モルモ8,,モルモン書  第8章
モルモ8,*-*,モロナイ、父の記録を書きついで結びとする。クモラの血の殺戮の後。モルモンもまた殺される。レー
マン人と強盗たち、全国を占領する。モルモンの記録は後世、世に現われる。末日の状態と禍の予言。
モルモ8,1,見よ、私モロナイは父モルモンの記録を書きついで結ぶとする。隠ことは少いけれども、これを書けと父
から命令を受けた。
モルモ8,2,そもそもクモラの大激戦の後、すでに南の国々に逃げていたニーファイ人はレーマン人に狩り立てられ
てとうとう1人のこらず殺された。
モルモ8,3,私の父もまたレーマン人に殺されて、私は1人だけ生き残ったから私の民の悲しい全滅の記事を書かな
くてはならない。見よ、国民はすでに亡びてしまったから私は今父に命ぜられたことを果す。レーマン人は私を殺
すかも知れないから、
モルモ8,4,私は記録を作ってから地の中に隠しておく。その後私がどうなるかは問う所でない。
モルモ8,5,父はこの記録を作り、目的を書いたが、この版に余地があるなら私もまた目的を書きたいが、その余地も
なければ版のあらがねもない。父も一切の親族も戦で殺されたから私は1人のこって友もなく行く所もない。また主
が私をいつまで生き永らえさせたもうかもわから
モルモ8,6,見よ、われらの主であり救い主であるお方の降誕からすでに400年経った。
モルモ8,7,レーマン人はわが民のニーファイ人を都市から都市へ、ここからかしこへ狩り立てて1人のこらず殺してし
まった。ああ、わが民ニーファイ人の滅亡は大きなことである。まことに大きな驚くべきことである。
モルモ8,8,ニーファイ人を滅亡させたのは主の御手である。見よ、レーマン人も今互いに戦合って、地の全面に殺
人と流血が相ついで行われ、この戦はいつ果てるとも知れない。
モルモ8,9,さて私はこれで国民の記事を終りにする。地上にのこっている者はレーマン人と強盗だけであるからであ
る。
モルモ8,10,世の中にはイエスの(3人の)弟子のほかに真の神を知る者はない。人民の罪悪は、主がこの弟子をも
はや人民と共に住まわせたまわなかったほど甚しかった。その時まではこの弟子も人民の中に住んでいたが、今
はこの地に居るかどうか知っている者はない。
モルモ8,11,しかし、さきに私と父はこの弟子に逢い、弟子たちは私らに導きと恵みとを与えた。
モルモ8,12,すべてこの記録を受け容れ、この記録の中に欠点があるからと言ってこれを咎めない者はこの記録に
記してあることよりも偉大なことを知るであろう。見よ、私はモロナイである。できるなら、私はあらゆることをあなたた
ちに教えたいと思う。
モルモ8,13,私はこれでこの民についての話を終りにする。私はモルモンの息子であって私の父はニーファイの子
孫である。
モルモ8,14,この記録を隠して主の御手に託する者は私である。この記録ののっている版は主の命令があったため
に金銭上の価はない。すなわち主は誰も利益を得るためにこの版を手に入れる者があってはならぬと仰せになっ
た。しかし、この版に刻んである記録には大きな価値があ
モルモ8,14-1,後世これを世の人々に現わす者は主の祝福を授かるにちがいない。
モルモ8,15,これを世の人々に現わすことは、ひとえに神に栄光を帰したいと思う心で、または永らく散り散りになっ
ている主の誓約を受けた古代の民の救いを与える心でしなくてはならない。ことであると神が思し召したもうから、
神に権能と力を受けた者でなければこれを世に現
モルモ8,15-1,できない。
モルモ8,16,この記録を世の人々に現わす者はさいわいである。これは神の言葉の通りその隠してある所から公の
所へ出るからである。言いかえると、神の権能と力によって地の中から出され、隠れた暗い所から輝いて出て世の
人々に知られるからである。
モルモ8,17,もしこの記録の中に足らない所があれば、それは人間の欠点によるものである。しかし、私たちはこの
記録に何ら足らない所を見出さない。けれども、神はすべてのことを知りたもうからこの記録を批難する者は慎んで
その考えを捨てよ、そうでないとおそらく地獄の火
モルモ8,17-1,入れられるであろう。
モルモ8,18,”われにそれを見せよ。見せなければ汝を打つ”と言う者よ。その口を慎め。慎まないと、主の禁じたもう
ことを命ずるかも知れないからである。
モルモ8,19,軽々しく裁判をする者はまた同じように軽々しく裁判をされる。人の受ける報いはその行いの善悪によ
るから打つ者もまた主に打たれるのである。
モルモ8,20,聖文にある誡めを見よ。人は打つべからずまた裁判すべからずとある。それは主が”裁判する権利およ
び応報の権利はわがものなれば、われ報いをなさん”と仰せになるからである。
モルモ8,21,主の御業に対し、また主の誓約を受けた民であるイスラエルの家に対して怒りを起し、争いを起して”わ
れわれは主の業を亡ぼそう。亡ぼせば主はイスラエルの家に立てた誓約を思い出してこれを果すことがないであ
ろう”と言う者は、おそらく切り倒されて火の中に投
モルモ8,21-1,られるであろう。
モルモ8,22,主の誓約がことごとく果されるまで、主の永遠のみこころは必ずつずけて行われる。
