お
おあがりなされまし(お上がりなされまし)……どうぞ中へあがってください。「ちっとお上がりなされまし」
おあし(お銭)……おかね。おぜぜ。
おあつらえむきだ(お誂え向きだ)……ちょうどいい。
おあとめのぎ(お跡目の儀)……家督継承について。
おいおいおだやかじゃねぇな(おいおい穏やかじゃねぇな)
おいえのだいじ(御家の大事)
おいえのためとはいいながら(御家のためとは言いながら)
おいしゃさまのいうことはきくものですよ(お医者様の言うことは聞くものですよ)
おいせさんだろうがめりけんだろうが(お伊勢さんだろうがメリケンだろうが)
おいせまいり(お伊勢参り)……伊勢神宮への参詣。
おいたわしいこと
おいでなすった……やって来たな。
おいてますますごさかんなことで(老いてますますご盛んなことで)
おいなりさんにちかう(お稲荷さんに誓う)
おいのちつつがなき(お命恙なき)……ご壮健。
おいぼれてきがよわくなったもんだな(老いぼれて気が弱くなったもんだな)
おいめになります(負い目になります)
- あっしなんかがてておやだとしったらあいつのおいめになります(あっしなんかが父親だと知ったらあいつの負い目になります)
おいらん(花魁)……遊廓の娼妓。
おうぎおり(扇折り)……職人。
おうじょうしやがれ(往生しやがれ)……あの世へ行け。
おうじょうぎわ(往生際)
- おうじょうぎわがわるいぞ(往生際が悪いぞ)
- おうじょうぎわのわるいやつだ(往生際の悪い奴だ)
- おうじょうぎわのわるいやろうだ(往生際の悪い野郎だ)
おおかわにみなげする(大川に身投げする)
おおさかろうそく(大坂蝋燭)……安価な駄蝋燭。▼「全体生蝋にてこしらへたる物にあらず皆魚油獣肉などをさらしかためたる物にてこしらゆる也」(『譚海』)
おおしんだい(大身代)……大資本。
おおしんだいがもちあがる(大身代が持ち上がる)……勃興。
おおづつ(大筒・大砲)
- おおづつをぶちこんできおったわ(大砲をぶち込んで来おったわ)
おおばくちをうって(大博奕を打って)
おおひら(大平)……おおきい平蓋、ひろぶた。
おおやさん(大家さん)
おおやままいり(大山参り)……相模の大山へお参りに行く旅。
おおらんちき(大乱痴戯)
おかしら(お頭)……親分・頭目・首魁。
- おかしらのいうことがきけねぇってのかい(お頭の言う事が聞けねぇってのかい)
- おかしらのおでましだ(お頭のお出ましだ)
- おかしらのおもわくどおりでさ(お頭の思惑通りでさ)
おかたさま(御方様)……奥方様。
おかって(お勝手)……台所
おかっぴき(岡っ引き)……下っ引き。
- おかっぴきがうろちょろしてる(岡っ引きがうろちょろしてる)
- おかっぴきにしょっぴかれていっちまったんだよ(岡っ引きにしょっぴかれて行っちまったんだよ)
おかばしょ(岡場所)……遊里。公認の遊廓以外のもの。
- なりからみておかばしょではたらいてたらしいな(恰好から見て岡場所で働いてたらしいな)
おかぼれか(岡惚れ)
おかみがえこのさたをいたすものか(お上が依怙の沙汰を致すものか)
おかみにたてつく(お上にたてつく)
おかみにとどける(お上に届ける)……届け出る。訴えを出す。
- おかみにとどけるなんてばかなまねはしないことだな(お上に届けるなんて馬鹿な真似はしないことだな)……届け出たら人質の命はないと思え。
おかみのおふれ(お上の御触れ)
おかみのおふれをないがしろにするもの(お上の御触れを蔑ろにする者)
おかみのごいこう(お上の御威光)
- おかみのごいこうにかかわる(お上の御威光に関わる)
- おかみのごいこうをかさにきて(お上の御威光を笠に着て)
おかみのてさき(お上の手先)
おかみのてをわずらわせる(お上の手を煩わせる)
