3ニー2,,
ニーファイ第3書 第2章
3ニー2,1,95年目の同じ状態で過ぎて行ったが、民はようやくその見たり聞いたりしたしるしや不思議を忘れて、天
からのしるしや不思議を驚くことがいよいよ少くなり、とうとうその性質はかたくなに心は暗くなって見たり聞いたりし
た一切のことを信じないようになった。
3ニー2,2,すなわち、かれらはその見たり聞いたりしたことが、民の心を欺いて誘うために人間と悪魔の力とでなされ
たと言う愚な考えを心に起した。このようにしてサタンはまたも民の心を司どりその目を暗まして、キリストにかかわる
教えは愚であって無益なものであると言う
3ニー2,2-1,信じさせた。
3ニー2,3,そこで民の罪悪と憎むべき行いとはますます甚しくなり、もはやしるしと不思議が現れることを信じなかっ
た。サタンは人の中へ行ってその心をまどわし、人々を誘って地上に甚しい悪事を行わせた。
3ニー2,4,このような有様で96年目、98年目および99年目と過ぎて行った。
3ニー2,5,今やニーファイの民を治めたモーサヤ王の時代からすでに100年たち、
3ニー2,6,リーハイがエルサレムを出てから609年過ぎ、
3ニー2,7,キリストがこの世に降りたもうと言って予言者たちが知らせたしるしが現われてから9年を経た。
3ニー2,8,今やニーファイ人はしるしが現われた時、すなわちキリスト降誕の日から新しい紀元を開いた。そこで9年
を経たと言うのである。
3ニー2,9,いろいろの歴史を預かっているニーファイの父ニーファイは、ゼラヘムラの地を出たまま帰らなかったの
で、ひろく国中を探したがその行方は知れなかった。
3ニー2,10,さて民は自分らが多くの説教と予言とを聞いたにもかかわらず、相変らずその罪悪を行った。これで10
年目は過ぎつずいて11年目も過ぎたが、この年の間罪悪が行われた。
3ニー2,11,13年目にはガデアントン流の強盗の数が非常にふえて多くの人を殺し多くの都市を荒し、残酷な殺戮
を多く全地に行ったから、ニーファイ人もレーマン人も共に強盗に対して武装をせねばならなくなり、全地に戦争と
不和が起った。
3ニー2,12,心を改めて主を信仰するようになったすべてのレーマン人は、その同胞であるニーファイ人と聯合して
その命を安全に保ち、その女子供を護り、その権利と教会の特権と独立自由とを守るために、ガデアントン流の強
盗に対抗して武器を執らなくてはならぬようになった
3ニー2,13,そして、13年目がまだ終わらない中に、非常に激しくなったこの戦のためにニーファイ人は全滅せんば
かりの有様となった。
3ニー2,14,ニーファイ人と聯合をしたレーマン人はニーファイ人の中に数えられ、
3ニー2,15,そののろいが除き去られてニーファイ人のような白い皮膚となった。
3ニー2,16,その青年と女子とは非常に白く美しくなって、ニーファイ人の中に数えられまたニーファイ人と呼ばれ
た。これで13年目は終った。
3ニー2,17,14年目が始まっても、ニーファイの民と強盗団との戦はひきつずいて止まずますます激しくなった。し
かし、ニーファイの民は多少強盗に勝ってこれをニーファイの民の所有地から山や隠れ場所へ追い返した。
3ニー2,18,これで14年目が終ったが、15年目にはこの強盗共がまたもニーファイの民を攻めようとして襲来した。
ところがこのたびはニーファイの民の中に罪悪や多くの闘争謀叛などがあったため、ガデアントン流の強盗はたび
たびニーファイの民にうち勝った。
3ニー2,19,このような有様で15年目が暮れたが、民はこのように多くの艱難に逢い、その上い滅亡の剣が頭の上
にかかっていた。かれらはまことにその悪事のために滅亡の剣に打ち倒されようとする危い場合に臨んでいた。