きうつのやまい(気鬱の病)……気分がふさいでしまう。
  • きうつのやまいはとかくながびくものともうします(気鬱の病はとかく長引くものと申します)
きかずだいこく(聞かず大黒)……音の聴こえないこと。
きがちってしょうがねぇ(気が散ってしょうがねぇ)……少しあっちへ行ってろ。
きがねはいらんな(気兼ねは要らんな)
きかん(亀鑑)……立派な参考文献。
きくだけやぼよ(聞くだけ野暮よ)
きくづくり(菊作り)……菊を育ててる者。
ききずてならぬこと(聞き捨てならぬこと)
ききゅうをすくう(危急を救う)
きざ(気障)
きさまはなんだよこあいからでしゃばって(貴様はなんだ横合から出しゃばって)
きさまらごときぶらいのと(貴様らごとき無頼の徒)
きさんがかなって(帰参が叶って)
きしかいせいのみょうやく(起死回生の妙薬)……危篤の病からも治るすごい薬。
きじょうなものだ(気丈なものだ)
きしる(樹液)
きす(鱚)……▼将軍は毎日のお膳に必ず魚に鱚を用いる習いだった。「喜」の字が漢字に入ってることが理由だと語られる。
きせつはずれのゆうれいみたいに(季節外れの幽霊みたいに)
きせるぅはたばこぉ(煙管ぅ葉莨ぉ)……たばこの売り声。
きせるをつえにしながら(煙管を杖にしながら)……煙管を手に持って下に立てて突く動作。
ぎぞく(義賊)
  • ぎぞくきどり(義賊気取り)
  • ぎぞくとよばれようがよなおしといわれようがまともなものではない(義賊と呼ばれようが世直しと言われようがまともなものではない)……義賊とされても法を犯した盗みは盗み。
  • ぎぞくなどというものはないひとからものをぬすめはばそれはすべてただのどろぼうだ(義賊という者はない他人から物を盗めばそれは全てただの泥坊だ)
きたいなくものありさまじゃのう(稀代な雲の有様じゃのう)……瑞雲がでてるぞ。
きだてのいい(気立ての良い)
きちがいおおかみ(狂狼)……荒れ狼。悪人。
きちくにもおとるふるまい(鬼畜にも劣る振舞い)
きちょう(帰朝)……帰国すること。
きちんやど(木賃宿)……宿屋。まかないはつかない。
きつぅひえるじゃござんせんか(きつぅ冷えるじゃござんせんか)……ものすごく寒い。
きっしゅくきっぱん(喫粥喫飯)……かゆ・めしを食べる。
きってすてよ(斬って捨てよ)……《斬って捨てぃ》
きってもきれないしゅじゅうのごえん(切っても切れない主従の御縁)
きっとわるいようにはしない(屹度悪いようにはしない)
きっぷがいい(気風が良い)
きっぽう(吉報)……よいしらせ。
  • きっぽうをまっておるぞ(吉報を待っておるぞ)
きとくなごじんでな(奇特な御仁でな)
きどせん(木戸銭)……入場料。
きながにまってるがいいさ(気長に待ってるがいいさ)
きなくさい(きな臭い)
きにやまぬことじゃ(気に病まぬことじゃ)……気にせんでよい。
きのいい(気の良い)
  • きのいいなかま(気の良い仲間)
  • きのいいやつで(気の良い奴で)
きのいっぽんもぬすんだことはない(木の一本も盗んだ事はない)
きのどくだったなあきらめな(気の毒だったな諦めな)
きのまたからうまれたわけじゃあるまいし(木の股から生まれたわけじゃあるまいし)……おめぇにも親はあるだろう。
ぎぶつ(偽物)……にせもの。
きまえかがいい(気前がいい)
きみがわるいぐらいそっくり(気味が悪いぐらいそっくり)……うりふたつ。
きみさま(君様)……殿様、ご主人様。
  • きみさまのおともをして(君様のお供をして)
きみにあやまちあればしんそのせめをうけるはとうぜん(君に過ちあれば臣その責めを受けるは当然)
きみのおおせ(君の仰せ)……殿様の命令。
きみのごぶうんえいがのさかえ(君の御武運栄華の栄え)
きみわるい(気味悪い)
  • きみわるいな(気味悪いな)
  • きみわるうございますよ(気味悪うございますよ)
きもいり(肝煎)
きもったまがちぢみあがったかい(胆っ玉が縮み上がったかい)
きもったまのちいせぇやろうだ(胆っ玉の小せぇ野郎だ)
きもちはあるけどかねはねぇ(気持ちはあるけど金はねぇ)
きもにめいじます(胆に銘じます)
きものごじゅうにおびがひゃく(着物五十に帯が百)……帯は良いものを身に着けるように気を付けないと釣り合いがとれない。