おかみのなさることにたてつくわけにはいかないじゃないか(お上のなさることにたてつくわけにはいかないじゃないか)
おかみをおそれぬことをもうすとようゃはせぬぞ(お上を畏れぬことを申すと容赦はせぬぞ)
おかみをたばかった(お上を謀かった)
おかんむりがまがる(お冠が曲がる)……気に喰わない。つむじをまげる。
おききにたっしまする(お聞きに達しまする)
おきてぬぐい(置手拭)……てぬぐいのかぶり方のひとつ。おりたたんで頭の上にのせる。
おきなあめ(翁飴)
おきにいらないんでしたらおもちかえりなさるんですな(お気に入らないんでしたらお持帰りなさるんですな)……質屋のせりふ。
おきのどくなこと(お気の毒なこと)
おくしたな(臆したな)……臆病風に吹かれたか。
おくびょうかぜにふかれたな(臆病風に吹かれたな)……おじけづく。
おくしょいん(奥書院)……御殿の奥。
おくちぞえを(御口添えを)
おくにわのそうじ(奥庭の掃除)……お屋敷のおしごとのひとつ。
おくびょうかぜ(臆病風)……「臆病神」とも。
- おくびょうかぜにふかれる(臆病風に吹かれる)
- おくびょうかぜにとっつかれる(臆病風に取っつかれる)
おけらになる……無一文。
おこうこ(お香こ)……香の物。漬け物。
おこえがかりをよいことに(お声掛かりをよいことに)……覚えがよいのをかさにきて。
おこころざしをむにして(お心差しを無にして)……期待に添えない処遇になってしまった。
おこころづかいかたじけのうございます(お心遣い忝うございます)
おこころおしずめあさばして(お心をお静め遊ばして)……落ち着いて下さいませ。
おこそずきん(御高祖頭巾)……女性が顔全体をつつむかぶりもの。
おこったかおはなおきれいだ(怒った顔はなお綺麗だ)
おことばですがね(お言葉ですがね)
おこま・さいざ(お駒才三)……恋仲のふたり。
おごるへいけひさしからず(奢る平家久しからず)……盛者必衰。
おこわ(お強)……強飯(こわめし)のこと。蒸したごはん。赤飯。
おさがしもうせ(お探し申せ)
おさげわたし(お下げ渡し)……ご下賜。
おさしずによるもの(お指図に拠るもの)
おさしみ……くちづけ、接吻。遊里でのことば。
おさないじぶんから(幼い時分から)
おさばき(お裁き)……裁判。
- おさばきをうけるのはどうり(お裁きを受けるのは道理)
- おさばきをおねがいします(お裁きをお願いします)
おさめてぬぐい(納手拭)……寺社の御手洗場などに奉納するてぬぐい。講の名や奉納者の名を染め抜いてある。
おさんどん(お爨どん)
おさんどんする(お爨どんする)……食事をつくること。
おしえておくれよ(教えておくれよ)
おしえておくんなさい(教えておくんなさい)
おじきかぜをふかせる(伯父貴風を吹かせる)
おじけづく(怖気づく)……こわがる。
おしこみごうとう(押込み強盗)
おしたじ(お下地)……醤油。
おしのび(お忍び)……お殿様やお姫様がやらかす。
おしのびでおでましにちがいない(お忍びでお出ましに違いない)
おじひでございます(お慈悲でございます)
おじひをおねがいいたします(お慈悲をお願い致します)
おしろからおししゃがみえまして(お城からお使者が見えまして)
おしろへあがる(お城へ上がる)……登城する。
おしゃかさまでもくさつのゆでも(お釈迦さまでも草津の湯でも)……恋の病は治せやせぬ。
おしゃかさまでもごぞんじあるめぇ(お釈迦さまでもご存知あるめぇ)
おじゅうのもの(お重の物)……重箱に詰めた料理、あるいは菓子など。
おしらす(お白洲)……裁判の場。
おせきはん(お赤飯)……祝い事のときにたべる。重箱に詰めて贈る際には「南天の葉」を毒消しとして添える。
- おせきはんをくばる(お赤飯を配る)
- おせきはんをたく(お赤飯を炊く)
おぜぜ(お銭)……おかね。
おせっかい(お節介・お切介)
