「俺は仮面ライダーガッチャード!ドデカい夢を追い求める、錬金術師さ!」
特撮テレビドラマ『仮面ライダーガッチャード』に登場する
仮面ライダー。
科学忍者隊ではない。
変身者は東京都内の高校「富良洲高校」に通う高校2年生にして、錬金アカデミー生の
一ノ瀬宝太郎(演:本島純政)。
元は
錬金術師業界とは無縁の一般人であったのだが、ある日ひょんな事からケミー「ホッパー1」と出会い、
スチームライナーによって異世界・ウロボロス界へと連れ去られ、
そこで知り合った錬金術師・九堂風雅から「仮面ライダー」に変身するためのベルト「ガッチャードライバー」を託されるが、
直後に敵幹部「冥黒の三姉妹」の強襲を受け、宝太郎を逃がして風雅は消滅。同時に全てのケミーが世界に解き放たれてしまう。
これ以降、宝太郎はガッチャードライバーとライドケミーカードを用いてガッチャードとなり、
仲間の錬金術師達と共に世界に散らばったケミーと仲間になったり、あるいは悪人に利用されるケミーを救い出すと共に、
ケミーが悪意を抱えた人間に取り込まれる事で生まれてしまった怪物「マルガム」や、ケミーを悪用せんとする冥黒の三姉妹及びその主・グリオンと戦う事になる。
好奇心旺盛且つ明るく前向きな性格で、自分に冷たい態度を取る他人や、先程までマルガムであった悪人であっても、
命の危険が迫った際には
身を呈して庇ったり必死に助けようとするお人好しな少年。
自分の心をワクワクさせる「
ガッチャ」を探しており、何かに成功すると「ガッチャ!」と叫ぶのが口癖。
錬金術師としては日が浅い上に錬金術師の家系でもなく、たまたま風雅からベルトを授けられただけで周囲と比較して錬金術の才能は無いが、
既存のルールに囚われない発想力や、初見のケミーの力も状況に合わせて使う高い判断力を備えており、
戦闘IQは高い。
公式の言葉を引用するなら、座学が他人よりも突出しているという意味で頭が良いのではなく、
AとBという2つしか選択肢しかないように見える状況でも一休さんのようにCという選択肢を作り出してしまう、という意味で機転が利くタイプと言える。
何より特筆すべきは令和ライダー最強と言われている
メンタルの強さで、
仲間の錆丸が敵の策略で仮面ライダードレッドに変身させられてしまう、恩師のミナトがある事情から敵側に付いてしまうなど、
数々の窮地に陥っても委縮したり迷う事はあれど、最後まで諦める事なくこれを打破していった。
家族には定食屋を営む母の珠美と、冒険家として海外を渡り歩いている消息不明の父親がいる。
なお、宝太郎も暇な時は定食屋の手伝いをしており料理は作れるがごく一部登場キャラを除いて味は不評。
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ネタバレ注意 |
実は錬金術師の界隈とは無関係な家系出身なのは事実だが、作中中盤にて宝太郎は実は本編より10年前にウロボロス界に迷い込んでしまい、
そこで出会ったケミー達と遊んでいた所でグリオン・風雅の戦いに巻き込まれ、その被害からケミー達を守るため果敢に身を呈して守ろうとし、
その姿を見ていた風雅に記憶を消去されたという過去があったと明らかにされた。
つまり、宝太郎本人は憶えていなかっただけで、1話以前からケミーと縁があったのである。
一応、風雅が記憶を消したのは錬金術師の掟もあったが、幼い一般人の子供がこれ以上戦いに巻き込まないようにするための配慮もあった。
ただし、なぜ一般人にすぎなかった幼い頃の宝太郎がウロボロス界に迷い込んでしまったのか、原因は劇中で最後まで明かされる事は無かった
(一応詳細な経緯を描いた場面は撮影されていたそうだが、カットされてしまったとの事)。
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『ガッチャード』作品概要及び解説 |
シリアス寄りな 前々作や 前作と比較して登場人物やケミーのキャラクター性から全体的にコメディチックで明るい作風となっており、
主役が高校生で主な舞台が高校の青春学園モノとしての側面も持っている。
一方で、基本的には暗い雰囲気を長引かせず短期で決着をつけるものの、曇らせや鬱展開など歴代ライダー作品らしいシリアス回もあり、
総評してバランスの取れた「子供でも大人でも楽しめる」特撮番組として原点回帰とも取れる作品になっている。
反面、敵組織の初期幹部が全員女性であったり、冥黒の三姉妹の筆頭格、つまり最高幹部であるアトロポスの見た目が小学生相当の少女だったり、
