伊達臣人


「気にすんな。お前が弱いんじゃねえ、俺が強すぎるんだ」

民明書房集英社刊『魁!!男塾』の登場キャラクター。読みは「だて おみと」。
担当声優はアニメ版では 鈴置洋孝 氏、ゲーム『魁!!男塾 ~日本よ、これが男である!~』では 平田広明 氏。
実写映画版では榊英雄氏が演じた。

それまで軍国主義ギャグマンガ学園生活がメインだった『男塾』において初の敵対組織「関東豪学連」の総長として登場
(米国海軍兵学校との撲針愚は(血生臭いとは言え)あくまでも「親善試合」である)。
互いに四人の代表を選出して一対一の戦いを行い勝負を決する「驚邏大四凶殺」(きょうらだいよんきょうさつ)の後に、元塾生だった事もあり復学し仲間となる。
今後定番となる「四の倍数の仲間を集めて一対一で戦う」パターンの最初の敵となった。
豪学連総代に継承される槍術を本流とした流派・覇極流の使い手であり、
伸縮自在の「如意棍槍」(にょいこんそう)、変幻自在の稼動をする「蛇轍槍」(じゃてつそう)と言った専用武器を操る。
また槍術の他に覇極流活殺拳という徒手空拳の拳法も操る。
その左手には人間蟲毒とも言うべき極限の養成法・孤戮闘に生き残った証の刺青が刻まれている。

劇中の活躍

実は剣桃太郎が入塾する三年前の男塾一号生筆頭であり、江田島塾長からは「男塾三百年 奴ほどの逸材はおらんだろう」と評価されるほどの男だった。
だが当時の新任教官に大罪を犯した咎人に科せられる刑罰「六忘面痕」*1を顔面に刻まれるという侮辱を受けたために、その教官を殺して男塾を逃亡。*2
そして三年後には関東一円の学校を勢力下に置く不良集団「関東豪学連」の総長となり、男塾を傘下に置くため攻め込んでくる。
だが、この行動は江田島からは「チンピラどもを集めてお山の大将を気取っているつもりか」と酷評されており、*3
実際に豪学連の親衛隊長・森田大器も(男塾一号生屈指の強豪・JをKOする腕前はあるものの)、
全員劇薬を飲んで戦うルールの決闘法で一人だけ飲まずにいた小物のチンピラに過ぎなかった。それであの実力は大した物だ
だが、単に不良学生の寄せ集めでしか無い下っ端はともかく、腹心の「三面拳」雷電飛燕月光の三人は本物の武術者揃いで、
トップ四人の代表選「驚邏大四凶殺」では桃ら男塾一号生を大いに苦しめる。
桃を圧倒する実力を見せ付けながらも最後は一騎討ちに敗れ、彼もまた仲間達への想いを胸に戦っていた事が分かると桃に命を助けられそうになり、
自分を背負って一人分の体重しか支えられないロープを登る桃の姿を見て、悔いの無い勝負が出来た事に礼を述べ自ら富士山火口に身を投げていった。

……が、その戦いを監視していた男塾三号生により三面拳共々命を救われ、男塾に復学。
男塾一号生と三号生の戦い「大威震八連制覇」(だいいしんぱーれんせいは。正確には「震」は「手へんに震」)に一号生側として参加することになる。
これが今後定番となる「先の戦いで死んだキャラは全員生き返って仲間になる」パターンの最初となった。
三号生との戦いでは羅刹・男爵ディーノ組と対戦し、二対二の勝負でありながら事実上一人で圧勝してのけている。*4
しかも、この時は得意の槍を使わず、素手で戦っている。
相方の虎丸龍次にも一応見せ場はあったものの、戦力としてはほとんど役に立っていなかった(虎丸本人が認めている)。

その後も男塾の主力として活躍を続け、作中で最大のクライマックスと言えた「天挑五輪大武會」決勝戦の最終決戦において、
三号生筆頭・大豪院邪鬼、一号生筆頭・剣桃太郎に続いて(「先輩方には申し訳ないが」と前置きしつつ)三人の代表の一人として出場、見事勝利を収めている。*5
で、出番を取られた二号生筆頭・赤石剛次のファンからは恨まれ続けている

