ヒラマ4,,ヒラマン書  第4章
ヒラマ4,*-*,レーマン人、再びゼラヘムラの地へ侵入する。ゼラヘムラ市占領される。ニーファイ人、バウンテフルの
地へ追いこまれる。モロナイハ、道を固め守る。罪悪によって弱められ、ニーファイ人はもはや勝つことができな
い。
ヒラマ4,1,54年目に、教会に多くの争いが起り、民の間にも不和が起って互に多くの血を流した。
ヒラマ4,2,謀叛人らはあるいは殺され、あるいは国外に追いはらわれたが、追いはらわれた者たちはレーマン人の
王の所へ行った。
ヒラマ4,3,そしてレーマン人を扇動してニーファイ人と戦わせようとした。しかし、レーマン人は非常に恐れて謀叛人
らの言うことを聞こうとしなかった。
ヒラマ4,4,判事治世の56年目にも、ニーファイ人から別れてレーマン人に加わった謀叛人があって、前に別れた謀
叛人らと一しょになり、今度は首尾よくレーマン人を扇動してニーファイ人に対して怒りを抱かせる目的を達した。
そして、その年中レーマン人は戦の準備をした。
ヒラマ4,5,57年目に、レーマン人はニーファイ人と戦うために出てきてニーファイ人を殺し、ついに判事治世の58
年目にゼラヘムラの地と、バウンテフルの地に近い地方に至る一切の地とを占領した。
ヒラマ4,6,モロナイハの全軍とニーファイ人とはバウンテフルの地へ追いこまれたが、
ヒラマ4,7,ここでかれらは西の海から東の海に至る地の守りを固めてレーマン人に対する備えをした。このように北も
地を守るためにニーファイ人が守りを固めて兵を置いた所に於て、東の海から西の海までのへだたりはニーファイ
人が1日で行ける道のりであった。
ヒラマ4,8,このように、謀叛人であるニーファイ人はレーマン人の大軍の援助を得て、南の地にあるニーファイ人の
所有地をみな奪い取ったこれらはみな判事治世の58年目と59年目に起ったことであった。
ヒラマ4,9,判事治世の60年目、モロナイハはその軍隊を以てレーマン人に占領された多くの都市と土地とを取り返
し、
ヒラマ4,10,判事治世の61年目にはその全体の所有地を半分ほど取り返した。
ヒラマ4,11,もしもニーファイ人自身の中で行われた悪事と憎むべき行いがなかったならば、かれらはこの大損害と
殺戮とには逢わなかったであろう。この悪事と憎むべき行いとは、神の教会に属していると自分で称する人々の中
にもあったが、
ヒラマ4,12,ニーファイの民のこの損害と殺戮とを受けたのは、その心が高慢で大きな富をもち、貧しい人たちを圧
迫し、飢えている者に食を与えず、はだかでいる者に着る者を与えず、謙遜な同胞の顔を打ち、聖い物を嘲り笑
い、予言者と啓示の”みたま”を否定し、人を殺し、略
ヒラマ4,12-1,偽を言い、強盗を行い、姦淫を犯し、ひどい争闘をし、どっそうしてニーファイの地へ行ってレーマン
人に加わったからである。
ヒラマ4,13,ニーファイの民は恐ろしい悪事を行い、自分の力を誇って大言を吐いたから、自分の力意外に頼るもの
がない有様に捨てておかれた。従って栄えることができずに悩まされ、苦しめられ、その所有地のほとんど全部を
失うまでレーマン人に追いはらわれた。
ヒラマ4,14,モロナイハは人民の罪悪を憂い、さまざまのことを説いてこれを戒めたが、ヒラマンの2人の息子ニーフ
ァイとリーハイもまた多くのことを民に宣べ、民が悪事と罪とを悔い改めない場合に受ける報いについていろいろの
ことを予言した。
ヒラマ4,15,これを聞いて民はついに悔い改めたから、再び栄えるようになった。
ヒラマ4,16,モロナイハは、民が悔い改めたのを見ると、大胆にもこれを率いてここからかしこへ、この都市からかの
都市へと行って、とうとうその所有地の半分と全国の半分とを取り返すことができた。
ヒラマ4,17,これで判事治世の61年目は終った。
ヒラマ4,18,判事治世の62年目にモロナイハはレーマン人がまだ占領している所を取り返すことができなかった。
ヒラマ4,19,それであるから、ニーファイ人はその所有する残りの地を取り返す考えをすてた。レーマン人の数がニ
ーファイ人のとても勝てないほどに多かったから、モロナイハはこれまでに取り返した所だけを守り固めるのに全軍
を用いた。
ヒラマ4,20,ニーファイ人はレーマン人の数が多いのを見て、これに破られて踏みつけられ、殺され、亡ぼされはし
ないかと非常におそれて、
ヒラマ4,21,アルマの予言とモーサヤも言葉とを思い出し、これによって自分らがかたくなで神の命令をないがしろ
にしたこと、
ヒラマ4,22,また国法すなわち主がモーサヤに命じて国民のために立てさせたもうた国法を曲げ、これを足の下に
踏みにじったこと、またその国法が早くも乱れて自分らは悪人になり、むしろレーマン人のような悪人に鳴ったこと
を認めた。
ヒラマ4,23,かれらが罪悪を犯したために教会は弱くなりかけた。教会員は予言の”みたま”と啓示の”みたま”を信じ
ないようになったから、神の裁きは今にもかれらに下ろうとしていた。
ヒラマ4,24,かれらは同胞であるレーマン人と同じように薄弱になって、主の”みたま”がもはや自分らを守りたまわな
いことを覚った。まことに主の”みたま”は清くない殿に宿りたまわないから、すでにニーファイ人から去ってしまった
のである。
ヒラマ4,25,かれらは無信仰と恐ろしい罪悪の有様に陥ったから、主はもはやその奇跡的なたぐいない力でかれら
を守りたまわなかった。それであるから、かれらはレーマン人の数が自分たちよりもはるかに多いのを見て、その神
である主に固くすがらなければ必ず亡びるにちがいな
ヒラマ4,25-1,認めた。
ヒラマ4,26,なぜならば、1人のレーマン人はその力が1人のニーファイ人に劣らないことを知っていたからである。こ
のようにしてニーファイ人は非常な罪悪に陥り、多くの都市を経ないうちにその罪のために弱くなってしまった。
最終更新:2008年07月05日 01:33