2号ライダーが(一見いかにも2号ライダー的キャラ付けのを出しておいて)実は初となる女性ライダーなど、挑戦的な試みも見られる。
特に、上記のアトロポスを演じた沖田絃乃女史は、年齢離れした演技もあってファンやスタッフから大きく評価された。
また、 基本的に敵側としての登場であった「疑似ライダー」が序盤から味方側として参戦している
(上述した2号ライダー的キャラ付けの人物。なおそちらも後追いで3号ライダーとなった)というのも珍しい特徴と言えるだろう。
加えて、ケミーの収集や交流も物語を通した見所の一つとなっている。
ケミーは個体ごとに多種多様な能力を持つ生きた錬金術とも呼べる人工生命体であり、ライダーの力の要でもあるのだが、
人の悪意と結合することで人間を媒介に本作の怪人枠である「マルガム」と化してしまう危険性もあり、
どちらも起源は同じだが使いようによって善にも悪にもなる表裏一体の関係にある、ライダー作品らしい力の根幹となっている。
なお、作品の展開上「ケミーを悪者にしない(対象年齢である子供たちに好かれるために)」という暗黙の了解があり、
元からケミーを悪用する冥黒の三姉妹だけでなく、マルガム化するのが必然な殆ど救いようのない悪党やクズな人間達も多数出る。
誰が呼んだか野生の犯罪者の出る町…というか終盤の展開から見るに住人の民度の平均レベル自体が低めである
シリアス回の後にギャグ回がやってくるパターンが多く、
TRICK回と言われるような因習村と怪しい霊能力者が登場する回もある。
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能力・形態
本作における仮面ライダーという存在は、
錬金術の全ての技術の結晶によって生まれた101体の人工生命体「ケミー」をドライバーを介して多重錬成した存在を指している(一部例外有り)。
ただし、変身するためにはカードに記載のレベルナンバー、及びそれを示すナンバーゲージの合計レベルが「10」になる相性の良いケミー同士の組み合わせ、
通称「ガッチャンコケミー」でなければならず、それ以外の組み合わせでは原則変身できない。
変身形態は多岐にわたる戦闘が可能な人型の「ライダーモード」、トリッキーな攻撃を仕掛けられる異形型の「ワイルドモード」がある。
元々は120年前に「三つ目の悪魔」という怪物と戦った「暁の錬金術師」という存在が最初にこの多重錬成を行ったとされているのだが……?
変身ポーズはライドケミーカードをドライバーにセットしてから正面に両手をかざして三角を象るものとなっている。
これは「万物を包みこみ混ぜ合わせる」という意味合いがあり、古代錬金術の儀式に似ているらしい。
ホッパー1とスチームライナーのライドケミーカードで変身するガッチャードの基本形態。
特徴的なゴーグルは「パンクライダゴーグル」と呼ばれ、ケミーの組み合わせ次第で異なる性能を発揮する性質があり、
スチームホッパーの物は特殊フィルタリング機能を備えており視界不良下でも難なく行動可能。
胸部に備えられた「パッションアタノール」という変換炉で、大気や水をはじめとする様々な錬金素材を燃焼させる事でエネルギーへと変換する。
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その他強化&派生形態 |
エクスガッチャリバーをガッチャードライバーに装着し、ケミーの中でも特に強力なレベルナンバー10のライドケミーカードを用いて変身する強化形態。
レベル10のケミーは本来支配できない・してはいけない存在とされているが、彼らが自主的に協力したため変身可能になった。
ユーフォーエックスを使った「クロスユーフォーエックス」、エックスレックスを使った「クロスエックスレックス」がある。
ガッチャーイグナイターをガッチャードライバーに装着し、2枚のライドケミーカードを用いて変身する強化形態。
レベルナンバー10のケミーの力を上乗せしているスーパーガッチャードとは異なり、
こちらはガッチャーイグナイターの効果でドライバーそのものの出力を向上させたタイプの形態。
胸部装甲が燃え盛る青い炎をイメージした超高温変換炉「ハイパッションアタノール」となり、
腕部には空気抵抗などの障害を炎に変えて加速性能を高める特殊装甲「ターボフレイムチャージャー」が追加され、
さらに背面に強化錬成炎を噴射するX字型の推進器「ファイヤードッカーン」が備わっており、これによって超加速能力を得ている。
スチームライナー以外のケミーをグリオンに強奪された宝太郎が、