モルモ8,23,イザヤの予言を研究せよ。私はその数々の予言を書くことはできないが、よく言っておく。私よりさきにこ
の地に生きていた聖徒らが土の中から叫んで主に乞い求めるにより、主はこれらの者に立てた誓約を思い出して
これを必ず果したもう。このことは主が現在生きて
モルモ8,23-1,ましますように確である。
モルモ8,24,聖徒らの祈りがその兄弟らのために捧げられたことは主が知りたもう。また聖徒らは御名によって山を移
らせることができ、主の御名によって地を震い動かせることができ、また主の御言葉の力によって牢屋を地に倒し
た。その上、主の御言葉が力がかれらと共にあった
モルモ8,24-1,火の炉も猛獣も毒蛇もかれらをそこなうことができなかった。これらのことによって主は聖徒の信仰を
知りたもう。
モルモ8,25,なお聖徒らはこの記録を世の人々に現わすことを主に委ねられるあの1人の男のためにも祈りを捧げ
た。
モルモ8,26,それであるから誰もこの記録は将来現われないと言うには及ばぬ。必ず現れると主が仰せになったから
必ず現われるのである。この記録は主の見てによって将来土の中から現われるはずであるから、誰もその現われる
ことを止めることはできない。この記録が現われるの
モルモ8,26-1,世の人々が奇跡はとうに止めになったと言い張る時であって、それはちょうど人が墓から声を出して
物を言うと同じであろう。
モルモ8,27,聖徒らの血が叫んで秘密結社と悪い行いとを主に訴える時にこの記録は現われる。
モルモ8,28,人々が神の権能を認めず、教会は汚れ、会員は心の中で誇り高ぶり、教会の支配者および教師たち
はその心に高慢をつのらせて、自分の教会に属する物をさえ嫉むようになる時、ちょうどその時にこの記録が現わ
れる。
モルモ8,29,ほかの国々に火祭と暴風雨と烟の霧とがあると言う声が聞こえる時、
モルモ8,30,また所々に戦と戦の噂と地震とがあると言う声が聞こえる時にこの記録は現われる。
モルモ8,31,地の面に恐ろしい汚れた行いのある時、すなわち人殺し、強盗、狂言、詐欺みだらな行い。およびさま
ざまの憎むべき行いがあって、”これをせよ。またあれをせよ。どれをしてもかまわない。終りの日に主は汝のために
言い開きをなさるから”と言う者の多くある時に
モルモ8,31-1,現われる。前のようなことを言う者は禍である。かれらは罪の縄目にしばられて苦汁を飲まされるので
ある。
モルモ8,32,またこの記録は”われに来れ、汝らの金銭と取りかえに汝らの罪を赦すべし”と言う教会が世の中に立て
られてある時に現われる。
モルモ8,33,ああ、よこしまでかたくなである悪人たちよ。なぜ利益を得ようとして自分らのために教会を立てたか。な
ぜ神の聖い言葉を曲げて身も霊も救われないようにするのか。さあ、神が洗えたもうた啓示をしらべてこれを信ぜ
よ。その啓示の示す時になると右のことはみな事
モルモ8,33-1,なるのである。
モルモ8,34,この記録が汝らの中に現われてから間もなく起るはずの出来事について主は前以て大きな驚嘆すべき
ことを私に教えたもうた。
モルモ8,35,見よ、私はあなたたちが今目の前にあるかのように話しているが、本当はあなたたちはまだ生れないの
である。しかし、イエス・キリストが前以てあなたたちを私に見せたもうたのであなたたちの行いが今私に解るのであ
る。
モルモ8,36,あなたたちが心の中に誇り高ぶることと、あなたたちの中に非常に華やかな衣を着、ねたみ、争い、怨
み、迫害し、あらゆる悪い事を起すほどにおごり高ぶっていない者は僅しかないと言うことと、またあなたたちの慢
心によって、あなたたちの教会は1つのこらずすで
モルモ8,36-1,果てていると言うことが前以て私に解っている。
モルモ8,37,ごらん、あなたたちは金銭と自分の財産と自分の華やかな衣と自分の教会の華やかな飾り物とを、貧し
い人々、病気の人々および悩んでいる人々よりも愛するのである。
モルモ8,38,汚れた人たちよ、偽善者らよ。腐るものに替えて自分の身を売る教師たちよ。なぜあなたたちは神の聖
い教師を汚したか。なぜキリストの御名を受けることを恥とするか。永遠の幸福はとこしえに止まない不幸にまさっ
て価値があるのに、なぜあなたたちは世の誉を思っ
モルモ8,38-1,思ってこのことを信じないのか。
モルモ8,39,なぜあなたたちは生命のない物を自分の身に飾りながら、飢えている者、貧しい者、はだかでいる者、
病んでいる者、また悩んでいる者たちがあなたたちの前を通り過ぎて行くとき憐まないのか。
モルモ8,40,あなたたちは利益を得ようとして、秘密の憎むべき業を企ててやもめとみなし児とを主の御前に泣か
せ、またみなし児の父とやもめの夫にその血が土の中から叫んで仇を返したまえと主にねがい求めるようにした。こ
れはなぜであるか。
モルモ8,41,見よ、応報の剣はあなたたちの上にかかっている。主の聖徒たちの歎願をもはやそのままにしておきた
まわないから、聖徒らが亡びた責をあなたたちに負わせてその血の応報をあなたたちに返したもう時は近いのであ
る。
最終更新:2008年07月05日 02:08