イテル2,,
イテル書 第2章
イテル2,*-*,ニムロデの谷に於て。デゼレト(蜜蜂)。主、再びジェレドの兄弟と語りたもう。約束の地に関する神の
命令。モリアンキュメルの地。数隻の舟を造る。
イテル2,1,ジェレドとジェレドの兄弟とこの2人の家族と友だちと友だちの家族とは、それまでに集めたあらゆる家畜
の牡も牝も携え、一同つれ立って北の方にある谷間へ行った。(その谷の名は名高い狩人の名をとってニムロデと
言う)。
イテル2,2,かれらはわなをかけて空の鳥をとり、水の魚を運んで行く器を備え。
イテル2,3,数群のデゼレトも、さまざまの動物も、もろもろの草木の種子も携えて行った。デゼレトとは蜜蜂と言うこと
である。
イテル2,4,ニムロデの谷に着くと、主は天から降ってジェレドの兄弟と話したもうた。この時、主は雲の中にましました
からジェレドの兄弟はその御姿を見なかった。
イテル2,5,主は、荒野の中でまだこれまでに人の住んだことのない所へ行けと1行に命じたまい、かれらに先立って
雲の中に立ちながらかれらと語り、かれらの旅路を指し示したもうた。
イテル2,6,そこでかれらは荒野の中を旅し、数隻の船を造って水のある所を多くわたり、常に主の御手に導かれて
行った。
イテル2,7,主は海のかなたにある野の中にかれらがとどまることを許したまわず、かれらが約束の地まで渡ってくるこ
とを欲したもうた。約束の地とはほかのどのような土地よりも勝れてよい土地であって、神が義しい民に与えようとし
て備えておきたもうた所である。
イテル2,8,それであるから、この約束の地が備えられた後いつであってもこの土地を所有する者たちは、ただ1つの
真の神に事えなければ主の烈しい怒りがかれらに下ってかれらは亡ぼし去られると言うことを、主は断乎としてジェ
レドの兄弟に誓いたもうた。
イテル2,9,これで約束の地について神が定めたもうたことが明らかに知れる。すなわち、この地は約束の地であるか
ら、およそこの地を所有する民は神に事えなくてはならぬ。もし事えなければ、神の烈しい怒りを受ける時になって
亡ぼし去られる。神の烈しい怒りを受けて亡びる
イテル2,9-1,すなわち民の罪悪が極点に達する時である。
イテル2,10,この地はすべてのほかの地よりも勝っている地であるから、この地を所有する者が神に事えない時に亡
びてしまうことは神がとこしえに定めたもうたところである。それであるから、この地に住む民はその罪悪が頂点に達
しなければこのように亡びてしまうことはない。
イテル2,11,さて異邦人よ、私は神が定めたもうたことをあなたたちが知るように、またあなたたちに悔い改めをさせ、
あなたたちが罪の極るまで罪悪をつずけないように、またあなたたちに今までこの土地に住む民が自分の上に神
の烈しい怒りを真似いたようなことをさせないため
イテル2,11-1,歴史をあなたたちに伝える。
イテル2,12,ごらん、この土地はすぐれた土地であるからこの土地を所有する民はこの地に神に事えさえすれば、奴
隷とならず自由を奪われず添加のどのような国からもすべて支配を受けることがない。この地の神とは私たちがす
でに記した言葉によって明らかに示されるイエス・キ
イテル2,12-1,である。
イテル2,13,さて私モロナイは私の作る歴史の本筋を書きつずけよう。主はジェレドとジェレドに伴う者たちを大陸と
大陸の間にある大海の岸まで導きたもうた。かれらは海の岸へきた時、天幕を張ってそこをモリアンキュメルと名づ
けた。そして4年の間天幕を張って海岸に住んだ
イテル2,14,第4年の終りに主はまたジェレドの兄弟のところに降って、雲の中に立ちながらかれと親く話したもうた。
主は3時間ジェレドの兄弟と話して、かれが主に祈ることを怠ったのを懲しめたもうた。
イテル2,15,それでジェレドの兄弟がその罪を悔い改めて、一しょにきた者たちのために主に祈った時、主はこれに
答えて仰せになった”われは汝と、汝と共に来りし者たちの罪を赦す。されどこの後汝は再び罪を犯すべからず、
わが”みたま”は必ずしも常に人をはげますものにあ
イテル2,15-1,ことを忘るな。故に、汝らの罪悪がその極に達するまでひきつずき罪を犯さば主の前より断ち切らる。
われが汝らの受け嗣ぎの地として汝らに与えんとする地にかかわるわが意志は前に告げし如し。そはその地がい
かなるほかの地よりも勝るる故なり”と。
イテル2,16,また主は”いざ、汝らさきに造りし舟にならいてほかの舟を造れ”と仰せになったから、ジェレドの兄弟と
かれと一しょにきた者たちは、さきに造った舟にならい、また主の指図に従って数隻の舟を造った。その舟は小さく
て水の上に軽く浮び、ちょうど水鳥の体が軽く
イテル2,16-1,浮ぶようであった。
イテル2,17,そして舟にはすき間がなくて水のもらないことは皿のようであり、その屋根と底と腹とは密着して水のもら
ないことは皿のようであった。舟のへさきとともとはとがっていて舟の長さは1本の聞と同じほどの長さで、入口はこ
れを閉じるとすき間がなく密着して、水のも
イテル2,17-1,もらないことは皿のようであった。
イテル2,18,そこでジェレドの兄弟は主に祈りを捧げて”主よ、主がわれに命じたもうたることをわれはみな為しとげた
り。われは主の指図通りに舟を造れり。
イテル2,19,されど主よ、舟の中には光なし。われらは何れの方へ舟を向くべきか。また舟の中へ新しく入り来る空
気なければ、われらは息絶えて死ぬるべし”と言った。
イテル2,20,すると主は答えてジェレドの兄弟に仰せになった”汝は舟の上にも舟の下にも穴を作り、空気悪しくて苦
しむ時には穴を開けて空気を通せ。また水この穴より舟の中に入る時には溺れざるように穴を閉じよ”と。
イテル2,21,そこでジェレドの兄弟は主の命令通りに穴を作り、
イテル2,22,また祈りを捧げて言った”主よ、われはすでに主がなせと言いたまいし通りにして、共に来りし者たちの
ために舟を造りたるが、いまだその中に光なし、主よ、汝はわれらにこの大海を暗やみの中にて渡らせたもうべき
か”と。
イテル2,23,するとこの時主はジェレドの兄弟に”汝らはその舟の中に光のあらんため、われに何をせられんことを願
うか。見よ、窓はばらばらにこわるるによりつくることを得ず。火の光にては航海するを得ざるにより汝ら火を用うべ
からず。
イテル2,24,山の如き大波汝らの上をうちこえ、汝らはあたかも海の中の鯨の如くならん。されど、われはもろもろの
風をわが口より吹き出し、もろもろの雨を降らし、もろもろの水を送る故に、われは汝らを海の深みより上げて波の
上に浮すべし。
イテル2,25,風と雨と波とを避くるため、われは汝らによく準備をなさしめん。もしも海の波と吹き来る風とよせ来る水
の山とを避くるため汝らに準備をなさしめざば、汝らはこの大海をわたることかなわず。故に、汝らが海の深みに沈
める時に光あるため、汝らはわれに何を備えら
イテル2,25-1,願うや”と仰せになった。