ヒラマ9,,
ヒラマン書 第9章
ヒラマ9,*-*,ニーファイの言葉、証明される。大判事で死んでいることを発見される。ニーファイと5人の者たち訴え
られる。無罪が証明される。暗殺者、わかる。
ヒラマ9,1,ニーファイがこれらのことを話すと、群衆の中から5人の者が裁判所へ走って行ったが、その途中で互い
に、
ヒラマ9,2,”この男は予言者であって神がこのような不思議なことをわれらに予言をせよとこの男に言われたかどう
か、すぐに本当のことが解るだろう。しかし、神がこのように善げをせよと言われたとは信じない。またこの男が予言
者であるとも信じない。しかし、この男が大判
ヒラマ9,2-1,言ったことが事実であって、大判事が本当に死んでいるとしたら、われわれは、この男が言ったほかの
事も本当であると信じよう”と話し合った。
ヒラマ9,3,そして5人は力かぎり走って言って裁判所へ入って行って見ると、大判事は地に倒れて血まみれになっ
ていた。
ヒラマ9,4,5人の者はこれを見るや非常に驚きおそれて地に倒れた。それは今までかれらはニーファイが大判事に
ついて言ったことを信じなかったからである。
ヒラマ9,5,しかし、かれらは今や事実の有様を見てこれを信じ、ニーファイの言った裁きが全部国民にふりかかりは
せぬかと恐れおののいて地に倒れたのである。
ヒラマ9,6,さて、大判事の兄弟は秘密の計ごとを以て大判事を刺し殺して逃げて行ったが、大判事の家来たちは暗
殺が行われるやすぐ走って行ってこのことを民に知らせたから暗殺の大騒ぎが起った。
ヒラマ9,7,そこで人民は裁判所へ集ってきたところ、地に倒れている5人の者を見て非常に驚いた。
ヒラマ9,8,ここへ来た人々は、ニーファイの庭に集っていた群衆のことは何にも知らなかったから、互いに”この男た
ちが大判事を暗殺したが、神に打ち倒されたので逃げることができなかったのだ”と言って、
ヒラマ9,9,すぐにこの5人を捕えてしばりあげこれを牢屋の中へ入れて、大判事が殺され暗殺者は捕えられて牢屋
に入れられたと言う布告をひろく出した。
ヒラマ9,10,そして、その翌日、暗殺された大判事の葬式を行おうとするとき、人民は哀悼と断食のために集った。
ヒラマ9,11,このとき、ニーファイの庭に居合せてニーファイの言葉を聞いていた判事たちもまた葬式に集ってきた
が、
ヒラマ9,12,そばに居た人々に”大判事が死んだかどうか知るために裁判所へ遣わした5人の者は今どこに居るか”
とたずねたから、人々は”私たちは、あなたたちが遣わしたと言う5人の者は知らないが、暗殺人である5人の者共
は牢屋に入れた”と答えた。
ヒラマ9,13,そこで判事たちは、その5人の者共を引き出してもらいたいと行ったので、5人は判事たちの前に引き出
された。ところが、見よ、この5人は本当に判事たちが遣わした5人の者共であった。そこで判事たちはこの出来事
について5人に問いたずねたところ、5人は自分
ヒラマ9,13-7,したことをくわしく物語って、
ヒラマ9,14,”私たちは走って裁判所へ行ったところが、ニーファイの言った通りの有様を見て驚きのあまり地に倒れ
た。そして正気にかえってみると牢屋の中に入れられて居った。
ヒラマ9,15,大判事の暗殺は誰がしたことか知らない。私たちはあなたらの命令によって走って言って見ると、大判
事はもはやニーファイの言った通り死んでいた。私たちょの知っていることはこれだけである”と言った。
ヒラマ9,16,そこで判事たちはこの事がらを人民に説明し、ニーファイを訴えて言った”このニーファイと言う者は誰
かと約束をして大判事を殺させたに違いない。かれがそうしたのは、われわれにそのことを語り、われわれを感化し
て自分の信ずる教えを信じさせ、そして神に選ば
ヒラマ9,16-1,者である、予言者である、偉大な者であるとへめられるためである。
ヒラマ9,17,見よ、われわれはニーファイを見つけてこれを捕えその罪を白状させて、大判事を殺した真の犯人が誰
であるかを告げさせよう”と。
ヒラマ9,18,そして大判事の葬式を行った日にこの5人の者を釈放してやったが、この5二nは判事たちがニーファイ
について言った言葉のために、判事たちをいさめて1人1人と論じついにかれらをみな説き破った。
