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はいえつのよろこび(拝謁の喜び)
はいせん(盃洗)
はいたのこうやく(歯痛の膏薬)……歯が痛むときに頬や顎に貼る薬。
はいてすてるほどいる(掃いて捨てるほどいる)……対象が多すぎる。
はおりだいしょういかめしつくり(羽織大小厳めし造り)……厳めしいさむらいのこしらえ。
はおりはかま(羽織袴)
ばかずをふんでる(場数を踏んでる)
ばかしあいならこちらのほうがいちまいうわて(化かし合いならこちらのほうが一枚上手)
ばかしょうじきに(馬鹿正直に)……《馬鹿っ正直に》
ばかっぱなし(馬鹿っ話)
ばかなやろうだ(馬鹿な野郎だ)……まんまと引っかかりやがった。《馬鹿な野郎よ》
ばかにきゅうなはなしだな(馬鹿に急な話だな)
ばかにはでなものにばけたな(馬鹿に派手なものに化けたな)
ばかにはやいじゃねぇか(馬鹿に早いじゃねぇか)
はかるつもりがはかられた(謀るつもりが謀られた)
ばかをおいいでないよ(馬鹿をお言いでないよ)
ばかをもうすでない(馬鹿を申すでない)
ばかをもうせ(馬鹿を申せ)
はききよめる(掃き清める)
はきだめ(掃溜)……ごみ捨て場。
- はきだめやいどもちかくにあってべんりだ(掃溜や井戸も近くにあって便利だ)
はぎのつゆのいのち(萩の露の命)……はかない命のこと。身命は露よりも脆し。
はくじょうさせました(白状させました)
はくじょうしやがれ(白状しやがれ)
ばくちとけんかでひをくらす(博奕と喧嘩で日を暮らす)……無頼の暮らし。
ばくちにふける(博奕に耽る)
ばくちのかた(博奕の形)
ばくちのかねはまったなしだ(博奕の金は待ったなしだ)……すぐこの場で払ってもらおう。
ばくちのかねにこまる(博奕の金に困る)
ばくちはてんかのごはっとだ(博奕は天下の御法度だ)
ばくろちょうのやどや(馬喰町の宿屋)……▼宿屋が多くあった。江戸表へ訴訟などに来た者の多くがここに宿をとっていた。
ばけぞこない(化け損ない)
ばけそこなう(化け損なう)
ばけてでる(化けて出る)……うらめしや。
ばけものざた(化物沙汰)……妖怪騒ぎ、幽霊騒ぎ。
ばけものやしき(化物屋敷)……妖怪変化や幽霊騒ぎのあるお屋敷。
ばけものやしき(化物屋敷)……口入屋のことば。お殿様に悪い虫がつくのはイヤだというやきもち焼きの奥様のいるお屋敷。美女ではない者を雇い入れる。
はじさらし(恥さらし)……「恥っさらし」
はしため(婢、端女)……下女、召使い。おはした。
はしたもの(婢、半婢、端者)……下女、召使い。おはした。
はしっぷち(橋っ縁)……橋のたもと。
はじめはたにんどうし(始めは他人同士)
ばしょがらをわまえよ(場所柄を弁えよ)
はしりもの(走り物)……旬に先がけてその年のはじめに出回った食べ物。「初がつお」や「初なすび」など市場で高値で取引される。庶民側からは俗に「高いばかりで味がない」とも。
はじをしのんでもうしあげる(恥を忍んで申し上げる)
はだかいっかん(裸一貫)
はたき……すりの手口。濡れてぬぐいなどで相手の顔を叩いて注意をそらしてふところのものをいただく。
はたけがくさる(畑が腐る)……耕作放棄。
- はたけがくさっちまわないようにてをいれてある(畑が腐っちまわないように手を入れてある)
- はたけがくさってやがるじゃねぇか(畑が腐ってやがるじゃねぇか)
はたご(旅篭)……宿屋。
はたしあい(果し合い)……決闘。
はたしじょう(果たし状)……果し合いを告げる手紙。
はたたがみ(霹靂)
はたのもの(傍の者)……まわりの者。
はだみはなさず(肌身離さず)
はためいわく(傍迷惑)
はたもとやしき(旗本屋敷)
はたもとやっこ(旗本奴)……▼水野十郎左衛門などが有名。
ばちあたり(罰当り)
- ばちあたりなことするんじゃねぇ(罰当たりな事するんじゃねぇ)
- ばちあたりなやろう(罰当たりな野郎)
はつかおあわせ(初顔合わせ)
はっかのおかし(薄荷のお菓子)……三角形などになってる駄菓子。
ばっちらあい(奪合い)……うばいあい。
ばっちらかる(ばっ散らかる)
はつのたいめん(初の対面)
はっぴゃくまんごくのてんかびと(八百万石の天下人)……将軍さま。
