かいこく(開国)……鎖国の逆。
かいこく(開刻)……出版すること。「改刻」ならば再版。
かいこく(廻国)……各地を旅に歩く。
かいこくしゅぎょう(廻国修行)
かいこくそう(廻国僧)……廻国の僧侶。行脚僧。
かいごろし(飼殺し)……特に役目を与えずに雇ってだけおく。
かいじんにきす(灰燼に帰す)
かいせんどんや(廻船問屋)
かいぞえにん(介添人)
がいてんがいちとうじきとうしょう(蓋天蓋地透色透声)
かいはん(開板)……出版すること。
かいぶし(蚊燻し)
がいほうせきれつ(崖崩石裂)……こなみじんになる。
かいまき(掻巻)……夜具に用いられる、着物のかたちのふとん。
がいめんにょぼさつないしんにょやしゃ(外面如菩薩内心如夜叉)……▼《げめん》とも。
かいもくけんとうもつきません(皆目見当もつきません)……てがかりもおぼえもない。
かえっていたみいりまする(却って痛み入りまする)
かえっておくれ(帰っておくれ)
かおだちのいい(顔立ちのいい)
かかるくせものはすぐにしおきせよ(斯る曲者はすぐに仕置きせよ)……即刻処刑。
がきっぼし(餓鬼法師)……子供。
かぎまわる(嗅ぎ回る)……ちょこちょこ調べて回ってる。
かきゅうのようむき(火急の用向き)
かぎょうにせいをだす(稼業に精を出す)
かきをつくる(垣を作る)……心に障壁をつくってしまう。
かくかくと(赫々と)……光がつよく輝く。
かくすだけやぼだよ(隠すだけ野暮だよ)
がくどうのこころえ(学道の心得)
がくとへいしゅうす(学徒駢集す)……門人がいっぱい集まる。
かくべつのおさた(格別のお沙汰)
  • かくべつのおさたをもって(格別のお沙汰を以て)
かくべつのはからいをもってふもんといたす(格別の計らいを以て不問と致す)
がくをかなずる(楽を奏ずる)……楽器を奏でる。
かけ(裲裲)……うちかけのこと。
かけだし(駆け出し)
かけだししんざん(駆け出し新参)
かけたなさけ(かけた情け)
  • かけたなさけがあだになる(かけた情けが讐になる)
かげとも(影供)……ひそかについてゆく警護のお供。
  • かげともたちなぞまいてやったわ(影供たちなぞ撒いてやったわ)
かげのわずらい(影の病)……離魂病。
かげもかたちもない(影も形もない)……存在しない。
  • まだかげもかたちもないころのはなしだ(まだ影も形もない頃の話だ)……おいらの生まれてない頃。
かけもの(掛物)……掛軸。
かご(駕篭)……ひとを乗せて、かついで運ぶ乗り物。
  • かごや(駕篭屋)
  • かごかき(駕篭舁)……駕篭をかつぐひと。
かこいもの(囲い者・妾・小星)
かごぬけ(篭抜)……見世物芸のひとつ。細長い篭の中に蝋燭を立てたり、刀を並べたなかを一挙にくぐりぬける。
かごのとり(篭の鳥)……雇われてる身の娼妓。
かこみをとく(囲みを解く)……包囲を解除する。
かごん(華言)……中国のことば。
かざいぼっしゅう(家財没収)……罰のひとつ。「家財はお上に没収」
かざかみにもおけねぇ(風上にも置けねぇ)
がさつもの(がさつ者)
がさつものでらんぼうもの(がさつ者で乱暴者)
かざりしょくにん(錺職人)
かしがのこってる(貸しが残ってる)
かしきんごようたし(貸金御用達)……大名たちへ金を貸す店。
かじみまい(火事見舞い)
かしもと(貸元)
かしらかく(頭格)……おやかた。
かしらぶん(頭分)……おやかた。
かじをだせばさんだいたたる(火事を出せば三代祟る)
かすめとる(掠め取る)
かすり
かせげるだけかせいでおくのがしょうばいだからね(稼げるだけ稼いでおくのが商売だからね)
かぜをくらう(風を喰らう)……「風を喰らって逃げた」
かたいれをする(肩入れをする)……ちからをかす。
かたがたばんざいかちどきかちどき(方々万歳勝鬨勝鬨)……武将たちのよろこびのことば。「えいえいおう」
かたぎのくらし(堅気の暮らし)……まともな生活。
かたくくちをつぐんでおる(固く口を噤んでおる)……何も話してくれぬのだ。
かたじけない(忝い)
かたちがいい(容姿が良い)
かたときもわすれやしない(片時も忘れやしない)
かたなのさびにする(刀の錆にする)……《刀の錆にしてくれる》
かたなみがき(刀磨き)……刀の手入れ。
かたなをたましいとしうまをたからとなす(刀を魂とし馬を宝と為す)……武人の心得。
かたにのつつつみ(片荷の包)
かたぶついっぽう(堅物一方)
かたぼうかつぐ(片棒担ぐ)……加担する。
  • かたぼうかつぐわけにはいかねぇ(片棒担ぐわけにはいかねぇ)
