3ニー4,,ニーファイ第3書  第4章
3ニー4,*-*,強盗勢、敗北してその首領殺される。首領のあとをついだゼムナライハ絞首刑に処せられる。ギドギド
ーナイ勢の勇敢なこと。
3ニー4,1,第18年の末に、あの強盗の軍勢はすでに戦の備えをして岡、山、野原そのとりでならびにその隠れ場所
から出撃して、南の地でも北の地でもニーファイ人が捨ててきた一切の土地と都市とを占領することになった。
3ニー4,2,ところがニーファイ人が捨てて行った土地には、野の取りも獣もなくて野へ行かなければ強盗らの食べる
獲物はなかった。
3ニー4,3,それであるから、強盗らは野に居なければ食物がないので生きて行くことができなかった。それは、ニー
ファイ人がすでにその羊の群と牛の群と一切の持物とを集めて、その土地を荒らしてしまった後に一かたまりとなっ
たからである。
3ニー4,4,それで強盗らはニーファイ人と公然戦争をする以外には、掠奪をして食物を手に入れる道はなかった。
しかもニーファイ人は一かたまりになってその数が多く、必ず7年間命がつなげるように食糧、馬、牛およびあらゆ
る家畜を集めていた。ニーファイ人は7年間命をつ
3ニー4,4-1,その間に強盗を全体の土地から亡ぼしてしまおうと思っていた。このような有様で第18年は終った。
3ニー4,5,第19年に、ギデアンハイは出て行ってニーファイ人と戦うことは必要であると考えた。それはその味方が
掠奪、強盗、人殺しなどをするほかに生きて行く道がなく、
3ニー4,6,またあちらこちらへ散らばって行って穀物を作ったなら、ニーファイ人が自分らを襲って殺しはしないかと
思ったから、思い切って穀物も作る勇気もなかったからである。そこで、ギデアンハイはその年の内に出て行ってニ
ーファイ人と戦えと言う命令をその軍勢に下し
3ニー4,7,そこで6月に強盗の軍勢が攻めよせたので、その戦が始まった日は非常に恐ろしい日であった。強盗勢
は強盗の装いをして、その腰には血で染めた小羊の皮をまとい、その頭は毛をそってかぶとをかぶっていた。すな
わち、ギデアンハイの軍勢は血で染めた皮衣を着てい
3ニー4,7-1,非常に恐ろしい姿をしていた。
3ニー4,8,ニーファイ人の軍は、ギデアンハイの軍の恐ろしい姿を見るとみな地に伏して自分らの神である主に歎
願をして、自分らの命を助け自分らの身を敵の手から救いたまえと祈りを捧げた。
3ニー4,9,ギデアンハイの軍はこの有様を見ると、これはニーファイ人が自分の軍勢の恐ろしい姿を見て恐怖のあ
まり倒れたのであると思い非常に喜んで大きな叫び声をあげたが、
3ニー4,10,それはぬか喜びであった。ニーファイ人は強盗らを恐れたのではなくて、ただ自分らの神を畏れて神に
守りを祈り求めていただけであった。ギデアンハイの軍がニーファイ人に襲いかかった時、ニーファイ人はすでに
敵を迎えて戦う準備を終っていたから、主から受けた
3ニー4,10-1,敵と戦い始めた。
3ニー4,11,戦は6月に始まったが、それは激烈な恐ろしい戦であてこのように恐ろしい第殺戮はまことにリーハイが
エルサレムを去ってこのかた、その子孫である国民の中に1度もあったことがない。
3ニー4,12,ニーファイ人はギデアンハイのおびやかしや誓いをものともせずに敵と戦って勝ったので強盗勢は退
いた。
3ニー4,13,ギドギドーナイは軍に命を下して、強盗勢を野の境まで追撃せよ、途中でニーファイ人の手に落ちる敵
の命を許すなと行ったから、ニーファイ人は敵を野の境まで追撃し、また力の及ぶ限りこれを殺してギドギドーナイ
の命令を果した。
3ニー4,14,ギデアンハイは勇しく立って戦ったが、1たび逃げ出すやニーファイ人の兵に追いかけられた。この時
ギデアンハイは逃げたが激しく戦って疲れていたからとうとう追いつかれて殺されてしまった。これが強盗ギデアン
