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ジョイメカファイト


『ジョイメカファイト』とは、1993年5月21日に任天堂から発売されたファミコン用対戦格闘ゲーム。
2008年3月からWiiで、2013年9月にはニンテンドー3DSでもバーチャルコンソールで配信されている他、
Nintendo Switchの有料オンラインサービス「Nintendo Switch Online」で配信されているファミコンソフトのフリープレイアプリにも収録されている。



概要

  • あらすじ

あるところに、ロボットをつくらせたらせかい1の、しろひげのリトル・イーモン
くろひげのイワン・ワルナッチというふたりのハカセがおりました。
ふたりはとてもなかよしで、たすけあってたくさんのロボットをつくりだしました。


あるひ、イーモン・ハカセがケンキュウしつにいくと、
どうしたことか7たいあったロボットが1たいもみあたりません。
そればかりか、ロボットをつくるためのセッケイズやキカイがこわされ、
ワルナッチ・ハカセもそのひをさかいにいなくなってしまいました。


すうじつご、ワルナッチ・ハカセがテレビにでていました。
「しょくんにけいこくする わたしはさいきょうのロボぐんだんをひきいて
 せかいをせいふくする。ていこうすればようしゃはしない!」
すっかりワルになってしまったワルナッチ・ハカセをみて、イーモン・ハカセはたいへんかなしみました。


しばらくなやんだすえ、イーモン・ハカセはカンサイにしゅぎょうにでていた
オワライ・ロボのスカポンをよびもどし、せんとうようロボにかいぞうしました。
そうしてスカポンにいいました。
「ワルロボにかいぞうされた、なかまのロボは、
 わたしがかいぞうしなおして、もとのヨイロボにできるじゃろう。
 おまえは、つらいきもちをふりきって、なかまだったワルロボをたおすのじゃ!」
こうして、スカポンとワル・ロボぐんだんのしれつなたたかいが、はじまったのでした。

(FC版OPナレーションより)

イーモン博士の作った「イーロボ」とワルナッチ博士の「ワルロボ」が戦うロボット対戦格闘ゲーム。
任天堂からファミリーコンピュータ用カセットで発売された最後のオリジナルゲームソフトである。
既にハードはSFC全盛時であったにも拘らず、それと遜色無い滑らかな動きと完成度の高さから伝説となっている。

本作の最大の特徴はキャラクターの表示方法で、
キャラクターは全身を描くのではなく、頭部、胴体、手、足などを宙に浮いているように配置し*1
各パーツを一つのキャラとして動かすという荒業によりファミコンとは思えない滑らかでスピード感のある動きを実現した。
今でこそ「一枚絵のキャラをパーツ分けして滑らかに動かす」という技術はLive2DやSpineなどで一般的になったが、本作はその先駆けとも言える*2
キャラクターも人間ではなくロボットなのは体の部位がバラバラな事への違和感を無くすため。
この副産物により多脚型・一頭身・足無しと言った個性あるロボットの登場に繋がった。
また、データ量の節約にも繋がり、なんと合計36体のキャラクターを登場させている。

取り敢えず、実物を見てみる事をおすすめする。

家庭用機、かつスペック面での制約が多いFC向けのゲームという事もあってか、後述する通りシステムは格ゲーとしては当時基準でも簡素なものになっており、
基本的には複雑なコマンドやコンボの習得を必要としない、シンプルでとっつきやすいゲーム性に仕上がっている。
が、格ゲー黎明期の作品なのも手伝って対人戦のバランスについては非常に荒削り。
今やそうそうお目にかかれないような凄まじいキャラ性能格差や大量のハメ・永パが当たり前のように存在しており、
研究の進んだ現代のガチプレイヤー同士の対戦ともなるとワンチャンから10割消し飛ぶような展開も頻発する尖ったゲームに様変わりしてしまう。
それでも発売から現在に至るまで30年以上愛され続け、
未だにガチ勢による仕様やテクニックに関する新発見や大幅なキャラ評価の変動が絶えない事が、
単純なバランスによらないこのゲームの魅力を物語っていると言える。
その詳細とキャラランクはこちらを参照。

+ 開発などの話
実は任天堂他が主催した人材発掘セミナーの受講者(当時の日本電子専門学校の生徒)が制作した格闘ゲームを改良し製品化したのが本作で、
ファンから長らく移植を熱望されていたものの、権利の所在が不明という理由で見送られてきた。
しかし2007年になり、実は著作権譲渡契約そのものが曖昧なまま放置されていた事が判明。
更にセミナーの受講者が部屋の片付けをしていたらたまたま著作権譲渡契約の書類が発掘され、
それが任天堂側へ連絡された事により権利関係をクリアした上で、正式に任天堂からWiiコンソールで配信されたという数奇な運命のゲームである。

