魔素液化触媒

[解説]
新人類解放軍による開発当初は魔素液化触媒という名称であったが、科学排斥運動の流れの中でアルカディア帝国およびカーライル王朝・聖王国ではその名称が変化しており、聖華暦800年現在では、帝国では「錬金水」、聖王国では「聖油」、自由都市同盟では唯一、当時の名称のままの「魔素液化触媒」と呼ばれている。
錬金術の手法を用いて合成された溶剤であり、先にも少し触れたように旧大戦時初期に新人類解放軍によって開発されたものである。
この溶剤の発明により、魔素を液体状にして保管できるようになったことは、魔導工学の急速な発展をもたらしており、ある意味では魔導炉に用いられるライフ・ソングの発明と並んで幻装兵ひいては、現行の機兵開発のきっかけとなる重要な発明だったと言えるだろう。
この溶剤の発明により、魔素を液体状にして保管できるようになったことは、魔導工学の急速な発展をもたらしており、ある意味では魔導炉に用いられるライフ・ソングの発明と並んで幻装兵ひいては、現行の機兵開発のきっかけとなる重要な発明だったと言えるだろう。
その後、聖華暦200年代には、その他の多くの技術と同じく、この頃に起きた大規模な科学排斥運動にさらされることとなるが、技術の大元が錬金術であったこと、そして、魔導炉や転換炉、魔力収縮筋などと並び機兵を構成する最重要の部品たる黒血油の材料であったことなどの理由により、その製法そのものは失われず、機械的な技術を用いた高度なフィルターによる濾過過程など一部工程を除く形で製造され続けることになる。
もっとも、本質的に見れば魔導工学や錬金術は間違いなく自然科学に類する科学技術の一分野でしかないはずであり、ある意味でこれは、科学排斥運動が非常に恣意的であったことの一つの証明に他ならないのかもしれない。
閑話休題。
この科学技排斥運動の後、魔素液化触媒は、帝国では「錬金水」、聖王国では「聖油」とそれぞれに名を変えつつも、利用され続けることにはなったのだが、高度なフィルターによる濾過過程などが省かれた影響により、ここからしばらくの間、その品質は旧大戦時よりも大きく劣る事となった。
具体的には、取り除けなかった不純物の影響で、同量の液中に溶かすことのできる物質、および魔素の量が大きく低下していたのだ。
具体的には、取り除けなかった不純物の影響で、同量の液中に溶かすことのできる物質、および魔素の量が大きく低下していたのだ。
聖華暦300年代初頭、帝国はその優れた錬金術を用いて不純物を効率的に除去する手法の開発に成功したのだ。
これにより、一時は帝国、聖王国間で黒血油、液体エーテルの性能差が生まれることとなった。
なお、あくまで一説ではあるが、この魔素液化触媒の新式製法により黒血油ひいては機兵の基礎性能が向上したことが、帝国を北進征伐に踏み切らせた一因だったのではないかと指摘する歴史学者も存在している。
これにより、一時は帝国、聖王国間で黒血油、液体エーテルの性能差が生まれることとなった。
なお、あくまで一説ではあるが、この魔素液化触媒の新式製法により黒血油ひいては機兵の基礎性能が向上したことが、帝国を北進征伐に踏み切らせた一因だったのではないかと指摘する歴史学者も存在している。
この新式製法は、この後およそ100年にわたり、帝国が独占することとなるが、聖華暦400年代中期、人魔大戦の激化をきっかけとする帝国、聖王国間の関係改善により、その製法が聖王国にも伝えられることとなる。
加えて、魔族から逃れる形で北米大陸南部に逃れた人民の中にはこの新式製法を知る錬金術師も含まれていたため、のちに自由都市同盟となる地域でもこの製法が広まることとなった。
加えて、魔族から逃れる形で北米大陸南部に逃れた人民の中にはこの新式製法を知る錬金術師も含まれていたため、のちに自由都市同盟となる地域でもこの製法が広まることとなった。