Sky Paintノードのサポート
Terragenは、以前からTerragen Sky Early Accessからエクスポートされたプロジェクトファイルやクリップファイルを読み込むことができました。さらに、最近Terragen Skyに導入された新しい『Sky Paint』ツールで作成されたノードにも対応しています。つまり、Terragen Skyで雲を描画、削除、操作する事が出来ます。プロジェクトやクリップファイルをエクスポートし、Terragenに直接読み込んで、さらに微調整や
レンダリングを行う事が出来ます。
ノードネットワークに新しい色が追加されました!『Sky Paint』のノードは紫色で表示されます。
スレッド処理の改善
レンダリングごとにハードコード(データや設定値をプログラムのコード内に直接書き込むこと)されていた最大64スレッドが削除されました。これにより、Windows 11、Windows Server 2022、Linux、および64コア以上を搭載したMacで、64コア/ハイパースレッドを利用できるようになりました。古いバージョンのWindowsではメリットがない可能性があります。
『Render』ノードの[Advanced]タブに"Limit threads"チェックボックスがあり、デフォルトではオフになっていますが、必要に応じて再度有効にする事が出来ます。"Maximum threads"パラメータはデフォルトでは無視され、アプリの起動時に検出されるコア数やハイパースレッディングなど、他の要因によってスレッド化が決定されます。これは【Edit】->「Preferences」で上書きするか、コマンドライン引数を使用します。コマンドラインのスレッド引数が使用された場合は、常に優先されます。
スティッキーワールド空間
『Transform Input Shader』と 『Transform Merge Shader』に新しいオプション"Use sticky world space"が追加されました。これにより、シェーダはMDDやメッシュディスプレイサーを持つオブジェクトに対してワールド空間で動作し、オブジェクトが変形してもテクスチャがスライドする事がなくなります。
変形する風船のサーフェスに、"Use sticky world space"を適用しないと、オブジェクトがテクスチャの中を滑っているように見えます。
風船のサーフェスに"Use sticky world space"を適用すると、オブジェクトが変形するときにテクスチャが表面に張り付きます。
『Distance Shader』には、"World space"、"Sticky world space"、"Undisplaced space"、"Terrain or Texture space (warpable and transformable)"などの「Coord space(座標空間)」オプションがあります。
ハイトフィールドのエクスポート
ハイトフィールドは、UnityやUnreal Engineと互換性のある16ビットTIFFおよび16ビット「RAW」ファイルにエクスポートする事が出来ます。無料の非商用版では、最大1025x1025の頂点(ピクセル)の解像度をエクスポートする事が出来ます。CreativeおよびProfessional版では、最大32768x32768までエクスポートする事が出来ます。全体で、Terragen 4.8では、メッシュエクスポート機能に加えて、TER(すべてのスケーリング情報を保持)、EXR(メートル単位の絶対高さを保持する32ビット浮動小数点)、TIFF(16ビット符号なしショート)、RAW(16ビット符号なしショート)にハイトフィールドをエクスポートする事が出来ます。
Heightfield Erode V3
このオペレータの外観が新しくなりました。GUIが更新され、パラメータが"Weight(重量)"と"Character(特徴)"のグループに分けられました。
さらに重要なのは、このオペレータに"Multi-threading"オプションが追加されたことです。これにより、浸食の計算速度が大幅に向上しましたが、実行するたびに結果が若干異なる場合があります。一貫したレンダリングを行うには、浸食結果をTERファイルに保存し、それを読み込む事をお勧めします。下位互換性のために、"Multi-threading"を無効にしたシングルスレッドオプションも引き続き使用可能です。
バグを修正し、以前のビルドから保存されたTerragenプロジェクトファイルとの後方互換性を可能にするために、"Fix gradient bug(グラデーションバグを修正)"というラベルの新しいチェックボックスがあります。
ハイトフィールドの境界での浸食の流れが、"Border flow"の設定にあるオプションを考慮できるようになりました。計算は、境界で"Stop(停止)"するか、"Continue off map(マップ外で続行)"するか、"Go around to opposite side(反対側に回り込む)"ことが出来ます。旧バージョンのTerragenは後者のオプションを使用していたため、このバージョンは完全な後方互換性があります。
ユーザーインターフェースの更新
3DプレビューのRTPシャドウは、『Light sources』と『Render』ノードのシャドウキャスティング設定に従います。
シャドウ キャスティングのオプションの効果がRTPに反映されるようになりました!