キャラクター

総勢36体だが、最終ステージの8体はイーロボの強化アレンジ版である。それらを差し引いても28種のロボットが存在する。
ワルロボはクエストモードをクリアする事で、対戦モードでも使用可能になる。
現在は全キャラ+@がMUGENに存在している。
  • ステージ1(イーロボ)
  • ステージ2
  • ステージ3
  • ステージ4

また、本編にはまったく登場しない没データとして存在していた2体のロボが存在。
道化師型のロボはyamabe氏がピエールとして、アフロン氏がクラウンとして、
ギガント風のロボットはyamabe氏がプロトタイプギガントとして、卵寒天氏がギガント・プロトタイプとして製作、公開している。
この他にも敵として登場した際のイーロボ達は悪堕ちの表現なのか色が反転し顔付きも凶悪になっていた。このバージョンのロボ達はまだ作られていない。

システム

キャラクターのライフバーは一律88POW。操作系は十字キー+2ボタン。シンプルながら対戦格闘に必要なシステムは揃っている。
ダッシュは無いが、画面自体それほど広くないので苦にはならない。
ファミコンの十字キーに配慮して必殺技コマンドにナナメ方向押しは必要ない(この関係で昇龍コマンドや波動コマンドは存在しない)。
短時間に連続攻撃等で大きなダメージを受けると一定時間操作不能になる気絶/スタンもある。
またこのゲームにはステージの壁が存在しないのでどこまでも前進・後退が可能なMUGEN回廊である。
共通操作(キャラが右向き時)
A=パンチ、B=キック、→+A=強パンチ、↓+B=足払い、接近時に←or→+A=投げ(無いキャラもいる)
空中でA=空中パンチ、空中でB=空中キック、←or↓=ガード(下ガードは若干姿勢が低くなるが上下段の区別は無い)

  • ジャンプ・ガード
ジャンプ中は←or→でわずかに空中制御が可能。
また、前進中にジャンプすると空中制御ができなくなる代わりに飛距離が大きく伸びる(「大ジャンプ」「ダッシュジャンプ」等と呼ばれる)。
空中ガードが存在しないので、ジャンプによる駆け引きはよりハイリターンハイリスクとなっている。

ガードには上段と下段の区別がなく、通常技はダメージ0、必殺技はヒット時の1/4の削りダメージが発生する仕様。
一部の技はガード時に多段で当たり判定が発生するため、ヒットするよりダメージが大きくなってしまう事がある
オールドの「アタックスリー」、シェンロンの「ヤケツクイキ」等が代表格)。
またガード硬直中にも投げられ判定が存在する
その上投げ技は一律1F発生のためいわゆる当て投げが非常に決まりやすい。
おまけに発生時に無敵時間まで存在するため、立ち回り上投げの存在は非常に重要。

近年になって発見された仕様として、着地後4Fの間は投げ・一部の必殺技・ガード以外の行動が不能になるというものがある。
このタイミングでは投げに失敗しても強パンチ等の通常技が暴発しなくなるため、
一部のキャラは相手をダウンさせた後の着地直後に「投げ→投げが通らない状況で通る技」と入力する事で自動二択を成立させる事が出来る。

技がガード不能となる条件はやや特殊。
一般的な格ゲーとは少し異なり、「相手の背後から当てた技」だけでなく「攻撃側が相手に背を向けて当てた技(≒めくり)」も、
相手の起き上がりに重ねる事でガー不にできる。
加えて起き上がりと同時に可能な行動は投げとガードのみであるため、
相手が投げられない状況(どちらかが地上にいない、あるいは無敵時間中)でこれを繰り返しダウンさせ続けると永パになる。

必殺技

すべてのロボットに独自の必殺技が4つずつ用意されており、デモモードで確認・練習ができる。
コマンドはやや変則的で、大半の飛び道具(一部例外あり)が波動コマンドではなく「↓タメ+攻撃ボタン」で出るなど、全体的に非常に簡素。
特殊技クラス(いずれかの方向キー+攻撃)のものと、「ボタン連打」「同時押し」「タメ」「(斜め要素を省いた)ヨガ・逆ヨガ」でほとんどの技が占められている
(これ以外の技も最大で方向キーを2回まで押す技しかないので簡単)。
斜め入力は2方向に同時入力を行った扱いになる(例えば左下への入力は←と↓への入力となる)ため、
これを利用してヨガ・逆ヨガ系のコマンド等を少し簡略化するというテクニックもある。
一方、同時押しコマンドについては対象のボタンを同一フレーム内に入力しないと受け付けられないため、慣れているプレイヤーでも失敗しやすい。
大半は1つの指で同時に入力できるAB同時押しのためまだなんとかなるが、
ごく一部には方向キーと攻撃ボタンの同時入力方向キー+ABボタンの3つ同時入力等を要求してくる技もあり、
これらは人間が実戦で安定して出すのは不可能に近い技と認識される事が多い。