おせっかいやき(お節介焼き)
おそばへまいります(お側へ参ります)……あとを追う。
- おそばへまいっておわびしたいとぞんじます(お側へ参ってお詫びしたいと存じます)
おそれいったか(恐れ入ったか)
おそれいりました(恐れ入りました)
おそれおおい(恐れ多い)
おそれながらとうったえてでる(恐れながらと訴えて出る)
おそろしいはなしじゃねぇか(恐ろしい話じゃねぇか)
おたいくつしのぎに(お退屈しのぎに)
おだいじん(お大尽)……大金持ち。大資本家。「大尽遊び」
おたがいそのほうがとくだとおもわねぇか(お互いそのほうが得だと思わねぇか)
おたがいらんぼうごとはよしにしましょう(お互い乱暴事はよしにしましょう)
おたかくとまる(お高くとまる)……上品ぶってる。
おたずねもの(お尋ね者)……指名手配犯。
おたな(お店)……商店・店舗。
- おたなにほうこうする(お店に奉公する)
- おたなのかねにてをつける(お店の金に手を付ける)
- おたなをしくじる(お店をしくじる)……店を辞めさせられる。
おたね(御胤)
おたのしそうですこと(お楽しそうですこと)
おたのしみあそばれませ(お楽しみ遊ばれませ)
おたのしみでしたね(お楽しみでしたね)
おたまじゃくし(蝌蚪、蛭雛子)……蛙の子。
おだやかにしてたらこのしょうばいはできませんよ(穏やかにしてたらこの商売は出来ませんよ)……借金取り。
おちうど(落人)
おちえをはいしゃくにまいりました(お知恵を拝借に参りました)
おちかづきのしるしに(お近づきの印に)……贈り物でございます。
おちからぞえのほど(お力添えの程)
おちむしゃ(落武者)
おちむしゃがり(落武者狩り)
おちゃをひとつおあがりなされませ(お茶を一つお上がりなされませ)……茶店の応対。
おちょうず(お手水)……お便所。
おちょぼぐち(おちょぼ口)
おつかいもの(お遣物)……贈答の品。
おっかぁ(おっ母ぁ)……母親。
おっかさん(おっ母さん)……母親。《おっかどん》
おっかねぇ……恐ろしい。
おつけ(お汁)……味噌汁。
おつけのみ(お汁の実)……味噌汁の具。菜っ葉や大根など。
おっしゃることにすじがとおっている(仰ることに筋が通っている)
おってのさたをまて(追っての沙汰を待て)……結果が出るまで待っていろ。
おつとめ(お勤め)……僧侶の読経。
おっとりがたな(押っ取り刀)
- おっとりがたなでかけつけて(押っ取り刀で駈けつけて)
おっとりまいて(押っ取り巻いて)……《押っ取り巻く》
おつな(乙な)……よい。
- おつなながやへひっこしてきたわぃ(乙な長屋へ引っ越して来たわぃ)
- おつなものがおちてたぞ(乙な物が落ちてたぞ)
おつむり(お頭髪)……髪型のこと。
おつりきなこと(乙りきな事)……しゃれたこと、よいこと。
おてあて(お手当)……給金、手当金。
おてがら(お手柄)
- おてがらだねぇ(お手柄だねぇ)
- おてがらにえんがない(お手柄に縁がない)
- おてがらをあげるってのはきもちのいいもんだなぁ(お手柄を挙げるってのは気持ちの良いもんだなぁ)
おてにかかって(お手にかかって)
おてまえ(お手前)
おでまし(御外出)
おてまをとらせるわけにはいけません(お手間を取らせるわけにはいきません)……《~わけには参りません》
おでんかんざけあまいからい(おでん燗酒甘い辛い)……おでんの屋台の売り声。甘い(煮込みのおでん)辛い(風味を加えた味噌をつけた田楽)を示す。
おでんちゃめし(おでん茶飯)……茶飯は出汁を用いて炊いたごはん。おでんとセットで供されてた。
おてんとうさま(お天道さま)……お日様、太陽。
- おてんとうさまがちゃんとみていてくださったんだ(お天道さまがちゃんと見ていて下さったんだ)
- おてんとうさまがゆるさねぇ(お天道さまが許さねぇ)