唯一残っていたスチームライナーを古代から伝わる禁断の錬金術を用いた再錬成で変化させた「テンライナー」のカードを用いて変身する形態。
単一のケミーと融合して実現している本形態は仕組みとしては仮面ライダーよりもマルガムに近く、
それでも仮面ライダーとして成立しているのは宝太郎の悪意の無さ、そしてケミーとの絆の強さでマルガム化する事無く制御に成功している。
スペックはファイヤーガッチャードも凌ぎ、ケミーの中で最高峰のテンライナーの硬さも相まって高い耐久性を持つが、
禁術の類なのでテンライナー及び変身者の負担が大きいというデメリットがある。
なるべくなら使わないに越した事は無い形態ではあるのだが、その後もホッパー1が不在であったり、
単発火力が求められる場面では本形態が使用される事態も複数回あった。
ホッパー1が上記のテンライナーと同じ理屈で再錬成された「クロスホッパー」とテンライナーのケミーカードを装填し、
召喚されたテンライナーとクロスホッパーをガッチャードライバーにセットして変身した姿。
テンライナーにクロスホッパーが加わる事でアイアンガッチャードの欠点である装着者の負担も軽減されており、
胸の変換路である「プラチナパッションアタノール」により絶える事の無い変身者の内なる感情を触媒として、
万物から莫大なエネルギーを安定的に錬成し、長時間の変身維持が可能となっている。
腕の「ユニゾンホッパリングラッシャー」や脚の「ユニゾンホッパリングプレッシャー」には、
ドライバーに装填されたケミーカードの力を加えた混合ベクトルにより様々な方向に強化する「ユニゾン」の錬成能力を使用する機能があり、
これにより、形態変化を介さずともプラチナガッチャードの姿のままケミーの力を自由自在に借りる事が可能になっている。
スペックこそ後述の最強形態に及ばないが、それでもユニゾンによる多彩な対応力から下手をすれば他ライダー作品の最終形態に匹敵するレベルで強く、
実際に異世界からの侵略者ハンドレッドの複製品でオリジナルに及ばないとはいえかなり近しい次元で戦闘能力を再現されていた、
歴代ライダー作品屈指の難敵である仮面ライダーエターナルと仮面ライダーアークワンすらも撃破しており、終盤まで出番に恵まれ続けた。
劇中で黒星を付けられたのはグリオンが変身した仮面ライダードラド及び仮面ライダーエルドだけで(いずれもラスボス級)、
集団戦も多かったとはいえ中間形態の中でも相当高い戦績を誇っている。
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番外(中盤及び劇場版ネタバレ注意) |
第16話より登場した宝太郎が変身するガッチャードとは別の「暁色のガッチャード」。
当時の宝太郎を凌ぐ実力を持ち、やたらグリオンに詳しい言動を見せていた。
その正体は、本編とは異なる未来の世界からやって来た一ノ瀬宝太郎その人である。
5年後の世界ではグリオンが世界を掌握し、「ケミーも人も滅びる運命を辿る」と語るほど世界は絶望的な状況に追い込まれ、
この現状を打破すべくタイムロードの力を借りて過去の世界に飛び、
本編時点の宝太郎にガッチャーイグナイターを渡そうとしていたのが、彼が現れた真相だった。
しかし、「現在」の宝太郎は自分の力で未来を切り開く事を選択。タイムロードの力も借りつつ、
自らの錬金術によってデイブレイク のそれとは別に自分でガッチャーイグナイターを錬成、
デイブレイクではなく新たな姿のファイヤーガッチャードへと進化したため、本編の世界線はデイブレイク のそれとは別の世界線に分岐した
(デイブレイクの世界線がタイムパラドックスで変化するわけではなく、未来の宝太郎もそれは承知していた)。
劇場版『ザ・フューチャー・デイブレイク』は彼の未来が舞台になっている。
未来の宝太郎はBREAKERZとしても知られるDAIGO氏が演じている。
余談だがDAIGO氏は『ウルトラマンサーガ』にて ウルトラマンゼロと一体化したタイガ・ノゾムを演じており、
やや変則的な形ではあるが、ウルトラマンと仮面ライダーを演じた役者の1人となった
(ついでに言えば『ガッチャード』のメインライターの1人は『サーガ』の脚本も手掛けた長谷川圭一氏だったりする)。
また、前述の通り本編ではシリアスなキャラクターである一方、名前が「ガチデブ」と略せたり、
放映と同時期にDAIGO氏がGACKT氏のパートナーとして参戦した『芸能人格付けチェック』では解答を全て外した末に最終問題で「絶対アカン」を選んでしまい、
自身のみならずGACKT氏を初めて「映す価値なし」にさせてしまったため、ファンの間ではネタにされがちである。
