3ニー28,,
ニーファイ第3書 第28章
3ニー28,*-*,12弟子の1人1人、その心の願いを聞き届けられる。3人の選ばれた弟子、主が栄光を具えて降りた
もうまで地上にとどまる。3人の者驚嘆すべき顕れが起る。3人の者、死も禍も力を及ぼすことのできない者とされ
る。
3ニー28,1,イエスはこう言ってからその弟子たちに向って”われが御父の所へ昇りて後、汝らはわれに何をせられ
んことを願うか”と一人一人にたずねたもうた。
3ニー28,2,弟子たちはただ3人の者を除くほかどれもみな”われが人生相当の年を重ねて死ぬ時がくると汝がその
王国にまします所へ早く昇れるように、汝がわれらに任命したもうた教会の務めがその時に終ることを願いたてまつ
る”と答えた。
3ニー28,3,するとイエスはこれに答えて”汝らはかかることをわれに願うによりてさいわいなり。さらば汝ら72才となら
ば、わが王国のわがもとへ来りて、われと共に安息につけ”と言いたもうた。
3ニー28,4,それから、ほかの3人の弟子たちに向って”われが御父の所へ昇りて後、われが何を為さば汝らの願い
にかなうや”とたずねたもうた。
3ニー28,5,すると3人の者は思い切ってその願いをイエスに言えず、心の中に苦しんだ。
3ニー28,6,すると、イエスは3人の者に向って”見よ、われは汝らが心に思うことを知る。汝らは、ユダヤ人がわれを
十字架にかけし前、われが福音を伝えし間にわれと共にありしわが愛するヨハネがわれに願いしと同じことを心に
願う。
3ニー28,7,故に汝らはひときわさいわいなり。何とならば汝らはいつまでも死の味わいを知らず、またわれが天の
権と力とをたずさえわが栄光を具えて降る時には、一切の事御父のみこころのごとくに成就すれど、その時になる
まで汝らは生き永らえ、その間に御父が世の人に為し
3ニー28,7-1,すべての事を見るべき故なり。
3ニー28,8,また汝らは決して死の苦痛を感せず、われがわが栄光を具えて来る時に、汝らはまったく間に、その死
すべき肉体を持つ者より不死不滅の者に変られ、必ずわが父の王国に入りて祝福を受くべし。
3ニー28,9,またこの肉体をもちて生き永らう間にも苦痛を覚えず、また世の中の人の罪悪につきて憂い悲しむ以外
には何の憂いも悲しみもなかるべし。汝らは世界の存在する間人々をわれの所へつれ来らんと望みたれば、われ
は以上のごとき恵みを汝らに与えん。
3ニー28,10,されば、汝らは喜びに満ちあふれてわが父の王国に座を占め、御父がわれに完全なる喜びを与えた
もうたるごとく、汝らの喜びもまた完全なるべし。また汝らはわれと同じ者になるべし。われは御父と同じ者なり。われ
と御父とは1つの神会を為す。
3ニー28,11,聖霊は御父とわれとのことを証し、われの故に御父より世の人に与えらるるなり”と仰せになった。
3ニー28,12,イエスはこう言って、この世に生きのこるはずの3人を除いてほかの弟子たちに、1人1人イエスの指を
触れてから立ち去りたもうた。
3ニー28,13,ここに於て、天が開けて3人の弟子は天に上げられ、筆にも言葉にも尽せぬことを見聞きした。
3ニー28,14,ところが3人の者はこの見聞きしたことを口に出すなと止められた。実はこのことを口に出す力を与えら
れなかった。
3ニー28,15,3人の者が天で見たり聞いたりした時に、3人はその肉体のままであったか、または肉体を離れていた
か、かれら自身はこれを知らなかったが、神の者が見えるためには自分たちの身が変ったように、すなわちその肉
体が不死不滅の状態になったように感じた。
3ニー28,16,この3人は著場に於て教えを宣べ伝えたが、その天に於て見たり聞いたりしたことは、天で受けた命
令があるからこのことを伝えなかった。
3ニー28,17,この3人はその身の変った日から、死ななくてはならぬ者であったか不死の者であったか私はこれを
知らない。
3ニー28,18,私がこの3人について知っているだけを言うと、伝えられた歴史によれば、この3人は地の面をめぐっ
て民に道を宣べ伝えた。そしてすべてその道を信ずる者にバプテスマを施してこれを教会に加えたが、この時バ
プテスマを施された者はみな聖霊を受けた。
3ニー28,19,またこの3人の者は教会に属していない者たちのために牢屋へ入れられた。しかしこの牢屋は裂く砕