なお、投げ技はコマンドこそ一般的な格ゲーの通常投げと同様(一部隠し派生としてコマンド投げも存在する)だが、
扱いとしては必殺技のため一部のキャラは投げを使えない。


対戦方式

一般的な対戦格闘ゲームのラウンド制とはやや異なり、『ヴァンパイアセイヴァー』のようなライフ制とでもいうべきものになっている。
初期状態では体力ゲージ(88POW)とハート2つを持ち、体力ゲージが無くなると「ダウン」(本作でのKO)して対戦が止まり、
ハートを消費して体力ゲージが最大まで回復したのち再開となる。その際、倒した側は体力ゲージが少し回復(16POW)する。
そして残りのハートが無い状態で体力ゲージがゼロになると敗北というスタイルになっている。
(つまり最大HPはおおよそ合計88×3=264POWに約16×2POWが加わった296POW)
両者ハート無し状態で「アイウチ」(ダブルKO)した場合は対戦のやり直しになる。

ゲームモード

クエストモード

スカポンを操作してワルロボと戦い、ワルナッチ博士の野望を阻止するストーリー主体のモード。
難易度はノーマルとハードがあり、ハードをクリアするとスペシャルが解禁される。
最初はスカポンしか使用できないが、ステージ1は7体のイーロボと戦う事になり
1体倒すごとに使用可能なイーロボが増えていく。それ以降はワルロボとの戦いになる。
各ステージで8体(ステージ1のみ7体)を倒すごとにボスとの対戦になる。
なお、対戦モードでは最初から8体のイーロボを選択できる。

対戦モード

COM対戦、2P対戦、COM同士の観戦の3つがある。イーロボ8体は最初から選択でき、同キャラ対戦も可能。
クエストモードをハードでクリアする事でボス以外のワルロボが使用できるようになり、
スペシャルでクリアすればボスも使用可能になる。

マニュアル(プラクティスモード)

キャラクター選択時に「マニュアル」を選択すると練習モードになる。
対戦格闘ゲームの歴史で初めて実装された練習モードであるとされている。
  • ソウサモード
対戦状態だが相手は攻撃してこない。各技のダメージ量が表示され、また、IIコントローラで敵を操作できる。
  • デモモード
必殺技の出し方の解説と操作デモを確認する事ができる。
画面にコントローラーが表示され、自分の入力を確認しながら必殺技の練習ができる。


MUGENにおけるジョイメカファイト

MUGENでは上述の通り全36体+2体が存在している。
代表的な製作者は
  • とけい(時の国・けい)氏
  • yamabe氏
  • たまご寒天氏
など。
たまご寒天氏のものは2014年8月頃のブログの閉鎖、
yamabe氏のものは2019年のYahoo!ジオシティーズ終了に伴いサイトが消滅したため、
現在ははいうぇい氏が代理公開している(非常に分かりづらい所にあるので「ジョイメカ」でサイト内を検索する事をお勧めする)。

その一目で分かる特徴的なキャラ造形に惹かれたのか、ジョイメカ風の手描きキャラも存在する。
更にはアフロン氏によって大幅に魔改造アレンジされたスカポン、ホノオ、サスケ、クラウン(ピエール)、ダチョーンが公開されている。
また、新MUGEN専用だが、伊吹川氏がガーボーグのステージBGM付属で公開中。


*1
キャラクターのボディはいずれも「頭、胴体、腕×2、脚×2、その他×2」で構成されている(スカポンなど、追加パーツが無いキャラもいる)。
そのため、チートでモーションを変更すると意外なパーツが意外な動きをする事も。

*2
実際は昔からある手法であり、本wikiに存在するキャラだと
ビッグモード(ステージ)時の平景清(源平討魔伝:1986年)や、ドプケラドプスR-TYPE:1987年)の尻尾、
等で使われていた
(関連キャラまで含めると『グラディウス』(1985年)の触手とか、『イース』(1987年)のムカデ型ボスとかも居る)。
まぁ格ゲーに限定したり、「速度を保つ為の手足が繋がっていない開き直ったデザイン」に限定したりすると、
本作が初と言えるかもしれないが
実際、FC版『源平討魔伝』がAC版とは完全に別物に成ったのは、FCの性能では「ビッグモードを再現できなかったから」とされている)。


最終更新:2026年07月24日 21:26