- おてんとうさまにもうしわけがたたない(お天道さまに申し訳が立たない)
- おてんとうさまのあるみちはまっとうにあるけねぇ(お天道さまのある道は真っ当に歩けねぇ)
- おてんとうさまのもとでまともにくらす(お天道さまの下でまともに暮らす)
- おてんとうさまのばちがあたったにちがいない(お天道さまの罰があたったに違いない)
- おてんとうさまはあたまのうえにきてるよ(お天道さまは頭の上に来てるよ)……もう昼近いよいつまで寝てるんだい。
おとうとご(弟御)
- おとうとごさまでございまするか(弟御様でございまするか)
おとうとともうしてもけらいどうぜんのひやめしぐいじゃ(弟と申しても家来同然の冷飯食いじゃ)
おどかしっこなしですよ(脅かしっこ無しですよ)……いやだなぁ冗談でしょ。
おとがめ(お咎め)……処罰。
- おとがめはわたくしがいくらでもうけます(お咎めは私がいくらでも受けます)
おとこににごんはない(男に二言はない)
おとこのこはかたがはってる(男の子は肩が張ってる)……赤ちゃんの出方。
おとこはおんなしだい(男は女次第)……共に生きる者次第で人生は変わる。
おとっつぁん(お父っつぁん)……父親。
おとっつぁんおっかさんもとうにしんじまいましてね(お父っつぁんおっ母さんも疾うに死んじまいましてね)
おとなしくしたほうがみのためだぜ(おとなしくしたほうが身の為だぜ)
おとぼけめさるな(おとぼけ召さるな)
おどりやたいのおねりだおねりだ(踊り屋台のお練りだお練りだ)……そこどけそこどけ。
おどろきいった(驚き入った)
おとなをひやかすとしょうちしないよ(大人を冷やかすと承知しないよ)
おないどし(同い歳)……おなじ年齢。
おなかをいためたこども(お腹を痛めた子供)……実の子供。
おなご(女子)
おなごりおしい(お名残り惜しい)
おなごりきょうげん(お名残り狂言)
おなさけのうございます(お情けのうございます)……がっかりでございまする。
おなさけはありがとうござますが(お情けは有難うございますが)
おなさけぶかい(お情け深い)
おなじあなのむじな(同じ穴の狢)
おなじかちゅう(同じ家中)……勤めてるお城や屋敷が同じ。
おなじかまのめしをくう(同じ釜の飯を食う)……生活を共にした仲
おなじながやのつきあいじゃねぇか(同じ長屋の付き合いじゃねぇか)
おなもけがれます(御名も穢れます)
おなわ(お縄)……逮捕。手が後ろに回る。
- おなわちょうだい(お縄頂戴)
- おなわにかかって(お縄にかかって)
- おなわをちょうだいしろ(お縄を頂戴しろ)
おにせんびき(鬼千匹)……「小姑は鬼千匹だ」
おにっひとでなしっ(鬼っ人でなしっ)……無慈悲外道な人物に対する罵倒語。
おにのかくらん(鬼の霍乱)
おにのせめどうぐ(鬼の責め道具)……地獄の獄卒たちの使う道具。
おにみたいにつめのばして(鬼みたいに爪のばして)……みっともないからとっとと切りな。
おにをすでくうようなものすごいかお(鬼を酢で喰うような物凄い顔)
おぬきなされ(お抜きなされ)……わしが斬れますかな。
おのがみをほろぼす(己が身を滅ぼす)
おのないきつね(尾の無い狐)……女郎のこと。
おののこまちやようきひか(小野小町か楊貴妃か)……美しさの形容。
おのれじゃまだてを(おのれ邪魔立てを)
おのれのやくにたてる(己れの役に立てる)……利用する。
おはぐろ(お歯黒・鉄漿)
おはぐろどぶ(お歯黒溝)……吉原の四方を囲んでたどぶ。
おはぐろどぶのおたまじゃくし(お歯黒溝の蝌蚪)……「手も足も出めぇ」のしゃれことば。
おはした(お婢)……はしため、召使い。
おはずかしいことですが(お恥ずかしい事ですが)
おはずかいはなしですが(お恥ずかしい話ですが)
おはなし……読売、からわばん。
