宴は始まった
アパシー・シリーズ
概要
アパシー・シリーズとは「
鳴神学園」という高校を舞台に、そこから派生する物語の集合体(公式より引用)を指す。
飯島多紀哉の主催する「七転び八転がり/シャノン」が提供しており、現在までにゲーム・書籍と商業・同人の両面から多様な作品が送り出されている。
ただし定義として冒頭に「アパシー」という表記がされたタイトルに限られる。
なお『
学校であった怖い話(S)』を原作として展開される二次創作作品のみをシリーズとする見方も存在するが、実際の構成は複雑であり多様となる。
確かにシリーズの興りは『学怖』の世界観を活かしたい飯島氏の意思あってのものである。氏は『学怖』本体の版権こそ持たないが、登場するキャラやシナリオから派生する著作物については自由に創作する権限を持つ。
具体的には小説版、漫画やアニメ化などの二次的著作権である。
が、下記の経緯を辿るうちに『四八(仮)』の没シナリオから流用したプロットや『学怖』とは逆のコンセプト作品「探偵局」が加わっていく。
ただ、現在の中核になっているのは年代や舞台を再設定した「学怖」に他ならず、微妙に設定やゲストが入り交じっている状態でもあるのだが。
作品や年代を跨いだクロスオーバーやリンクを行うことを基本的な概念として置きつつ、
パラレル・ワールドを骨子と置いた作品群を一言で説明することは困難である。
版権すら飛び越えた試みすら行われている。
ぶっちゃけた話、カオスである。
最低限の定義のみ(後述)は公式からもされているが、各作品の関係をどう捉えるかはファンに一任されている。
たとえば『学怖(S)』を取ってもそれ自身はシリーズに含まれない一方、「探偵局」や「学怖1995」シリーズを『学怖(S)』の続編と考えるかは各々の考え方次第。
飯島氏も単純な押し付けでは同意を得られないと、あくまで放任している。
[あなたがそうだと思うものが○○○です。ただし、他人の同意を得られるとは限りません。]
語源
アパシー(Apathy)とはギリシャ語のアパテイア(Apatheia)という語に由来し、無気力・無感動な態度。またはその状態を指す。以下:大辞林より定義引用。
1.アパテイア
《パトスのない、の意》人間が情念や欲情に支配されないで超然として生きる状態。ストア学派は、この境地を生活の理想とし、哲学的訓練の目標とした。アパシー。
2.政治的無関心
転じて現代では主に「政治的無関心」として定義される。
選挙に行かない若者たちはこの例である。
3.心理学
感情鈍麻。普通なら感情が動かされる刺激対象に、何の反応も示さないこと。
学怖
氏は長年プロットを練っていた。
最初期の「アパシー」とは『学怖』の正式な続編とされたものである。
事実、旧パンドラボックス時代に『アパシーの宴』と言う『学怖(S)』の流れを汲んだ続編の企画が挙がったことがある。
また、氏は複数のゲームを内包して展開される巨大ゲーム構想としてアパシーというタイトルを想定しており、その発想を活かして制作されたのが『四八(仮)』である。
が、発想の異なるシナリオを一個にまとめようと言う試みには無理が生じた(他に原因はあろうが)のか、結果誕生したものは当初の構想とは相当外れたものであった。
その危惧は先のことであったが、現実に即したものであったことになる。
氏の活動としてはとりあえず出せるものから出す事が中心となっている。
七転び八転がり同人誌『センス・オブ・ワンダー』を掲載誌として『学怖』の続編である『アパシー 学校であった怖い話 2008』を発表するものの、あまり反響はなかった。ここに知名度の無い同人誌では厳しいと最初の危機を迎える。
『VNV』が想定外に売れた事実(
VNV参照)もあり、とりあえずは同人方面から旧学怖へのアプローチが行われることになる。
目指すは規制なしでしか出来ないシナリオ、かつてではできない試みである。
その一応の到達点として設定されたのが『完全版』である。
当初「最終版」として発表された同作品は『学怖S』を越えるシナリオと銘打ち、一般から大々的にシナリオを公募するなど大いに期待を集めた。
が、資金面の問題から延期を行われ、主催者飯島氏の病気療養によって一定の停滞を余儀なくされる。
一時は活動停止も視野に入る危機だった。
その間はファンディスク「学恋」シリーズや中編が幾つか発売され、一定盛り返すことに成功した。ただし「学恋」に関しては立て直しの立役者である一方、シリーズ内での立ち位置が案外微妙だったりする(後述)。
中途、『霊怪記』と言うタイトルも発表され、それの発売を受けて満を持しての『完全版』が発売されることが決定した。
両作品はシリーズの核心タイトルとして期待されつつも、ファンを非常にやきもきさせた人の悪すぎた経緯と言うことがわかる。
2010年3月現在に至っても中々情報は入らず、それ以外のタイトルにかまけているとユーザー達は悲喜こもごもの人間事情を繰り広げている。
