デッドダンス


「正義のために、土となれ!」

『デッド・ダンス』(DEAD DANCE) とは、1993年3月26日にジャレコが発売したSFC用対戦格闘ゲーム。
海外では "Tuff E Nuff" というタイトルで発売されている。

概要

終末戦争後の200X年を舞台にした、世紀末感溢れるSFテイストを持った格闘ゲーム。
4人の主人公キャラを使い、荒廃した世界を支配する格闘神ジャドーを倒すというもの。
というか自らを格闘神と名乗るとは・・・・すごい漢だ。

ストリートファイターII』が流行した時代のいかにも「格闘ブームに乗っかりました」感が漂うが、
一応は「力こそ正義」の世紀末チックな世界観で独自色を出している。
まともにやると中々敵が強く、特にジャドーの強さ(インチキ臭い技性能)に至っては、
カイザーナックル』のジェネラル並だと評する人もいる。
とはいえ戦闘自体は大味な上、敵も自分も投げハメ>その他の技という残念な部類のゲームである。
格ゲーとしてはともかく、雰囲気やセリフなどは妙に味があり、BGMは中々良い。
パッケージイラストにはプレイヤーキャラ4人が大きく描かれているのだが、やたらと濃い画風の上に、誰一人として似ていない

格闘ゲームの歴史においては必殺技コマンドが「→タメ↙ 」という奇抜さで名を残している。
なお、件の必殺技は主に防御的に使うはずの対空技である。一体どうやって使えと言うんだ……?
  1. 波動拳コマンドで飛び道具を出し、そのまま前に入れっぱなしで溜めを作る
  2. 敵が飛んで来ていたらしゃがみガード方向に入力
  3. ボタンを押して対空技を出す
という手順で波動昇龍っぽく出す、のか……?

MUGENでは、タイトルを含めて知名度はほとんど無いのだが
最終ボス「ジャドー」だけは、凶悪キャラの改変元として有名になっている。
※数種類おり、動画でよく見かけるCheap Boss Typeやjadoはどちらも改変キャラ

+ ストーリー

200X年 地上の全てを
巻き込んだ大戦が起きた

地は荒れはて
強き者しか生きることを
許されぬ時代の到来に
人びとは恐怖した…

そんなくるった時代は
自らを格闘神ジャドーと
名のる男を生み出した…
格闘神は、自らの力を
しめす巨大な塔を城に
地上の全てをにぎるべく
あらゆる都市、人びとを
支配していった

かつて、死の塔*1へと
むかった戦士もいたが
だれひとりとして
戻ってこなかった

人びとは、だれもが
あきらめかけていた

そしてまだ
気づいてはいなかった

荒野をさまよい
死の塔へとむかう
4人の戦士がいることを…

そしていま、あつき思いを
むねにひめた戦士たちの
伝説がはじまることを……

キャラクター

キャラクターは11人だが、ストーリーモード及び初期状態で使用できるのは4人。
翔とザジは格闘家、琴乃はくのいち、ヴォルツは外見がそのままプロレスラー。
なお、翔とザジは性能が同じコンパチキャラである。
  • 主人公キャラクター
  • CPU専用キャラ(裏技で使用可能)

システム

操作方法

SFCのコントローラーに合わせた4ボタン式で、弱パンチ・強パンチ・弱キック・強キックに割り振られている。
必殺技は全キャラクターが3種類ずつ持っている。超必殺技は無い。
メインの4人全員が溜め技持ちという平等意識の強いコマンド振りで、特に主人公翔の前溜めコマンドが異彩を放つ。
また、4人とも実戦で使える空中投げを持つ。

ガード硬直は対戦格闘ゲームとしてはかなり長めで、そのせいで敵が度々当て投げでハメてくる
ただしこれはプレイヤーもCPU相手に可能な戦法である。

ゲームモード

ストーリーモード、CPU対戦モード、2P対戦モードがある。

ストーリーモード

主人公4人から一人を選び、ストーリーに沿って勝ち抜いていくモード。
各対戦の前に「愛ゆえに」「静寂の暗殺者」などの漫画調のサブタイトルが表示される。
また、先に進むごとに必殺技(の見た目が少しだけ)パワーアップする。
敵に負けると復活の呪文という名のパスワードが表示され、再スタートが可能。

リプレイ機能

当時としては先進的な試みとしてフィニッシュシーンのリプレイ機能が実装されており、
勝利後にトドメを刺したシーンを再現して鑑賞できる。早送り・巻き戻し・コマ送りも可能。

裏技

ストーリーモードかCPU対戦モードで対戦中にポーズをかけ、
1コンと2コンのセレクトを同時に押すと爆発音がして2コンで敵キャラを操作できる。


MUGENにおけるデッド・ダンス

海外の制作者によりCPUキャラも含めて全キャラが作られている。
ただし、翔(とザジ)の前タメコマンドはあまりに奇抜すぎたためか、残念ながら使いやすいコマンドに変更されている。
また、投げキャラのヴォルツは、マッスルボマー軍団でお馴染みのですからー氏も製作しており、
対戦前の字幕などの原作再現やAIも充実。プロレス関係のトーナメントに顔を出している。
さらに、ですからー氏のガジェットも製作されたが、残念なことにキャラ公開後にプロレス系の大会が開催されていない。
十分な能力があるだけに、今後に期待したい。

キャラだけではなく全キャラの専用ステージもJAM氏によって製作されており、かなり恵まれている作品と言える。


*1
取扱説明書では「デスタワー」と表記されている。


最終更新:2024年04月02日 18:16