斎藤一(るろうに剣心)

「斎藤一(るろうに剣心)」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

斎藤一(るろうに剣心) - (2020/01/12 (日) 21:29:07) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/02/06(土) 00:17:04
更新日:2024/04/05 Fri 20:07:53
所要時間:約 11 分で読めます






悪 ・ 即 ・ 斬

これが
新選組と人斬り(お れ た ち)
唯一共有した真の正義だったはず


漫画『るろうに剣心』の登場人物。


●目次


【プロフィール】

生年月日:天保15年1月1日生
血液型:O型
年齢:初登場時は34歳設定
身長:183cm
体重:71kg
CV:鈴置洋孝成田剣(新京都編) 
演:江口洋介(実写映画版)、彩風咲奈(宝塚版)
*1

【概要】

新選組の三番隊組長。
壬生の狼とも呼ばれ、剣心とは幕末からの宿敵関係で、剣心が唯一決着を付ける事に拘った人物。
実在の人物であり、幕末を扱った作品にはよく登場するキャラクターだが、作者の自由な味付けにより、数ある斎藤一像の中でも屈指の知名度と人気を得るに至った。

口癖は「阿呆が。」
維新後は「藤田五郎」と名を変え、西南戦争では警視庁抜刀隊に所属。
その後は警部補として奉職する。とぼけた態度を取り昼行燈を装っているが、裏では警視庁の密偵として暗躍している。
好物は蕎麦であり、よく市中の蕎麦屋や屋台で麺を啜っている。
中でもよく食べているのはかけそば*2であり、曰く「好きなんですよ、かけそば」。

ちなみに結婚しており斎藤曰く“出来た女”こと時尾という嫁がいる(史実だから仕方なry史実通りなら既に子供もいる)。
栄次の再登場と共にご尊顔披露または会津の武家の娘である点から恵との絡み…等は実現ならず、菩薩姿*3で登場したのみ。
いつも独り蕎麦屋で食事をしている辺りもしかしたら家では尻に敷かれているのかもしれない。

彼のテーマソングは「悪・即・斬」。良く言えばシンプルで無駄が無いタイトル通り、情け容赦無い様をまとめた歌である。

鈴置氏の逝去により斎藤の担当声優についても様々な憶測が飛び交ったが、
最新ゲーム(2011年発売)では今までの鈴置氏の声を使用する形で事実上の続投となっている。
それに合わせる形で他のキャラのボイスも半端になってしまったが…こればっかりはスタッフも鈴置氏のボイスを使う為に下した苦渋の判断と思われる。
新作アニメでは流石にそうはいかなかったのか成田剣氏が代役を勤めるようだ。

なお、ネット上ではよく「斉藤一」と書かれるが、るろ剣作中では一貫して「斎藤一」名義である。
この項目も長らくタイトルが「斉藤一(るろうに剣心)」だった。

【人物】

非常に冷徹で無愛想な一匹狼。
己の信念でもある「悪・即・斬」を絶対の正義としており、たとえ上官であろうと、明治の害になると判断すれば即座に暗殺する覚悟を固めている。
自分たち佐幕側の人間を「敗者という形で明治維新に貢献した」と考えており、戦友たちの死を無駄にしないために、維新後も平和を乱そうとする者、権力の私物化を謀る者の暗殺に従事していた。

クールでぶっきらぼうな態度が目立つが、戦闘以外では思いやりを見せるシーンも度々見られた。
配下の警官たちが敵に殺された際も、一見クールに「治安を守る職に就いた以上、任務の過程で命を落とす場合があるのも当然で、いちいち気にして復讐するつもりなど無い」と割り切る姿勢だが、一方で「無念の死を遂げたやつらのために任務を完遂する」とも言っており、その信念から彼なりの配慮も忘れていない。

京都へ行く前に二度交戦した事もあり*4相楽左之助から一方的にライバル視されていたが、京都での終盤に彼が炎の中に姿を消してからは「倒す」のでなく「超える」対象となった。
剣心とは幕末の頃から因縁があり、お互いを好敵手と認めあう関係でもあり、いつかは決着をと望んでいた。
しかし物語の終盤、剣心が「飛天御剣流が撃てなくなる前に決着を」という意図から決闘を申し込むも、剣心が「人斬り抜刀斎」では無くなってしまったことを悟り、決闘を拒否した。

本編で明治11年に再会した当初は、その性格ゆえに剣心からも「仲良くやれる奴ではござらん」と言われつつも、共闘を通じて「宿敵だが心から信頼できる仲間でもある」と思われるようになっていく。
また、斎藤自身も剣心から「信頼している仲間」と言われても、無言のまま否定しなかった。

