Terragen 4では、.chanと.movファイルからモーションデータと
カメラデータをインポートする事が出来ます。.chanファイルはHoudiniとNukeからエクスポートでき、Mayaは.movファイルをエクスポート出来ます。多くの場合、.chanファイルをエクスポートできる他のアプリケーション用のプラグインやスクリプトも用意されています。"chan"は、このドキュメントの残りの部分では、.chanと.movファイルの両方を指すために使用されます。
TG4が推奨するchanファイル形式は、8チャネルのNuke .chanフォーマットです。これは、デフォルトのインポート設定で最適に機能するフォーマットです。このフォーマットの詳細については、以下の「chanファイルの書き込み」の項を参照して下さい。
アニメーションボタンからのインポート
chanファイルについて説明する前に、
アニメーションボタンのパラメータを使用してファイルからアニメーションデータをインポートする方法について説明します。アニメーションボタンのメニューには、"Import animation file..."というアイテムがあります。これを使ってchanファイルと同様の単純なテキストファイルからアニメーションデータをインポートする事が出来ますが、重要な点は、ファイルから読み取られる値は、chanファイルのようにHoudini座標空間ではなく、TG4座標空間でなければならない事です。
ファイルフォーマットは似ていますが、パラメータの種類に応じて、ファイルの各行から2~4個の値が読み取られます。最初の値はフレーム番号でなければなりません。値は空白(スペース)で区切る必要があります。
chanファイルのインポート
chanファイルからデータをインポートする方法はいくつかあります。
『Camera』ノード
『
Camera』
ノードには、最も設定可能なchanインポートオプションがあります。[Import]タブでは、chanファイルをインポートでき、位置と回転のデータ、およびカメラのビューデータをインポートするように選択できます。
『Camera』ノードには、chanファイルの解釈方法に関するいくつかのルールがあります。
ファイルの拡張子が.chanの場合
- ファイルの値は1行あたり7、8、10のいずれかでなければなりません。
- ファイルが1行あたり7つの値を持つ場合は、フレーム番号のないchanファイルとみなされます。この場合、ファイルの行番号がフレーム番号として使用されます。最初の6つの値は位置と回転データです。7番目の値は垂直方向の視野データです。
- ファイルが1行に8つの値を持つ場合、最初の値がフレーム番号となります。次の6つの値は位置と回転データです。8番目の値は垂直方向の視野データです。
- ファイルが1行に10個の値を持つ場合、最初の値はフレーム番号です。次の6つの値は位置と回転データです。8番目の値は焦点距離、9番目の値はアスペクト比、10番目の値は水平絞りのデータです。
ファイルの拡張子が.movの場合
- ファイルには、1行あたり6または7の値が必要です。
- ファイルの行番号がフレーム番号として使用されます。
- 最初の6つの値は、位置と回転のデータです。7つの値がある場合、7番目は垂直方向の視野データです。
『Camera』ノードには、カメラのビューデータをインポートするためのいくつかのオプションがあります。これらのオプションは、ビューデータの解釈方法に影響を与えます。
- Import vertical FOV: これがチェックされると、ファイルフォーマットに応じて、各行の7番目または8番目の値が垂直方向の視野として読み取られます。
- Import focal length: これがチェックされると、ファイルは1行当たり10個の値を持つ必要があります。8番目の値は焦点距離、9番目の値はアスペクト比、10番目の値は水平絞りとして読み取られます。
- Import focal length to FOV: これがチェックされると、"Import focal length"と同様に値が読み込まれますが、視野パラメータもアニメーション化されます。
- Do not import FOV: 視野データはファイルから読み込まれません。
『Camera』ノードを使用したchanファイルのインポートの詳細については、
Cameraノードの[Import]タブのドキュメントを参照して下さい。
他のノード
多くのノードには、chanファイルのインポートボタンがあります。例えば、『
TGO Reader』ノードの[Transform]タブに"Import chan file"ボタンがあります。このボタンは、chanファイルを読み込み、ファイルデータを使用して位置と回転のパラメータをアニメーション化します。それらのパラメータがどのようなものかは、ノードによって異なります。『TGO Reader』の場合、"Translate"パラメータはアニメーション化されますが、『
Lake』ノードの場合は"Center"パラメータが読み込まれます。一部のノードには、アニメーション化する回転パラメータがない場合があり、その場合は位置のみがアニメーション化されます。
各行から読み取られる最初の値はフレーム番号です。次の3つの値は位置の設定に使用され、次の3つの値は回転の設定に使用されます。1行に7つの値を設定する必要があります。
座標空間
オブジェクトの"Import chan file"ボタンや『Camera』のchanインポートからインポートされたモーションデータの場合、データはHoudini座標空間にあると想定しています。インポート時にTG4座標空間に変換されます。Houdini座標空間とTG4の比較は以下のようになります:
- X(TG4と同じ)
- Y(上、TG4と同じ)
- Z(画面外、TG4とは反対/対角)
- X回転(上向きにピッチ、TG4と同じ)
- Y回転(注1反時計回り方向、TG4とは反対/対角)
- Z回転(左に傾斜、TG4とは反対/対角)
注1地図上の向きとして見た場合は反時計回りですが、正のY軸に沿って見ると実際には時計回りです。
chanファイルの書き込み
chanファイルは単純なテキスト形式です。基本的には、1行ごとに複数の数値で構成され、各数値はスペースで区切られています。インポート時に値がどのように解釈されるかは、ファイルのインポート方法によって多少異なります。chanファイルは、スクリプトやスプレッドシートなどからアニメーションデータを作成したい場合は簡単に生成する事が出来ます。
『Camera』ノードで使用するchanファイルを生成する場合は、8チャネルのNuke.chanバリアントを使用する事をお勧めします。このフォーマットでは、1行に8つの値があり、以下のような順序になっています:
- フレーム番号
- X
- Y
- Z
- Rotate X
- Rotate Y
- Rotate Z
- Vertical FOV
各値はスペースで区切られています。
オブジェクトなどをアニメーション化するために"Import chan file"ボタンを使用してchanファイルを生成する場合は、1行あたり7つの値が必要です。これらは、上記の最初の7つの値と同じです。
データはHoudini座標系であることが想定されており、インポート時にTG4座標系に変換される事に注意して下さい。詳細については、上記の座標空間の項を参照して下さい。
最終更新:2020年04月28日 00:13