きもをつぶす(胆を潰す)……おどろく。
  • きもをつぶしたわ(胆を潰したわ)
  • きもをつぶすぜ(胆を潰すぜ)
きゃくじん(客人)
きゃすこす(茄子瓠子)……なす・うり。とるに足らない者のたとえ。
ぎやまん……南蛮渡りのガラスや宝石などのこと。
ぎやまんざいく(ぎやまん細工)
ぎゅうぎゅうのめにあわせる(ぎゅうぎゅうの目に遭わせる)
きゅうじょうをさっして(窮状を察して)
きゅうせんのいえ(弓箭の家)……武家。
  • きゅうせんのいえにうまれしみ(弓箭の家に生まれし身)
きゅうにめのいろがかわっちまって(急に目の色が変わっちまって)……表情や様子が豹変する。
きゅうめいいたしてくれる(究明致してくれる)
きょうえいすいはつきのくも(鏡影水波月の雲)
きょうがい(形骸)
きょうからうちのほうこうにんだ(今日からうちの奉公人だ)
きょうげんをおっぱじめる(狂言をおっ始める)
きょうじょうもち(凶状持ち・兇状持ち)
きょうだいみたいなもんよ(兄弟みたいなもんよ)……兄弟同然の仲。
きょうのところはごないぶんに(今日のところはご内聞に)
きょうはごきげんうかがいのつもりで(今日はご機嫌うかがいのつもりで)
きょくまり(曲鞠)……鞠を自在に蹴ったりする見世物芸。
きょとみせかけてじつじつとみせかけてきょ(虚と見せかけて実実と見せかけて虚)
きょねんのはるのことでございました(去年の春のことでございました)
ぎょべつりゅうき(魚鼈竜鬼)……いろいろないきもの。
きょもうふはくのあとなく(虚妄浮薄の跡なく)……不誠実な箇所がなく。
ぎょろう(魚蝋)……鰯などの魚油で製した安価な蝋燭。駄蝋燭、薩摩蝋燭。
きらびやかなもの(綺羅美やかなもの)
きりがない(切りがない)……おわりがない。
きりきりまいさせる(きりきり舞いさせる)
きりたおし(斬り倒し)
ぎりのあるしゃっきん(義理のある借金)
きりのし(切熨斗)……「のし」がたくさん刷られてる絵紙。切り抜いて贈り物に貼って使う。熨斗の簡便な代用品。
きりむすぶ(斬結ぶ)……刀と刀のぶつかりあい。「双方斬結ぶ」
きりもち(切餅)……小判を25両、紙で包んだもの。
きりょう(器量・容色)
きりょうがいい(器量がいい)
きりょうだめし(器量試し)……腕前や度量の試験。
きりょうよし(器量よし)
きるい(着類)……衣服。
きるなりつくなり(斬るなり突くなり)……刀ででも槍ででも。
  • きるなりつくなりすきにせい(斬るなり突くなり好きにせい)
  • きるのもつくのもおぬしらのかってだ(斬るのも突くのもお主らの勝手だ)
きろにつく(帰路につく)
きをしっかりもつんだ(気をしっかり持つんだ)
きをそろえて(気を揃えて)……心をひとつにして。
きをたしかにもつんだ(気を確かに持つんだ)
きをもませる(気を揉ませる)……心配になる。
  • おとこはいつでもきをもませる(男はいつでも気を揉ませる)
きんうはきゅうにしてぎょくとはすみやかなり(金烏は急にして玉兎は速かなり)
きんかんばん(金看板)
  • きんかんばんをあげる(金看板を上げる)
きんぎんざいほうあやにしき(金銀財宝綾錦)
きんけいきょうはからのにわとり(金桂香は唐の鶏)▼金・桂・香と金鶏鳥(きんけいちょう)の地口。将棋をさしているときに使われるしゃれことば。
ぎんこじり(銀鐺)……刀の細工の一つ。
きんじゅうやくどく(禽獣薬毒)
きんじょのはじさらし(近所の恥さらし)
きんすをらんぴする(金子を乱費する)
ぎんせかい(銀世界)……雪の景色。
きんぱくつき(金箔付き)……立派な。
  • きんぱくつきのぬすっとだ(金箔付きの盗っ人だ)
ぎんながし(銀流し)
きんのちゃがまをみっつもってる(金の茶釜を三つ持ってる)……財産がある。
ぎんみ(吟味)
  • ぎんみのしさいにてらしあわせ(吟味の仔細に照らし合わせ)
  • ぎんみのすじ(吟味の筋)……容疑。
  • ぎんみをはじめる(吟味を始める)
きんちゃくきり(巾着切)……掏摸。
ぎんよく(銀欲)……金銭欲。
きんるさんぜん(金縷燦然)……あでやかなる衣裳。
最終更新:2025年06月11日 15:31