かたみがせまい(肩身が狭い)
かたみのしな(形見の品)
かたり(騙り)……詐偽。
  • かたりだとははおもわなかった(騙りだとは思わなかった)
かたりもの(語り物)……浄瑠璃、義太夫。
かたをもつ(肩を持つ)
かちゅうのもの(家中の者)……家臣たち。
かつがんののっすをしてえげんをひらかしむるにたり(瞎眼の衲子をして慧眼を開かしむるに足れり)
かったたまをどうつかおうがこっちのかってだ(買った玉をどう使おうがこっちの勝手だ)……▼「たま」は人身などのこと。
かってぐち(勝手口)……台所にある入口。
かってにせい(勝手にせい)……勝手にするがよい。
かっぱせられる(喝破せられる)
かっぱらい……下等な盗賊。ひとの持物そのまま持ち逃げする。ちょっくら持ち。
かどわかし……誘拐。
  • かどわかされたんじゃねぇのか
  • かどわかしにあった(かどわかしに遭った)……さらわれた。
かなえのけいちょうにかかわる(鼎の軽重に関わる)
かなくぎりゅう(金釘流)……まずい字。流派に擬している。
かなしみおおきひとのよに(悲しみ多き人の世に)
かなぼりし(金彫師)
かならずきょっけいをもうしつけるであろう(必ず極刑を申し付けるであろう)
かならずぼろをだす(必ず襤褸を出す)
かならずやじごくのそこにひきずりこんでみせましょう(必ずや地獄の底へ引きずり込んでみせましょう)
かなぼうひき(金棒引き)……お祭りのときの役。金棒を鳴らして祭礼行列を先導する。
かなぼうひき(金棒引き)……声高に噂をするひと。噂好き。
かなぼうひくひとがいる(金棒引く人がいる)……声高に噂をしてまわるひとがいる。
かねかし(金貸)……金融業者。
かねにめのいろかえるなんてみっともないぜ(金に目の色変えるなんてみっともないぜ)
かねのあるのもよしあしだ(金のあるのも善し悪しだ)……財産が豊富な境遇も幸不幸がある。
かねのくさり(鉄の鎖)
かねのでどころ(金の出所)
かねのなるき(金の生る木)
かねのなるきがあるんならえだのいっぽんもわけてもらいてぇ(金の生る木があるんなら枝の一本も分けてもらいてぇ)
かねのむしんでもしようってのかい(金の無心でもしようってのかい)
かねもうけばかりにはしって(金儲けばかりに走って)
かねをめぐむ(金を恵む)
  • かねをめぐんでくれた(金を恵んでくれた)
かびなおふるまい(華美なお振舞い)……目につく行動、目に余る行為。
かぶのぼさつのぼんおどり(歌舞の菩薩の盆踊り)
かまうこと(構うこと)
  • かまうこたぁねぇたたんじまえ(構うこたぁねぇ畳んじまえ)
  • かまうことはないきりすてぃ(構うことはない斬り捨てぃ)
かまどのしたのはいまでおれのものだ(竈の下の灰までおれの物だ)
かまわぬもうしてみよ(構わぬ申してみよ)
かまわねぇやっちまえ(構わねぇやっちまえ)
かみがた(上方)
  • かみがたからのくだりもの(上方からの下り物)
  • かみがたのほんてんからまいったしだいで(上方の本店から参った次第で)
かみがたことば(上方言葉)……京や大坂のことば。
かみがたもの(上方者)
かみご(紙衣・紙子)……紙や反故でつくった服。《かみこ》▼貧しい者の服を示すことが多いが、防寒具でもある。
かみごぐらし(紙衣暮らし)……まずしい暮らし。
かみさまのしったことでもあんまりな(神様の知ったことでもあんまりな)……あんまりなひどい有様だ。
かみしものみぶんはちがえどまことはひとつ(上下の身分は違えど真実はひとつ)
かみただしからざればしもかならずみだる(上正しからざれば下必ず紊る)
かみただしからざればよみだる(上正しからざれば世乱る)
かみだのみ(神頼み)
かみならぬみのつゆほどもしらず(神ならぬ身の露ほども知らず)……未来は何もわからない。
かみもほとけもねぇ(神も仏もねぇ)
かみやほとけにちかっても(神や仏に誓っても)
かめいをけがす(家名を汚す)
かや(蚊帳)
かやり(蚊遣)
かよいじょちゅう(通い女中)……住み込みではなく、家から勤務先に通っている女中さん。
かよいばんとう(通い番頭)……住み込みではなく、家からお店に通っている番頭さん。
かようなたいきん(斯様な大金)
かよけのまじない(蚊除けのまじない)……かるた遊び。博奕のこと。
からくり(絡繰、機関)……機械、仕掛け。
からくり……内実、裏の事情。
  • おいのちをうばうからくり(お命を奪うからくり)