ハイの最后である。
3ニー4,15,そこでニーファイ人の軍はその要害の地へ帰ってきた。この第19年は過ぎ去ったが、強盗勢はまた出
てきて戦わず第20年にも出撃しなかった。
3ニー4,16,第21年には強盗勢は出てきて戦わなかったけれども、四方から近づいてニーファイの民をとりかこもうと
した。かれらは、ニーファイの民とその畑との間に立って四方からこれをとりかこみ、その出入り道をふさいだならば
意のままにニーファイの民を負かすことがで
3ニー4,16-1,考えたからである。
3ニー4,17,ところで強盗勢はこのたびゼムナライハと言う者をその支配者に任じた。従って包囲をさせたのはこの
ゼムナイハである。
3ニー4,18,しかし見よ、この包囲はかえってニーファイ人にとって利益であった。ニーファイ人の貯えた食糧は豊で
あって、ニーファイ人が苦しむまでその包囲をつずけることは強盗どもにできなかった。
3ニー4,19,強盗どもは食糧に乏しく野でとった肉のほかに命をつなぐものはなかったからである。
3ニー4,20,そして野の鳥獣までも少くなったから、かれらはまさに飢死をするばかりであった。
3ニー4,21,その上、ニーファイ人は夜となく昼となくたえず出撃して敵を襲い、その度毎にあるいは何千人あるい
は何万人と強盗どもを殺した。
3ニー4,22,それであるから、ゼムナライハの兵は夜昼大きな損害を受けるによって、ニーファイ人を負かすことを断
念したいと思うようになった。
3ニー4,23,そこでゼムナイハは兵に命令して、包囲を解いて北の地の最も遠い所へ進軍せよと言った。
3ニー4,24,ところがギドギドーナイは敵の企図を知り、また敵が食糧の乏しいためと、受けた大きな殺戮とのために
弱っていることを知ったから、夜その軍勢をつかわして敵の退路を断ち切り、退路に軍勢を置いた。
3ニー4,25,兵は夜の中にこの軍略によって間道を進み強盗勢の前へ出たから、あくる日強盗勢が進軍し始める
と、かれらは正面からも背面からもニーファイの軍に攻められた。
3ニー4,26,そして、南方に居た強盗勢もその退路を断ち切られた。以上はみなギドギドーナイの命令に従って行
われたことである。
3ニー4,27,これによって、何千人と言う強盗どもはニーファイ人に降参をしてとりこになったが、とりこにならなかった
ほかの強盗どもは殺された。
3ニー4,28,そして、司令長官であったゼムナライハは捕らえられて木の上からつるされ区切をくくられて死んだ。か
れを絞首刑に処してから、ニーファイ人はその木を地に切り倒して大声によばわって言った。
3ニー4,29,”この後権力を貪り秘密結社によって国民を殺そうとするすべての者たちが、今われらがこの1人を地に
倒したように国民によって地に倒されるよう、願わくは主よ、この国民をその義であるままにまた心の聖きままに守り
たまえ”と。
3ニー4,30,ニーファイ人は喜んで再び声をそろえてよばわって言った。”アブラハム、イサク、ヤコブの神よ、願わく
はこの国民が神に護りを祈り求める中は、これを義であるままに守りたまえ”と。
3ニー4,31,また神が大きな恵を垂れてもうて、自分らを敵の手に落ちないように守りたもうたので、一同歌い出して
神を讃美した。
3ニー4,32,かれらは”いと高き神にホザナ”と叫び、また”全能の主なるいと高き神の御名を讃美し奉る”とよばわっ
た。
3ニー4,33,かれらは神が大きな恵みを垂れて敵の手からかれらを救いたもうたから、多くの涙を流すほどの喜びが
胸に満ちた。そしてかれらは、このように永遠の亡びから救いだされたのは、自分たちがすでに悔い改めてへりく
だったことによるのを覚った。
最終更新:2008年07月05日 01:48