ヒラマ9,19,ところが判事たちはそれでもニーファイを捕えてこれをしばり、群衆の前に引いてこさせていろいろな尋
問を行い、前后不そろいのことを岩瀬手ニーファイの死刑に処する口実を求めた。
ヒラマ9,20,そしてニーファイに向って言った”汝は共謀者である。この暗殺を行った者は誰であるか。さあ、暗殺人
の名をあげて自分お罪を白状せよ。見よ、汝に金銭を与える。このほかに汝がもしも暗殺人の名を告げ、この者が
汝と結んだ約束を洩らしたならば、汝の命も助けて
ヒラマ9,21,ニーファイはこれを聞いて言った”ああお前たち愚な者、心の汚れたもの、盲目な者、かたくなな者たち
よ。お前たちは自分の神である主がいつまでもお前たちの悪事をつずけることを許しておきたもうかを知っている
か。
ヒラマ9,22,お前たちが今悔い改めないと、すぐにも来ようとしている大きな破壊に逢って泣き叫ばなくてはならな
い。
ヒラマ9,23,お前たちは、私がある人と約束をして、この人にわれっらの大判事シゾーラムを暗殺させたと訴えている
が、お前たちが私を訴える原因は、私がお前たちの悪事と憎むべき行いとを知っていることをお前たちに証明をす
るために、この暗殺をお前たちに知らせたことにあ
ヒラマ9,24,私がこれを知らせたからお前たちは私を訴えて私が人と約束をしてこの暗殺をさせたと言っている。す
なわち私がこのしるしをお前たちに示したからお前たちは私を怒って殺そうとしている。
ヒラマ9,25,見よ、私はもう1つのしるしをお前たちに示して、このしるしを見てもまだお前たちが私を亡ぼそうとする
かどうかを見よう。
ヒラマ9,26,私は明らかに言う。シゾーラムの兄弟セアンタンの家へ言って次のことを聞け、
ヒラマ9,27,’予言者と自称するあのニーファイ、すなわちこの民についてこのよにいろいろの禍を予言するニーファ
イが汝と約束をし、汝がその約束を果して兄弟のシゾーラムを暗殺したか’と。
ヒラマ9,28,するとかれはそうでないと答える。
ヒラマ9,29,その時お前たちは重ねて’それなら汝1人でその兄弟を暗殺したのか’と聞け、
ヒラマ9,30,するとセアンタンはおそれおののいて答える言葉を知らないけれども、ついにそうではないと答え、驚い
たふりをして自分は断然潔白であると言う。
ヒラマ9,31,しかしお前たちはセアンタムの身体を調べてみよ、そうするとかれの着物のすそには血がついている。
ヒラマ9,32,これを見たらすかさず言え’この血はどこから来たか。この血は汝の兄弟の血であることが解っているで
はないか’と。
ヒラマ9,33,これを聞くと、かれはふるえてその顔色は死んだ者のようにまっさおになる。
ヒラマ9,34,そこでお前たちは言え’汝がそのようにふるえてまっさおになるところを見ると、汝がやったに違いない’
と。
ヒラマ9,35,こうなるとかれはますます恐れてもはや包みかくさず兄弟を暗殺したと白状をする。
ヒラマ9,36,そればかりでなくセアンタムは、私ニーファイは神の力によって示されたでなければ暗殺のことは少しも
知ってはいないとお前たちに言う。ここに於てお前たちは、私ニーファイが真つすぐな義しい人間であって神から
つかわされた者であることを知るのである”と。
ヒラマ9,37,そこで判事たちは行ってニーファイがせよと言った通りにしたところ、ニーファイの言ったことは本当であ
った。セアンタムはニーファイの言葉の通り始めは自分でないと行っていたが、とうとうニーファイの言った通りに白
状した。
ヒラマ9,38,このように取り調べた末、セアンタムが当の暗殺人であることが充分に証明させたからあの5人の者とニ
ーファイとは釈放された。
ヒラマ9,39,ニーファイ人であってニーファイの言葉を信じた者であり、またあの5人の者が立てた証拠によって信じ
た者もあった。あの5人は牢屋の中に居た安打に関心をして信者となった。
ヒラマ9,40,国民の中にはニーファイは予言者であると言う者もあり、
ヒラマ9,41,また、かれは1人の神である。神でなくてはこれらのことを知ってはいまい。かれはわれわれの胸の中ま
で見通してこれを告げ、またいろいろのことも告げ、また大判事を暗殺した真犯人をわれわれに知らせたのである
と言う者もあった。