くいぞうよう(喰雑用)……食費や生活雑費。
くいつみ(喰積)……お正月に出す島台に盛った餅や搗栗などのたべもの。
くいつめもの(食詰者)……食うに困ってふらふらしてる者。
くいつめろうにん(食詰浪人)……職のない浪人。
くうきしんせんしぼうかつぜん(空気新鮮四望谿然)……見晴らしの良い景色。
くうやくわずで(食うや食わずで)
くがいのつとめ(苦界の勤め)……遊里での勤務。
くぎょう(供饗)……台つきの折敷。台の穴のない三方(さんぼう)
くころ(苦壺盧)……瓢箪。実が苦くて食べられないことから。
くさいのくさくないの(臭いの臭くないの)……《くせぇのくさくねぇの》
くさいめし(臭い飯)……牢獄でのごはん。
ぐさく(愚策)
くさっぽろ(草っぽろ)……草。
くじ(公事)……訴訟裁判。勝ち公事・負け公事。
くしゃくにけんのうらながや(九尺二間の裏長屋)
ぐずぐずいわずとみぐるみぬいでおいていけ(ぐずぐず言わずと身ぐるみ脱いで置いて行け)
くすのき(楠木)……知恵がまわってよい発案発明をすること。▼楠木正成の名から。
くすりだい(薬代)
  • くすりだいがごりょうとか(薬代が五両とか)
くすりでしばっておくのがいちばんだ(薬で縛っておくのが一番だ)
くそいまいましい(くそ忌々しい)
ぐそう(愚僧)……僧侶の一人称。
  • ぐそうがまいろう(愚僧が参ろう)
  • ぐそうがみてしんぜよう(愚僧が診て進ぜよう)
くそぼうず(くそ坊主)
くたばりぞこない(くたばり損ない)
くたばれ
くちあけ(口明け)……はじまり。
  • きょうがしょうばいのくちあけですよ(今日が商売の口明けですよ)
くちおしや(口惜しや)
くちがおおいぞ(口が多いぞ)……ごちゃごちゃ言うな。
くちがおごってる(口が奢ってる)
くちがき(口書き)……供述書。
  • くちがきによれば(口書きに拠れば)
くちがさけたってしゃべりゃしないよ(口が裂けたってしゃべりゃしないよ)……決して他言しない。
くちがみみまでさけてる(口が耳まで裂けてる)……妖怪や幽霊の口の大きな様子。「口が耳たぶまで裂けてる」▼獣の口のような形状を示してるもの。
くちぐるまにのせる(口車に乗せる)
くちぐるまがじょうずにまわる(口車が上手に回る)
くちさがないれんちゅう(口さがない連中)……よくないうわさをする者たち
  • くちさがないれんちゅうがなんともうしますでしょう(口さがない連中が何と申しますでしょう)
くちすい(口吸)……くちづけ、接吻。
くちすぎ(糊口)……生活。
  • くちすぎしてゆくだけでせいいっばい(糊口してゆくだけで精一杯)
くちだけはりっぱだな(口だけは立派だな)
くちにするのもはばかられる(口にするのも憚られる)
くちのくたびれないれんちゅう(口の疲びれない連中)
くちのへらねぇやつだ(口の減らねぇ奴だ)
くちばかりはたっしゃだな(口ばかりは達者だな)
くちはちょうほうなものよ(口は重宝なものよ)
くちはばったいことをいうようですが(口幅ったいことを言うようですが)
くちほどにもないやつだ(口ほどにもない奴だ)
くちをすっぱくしていってるじゃねぇか(口を酸っぱくして言ってるじゃねぇか)……何度も言わせやがって。
くちをつぐんでる(口を噤んでる)
くちをわらせる(口を割らせる)
くっつく……密通。「密通いて」(くっついて)
くつわ(轡)……馬具のひとつ。
くつわじゅうじ(轡十字)……丸に十の字のしるし。十字轡。
くつわや(轡屋)……女郎屋。亡八。