  • こちらのからくりをさとられぬようにな(こちらのからくりを覚られぬようにな)
からげこ(空下戸)……まったくの下戸。
  • あたしもていしゅもからげこで(あたしも亭主も空下戸で)
からこと(唐琴)……渡来した琴。
からすかぁでよがあけて(鴉かぁで夜が明けて)……▼からすの鳴き声も朝に聴こえるものとしてよく表現に出て来る。
からすがかぁとなくまえに(鴉がかぁと鳴く前に)……夜明け前。
  • からすがかぁとなくまえにおきてしょくじみじたくばんたんに(鴉がかぁと鳴く前に起きて食事身支度万端に)
からすというのはりこうなとりで(鴉というのは利口な鳥で)……人間が死ぬのを二日前から知っているがおのれが猟師に鉄砲で撃たれるのは知ることが出来ない。
からだにどくだよ(体に毒だよ)……もう眠りなよ。
からにもございすま(唐土にもござんすまい)……唯一無二。
がらにもなく(柄にもなく)
  • なんだいがらにもなくあさからそんなにはたらいて(何だい柄にもなく朝からそんなに働いて)
からっきし
からっけつ
からっぺた……からっきし持ち合わせない
からみざけ(絡み酒)……酒癖が悪い。
  • からみざけでたちがわりぃや(絡み酒で性質が悪ぃや)
からわたり(唐渡り)……舶来の品物。
  • こりゃからわたりだね(こりゃ唐渡りだね)
がらん(伽藍)……寺院。
かりそめにも(苟且にも)
かりたく(仮宅)……災害後などに急遽建てた店。「仮宅営業」
かりだて(仮建)……仮設住宅、仮宅。災害後などに急遽建てた小屋。
かるがるしくおしのびあそばれては(軽々しくお忍び遊ばれては)……みな困りまする。
かるわざ(軽業)……曲芸。
かろく(家禄)……家の禄米。
かろくめしあげのうえほうちく(家禄召上げの上放逐)
かわいおひとのめをさます(可愛いおひとの目を覚ます)
かわいそうになぁそんなわかさでしんじまってよ(可哀そうになぁそんな若さで死んじまってよ)
かわすことのはむつまじく(交す言の葉睦まじく)
かわや(厠)……お便所。
かわるこころはからくりまと(替わる心はからくり的)
かんあくひどうのもの(奸悪非道の者)
がんがら……ブリキ缶。
がんがらばこ(がんがら箱)……ブリキ製の箱。
かんがんのいたりでござった(汗顔の至りでござった)……恥かしいことだ。
かんごと(神琴)……神事に際して奏でられる和琴。
かんしょう(奸商)
  • かんしょうとてをむすび(奸商と手を結ぶ)
かんしょのへんせん(寒暑の変遷)……寒熱の往来。季節の動くこと。「四序の変遷」
かんじんなところになるとくちをにごしてしまわれる(肝心なところになると口を濁してしまわれる)
かんしんのいたりじゃ(感心の至りじゃ)
がんせいちをるしゅつす(眼睛血を流出す)……感動してなみだがあふれでる。
かんだかい(甲高い・疳高い)
かんづかれたかな(勘付かれたかな)
かんな(鉋)……大工道具のひとつ。木の表面をなめらかに削る。
かんなっくず(鉋っ屑)……鉋をかけたあとに出る薄い削り屑。「かんなくず」▼向こうが透けてみえるぐらい薄く削るのが大工の職人技。
かんなっくずにあぶらをしみこませてる(鉋っ屑に油を浸み込ませてる)……放火犯の材料。
かんながらのみち(惟神の道)……神道。
かんにん(堪忍)
  • かんにんしてくれ(堪忍してくれ)
  • かんにんしてやってくれるわけにはいきませんか(堪忍してやってくれるわけにはいきませんか)
  • かんにんしてやる(堪忍してやる)
かんのいり(寒の入り)
かんのぞう(肝の臓)
かんのときはじゃりをかんさつしねつのときはじゃりをねつさつす(寒のときは闍梨を寒殺し熱のときは闍梨を熱殺す)
かんばたらき(勘働き)……あたまの働き、推理力。
  • かんばたらきがだいいちだからな(勘働きが第一だからな)
  • わしのかんばたらきにまちがいはない(わしの勘働きに間違いはない)
かんばんしょうひん(看板商品)
かんばんにきずをつける(看板に疵をつける)……店の信用を失う。
かんばんむすめ(看板娘)
かんぷくいたしました(感服致しました)
かんぶつ(乾物)……ひもの。
かんぶつや(乾物屋)
かんぶつ(奸物)……奸臣。悪い家臣。
がんぶつ(贋物)……にせもの。
かんろく(貫禄)……立派さ、恰幅。
  • かんろくがあるおやぶんだ(貫禄がある親分だ)
  • かんろくがついてきたな(貫禄が付いて来たな)
  • かんろくがない(貫禄がない)
  • 門前
最終更新:2025年06月11日 15:26