おはやいおつきで(お早いお着きで)……宿屋さんのせりふ。
おはらだち(御腹立ち)
- おはらだちのこととはぞんじますが(御腹立ちの事とは存じますが)
おひざもと(お膝元・御膝下)
おひのばんあいつとめまする(お火の番あい勤めまする)……御殿での腰元たちによる夜回りのことば。
おひゃくどをふむ(お百度を踏む)
おぶぎょうしょ(お奉行所)
- おぶぎょうしょもばかじゃねぇ(お奉行所も馬鹿じゃねぇ)
おぶけさま(お武家様)……おさむらい。
- おぶけさまにはさからえねぇ(お武家様には逆らえねぇ)
- おぶけさまのおくちにあうようなものはございませぬ(お武家様のお口に合うようなものはございませぬ)
- おぶけのおじょうさんとおみうけしております(お武家のお嬢さんとお見受けしております)
おふなてばんしょ(御船手番所)……船の航行を見張ってた番所。
おふれ(お触れ)……法令。「お触書き」
おふれやおしおきではなくならねぇ(お触れやお仕置きではなくならねぇ)……根源的な悪の種。
おへやさま(お部屋様)……奥方様。
おぺんぺん……三味線のこと。芸者などのことば。
おぼえがめでたい(覚えが目出度い)……かわいがられている。
おまえいってぇなにもんだい(お前一体何者だい)
おまえからかねをもらうきはないんだ(お前から金を貰う気はないんだ)……その代わりその腕を借りたい。
おまえきはたしかか(お前気は確かか)……とんでもないことを言う奴だ。
おまえさん(お前さん)……《おめぇさん》
- おまえさんおきとくれ(お前さん起きとくれ)……《~起きておくれ》
- おめぇさんちったぁできるのかい(お前さん些ぁ出来るのかい)
- おめぇさんのでるまくじゃないよ(お前さんの出る幕じゃないよ)
おまえにしんでもらっちゃこまるんだよ(お前に死んでもらっちゃ困るんだよ)
おまえにつれぇおもいをさせたいわけじゃないんだ(お前に辛ぇ思いをさせたいわけじゃないんだ)
おまえのからだにはたいまいのぜにがかかってるんだぜ(お前の体には大枚の銭がかかってるんだぜ)
おまえのこころざしをけっしてむだにしないぞ(お前の志を決して無駄にしないぞ)
おまえのそのそぶりはふつうじゃねぇな(お前のその素振りは普通じゃねぇな)……あやしいぞ。
おまえもたっしゃでけっこうだ(お前も達者で結構だ)……《おめぇもたっしゃでけっこうだ》
おまんじゅうはふかしたてがいちばん(お饅頭は蒸かしたてが一番ね)
おみがもちませぬ(お身が持ちませぬ)
おみそれ(お見逸れ)
- おみそれいたしました(お見逸れ致しました)
- おみそれもうしました(お見逸れ申しました)
おみみにいれたいことがございまして(お耳に入れたいことがございまして)
おみみにたっしましたか(お耳に達しましたか)
おめぇ(お前)
- おめぅがくしゃだなぁ(お前学者だなぁ)……いろいろ知ってるなぁ。
- おめぇのようなうさんなやろうはいらねぇのさ(お前のような胡散な野郎はいらねぇのさ)……消えてもらうぜ。
おめしかかえ(お召抱え)
おめしとり(お召し捕り)
- おめしとりにしてもらおう(お召し捕りにしてもらおう)
- おめしとりになってくださいまし(お召し捕りになって下さいまし)
おめでてぇやつだ(お目出度ぇ奴だ)……勘がにぶい。
おめどおり(お目通り)……面会。
- おめどおりをねがいとうございます(お目通りを願いとうございます)
おめにいれる(お目に入れる)
おめにかける(お目にかける)
- あすにはおめにかけられるてはずになっております(明日にはお目にかけられる手筈になっております)
おめみえ(お目見得)
おめめがとけちゃいますよ(お目々が溶けちゃいますよ)……いつまでお眠りですか。▼「いつまで寝てるんだぃ目が腐っちまうよっ」とは逆の優美な調子。
おめもじ(お目文字)