ぐどうぼんぷ(愚童凡夫)
くにぶり(風土)……土地土地のならわし。
くにもと(国許)……故郷、藩のあるところ。
くにもの(国者)……国許がおなじ。同郷人。
くび(首・首級)……生首。みしるし。
くびがつながる(首が繋がる)……危機を脱する。
くびがとうとくなった(首が尊くなった)
くびがとぶ(首が飛ぶ)……打首。
くびくくり(首縊り)……《くびっくくり》
くびじっけん(首実検)……生首をしらべること。合戦での恩賞を決めるのもこの成果成績による。
くびになわつけてでもひっぱってこい(首に縄つけてでも引っぱって来い)
くびをあらってまっていろ(首を洗って待っていろ)
くびをたてにふる(首を縦に振る)……了解する。
  • くびをたてにふったか(首を縦に振ったか)
  • くびをたてにふりやがりません(首を縦に振りやがりません)
くぼうさま(公方様)
くまのい(熊の胆)……薬として用いる。
くみがしら(組頭)
くみたてえ(組立絵)……切り抜いて景色や舞台の様子をつくるおもちゃ絵。立版古。
くもすけ(雲助)……悪質な駕篭屋。街道などにいる。
くもをつかむようなはなし(雲を掴むような話)……手がかりがない。
ぐらぐら……お湯が煮える擬音。
  • ぐらぐらおゆをたぎらせてる(ぐらぐらお湯を沸らせてる)
  • ぐらぐらゆがにえたぎる(ぐらぐら湯が煮え滾る)
  • ゆをぐらぐらわかす(湯をぐらぐら沸かす)
くらし(生計)
  • くらしがたたねぇ(生計が立たねぇ)
  • くらしにこまりますから(生計に困りますから)
くらやぶり(蔵破り)……蔵を狙う盗賊。土蔵破り。
ぐる……仲間、一味。無頼のことば。
  • ぐるになる……仲間入りする。
  • ぐるにひきこむ(ぐるに引き込む)……一味に引き込む、加える。
くるしゅうない(苦しゅうない)
  • くるしゅうないぞよ(苦しゅうないぞよ)
  • くるしゅうないちこうよれ(苦しゅうない近う寄れ)
くるわ(廓)……遊廓。
  • くるわではでにあそんだっていうじゃねぇか(廓で派手に遊んだっていうじゃねぇか)
  • くるわのおきてをやぶったね(廓の掟を破ったね)
くれっかた(暮れっ方)……日暮れ方。《くれかた》《くれがた》
ぐろう(愚老)……老人の一人称。
  • ぐろうはなはだしんぱいしておった(愚老はなはだ心配しておった)
くろうにん(苦労人)……いろいろな経験を積んでる。
  • くろうにんだ(苦労人だ)
  • くろうにんだけあってよくこころえてらっしゃる(苦労人だけあってよく心得てらっしゃる)
くろうのとりい(苦労の鳥居)……くぐってる場数が違う苦労人だよ。
  • くろうのとりいをかずくぐってる(苦労の鳥居を数くぐってる)
くろうをかいこむ(苦労を買い込む)
くろうをしょいこむ(苦労を背負い込む)
  • くろうをしょいこませることになったんだ(苦労を背負い込ませる事になったんだ)
くろぬりきんぎぼし(黒塗金擬宝珠)……高貴なおかた専用の橋に多い。
くろまく(黒幕)……隠れた首謀者。
くわすきをかたげて(鍬鋤を担げて)……「鍬鋤を担いで」
くわばらくわばら(桑原桑原)……雷よけのおまじない。おそろしいものを避けたいときの軽口。
  • くわばらくわばらおこられねぇうちにずらかろう(桑原桑原怒られねぇうちにずらかろう)
ぐわらりぐわらり……落雷の擬音。かみなりさま。
くんおんのありがたさ(君恩の有難さ)……主君のおかげさま。
最終更新:2025年05月14日 16:21