はでっけ(派手っ気)
はてなぁどこかでみたような(はてなぁどこかで見たような)
はてこころえぬ(はて心得ぬ)……なぜでござるか。
はてこころえぬくものふるまい(はて心得ぬ雲の振舞い)……瑞雲がでてるぞ。
はてたのもしききでんのたちすじ(はて頼もしき貴殿の太刀筋)
はてなにもののしわざでござろう(はて何者の仕業でござろう)
はてなれなれしい(はて馴れ馴れしい)
はでにやってくれたな(派手にやってくれたな)
はな(纏頭)……ご祝儀。
はなおうぎ(鼻扇)
はながあぐらをかいてる(鼻が胡坐をかいてる)……鼻が横っぴろにおおきい。
はなかい(花会)
はなげをよまれる(鼻毛を読まれる)……色気に篭絡される。
はなしのたっしゃなひと(話の達者なひと)
はなのあながぴりぴりする(鼻の穴がぴりぴりする)……熱い・辛い。
はなのさかりはひとさかり(花の盛りは一盛り)……「人の命もひと時と」ともつづく。
はなのしたのばして(鼻の下のばして)……でれでれしちゃって。
はなのしたをながくする(鼻の下を長くする)……でれでれする。すけべなものを見る。
はなをあかす(鼻を明かす)
はにあぶらがのってる(刃に脂が乗ってる)……ひとを斬ったんだろう。
はばがきかなない(幅が利かない)
はばかり……お便所。
はばかりながらさりながら(憚りながらさりながら)
はぶりがいい(羽振りがいい)
はべつしぶんして(派別支分して)……枝分かれしていって。
はまべずまい(浜辺住まい)……漁師の暮らし。
はやいところずらかれ(早いとところずらかれ)……逃げ出せっ。
はやうま(早馬)
はやおきはさんもんのとく(早起きは三文の徳)
はやおきはさんもんのそん(早起きは三文の損)……わるぐち。早く起きたところで眠いだけ。
はやおけ(早桶)……棺桶。
はやかご(早駕篭)
はやくとどめを(早くとどめを)……苦しい苦しい。
はやびきゃく(早飛脚)……ものすごい速さで書類やお金をとどけます。
はやまっちゃいけない(早まっちゃいけない)
はやよもあけかかりしののめのころとなる(早や夜も明け掛かり東雲の頃となる)
はら(腹)……切腹のこと。「お腹をお召しになる」
- はらかっさばいて(腹かっさばいて)
- はらをめす(腹を召す)
はらおびぐいとしめなおす(腹帯ぐいと締め直す)
はらのかわつっぱるとめのかわたるむ(腹の皮突っ張ると目の皮弛む)……満腹になったら眠たくなっちゃった。
はらはきたやま(腹は北山)……空腹。《腹が北山》
はらもたつだろうが(腹も立つだろうが)
はらもみのうち(腹も身の内)……食べ過ぎはよくない。
- はらもみのうちだっていうじゃないですか(腹も身の内だって言うじゃありませんか)
はるびえ(春冷え)……まだ暖かくない気候。
はるらんまん(春爛漫)
ばれ(破礼)……破廉恥なこと、すけべなこと。
はれぎ(晴着)
はれすがた(晴れ姿)
はれていっしょになる(晴れて一緒になる)……晴れて添い遂げる。
はれのぶたいだ(晴れの舞台だ)
はれぼったい(腫れぼったい)
はんこう(版行・板行)……木版刷りにする。
ばんじかねがものをいうよのなかでございますからな(万事金が物を言う世の中でございますからな)
ばんじこころえてあるからまかせておきな(万事心得てあるから任せておきな)
ばんじはおこころひとつ(万事はお心ひとつ)
ばんじはひそかに(万事は密かに)
ばんだいふえき(万代不易)
- ばんだいふえきのきそをさだむる(万代不易の基礎を定むる)
はんちくなやろう(はんちくな野郎・半竺な野郎)
ばんちゃのとっとき(番茶の取っとき)……濃い番茶。悪い色の小便の表現にもある。
はんちょうともあるかれねぇ(半町とも歩かれねぇ)
はんつきたらずのあいだに(半月足らずの間に)
はんでおしたように(判で捺したように)……いつもおなじ行動。
ばんばんざいでございますなぁ(万々歳でございますなぁ)
ばんやまでつれてゆけ(番屋まで連れて行け)
ばんりのはて(万里の果て)……とても遠い地。
ばんりのはとう(万里の波涛)
ばんりのいいきにたびだたれる(万里の異域に旅立たれる)……あの世へ赴かれた。
最終更新:2025年04月14日 15:16