クロップ領域(ROI)を表すために3Dプレビューで描かれる矩形とハンドルの色は、【Edit】->「Preferences」で変更する事が出来ます。
雲
雲レイヤーを含むシーン、特にレイヤー数が多いシーンの操作速度が向上しました。別の雲レイヤーや大気が変更された時に、一部のキャッシュが不必要に無効され、ボクセルバッファが再計算されるというバグがありました。
オブジェクト
オブジェクトにメッシュディスプレイサーが接続されている場合、オブジェクトはフレームごとに再生成されるので、アニメーション変形が使いやすくなります。
レンダリング
"-renderlayer"コマンドラインオプションが追加されました。これにより、プロジェクト内でレンダーレイヤーがレンダーノードに接続されているかどうかに関係なく、コマンドラインから任意のレンダーレイヤーをレンダリングされるレンダーノードに割り当てる事が出来ます。
"-renderlayer"コマンドを使用すると、「Enviro」または「Ship-Shadow」レンダーレイヤーを、コマンドラインレンダリング用の「Rndr-Bty」レンダーノードに割り当てる事が出来ます。
ピクセルディザリングは、16ビットTIFF保存時に8ビットフォーマットと同様に適用されますが、ディザ量は適切に小さくなります。これは、レンダリングの保存とハイトフィールドのエクスポートに適用されます。
レンダラーにはいくつかの小さな最適化が施されています。
バグ修正
『Heightfield Shader』の補間モードが"Linear"に設定され、ハイトフィールド演算子がその入力ノードに補間を委譲しているという稀な状況で発生するバグを修正しました。例えば、侵食ノードがまだ何も計算していない場合などです。このバグは、想定される線形補間ではなく、滑らかな補間を使用していました。
Linuxのレンダーノードには、"libpng12"が同梱されていますが、これは一部のシステムでこの依存関係が欠落していたためです。
カスタム要素をカスタム要素内に組み込みできるように、XMLファイルリーダーにいくつかの変更を加えました。カスタム要素は一部のノードでデータをカプセル化するために使用されます。
未登録/不明なクラスであるために作成できなかったノードにカスタム データが存在する場合の XML ファイル リーダーのバグを修正しました。以前のオブジェクトが誤って呼び出されてカスタム データを処理する可能性があります。これは、2 つのクラスの両方が同じ要素またはコンテンツを処理しようとすると問題になります。
XMLファイルリーダーで、未登録/未知のクラスであるために作成できなかったノードにカスタムデータが存在する場合のバグを修正しました。カスタム・データを処理するために、以前のオブジェクトが誤って呼び出される可能性がありました。これは、2つのクラスが両方とも同じ要素やコンテンツを処理しようとする場合に問題となります。
プラグインAPIの追加
新しい関数 trRenderingInterface::NumThreads。これは、OnAddToRenderでマルチスレッド処理を行うプラグインに便利です。
新しい関数 trClassPool::AddClassNameRedirect。これは、クラス名を変更して古いファイルを引き続きサポートする場合に便利です。
新しい関数 trBase::XMLFilters。どの子クラスをXMLファイルに書き出すかを制御するAPIへのアクセスを提供します。このAPIは将来拡張される可能性があります。
その他の機能
Windowsのみ: 一部のコンパイル設定が変更され、一部のシェーダとハイトフィールド演算子の速度が向上しました。
最終更新:2024年12月16日 23:56