3ニー1,,ニーファイ第3章 第1章
3ニー1,*-*,ヒラマンの子、ニーファイ、土地を去る。救い主降誕のしるしが示される。反対の結果が現われる。再び
ガデアントン強盗団のこと。
3ニー1,1,91年目は早くも去った。この時はリーハイがエルサレムを出てからちょうど600年に当り、ラコニーアスが
国の大判事兼統治者をしていた年であった。
3ニー1,2,この時ヒラマンの子のニーファイは真鍮版とそれまで保存されて伝わっていたすべての記録と、リーハイ
がエルサレムを出てこのかた神聖に保存されていた物をすべてその長男のニーファイに委ねゼラヘムラの地を出
て行ってしまったが、
3ニー1,3,どこへ行ったか誰もその行方を知らなかった。それで、その子のニーファイは父に代っていろいろの歴史
を保存しこの民の記録も書きついだ。
3ニー1,4,92年目の始めに、前よりもさらに大きなしるしと奇跡とが民に現われ、予言者たちの言った予言はますま
す事実となって現われた。
3ニー1,5,しかし、ある人々はレーマン人であるサムエルの予言が成就する時はすでに過ぎていると言い、
3ニー1,6,はらからを嘲り笑って”見よ、成就すべき時はすでに過ぎているのにサムエルの予言はまだ事実となって
現われない。それであるから、お前たちがこの予言を嬉しがって信ずるのはむだである”と言った。
3ニー1,7,このようにして、かれらは全国いたるところにひどい騒ぎを起した。そこで信仰のある者は、予言をされた
事が何かして現われないことになりはしないかと思って事情に悲しく思い始めた。
3ニー1,8,しかし、かれらは2昼1夜の間暗やみがなくてただ昼のような1日になることを固く信じて待ち設け、自分た
ちの信仰が空しいものでなかったことを確めようとした。
3ニー1,9,また信仰をしない連中は日を特に定めて、予言者サムエルの予言したしるしが現われなかったならば、こ
の伝説を信ずる者たちをみな殺すことにした。
3ニー1,10,ニーファイの子のニーファイは、その民が企てているこの悪事を知ると心に非常な憂いをおぼえて、
3ニー1,11,出て行って地に伏しその兄弟たちのために、すなわち先祖から来た言伝えを信ずるために殺されようと
する人たちのために熱心に自分の神に祈った。
3ニー1,12,ニーファイが終日熱心に祈りを捧げたから(イエス・キリスト)の御声がニーファイに聞えて、
3ニー1,13,”頭をあげよ。元気を出せ。予言の成就する時は近づきたり。今夜そのしるし現わるべし。われはわが聖
き予言者らの口を借りて言い伝えたるすべての事を必ず成就せしむることを世の人々に証明せんために明日世の
中に来らん。
3ニー1,14,われが自分の民の所に来たるは、われが世の始めよりこのかた世の中の人に示したるすべての事を成
就し、御父のこころも子のこころも行うためなり。われは神の力にて身ごもりたる故に音痴chのこころを行い、またわ
れは肉体をもつ故に子のこころを行う。見よ、時
3ニー1,14-1,今夜そのしるしを現わすべし”と仰せになった。
3ニー1,15,ニーファイの受けたこの言葉は言われた通り本当に事実となった。すなわち、日が入っても暗くならず、
夜になっても暗くならなかったので民は驚いた。
3ニー1,16,予言者たちの言葉を信じなかった多くの人々は、これを信ずる人々を殺そうとして企てた大きな策が今
は破れてしまったことを認めたので地に倒れて死んだようになった。予言の通りにしるしがすでに現われたので、
3ニー1,17,民は神の御子(イエス・キリスト)が間もなく現われたもうに違いないことを悟った。要するに北の地にも南
の地にも西の境から東の境にわたって、人々は皆驚いて地に倒れた。
3ニー1,18,かれらは予言者たちが長年の間これらのことについて証をしていたことを知り、また予言をされたしるし
が早くも現われたことを知って、自分たちが罪を犯しておりまた信仰を以ていないから恐れおののいた。
3ニー1,19,その夜は1晩中少しも暗やみがなく真昼のように明るかった。その翌朝、太陽はいつもの通り規則正しく
のぼったが、このしるしによって民は主(イエス・キリスト)の降誕したもう日であることを知った。
3ニー1,20,このようにして、あらゆる事がみな予言者たちが言った通りに成就した。
3ニー1,21,また予言のように1つの新しい星が現われた。
3ニー1,22,しかしその時以後サタンは民の心をかたくなにして、民が見たこのようなしるしと不思議とを信じないよう
に偽りを民の間に弘めたが、この偽りと欺偽があったにもかかわらず大部分の民は信仰をして主に立ち帰った。
3ニー1,23,ニーファイと多くの人々とは民の間を経めぐって民が悔い改めたしるしにバプテスマを施したが、このバ
プテスマによって罪の大きな赦しがあった。このようにして民はまた国内に平和を保つようになった。
3ニー1,24,数人の者が教えを説き聖文から論じて、モーセの律法を守る必要はすでにないことを証明しようとした
ほかに何も争いがなかったが、この数人の者は聖文の意味がよく解っていなかったからその説くところは誤ってい
た。
3ニー1,25,しかし、この数人の者はやがて心を改めて自分の誤りを認めた。それはモーセの律法がまだその目的
を達してその効用がないようになっては居ないことと、この律法が1言1句の裔にいたるまでみなその目的に達しな
ければならないことと、みなその目的を達しない内は
3ニー1,25-1,といえども不用にならないことなどを教えられたからである。それであるから、異なった意見を立てる
者はこの年にその誤りを認めてかれらの罪を告白した。
3ニー1,26,92年目に、すべての聖い予言者が予言をしたように本当にしるしが現われ、喜ばしい音ずれが民に告
げられた。こうして92年目は終った。
3ニー1,27,93年目もまた、あの山に住んで全地を横行していたガデアントン強盗団の事件があっただけでおだや
かにすんだ。この強盗の立てこもっている所と隠れ場所とは堅固であって人民はこれに勝つことができなかった。
従って強盗はたびたび人殺しをし、民の中でひどい殺
3ニー1,28,94年目に、強盗の所へ逃げて行ってその仲間となって謀叛人がニーファイ人の中に多数あったから強
盗の数が大いにふえた。これは国を去らずにのこっていた忠実なニーファイ人を非常に悲しませた。
3ニー1,29,またレーマン人も、その子供らの中にすでに青年に達して独立するようになってから、あるゾーラム人た
ちの偽りと甘い言葉にさそわれてガデアントン強盗団の仲間に多数加わった者があるから非常に憂い悲しんだ。
3ニー1,30,レーマン人はその若い者たちの罪悪のため、このように苦しんでその信仰と義とはますます衰えて行っ
た。
最終更新:2008年07月05日 01:46