3ニー13,,
ニーファイ第3書 第13章
3ニー13,*-*,救い主ニーファイ人に対する教え(つずき)。12人に対する救い主の命令。マタイ伝第6章と比べよ。
3ニー13,1,”われまことに、まことに汝らに告ぐ、汝ら貧しき者に施物をなすべし。されど、つつしみて人に見らるるよ
うにとて人前にて施物をすることなかれ。しからずば、汝ら天にまします汝らの父より善き報いを受くるに足らず、
3ニー13,2,すなわち、施物をする時には、自分の前にてラッパを吹くがごときことを為すことなかれ。かくのごときこ
とは偽善人たちが人より賞められんために、会堂や町にて為すことなり。まことに汝らに告ぐ、その偽善者らはその
行いに争闘する報いを受く。
3ニー13,3,汝らは施物をする時、右のての為すことが左のてに知れざるように、
3ニー13,4,これをひそかにせよ。さらば、ひそかに見たもう汝らの父は公に善き報いを賜わらん。
3ニー13,5,また、汝ら祈る時に偽善者のごとく祈るなかれ。偽善者らは人に見えるように会堂の中や町かどに立ち
て祈ることを好む。まことに汝らに告ぐ、かれらはその行いに相当する報いを受く。
3ニー13,6,汝らが祈る時には己れ1人の部屋に入り、戸を閉ぢて、隠れたるところにまします汝らの父に祈れ。され
ば、ひそかに見たもう汝らの父は公に善き報いを賜わらん。
3ニー13,7,また祈る時に、邪心を拝む者のごとく空しき言葉をくり返すなかれ。かれらは言葉の数多きために聞き
入れらるべしと思う。
3ニー13,8,されば、これらの者のごとくすることなかれ。汝らの父は汝らが願わざる先に、そのなくてかなわざるもの
を知りたもう。
3ニー13,9,故に、汝らは次のごとく祈れ。’天にましますわれらの父よ、御名を崇め奉る。
3ニー13,10,御旨の天に成し遂げらるる如く地にもこれを成し遂げたまえ。
3ニー13,11,われらに対して罪を犯す者をわれらの赦す如くわれらの罪をも赦したまえ。
3ニー13,12,われらを誘惑に逢わせず悪より救い出したまえ。
3ニー13,13,主権と威勢と栄光とは永遠にこれを汝に帰し奉る。アーメン’と。
3ニー13,14,汝らもし人の罪を赦さば、汝らの天の御父もまた汝らの罪を赦したもうべし。
3ニー13,15,されど、汝らもし人の罪を赦さずば、汝らの父もまた汝らのつみを赦したまわじ。
3ニー13,16,また汝らは断食をする時、偽善者らがするごとき苦し気なる顔つきをするなかれ。偽善者らは断食せる
ことを人に知らせんとて顔かたちをわざと悪くす。まことに汝らに告ぐ、かれらはその行いに相当する報いを受く。
3ニー13,17,されど、汝らは断食をする時、己れの頭に油を塗り、顔を洗え。
3ニー13,18,そは断食せることの人の目に知れずして、ひそかに見たもう汝らの父に知られんためなり。
3ニー13,19,されば、ひそかに見たもう汝らの父は、公に善き報いを賜わるべし。
3ニー13,20,しみ食い、さび腐り、盗人押し入れて盗む世の中に、己れのために宝を貯うなかれ。
3ニー13,21,しみ食わず、さび腐らず、盗人押し入て盗みもせざる天に、己れのために宝を貯えよ。
3ニー13,22,汝らの宝のある所に汝らの心もまたあるべければなり。
3ニー13,23,身体の光は目なり。故に、もし汝らの目が正しければからだ中に光は満つ。
3ニー13,24,されど、汝らの目正しからずば、からだ中に暗は満つ。もしも汝らの中なる光暗とならば、その暗さは
いかにも大いならずや。
3ニー13,25,誰もよく2人の主に兼ね使うることを得ず。そは1人を憎みてほかの1人を愛し、1人に忠義をつくして
ほかの1人を見くびるべければなり。故に、汝らは神と富とに兼ね事うること能わず”と。
3ニー13,26,イエスは右のことを述べたもうてから、すでに選びたもうた12人に向って次のように仰せになった”わ
れが宣べたる言葉を忘るな。われがこの民を教え導くために選びたる者はすなわち汝らなり。わが汝らに告ぐ、汝
らはその命をつなぐために何を食い何を飲まんとて
3ニー13,26-1,わずらうことなかれ。その身体に何を着んとて思いわずらうことなかれ。命は飲食よりも貴からずや。
また身体は衣服よりも貴からずや。
3ニー13,27,空の鳥を見よ。蒔くことも借り入るることも倉に貯うることをも為さざれど、汝らの天の御父はかれらに食
を与えたもう。汝らは鳥よりもはるかに勝れる者にあらずや。
3ニー13,28,汝らの中誰か、ただ考うるのみにてよく身のけを1キュビト高くのばすことを得んや。
3ニー13,29,また何故着物のことを思いわずらうか。野の百合を見てそれがいかにして育つかを思え。そは働きも
せず、ソロモンの栄華のきわみの時だにも、その装いはこの百合の話1つにも及ばざりき。
3ニー13,30,故に神が今日ありて明日は炉の投げ入れらるる野の草をさえかくのごとく装いたもうならば、汝らの信
仰不足せざる限り、汝らもそのごとく装いたまわん。
3ニー13,31,されば汝ら何を食い、何を飲み、何を着んとて思いわずらうなかれ。
3ニー13,32,天の御父は汝らにかくのごときもののなくてはならぬことを既にすでに知りたもう。
3ニー13,33,まず神の王国と神の義を追い求めよ。然すれば、なくてならぬものはことごとく汝らに賜わるべし。
3ニー13,34,汝ら、明日のことを思いわずらうなかれ。明日のことは明日になりてこれを思え。1日の長さは、1日の
苦労のみにて充分なり”と。