前述の通り作中における斎藤一は、剣心のライバルという位置付けであるが、そのライバル関係は、ただ「実力が拮抗している好敵手」という単純なものではない。
剣心と斎藤の間には、根本的なイデオロギーの対立が存在している。
つまり、「人を斬らないで人を守っていこう」とする剣心と、「悪・即・斬」のもと「悪人は叩き斬らねば正義は保てない」とする斎藤。
このどちらの正義が正しいのかを明らかにすることこそ、二人の戦いのテーマだったわけである。

結局、作者は剣心と斎藤との間に勝敗はつけなかったので、このイデオロギー対決の答えは棚上げにされた格好であるが、作者がこれについてどう考えているのかは、非常に興味深いところである。
尤も、キネマ版の後書きで触れているように斎藤は「剣心の敵役のようで実は一番の理解者」であり、キネマ版等のメディアミックスでは不殺に拘る剣心に忠告をしつつも否定まではしていない。
「お前の全てを否定してやる」とまで言い切った原作においても、剣心の前では極力「悪・即・斬」を避けているなど剣心への一定の配慮はちゃんとしていたりする。*5
なので「あいつがいるとお前を殺すには邪魔」とか言っちゃう。
一方、剣心も蒼紫に「悪党相手とはいえ、あまり殺し過ぎるなよ」と発言していたように、決して悪人を斬り殺す正義を全否定はしていない
このように互いの正義を少なからず認めていたからこそ、二人にとってはイデオロギーの対決に結論を出す必要はなかったと思われる。

また、ゲーム「炎上!京都輪廻」の斎藤シナリオでは、斎藤の望みは「戦場で死ぬ事」である事が判明した*6
わざわざ沖田に負けなきゃ見れない会話だったりするけど。
これに限らず、「京都輪廻」の斎藤シナリオは斎藤と沖田の生き様に焦点が当てられた熱い展開が多い。
志々雄との決着がアレってのはどうなんだというのはあるけどな!
ちなみに作中の回想で斎藤は沖田のことを「沖田君」、沖田は斎藤のことを「斎藤さん」と呼んでいるが、実際は斎藤の方が2歳年下である*7

なお、同作の斎藤シナリオでは沖田の「剣を握って、勝てないと思ったことはなかった」という言葉に斎藤が「だろうな…」と返す一幕があり、
「一説では沖田より強いとも言われている」と作中で言及された斎藤から見ても病のない全盛期の沖田は常識外な強さだった模様。*8

無論死ぬまで、剣に生きたい……か


ちなみに、作者は斎藤を「剣心とは、決して心から相容れることのない孤高のダーティーヒーロー」としていきたいと作品のコラムで語っているが、この目論見は十分に成功している。
るろ剣の斎藤は、最後の最後までカッコいいライバルでありつづけた。

【戦闘能力】

一説では新撰組最強であった沖田総司より強いとされ、左之助を一蹴し、作中で初めて剣心と引き分けるなど、作中最強クラスの実力を持つ。
必殺技は左片手に剣を構え*9、凄まじい突撃と同時に突く左片手平突き*10、通称「牙突」のみ*11
牙突にはいくつかのバリエーションがあり、通常型の「壱式」、撃ち下ろし型の「弐式」、対空型の「参式」、そして密着した間合いから上半身のバネだけで突く奥の手「零式」が存在する。
通常の壱式でさえ鋼鉄製の大扉を粉砕するほどの破壊力を有しており、零式になると相手は身体が千切れる程の勢いで吹っ飛ばされる。
壱式、弐式から参式に繋げる、ということも可能で、またピンポイントで場所を狙うことも出来る。場合によっては素手のまま強力な拳打として放つことも。
弱点は、(零式以外は)発動時に荷重移動を行うため突き出す右手のせいで右側面に死角が生まれ、相手にそこへ滑り込まれると対応が遅れてしまう点。といっても斎藤自身が臨機応変に対応すれば大きな問題にはならない。
また、その破壊力故使用する刀にも大きな負荷がかかっており、初登場時に仕込み刀で放った際には一撃打っただけで刀身がへし折れてしまった。
ちなみに剣心が知る限りで最高の突き技は牙突らしく、「拙者を突き殺すつもりなら牙突を超える技を撃ってこい」とすら言っている。

一応警官であるため本来ならサーベルを携行するところだが、サーベルは折れやすいという理由から、特別に許可を得て日本刀を所持している。
剣心との対決時には幕末からの愛刀を使っていたが逆刃の峰で折られてしまい、以降は別の刀を使用している。
ちなみにこの刀は銘はないもののかなりの業物。
少なくとも京都編以前の剣心には折られるようなものではないらしい。

