ヒラマ7,*-A,ヒラマンの子であるニーファイの予言
ヒラマ7,*-A,神はニーファイの民に、もしその悪事を悔い改めないならば怒ってことごとく亡ぼしてしまうぞとおびや
かしたもう。神はニーファイの民に禍を下したまい、ニーファイの民悔い改めて神に立ち帰る。レーマン人であるサ
ムエル、ニーファイ人に予言をする。第7章から
ヒラマ7,*-A-1,至る。
ヒラマ7,,
ヒラマン書 第7章
ヒラマ7,*-*,ニーファイ、北方の地の民にしりぞけられてゼラヘムラへ帰る。ニーファイ、自分の庭にある塔の上から
神に祈って群衆に語る。
ヒラマ7,1,ニーファイ人を治める判事治世の69年目に、ヒラマンの子であるニーファイは北方の地からゼラヘムラの
地へ帰ってきた。
ヒラマ7,2,ニーファイは、それまで北方の地に住む民の間をめぐってあるいて、神の道を民に宣べ伝え多くの予言
をした。
ヒラマ7,3,ところが、この民はニーファイの説く道をことごとく信じなかったから、ニーファイはもはやその中にとどまっ
ておれずに、とうとう生れ故郷へ帰ってきたが、
ヒラマ7,4,今や国民が恐ろしい罪悪の状態にあることと、ガデアントン団の強盗たちが、国を支配する権能を奪いと
って、もろもろの判事の職を占めているのとを見た。この強盗たちは神の命令を棄てて神の前に少しも善を行わ
ず、正義を以て人をあつかわなかった。
ヒラマ7,5,かれらはまた引つづいて政府の最も重要な地位を占め、ほしいままに国を支配し心の欲するままにふる
まい、浮世の利益と誉とを求め、更にたやすく姦淫、強盗、人殺しなどを行い、自分らの欲望を遂げるために義人
を義しいから罪ありとし、罪悪と悪人とからは金銭を
ヒラマ7,5-1,受け取ってこれを罰しないで放してやった。
ヒラマ7,6,多くの年もたたないうちにこの恐ろしい罪悪がニーファイ人の中で行われた。ニーファイはこの有様を見
て胸を痛め心に苦しみ悲しんで叫んで言った。
ヒラマ7,7,”ああ、私の先祖ニーファイがエルサレムの地から出てきたその昔に私も生きていたならよかったものを。
私もニーファイと一しょに約束の地に居て喜んだものを。その時ニーファイの民は容易く勧めに従い、神の命令を
確く守り、罪悪に誘われることは遅く、主の御言
ヒラマ7,7-1,行うことは早かった。
ヒラマ7,8,その時私がもしも生きていたならば、同胞の義しい有様を見て必ず喜びが心に満ちたことであろう。
ヒラマ7,9,ところが見よ、今私は生きて同胞の罪悪を見、憂いと悲しみが私の心に満ちる生涯となってしまった”と。
ヒラマ7,10,ニーファイは、ゼラヘムラ市第1の市場へ行く大通りに近い自分の庭の門の傍に立つ塔の上にひれ伏
していた。
ヒラマ7,11,その時ある人々がここを通りかかって、ニーファイが塔の上で全身全霊をかたむけて神に祈っているの
を見、すぐに走って行ってこのことを市民に知らせたので、市民は民の罪悪のためにこれほどまでにニーファイが
悲しんでいるわけを知ろうとして、大勢が塔に集って
ヒラマ7,12,そこでニーファイは立ち上がって群っている人々を見、
ヒラマ7,13,これらの人々に語り出して言った”あなたたちはどう言うわけでここへ集ってきたか。あなたたちは自分の
悪事を私から聞こうとして集ってきたか。
ヒラマ7,14,または、あなたたちの罪悪のために私の心に満ちている非常な憂いと悲しみとについて、私が私の神に
全身全霊をかたむけて祈るために塔にのぼっているのを見て集ってきたか。
ヒラマ7,15,私が悲しみ歎いているから、いるから、あなたたちは集って驚いている。驚くのはまことに当然である。あ
なたたちは堕落をしてこれほどまでに強く悪魔に自分の心を支配させているから、私が悲しみ歎くのを見て驚くの
は当然なことである。
ヒラマ7,16,あなたたちは、自分の身も霊も永遠の不幸悲惨な境涯におとし入れようとしている者の誘惑にどうして
負けているのか。
ヒラマ7,17,悔い改めよ、悔い改めよ。どうしてあなたたちは亡びようとしているか。立ち帰れ、あなたたちの神である
しょに立ち帰れ。神があなたたちを棄てたもうたのはなぜであるか。
ヒラマ7,18,あなたたちが心をかたくなにして善い羊飼の声を聞かず、善い羊飼にあなたたちを怒らせたからであ
る。
ヒラマ7,19,ごらん、あなたたちがもしも悔い改めなかったならば、主はあなたたちを集めず、かえってまき散らして
犬や野獣の餌になさるであろう。
ヒラマ7,20,ああ、あなたたちは自分が神に救われたその日になぜ神を忘れたか。
ヒラマ7,21,これは利益を得て世の人々に誉められ、金銀を得んがためである。まことにあなたたちは浮世の富と空
しいものに執着し、これを手に入れようとして人殺し、掠奪、盗みを行い、隣りの人に対して偽り証を立て、あらゆる
悪事をする。
ヒラマ7,22,それであるから、悔い改めないならば禍があなたたちにふりかかるであろう。悔い改めないならば、この
大きな都も、また私たちが持っている地にあるあらゆる大きな都会もみな占領をされて、その中にあなたたちの居り
場所がなくなるであろう。主は今まで敵を防ぐ力
ヒラマ7,22-1,あなたたちに与えたもうたが、これからはもう与えたまわない。
ヒラマ7,23,主が仰せになった’悪人が己が罪を悔い改めずわが言葉に聞き従う者にあらずば、われは他の者に現
わすよりもさらに多くの力をこの者に現わすまじ’と。それであるから、私の兄弟たちよ。あなたたちが悔い改めない
なら、レーマン人の方があなたたちより幸福である
ヒラマ7,23-1,ことを知ってほしい。
ヒラマ7,24,レーマン人はあなたたちが受けているような大きな知識に対して罪を犯していないから、あなたたちより
も義しい。それであるから、主はレーマン人に憐みを垂れたもうて、汝らが悔い改めないで全く亡びてしまったあと
までもレーマン人を生き永らえさせ、その子孫を
ヒラマ7,24-1,ふやさせたもう。
ヒラマ7,25,あなたたちは、自分らの中に起ったあの大きな悪い結社を持っているから禍である。あなたたちはあの
結社、すなわちガデアントンが起したあの秘密結社に加わっている。
ヒラマ7,26,あなたたちの心の中につのる傲慢があるから禍があなたたちにふりかかる。あなたたちは非常に大きな
富を持っているからと言って、この傲慢を法外に高ぶらせている。
ヒラマ7,27,あなたたちは、まことに自身の罪悪と憎むべき行いがあるから禍である。
ヒラマ7,28,あなたたちが悔い改めなければ必ず亡びてしまい、自身が持っている土地さえもかすめ取られてあなた
たちは地上から亡ぼしてしまわれる。
ヒラマ7,29,ごらん、私は自分でこのことを知っているのではない。それであるから、これらのことが確に起ると言うの
は私1箇の考えではない、主なる神がことごとくこれを私に示したもうたから、私はそれが本当であることを知り、そ
れが将来必ず起ることを証する”と。