さ
さぁおたちあい(さぁお立ち合い)……大道芸人がよく口にする。
さぁかったかった(さぁ買った買った)
さぁくわしいてんまつはここにかいてある(さぁ詳しい顛末はここに書いてある)……かわらばん買っとくれ。
さぁさういたういた(さぁさ浮いた浮いた)……囃子ことば。
さぁひょうばんひょうばん(さぁ評判評判)……見世物や興行。
さぁよんだよんだ(さぁ読んだ読んだ)……かわらばん売り。
さいくん(細君)……奥方。
さいごく(西国)
さいごくきんぺん(西国近辺)
さいごくしょこく(西国諸国)
さいさんいってる(再三言ってる)
さいさんさいし(再三再四)
さいぜんよりうけたまわれば(最前より承れば)
さいてからまるふじのはな(咲いて絡まる藤の花)……▼お手玉唄の一節。
さいほうじょうどまでながしてやる(西方浄土まで流してやる)……おとなしくあの世へ行くがいい。
さえゆくしんにょのかげ(冴行く真如の影)
さがすてまがはぶけたぜ(探す手間が省けたぜ)
ざがしら(座頭)……興行の座長。
さかしらがおのかんげん(賢しら顔の諌言)
- さかしらがおのかんげんなぞきくみみもたぬわ(賢しら顔の諌言なぞ聞く耳持たぬわ)
さがってよい(下がってよい)
さかて(酒手)……酒料。
さかてははずむよ(酒手は弾むよ)……駕篭屋んなどへのこころづけ。
さかやたたきおこせ(酒屋叩き起こせ)
さきごろ(先頃)
さきごろより(先頃より)……以前から。
さきざきまでらくができるぜ(先々まで楽が出来るぜ)……金の心配はねぇぞ。
さけがいちだんとうまい(酒が一段と美味い)……ひときわ美味い、よい心地ぢゃ。
さけがまずくなる(酒が不味くなる)……そのような話は持ち出すでない。
さけずきでばくちずき(酒好きで博奕好き)
さけのうえのことだ(酒の上のことだ)……気にすんなぃ。《酒の上のことでぇ》
さけはなんといってもただざけにかぎるな(酒は何といっては只酒に限るな)
さこく(鎖国)……海外と自由な交易や往来を鎖すこと。
さじ(瑣事)……些細なこと。
さじをなげる(匙を投げる)
さしこみ(差込)……急に服や胸が痛んで動けなくなる。「持病の癪」
さしずやく(指図役)……現場監督。
さしでぐち(差出口)
- よけいなさしでぐちをはさみやがって(余計な差出口を挟みやがって)
さしでたふるまいぶれいであろう(差し出たふるまい無礼であろう)
さしむける(差し向ける)……遣わせる。
さしものし(指物師)
ささまき(笹巻)……葉で巻いてあるおすし。
さずかりもの(授かり物)
さぞかしきをおとされているでしょう(さぞかし気を落とされているでしょう)
さぞきゅうくつであったろうな(さぞ窮屈であったろうな)
さぞむねんであったろう(さぞ無念であったろう)
さだめとおもって(運命だと思って)……あきらめる。
さたやみにしてつかわそう(沙汰止みにしてつかわそう)
さっしのいいやつだ(察しの良い奴だ)
さっするところ(察するところ)
さっそくのごしょうだくかたじけない(早速のご承諾忝い)
さつばつきわまるじせいでございます(殺伐極まる時世でございます)
さっぷうけいすぎないかい(殺風景過ぎないかい)
さつまろうそく(薩摩蝋燭)……魚油を用いた安価な魚蝋の蝋燭。駄蝋燭。紙芯。黒い煙が出て生くさい。▼夜店や芝居小屋で主に用いられた。
さてはなんきんたますだれ(さては南京玉すだれ)
さてはわいらはものどりよな(さては己らは物取よな)……追剥、盗賊。
さと(里、故郷)……ふるさと、くに。
さど(佐渡)……佐渡島。
- さどおくり(佐渡送り)……佐渡への流罪。
- さどがえり(佐渡帰り)……佐渡に流罪されてた者。
- さどのきんざん(佐渡の金山)……有名な金の鉱山。「佐渡金山」
さといもみたいなあたま(里芋みたいな頭)……毛がぽろぽろ・虎刈り。
さとごころ(里心)……郷愁、家に帰りたくなる。
- さとごころがつかないうちに(里心がつかないうちに)
- さとごころがつくというものだ(里心がつくというものだ)
さとれぬやつよのぅ(悟れぬ奴よのぅ)……察しのつかない者だ。
さはいにん(差配人)……大家さん。
ざまぁみやがれ
ざまをみろ
さりとはおきのよわい(然りとはお気の弱い)
さりながら(然りながら)
さるおかた(さるお方)
さるおだいみょう(さる御大名)
さるのひとまねからすのうのまね(猿の人真似鴉の鵜の真似)
さるまわしのさるみたいにおどらされてる(猿回しの猿みたいに踊らされてる)
さわいでもだれもこぬわ(騒いでも誰も来ぬわ)
さわぐでない(騒ぐでない)
さわやかなもんだ(爽やかなもんだ)……お灸にこらえてる窮句。
さわらぬかみにたたりなし(触らぬ神に祟りなし)
さんかいのちんみ(山海の珍味)……たいへんな御馳走。
さんかん(三管)……楽に用いられる笛。笙・篳篥・笛。
さんきゅううむことなし(参究倦むことなし)……勉学を怠ることがない。
さんきんこうたい(参勤交代)……大名たちの義務。
さんこ(三鼓)……楽に用いられる鳴り物。太鼓・羯鼓・鉦鼓。
さんご(珊瑚)
さんごじゅ(珊瑚珠)
さんごのかんざし(珊瑚の簪)
さんごべっこうぎょくせきのたぐい(珊瑚鼈甲玉石の類)……海外から輸入されるきれいなもの。ご禁制の品。
さんごくいちのはなよめ(三国一の花嫁)
さんごくいちのむこどの(三国一の聟殿)
さんした(三下)
さんしたやっこ(三下奴)
さんじゃくたかいきのうえ(三尺高い木の上)……獄門首になること。
- さんじゃくたかいのがごくもんだいだ(三尺高いのが獄門台だ)
- さんじゃくたけぇきのうえにのぼる(三尺高ぇ木の上に上る)……獄門にされる。「土に三尺木に三尺」
- さんじゃくたけぇだいのうえにくびをさらすかくごはできてるんだ(三尺高ぇ台の上に首を晒す覚悟は出来てるんだ)
さんずのかわ(三途の川)
さんぜんしゃ(参禅者)……禅に志す者。
さんぜんせかい(三千世界)……広大な宇宙。「三千大世界」のこと。
さんだらぼっち(桟俵)……俵(たわら)の蓋の部分。
さんだらぼんのう(三陀羅煩悩)……悪のおこない。《さんどら煩悩》《三毒煩悩》。「飲む・打つ・買う」をこう表現したりもする。
- さんだらぼんのうがたたってしんだのちまでこのちじょく(三陀羅煩悩が祟って死んだ後までこの恥辱)……死罪の身の果てとなった状況。
さんどのめしよりもすき(三度の飯よりも好き)
さんべんまわってわんといえ(三遍回ってわんと言え)……犬の真似をしろ。
さんぼう(三方)……台つきの折敷。台の穴の数に応じ四方~一方まであるほか、穴がないのを供饗(くぎょう)と呼ぶ。穴の多い方が冠位は高かった。
さんり(三里)……足にあるお灸のつぼ。健脚のためによい。
最終更新:2025年05月16日 15:10