けて3人を閉じこめることができなかった。
3ニー28,20,また3人は地の中に埋められた。しかし、かれらが神の言葉をもって地に命ずると、神の能力によって
地の中から救い出された。それであるから、3人を閉じこめるほど堅固な穴を掘ることはできなかった。
3ニー28,21,3人は3度まで炉の中へ入れられたが何の害を受けなかった。
3ニー28,22,また2度まで猛獣のおりへ入れられたが、あたかも子供が乳を呑む小羊と遊ぶように猛獣と遊んで何
の害も受けなかった。
3ニー28,23,このように3人がニーファイの全国民の中を経めぐって、その地のいたる所の民にキリストの福音を宣
べ伝えたから、民は心を改めて主を信じキリストの教会に加わった。このように、その時代の人々はイエスの言葉通
りに恵みを受けた。
3ニー28,24,さて、私モルモンはこのことを書きしるすことをしばらくやめよう。
3ニー28,25,見よ、私はいつまでも死の味を知らぬあの3人の名前を書こうとしたが、主がこれを書くなと言いたもう
たから、その名前は世の人々に示すべきではないと認めてこれを書かない。
3ニー28,26,しかし、私はかれらに逢ったことがある、またかれらが私に導きと恵みとを授けたこともある。
3ニー28,27,この3人はいつか異邦人の中に行くにちがいないが、異邦人はかれらを知らぬであろう。
3ニー28,28,ユダヤ人の所へも行くが、ユダヤ人もかれらを知らぬであろう。
3ニー28,29,主のみこころにかなう時になると、この3人はその望みを遂げるためと、自分らのもつ神の賜である感
化の力によって、あの散り散りになったイスラエルのすべての支族およびあらゆる国民、あらゆる血族、あらゆる国
言葉の民、およびあらゆる人々に導きと恵みとを施
3ニー28,29-1,その中から多くの者をイエスの所へ導くことができる。
3ニー28,30,この3人は神の使のようであって、この3人の者がイエスの御名によって御父に祈って願うときには、心
のままに誰にでも現われることができる。
3ニー28,31,それであるから、あらゆる人間が必ずキリストの法廷に立たねばならぬあの大きな未来の日がこない
内に、この3人の者は驚嘆すべき大事業をする。
3ニー28,32,裁判の日がくる前に、かれらは異邦人の中にもまた驚嘆すべき大業をする。
3ニー28,33,あなたたちが、もしキリストが為したもうた驚嘆すべき業を皆のせているすべての聖文をもっているな
ら、以上宣べたことが必ず事実になることをキリストの御言葉によって知ると私は思う。
3ニー28,34,イエスの御言葉と、イエスが選びたもうて世につかわされた人々の言葉に聞き従わない者は禍であ
る。イエスの御言葉とそのつかわしたもうた人々の言葉とを受け容れない者は、イエスも受け容れないのであるか
ら、終りの日にイエスはこのような者を受け容れたまわな
3ニー28,35,このような者はむしろ生れない方がよかった。このような者が、怒りを起したもうた神の裁きをのがれる
ことができると思うか。この神は世に救いを来らせるために、1度世の人の足の下にふみつけられることを甘んじた
もうた。
3ニー28,36,さきに私は、イエスが選びたもうた者、すなわち天に上げられたあの3人の者について、かれらが清め
られて、死ななくてはならぬ者から不死不滅の者になったかどうか知らないと言った。
3ニー28,37,しかしそれを書いてから、主に祈ってたずねたところ、もし3人の弟子の体に或る喧嘩がなけらば、か
れらはついに死ななくてはならないと教えたもうた。
3ニー28,38,すなわち3人が死なないようにその体に変化があって、その変化によって3人は世の中にある罪悪の
ためでなければ、苦痛も悲しみも感じないようになった。
3ニー28,39,しかし、この変化は終りの日に体に起るはずの変化に匹敵するものではなかった。ただかれらがその
肉体のまま清められて聖なる者になっただけの変化であるが、サタンはかれらに勝てず、また誘惑ができず、地上
のどのような力もこの3人には効がなかった。
3ニー28,40,キリストが裁判をなしたもう日までこの有様で生き永らえ、さてその裁判の日になるとなお大きな変化を
受けて御父の王国に迎え入れられ、いつまでもその国を出ることなく、永久に神と共に天に住むのである。