すために泣く泣く落とした首を包む。
なみのにんげんがそんなことするわけねぇ(並の人間がそんなことするわけねぇ)
ならずもの(ならず者)……ごろつき。
ならづけ(奈良漬)……瓜などを酒粕に漬けた漬物。
ならづけなすびのはい(奈良漬茄子の灰)……奈良漬の茄子を焼いた灰、歯痛の薬。
ならづけをたべてもよっぱらっちまう(奈良漬を食べても酔っ払っちまう)
ならもんくはねぇ(なら文句はねぇ)
ならんぞ……許されぬことだぞ。
なりぞこない(なり損ない)
なりそこなう(なり損なう)
なりたまいり(成田参り)……成田山へお参りに行く旅。
なりはかたぎだが(装は堅気だが)……どうもあやしい。
なりひらども(業平ども)……いい顔の男たち。
なれど……そうではありますが。
なわばりうちがさわがしい(縄張内が騒がしい)
なわをきりとく(縄を切り解く)
なんきつ(難詰)……きびしくなじる。
なんぎなことだ(難儀なことだ)
なんぎなものだ(難儀なものだ)
なんぎのありさま(難儀の有様)
なんきん(南京)……かぼちゃ。
なんきんたますだれ(南京玉簾)……大道芸のひとつ。
なんきんてづま(南京手妻)……中華な手品。
なんきんまち(南京街)……中華街。
なんだやぶからぼうに(なんだ藪から棒に)
なんだよあらたまっちまって(なんだよ改まっちまって)
なんでえどへまいもどってきたんだ(なんで江戸へ舞い戻って来たんだ)
なんてまねしやがるんでぇ〈なんて真似しやがるんでぇ〉
なんといういんがでしょう(なんという因果でしょう)
なんというおすがたに(なんというお姿に)
なんというですぎたまねを(なんという出過ぎた真似を)
なんとおれいをもうしあげたらよいやら(なんとお礼を申し上げたらよいやら)
なんとなされます……どういたします。
なんにもいやしねぇじゃないか(何にも居やしねぇじゃないか)
なんらにもしねぇってんじゃあっしのきがすまねぇ(なんにもしねぇってんじゃあっしの気が済まねぇ)……是非何か礼をさせてくだせぇ。
なんのまねだい(何の真似だい)
なんばんとらい(南蛮渡来)……▼南蛮渡来と称するとオーバーテクノロジーの物品も登場させることが出来る。
- そのようなこうかなるなんばんとらいのみょうやく(そのような高価なる南蛮渡来の妙薬)
- なんばんとらいのちんぴん(南蛮渡来の珍品)
なんばんのくすり(南蛮の薬)
なんばんわたり(南蛮渡り)……唐渡り。
最終更新:2025年06月11日 15:34