ヒラマ16,,
ヒラマン書 第16章
ヒラマ16,*-*,ニーファイ人の中、キリストの教会に加わった者もある。大多数はサムエルの証を否定する。人民、サ
ムエルを襲ってしぼろうとする。サムエル、逃げて故国へ帰る。さらに伝道をつずける。懐疑説多く行われる。
ヒラマ16,1,レーマン人であるサムエルが、都の城壁の上で語ったことを聞いた者は少くなかった。そしておよそサム
エルの言葉を信じた者たちはみな出て行ってニーファイを佐賀市求めたが、ニーファイの居る所がわかった時に、
かれらは自分の罪をみな否定せずに告白し、主の御
ヒラマ16,1-1,来るためにバプテスマを受けたいと願った。
ヒラマ16,2,1方、サムエルの言葉を信じない者たちはサムエルに腹を立てて、城壁の上に立っているかれに石を投
げつける者があり、また矢を射かける者も多かったが、主の”みたま”がサムエルと共にいましたから投げた石も射
かけた矢もかれには当らなかった。
ヒラマ16,3,反対者らがどのようにしても、石も矢もサムエルに当てることができないのを見ると、さらに多くの人々は
サムエルの言葉を信じ、バプテスマを受けようとしてニーファイの所へ行った。
ヒラマ16,4,この人たちがニーファイの所へ行ったのは、その時ニーファイがバプテスマを施し、予言をし、訓えを説
き、悔い改めよと民に勧め、また民がキリストの速に来りたもうことを知るようにいろいろのしりしと不思議とを示し奇
跡を行っていたからである。
ヒラマ16,5,ニーファイはまた近い将来に必ず起ることを民に語った。これは、それらの事が起る時になると、民に信
仰を与えるために前以てこれらの事を知らせたことを民に思い起させるためであった。それであるから、サムエルの
言葉を信じた者はみなバプテスマを受けるために
ヒラマ16,5-1,ニーファイの所へ行き、悔い改めてかれらの罪を告白した。
ヒラマ16,6,しかし人民の大部分はサムエルの言葉を信じなかったから、サムエルに石を投げつけても矢を射かけ
ても当たらないのを見ると、その司たちによばわって”こいつをつかまえてしばれ。こいつには悪鬼がついている。
われらの石も矢も悪鬼の能力であたらないのだ。こい
ヒラマ16,6-1,つかまえてしばって追いはらえ”と言った。
ヒラマ16,7,そこで司たちが出て行って捕らえようとすると、サムエルは城壁から身をおどらせて飛びおり、その地方
から故国へ逃げて帰り、自分と同じ国の民に教えを説き予言をし始めた。
ヒラマ16,8,それから2度とニーファイ人の所へは行かなかったが、人民の有様はこのようなものであった。
ヒラマ16,9,これでニーファイの民を治める判事治世の86年目は過ぎ去った。
ヒラマ16,10,判事治世の87年目もこのようにして過ぎ去ったが、民の大部分は傲慢と悪事とをつずけ、神の前に慎
む者はごく少部分であった。
ヒラマ16,11,判事治世の88年目もこのような有様であったが、
ヒラマ16,12,判事治世の89年目、民はますます悪事に耽り、いよいよ神の命令に背くことをした。このほかにはこの
年の中民の有様にさして変りはなかった。
ヒラマ16,13,判事治世の90年目になると、いろいろの大きなしるしと不思議とが民に現われ、予言者たちの予言し
たことがようやく事実になり始めた。
ヒラマ16,14,そして天使たちが聖い人々に現われ、非常に喜ばしい音ずれを宣べ伝えたから、この年になって聖
文に言ってあることも事実になり始めた。
ヒラマ16,15,それでも、民の中で信仰の最も強い人々を除くほか、ニーファイ人とレーマン人とを問わずみなその心
をかたくなにし、自分の智恵と力だけをたのんで言った。
ヒラマ16,16,”このように多くの事の中で、かれらがよく言い当てたこともいくらかあるが、予言をしたあの大きな不思
議が1つのこらず事実になるはずがないことはよく解っている”と。
ヒラマ16,17,このようにして民は互いに論争をして言った。
ヒラマ16,18,”キリストと言うような者が来る道理がない。もしもこのような人が降臨し、予言のように神の子であり天地
の父であるならば、なぜエルサレムの人々に現われるようにわれわれにも現われないのか。
ヒラマ16,19,なぜその人はエルサレムの国で現われるようにこの国にも現れないのか。
ヒラマ16,20,キリストにかかわる説は、われわれの間に起るのではなくて、われわれの知らない遠い国に起るはずの
1つの大きな不思議をわれわれに信じさせるために、われわれの先祖が伝えた悪い言伝えにすぎないことがよく解
っている。それで、この大きな不思議はわれわれの知
ヒラマ16,20-1,遠い国で起るのであるから、われわれは実際にこの目で見て本当か偽かを知ることができない。従
ってかれらはこの説でわれわれを欺くことができる。
ヒラマ16,21,またわれわれがかれらに教えを仰ぐから、かれらはわれわれを奴隷として服従させその命令に従わせ
るために、悪魔のたくみまたは魔法を以てわれわれに解らない大きな奇跡を行い、そしてわれわれを欺くのである
このようにして、もしかれらに服従をするならば、われ
ヒラマ16,21-1,生涯欺かれるであろう”と。
ヒラマ16,22,民はこのほかにまだ空しく愚であることを多く心に考えている。まことにサタンは民を扇動してたえず悪
事を行わせ、その心を善い事と将来起ることとに対してかたくなにするため、全地をめぐって偽りの説を弘め不和を
ひき起したからこれによって民は大いに乱れた。
ヒラマ16,23,主の民の間に現われたしるしや不思議や、民自身が行った多くの奇跡があったにもかかわらず、サタ
ンは全地に於て強く人々の心を司どるようになった。
ヒラマ16,24,このような有様でニーファイの民を治める判事治世の90年目は暮れて行った。
ヒラマ16,25,これでヒラマン書は終る。ヒラマン書はヒラマンとその息子たちが作った記録によって書かれた。