おもいあがるな(思い上がるな)
おもいあまって(思い余って)
おもいがけないさいなんで(思いがけない災難で)
おもいちがい(思い違い)
おもいもかけないひと(思いも掛けないひと)
おもきつみにあたるとかくごせよ(重き罪にあたると覚悟せよ)
おもしのないからだ(重石のない体)……しがらみなどから解放された身の上。《重石のなくなった体》
おもしろおかしくくらそうじゃねぇか(面白おかしく暮らそうじゃねぇか)
おもてしょいん(表書院)……御殿の表。
おもてをさがせっ(表を探せっ)……忍者が逃げたぞっ。
おやくごめんをもうしわたされ(御役御免を申し渡され)
おやくめごくろうにござる(御役目ご苦労にござる)
おやくをしりぞく(御役を退く)……退職する。
おやすいことだといいたいところだが(お安いことだと言いたいところだが)
おやすみどころ(御休処)……茶店などの看板に書かれている文字。
おやこのなのり(親子の名乗り)……互いに名乗りあって再会。
おやでもねぇこでもねぇ(親でもねぇ子でもねぇ)……出て行け。
おやにわかれこにわかれあるいはきょうだいさししちがう(親に別れ子に別れあるいは兄弟刺違う)……戦国乱世のみだれよう。
おやのいんががこにむくい(親の因果が子に報い)……見世物小屋などでの決まりの呼び込み文句。
おやゆずりのでんちでんばた(親譲りの田地田畑)
おやるいだいよりこうろくをちょうだいする(親累代より高禄を頂戴する)……代々の名家。
おやをおもうこころね(親を思う心根)
おゆるしくだささいませ(お許し下さいませ、お赦し下さいませ)
およるしくださいませ(お許し下さいませ)……詳しくは申せませぬ。
おりいって(折入って)
- おりいっておねがいしたいことが(折入ってお願いしたいことが)
- おりいってたのみがあってまいった(折り入って頼みがあって参った)
- おりいってはなしがある(折入って話がある)
おるすいやく(お留守居役)
おれいのもうしあげようはございません(御礼の申し上げようはございません)……「何と申し上げてよいやら」
おれもぶしのはしくれだ(俺も武士の端くれだ)
- おれもぶしのはしくれだうそはいわん(俺も武士の端くれだ嘘は言わん)
おろかなりなんじがあくごう(愚かなり汝が悪業)
おわかいの(お若いの)……「おわかいおひと」
- おわかいのおまちなせぇ(お若いのお待ちなせぇ)
- おわかいのよくききなされ(お若いのよく聞きなされ)
おわかりになりますまい(お分かりになりますまい)
おわびはいかようにも(お詫は如何様にも)
おわらいくだされ(お笑い下され)
おわるいそうですがいかがですか(お悪いそうですが如何ですか)……病気見舞い。
おんぎ(恩義)
おんきせがましい(恩着せがましい)
おんどとり(音頭取り)……先導する。
おんとの(御殿)……おとのさま。
- おんとののためいちめいなげうつかくごにございます(御殿のため一命投げ出す覚悟にございます)
おんないんきょ(女隠居)
おんなだてらに(女伊達らに)
- おんなだてらになげぇことやるしごとじゃねぇや(女伊達らに長ぇことやる仕事じゃねぇや)……盗っ人稼業なんてものは。
おんなっぷり(女っ振り)
- すっかりおんなっぷりをあげやがって(すっかり女っ振りを上げやがって)
おんなっぷりがいい(女っ振りがいい)
おんにきます(恩に着ます)
おんにきるぜ(恩に着るぜ)……ありがとよ。
おんのじだぜ(御の字だぜ)
おんばひがさでかぜにもあたらないおそだちがら(乳母日傘で風にもあたらないお育柄)
おんやくはらいましょうやくおとし(御厄祓いましょう厄落とし)
おんれいかたがた(御礼方々)
おんをあだでかえす(恩を仇で返す)
- おんをあだとはこのことだよ(恩を仇とはこの事だよ)
最終更新:2025年06月11日 15:34