今は一定の賛否両論を獲得した『特別編』の位置に視線が注がれている。
「七転び八転がり」を介しての飯島氏の活動は2011年の『最終版』をもっていったん打ち切られるが、2014年の『小学怖』で活動を再開し、ゲーム制作としては『新生』で娘の海凪氏という強力な理解者・演出/ディレクション担当者を得てから再始動。
その後、インディーズ市場に今まで以上に活発な制作活動を行っていくが、平行して商業向け作品の開発も株式会社メビウスとタッグを組む形で行われていった。
そちらは小品としてリリースされた『送り犬』の好評を受けて、『鳴神学園七不思議』が制作されヒットを記録した。
今後も過去作のレガシーを活かして活発な活動が期待されるところである。
合流
当初の想定から外れるに連れて、プロットの合流が行われるようになる。
『2008』で語られる予定だったシナリオが「学怖1995」に回された(しりとり小僧・鞠絵先生など)ことはその一例である。
ちなみに『2008』と言うプロット自体は潰えたわけではないようだが、今までのところそこへ収束していく様子は見られない。
シナリオ自体「探偵局」シリーズへ登場人物がゲスト出演している程度と、原点となるはずの小説の進行もストップしている(2010年3月現在)。
ちなみに
応援本では十数種あると言うプロットの内、九種がタイトルのみ公開されたが、これらの内幾つかが換骨奪胎され変わった形で描かれる可能性はある。
たとえばお馴染み「殺人クラブ」。
詳細不明なものの、
女性主人公版や
商業漫画などに最初期のプロットが使用されている可能性はある。
そもそも漫画『殺クラR』自体、プロローグが『AMC2』の一シナリオ、全体は『霊怪記』の一ルートから流用して色付けした物と言う特徴がある。
制作の裏話などがされない限り、推測の域は出ないもののプロットに関してはかなり柔軟に使用していることはわかる。
なに、気にすることはない
また、『四八』の納期、その他諸問題によってカットされた多量のシナリオが後にアパシー・シリーズの一つとしてゲーム化されることも行われた。
ただし、それら
送り犬・
レンタル家族共にそのままの形ではない。
また版権契約がバンプレストとの間でどのような形で為されたかは不明だが、
没シナリオの公開ですらある程度は認められているようだ。
飯島氏に寄る当時の裏話などもナナコロ版の攻略本に収録されることもある。
一方では同人誌として公開された
寄姫転生や触り部分が公開された
携帯の小夜子さんなどに一定のゲーム化要望がある模様である。
現状
元々売れ筋だった「学怖1995」系列の影が大きいこともあり、遅々として進まない他の公開プロットに苛立を隠せないファンの存在は否めない。
また、本編を抜きにして番外編ばかりが増殖している旨の批判もある。
複数のシナリオプロットが同時進行するという性質、飯島氏の癖のある発言などを考えれば
「タイトル・アパシー」だけを追っていけば、従来のファンからはあまり外れない一定の評価を得ている一方、絶賛にはどうも至らない。何か足りない。
金科玉条とも流言飛語とも及び付かない言葉が飛び交う現代では、無垢だったファンも無関心のままで作品ばかり楽しんではいられないのだろうか?
定義
つまりその定義は、冒頭通り
1.七転び八転がり/シャノンの著作物である。
2.「鳴神学園」を要素として含んだ作品である。
3.冒頭に「アパシー」という表記がされたタイトルである。
の三項目に尽きる。
そのためスタッフが同一人物であっても三点目の理由から「学恋」シリーズの位置づけはアパシー・シリーズと言うには微妙と言う事になる。
元々ファンディスクとしての側面が強く、従来の世界観からも外れているために準公式と言っても差し支えないだろう。
取り扱える最大範囲を採用すると言うこのwikiの性格上、外すことや明確に差別化することはないが、立ち位置としては"準"ずることを忘れるべきではない。
姉妹サークル「caramel candy」とその頒布物については全く論じない。
確かに彼のサークルは「学恋」の流れを受けて発足し、スタッフも重複している。
ただし、「鳴神学園」の名と登場人物を借りたのみの関係でシリーズとは無関係と明言されている上に上記の定義にも当てはまらない。
加えて18禁である。
無論、ここに記述したことが一般のファンの活動や定義を何ら束縛するわけではないが、各々自身でシリーズを理解する上での一助となれば幸いである。
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- 最近の活動について、もっと記述の強化をすべき項目ですね。なんというか、久しく更新が途切れていたから、古い情報が多いです。 -- 名無しさん (2024-06-18 10:59:19)
最終更新:2024年06月18日 10:59