その強さは「仲間になった元敵陣営」の中でも異例なまでの強さであり、敵の副将クラスに対しても圧倒的な差を見せ付けて勝ってしまうほど。
逆に、後に現れた敵が「伊達を倒して強さを見せ付ける」という展開は一度も無かった。
唯一の例外は、伊達自身の口から「俺では邪鬼に勝てん」と発言した事のみで、*6
この時は確かに邪鬼が圧倒的に強すぎて、桃もまともな戦いでは手に負えなかった。
このように「仲間になった元ボス」がかませにされない構造については塾長のページの民明書房の項目を参照。

男塾卒業後は広域指定暴力団「伊達組」を立ち上げ関東極天漠連合会長に就任しており、
攻め込んできた敵勢力の戦車を槍で撃破するという超人的な活躍を披露している。

外伝

外伝作品『男塾外伝 伊達臣人』が発売されており、先述の教官殺し・男塾逃亡からの伊達の足取りが描写されている。
本家以上に圧倒的な強さを見せ付ける伊達に加えて、本編で一度きりしか出ておらず、ファンでも忘れているような奥義や設定を掘り起こす等、
男塾ファンを沸かす要素が盛り込まれていた。
……のだが、途中で突然実はこれはパラレルワールドの話だったという事になってそれまでの話の流れを豪快にすっ飛ばし、
『男塾』本編のキャラクターだが微妙に矛盾があるのでこっちもまた別のパラレルワールドの可能性ありと、パラレルワールドの敵勢力との戦いに突入……
という打ち切り展開を経て完結。結局本来の伊達の豪学連時代の事は全く分からずじまいであった。
ただし、伊達が男塾を去ったのが逐電でなく退塾であったり、序盤から『男塾』本編のキャラクターと姿が同じで名前が違うキャラクターが多数登場していたりと、
別世界の物語であることを匂わせる要素が全く無かったわけでもない。

外伝作品『紅!!女塾』では本人は登場していないが、日本男児弱体化爆弾により前述の「伊達組」が凋落していた事が語られており、
恐らく物語冒頭で語られた玉砕覚悟の戦いで既に命を落としていると思われる。


MUGENにおける伊達臣人

アフロン氏が製作。Mugen1.1専用。
同氏製作の剣桃太郎と同じくくにおくん風味のドットで作られており、驚邏大四凶殺における桃とのやりとりを再現した専用演出も搭載されている他、
『男塾外伝 伊達臣人』の流れも同キャラ対戦で再現されている。
原作で使用した数々の奥義が搭載されており、
色々な意味で語り草になっている「覇極流超奥義・宇呂惔瀦」もしっかりと搭載されている。

出場大会

  • 「[大会] [伊達臣人]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
なお、この時民明書房の解説で語られる「孝・忠・信・義・仁・礼」の六つの徳を忘れた者を指す「忘六者」という話は、
正しくは「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の八つで「忘八(ぼうはち)」である。
こういう適当な事や嘘を書いて読者に本当の事だと信じ込ませてしまうのが(塾長の方に書かれている通り)民明書房の問題点である。

*2
この事件から11日後に、二号生筆頭赤石剛次により当時の一号生が皆殺しにされている。
赤石はそのために無期停学処分を受けており、少なくとも塾長からの命令で殺したわけでは無いようだ。
後の「強くて頼りになる先輩」ではなく「本気でやばい人」だった初期赤石先輩なら、一号生筆頭のはずの伊達の逃亡を聞いて
「10日以内に伊達を連れ戻してこい。できなければ全員殺す」と言い出して本当に実行しても不思議ではなさそうなのがまたなんとも……。

また、当時の担当教官は何かにつけて伊達を嫌っていたようで、
塾長もこの件に関しては伊達に同情的であり、教官の事を「チンケな野郎」「奴も教官としては向いていなかった」と酷評している。