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CHEMY×STORY=ケミーとの物語が生むケミストリー |
101体目のケミーにしてガッチャードライバーの素材であるのと同時に、冥黒王の力の源でもあった賢者の石の破片でもある、
特別なケミー「ニジゴン」のライドケミーカード(とユニットに変形したニジゴン)をセットして変身する最強形態。
シンプルな形態が多かった令和ライダーの最強形態には珍しく、虹色の派手な外見が特徴。
パンチ力82トン、キック力100トンという アルティメットクウガ級のスペックに加えて、錬金術の分解の力を攻撃に転用してあらゆる物質を破壊できる。
また、肩にある「レインボーベクトショルダー」はニジゴンの卵の殻と同じ特殊金属「オリカルカム」で構成されており、
外的錬成を完全に拒絶しあらゆる攻撃を退ける強度を誇る。
その頑強さは(仲間を庇うために防戦一方になっていたとはいえ)冥黒王3人とゴーレムの同時攻撃を受けても変身解除したのみで、
変身者の宝太郎には目立った外傷が無かったほど。
特筆すべき点としてニジゴンの仲間のケミーを回復させる能力「レインボーブレス」を源とする「虹の力」を備え、
この力により一度変貌されるとケミーごと絶命させて倒すしかなかった冥黒マルガムに対しても、ケミーを救出しつつマルガムのみを倒す事や、
悪意にも染まらずマルガム化しない「レインボーケミー」に強化する事が可能になっている。
また、ドライバーにカードを装填して上記の能力でレインボー化した他のケミーを召喚できる他、装填したカードがガッチャンコケミーの場合、
カードに対応したガッチャードの分身体を人間を介する事無くケミーのみで呼び出す「ガッチャーブラザーズ」という能力も持つ。
ただし101体のケミーが1体でも欠ければブラザーズ召喚は使用できない(ガッチャードの仲間が所持している場合は問題無し)。
腕や脚は1秒間で約7回の錬成を継続的に行う事でその組成や形状などを常時変化させている他、
脚の「ガッチャブーツ」は飛行や潜航といった推進系特殊機能を錬成する事で深海から宇宙まで、あらゆる場所を活動範囲にでき、
腕の「ガッチャグローブ」はあらゆる物質を自在に変化させる錬金術を行使できるようにする機能があり、
上記の通り打撃の瞬間にあらゆる物質を分解して破壊したり対象を再錬成する事を可能にしている。
これらにより宝太郎の意思で触れれば基本的にどんな物体でも再錬成可能で、
この形態覚醒と同時期に宝太郎が「錬金術は料理と同じ」というイメージでコツを掴んだ事で、
劇中では地面を液状化して一時的に地下を伝って高速移動、触れた柱から触手を生やす様にして自在に操作した攻撃、
受け止めた敵の武器攻撃を巨大な剣に再錬成して逆に自分の攻撃に利用するなど、周囲の物質を自由自在に操作・錬成して戦闘に利用できる。
仮面ライダーエルドとの最終決戦でガッチャードライバーを破壊され、身体を黄金に変えられながらもなお折れなかった宝太郎が、
ケミーの力を借りる事無く己の錬金術で錬成した新たなガッチャードライバーを用いて、
101体の全てのケミーの力を内包した「超多重錬成」によって変身した姿。
外見はスチームホッパーと全く同じ外見だが、ドライバーがデイブレイクが使用するガッチャードライバーと同一なのが相違点。
パンチ力101.1t、キック力101.1t、ジャンプ力ひと跳び101.1mと 「101」が目白押しのスペックになっている他、
全てのケミーの力とそれを制御する宝太郎の錬金術により、ケミーの新天地となる「新たな地球」を錬成してしまうという、
魔王や神レベルの歴代ライダーシリーズの中でも最大級のスケールの所業をやってのけている。
デイブレイクとドライバーが同じ事から、『ザ・フューチャー・デイブレイク』でも語られていない行間の出来事を考察する材料にもなっている。
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MUGENにおける仮面ライダーガッチャード
qzak氏より作られたキャラが仮面ライダー製作Wikiにて公開されている。
最新版は2025年4月公開のキャラで、ななび氏により
超必殺技や
AIが追加されている。
操作方法は4ボタン形式で、
必殺技ではユーフォーエックスやエックスレックスのフォームで攻撃する。
超必殺技は1ゲージ消費の「スチームホッパーフィーバー」。
出場大会
最終更新:2025年05月15日 02:16