*3
この時の伊達の行動は伊達らしく無い部分や非合理的な部分が多く、
  • 本来は真の男であるのに、好んでもいないチンピラ共の大将に収まる。
  • 勢力圏を広げる事に興味があるようには見えないのに勢力拡大をやっている。
  • 表には出さないが仲間想いの強い人物であるはずなのに、負けて帰ってきた森田をその場で殺している。
  • 男塾から三年間逃亡していたのにわざわざ攻め込んでくる。
    • しかも、男塾を制圧するために避けては通れない壁となる邪鬼に勝てない事を知っていながら。
      後述のルールの隙を突いて邪鬼と直接戦わずに勝つ目算だったのだろうか……?
      しかし、それもやはり伊達らしく無い発想である。
  • 不良学生の集団に過ぎない豪学連に、何故か中国拳法の達人が三名いる。
    • しかも『暁!!男塾』の説明を見る限り確実に中国人で、日本の不良学生の集団である豪学連と全く接点が無いという、伊達共々あまりにも浮いた存在。
  • 初登場時が月光にしか見えんハゲだった。ついでに本作一の美形扱いのはずの飛燕までもが他二人と同様のハゲだった。
+ 黒歴史である!!
※伊達臣人
※雷電、飛燕、月光
……まあ、所謂全身黒タイツ状態なのであろう。

等と大量の矛盾が生じている。
なんでこんな事を始めたのか良く分からず、これでは塾長が苦言を呈するのも無理はない。ミヤレが何も考えて無いから
そのため、男塾出奔から豪学連総長に収まるまでに何があったのか、外伝で詳細が語られる事に期待されたのだが全くの空振りに終わった。

*4
この時、ページ冒頭の台詞を叩き付けられたのが死天王・羅刹で、彼は槍が得意な伊達が素手で戦っても及ばず、
煙幕を炊いて闇の中で戦えば伊達にさらに上を行かれ、虎丸を人質に取ろうとしたら先手を打って別の場所に移動されていて……と、
最後に潔く負けを認めて自害した(がこの漫画なので無論生きていた)事の他はまるでいい所が無い悲惨な扱いだった。
だが、後の「天挑五輪大武會」では死天王の一人として存分に強さも男気も見せ、頼れる先輩の一人である事を証明した。
正にあの台詞の通り、羅刹が弱いのでは無く、伊達が強すぎるのである。

また、完全に為す術無く完敗した男爵ディーノが味方として出陣する際には、伊達は「この俺を手こずらせたほどの男だ」と、
一発で分かる苦しい嘘までついて先輩の顔を立ててやっている(それでもこの表現が精一杯だったのが二人の実力差を物語っている……)。
敵に対しては情け容赦の無い毒舌をぶつける伊達も、味方に対しては礼節を忘れない人物なのだ。
が、そのディーノがまた惨敗したために顔を立ててやった伊達のメンツが潰され、その敵にもっと酷い嫌がらせのような仕打ちをしている。
敵に対しては容赦無い男だ。

ディーノもディーノで本気を出せば弱くはないのだが、その実力を披露したのは上記のエピソードからかなり時間が経過した後のことだった。

*5
塾長の宿敵・藤堂兵衛はこの時の伊達の戦いぶりに惚れ込み、彼こそ地上最強の男と見なして伊達のクローンを作って配下としている。
どう見ても邪鬼先輩の方が強そうなんだが…奴の目は節穴だったのか?

*6
このため「邪鬼に勝てないくせに男塾に攻め込んでどうするつもりだったんだよ?」と読者から突っ込まれているが、
桃達でさえ大威震八連制編まで邪鬼の事を知らなかったので
(三号生の存在は「奴隷の一号生、鬼の二号生、閻魔の三号生」と噂だけは知っているが、それ以上の事は全く知らなかった)、
当時は邪鬼や三号生の事を詳しく知らなかっただけかもしれない。
さらに、男塾を制圧するとなると、邪鬼でさえ手も足も出ない塾長をどうにかしないといけないのだが……。
塾生では無いから豪学連的にはノーカンだったのだろうか?
(男塾は塾生に自治を任せる気風の強い体制で、直接対決では塾長に及ばぬ邪鬼が十年以上支配体制を持っていたので、
 豪学連の傘下にと言うのも同様の状態に置くだけのつもりだったのかも)

なおこの発言をした時は、伊達は一号生側が二勝を挙げた時点で選手交代を申し出て第三戦に出場して三連勝を決めている。
第四戦で邪鬼に勝てなくとも三勝一敗で勝つ目算だったのだろう。
大威震八連制覇は「一人が勝ってもチームが負ければその八人には死が待つのみ」とされており、邪鬼を避けて勝つのは伊達にできる唯一の勝算だった。
……が、第四戦で突如塾長が「ここで負けた側は全滅する」という決闘法を持ち出してルールを変えてしまったため、伊達の計画は潰れ、
桃は直接対決で邪鬼に勝たねばならなくなった。


最終更新:2022年05月29日 21:11