ちなみに「左片手平突き」という技は実際に存在するらしい。
さすがに牙突は漫画にする上でのアレンジだが。

なお、牙突のために勘違いしがちだが、るろ剣での斎藤は右利きである。
良く見るとかけそば食べてる場面では右手で箸を持っているし、刀も左腰に差している(つまり、右手で抜く)。
銀幕草紙変のみ左利きだと明言しているが、この設定が原作に通用するのかは不明。
ちなみに史実における利き腕は不明。
現存している手紙は、左利きと思しき筆跡で書かれているものの、断定できるほどの証拠は残っていない。
当時、左利きは大変な不作法とされていたため、仮に生来の利き腕が左だったとしても、右に矯正されたと思われる。


【作中の活躍】

大久保利通の命令で剣心の力量を測るために神谷道場を訪れる。
密偵として神谷道場を訪れた際は、改名後の「藤田五郎」を名乗り、かつての上司の土方歳三の生家である石田散薬を売りにきた。
当初は眼を細くして温厚な話し方をしていたが、左之助に掌の竹刀ダコを指摘されると態度を一変させ、左之助と交戦し重傷を負わせる。

十年の時を経て再会した剣心と死闘を演じ、剣心を不殺(ころさず)流浪人(るろうに)から再び抜刀斎として覚醒させる。
(因みに、劇中で剣心を抜刀斎に覚醒させたのは、同じく元・新撰組である鵜堂刃衛と彼の二人だけである)
剣心が覚醒したことで自らも幕末時代の精神に立ち返り、本気の殺し合いになりかけるも、大久保利通らに止められる。
剣心の決着を預けた後は、明治政府の一人である渋海(剣心の暗殺を斎藤に依頼した人物)の前に現れる。

犬はエサで飼える

人は金で飼える

だが、壬生の狼を飼うことは

誰にもできん

この台詞と共に渋海を私欲に溺れ、人々に厄災をもたらすダニとみなし、彼に雇われた赤末有人ごと抹殺。

狼は狼

新撰組は新撰組

そして、人斬りは人斬り

なあ、抜刀斎…


「京都編」では、忠告も兼ねて左之助と軽く再戦したあと、志々雄真実と戦うために京都へ向かい、途中新月村で剣心と合流。
京都到着後は現地の警察を指揮し京都大火の計画などへの対応にあたった。
そして、志々雄一派と決着をつけるために剣心と左之助と共に志々雄のアジトである比叡山へ向かい、十本刀の二番手“盲剣”の宇水と対峙する。

戦いもせず尻尾を巻いた負け犬が

偉そうに吠えるな

最初は、盲目でありながら相手の動きを先読みする「心眼」の前に苦戦するも、宇水の言動の端々から彼の内心を暴き出し、心理的に優位に立つ。
そして切り札の牙突・零式で彼の上半身を吹っ飛ばし、見事勝利。

己の信念を貫けなかった男など

死んでも生きてても惨めなものだ

その後、剣心達に追いつき、志々雄真実を倒そうとするも惨敗し、意識を失う。
しかし、剣心達と共に意識を取り戻し、剣心と志々雄の決着を見届ける。

決着がついた後、志々雄が死んだことで狂った十本刀の一人“百識”の方治によって、剣心達共に、鉄の門によってアジトに閉じ込められる。
その鉄の門を牙突で破壊するも、斎藤は炎上するアジトの中、姿を消す。

よりによって、鈴置氏が亡くなった直後に発売したゲーム「炎上!京都輪廻」の剣心シナリオにおける斎藤の出番は、
この斎藤(=鈴置氏)の死を暗示する場面で終わってしまう。


お前らとは、潜った修羅場の数が違うんだよ

阿呆が


以下、ネタバレ




死んだと思われていたが京都編ラストでしっかり生きていた事が判明。史実だから(ry
「人誅編」では、志々雄事件の事後処理に回っておりその一環で赴いた神谷剣道場で剣心らとらの戦いに遭遇する形で姿を現す。


新選組の中では唯一、不死身と言われた男なんだがな


そして敵の一人・八ツ目と対峙。
圧倒的な実力と経験の差を見せつけこれを撃退。
トドメを刺そうとするも、剣心に止められる。

その後、縁との再戦の為に彼のアジトに向かう剣心に同行。
四人兄弟の一人を撃破し、その後の剣心対縁の戦いを見届ける。






最終決戦の後、これまでの戦いによる負担の蓄積で剣が振るえなくなると知った剣心に、剣が振るえなくなる前に、最後の心残りにケリをつけるため決闘を申し込まれるが、
結局のところ「人斬り」ではなかった剣心との勝敗を付ける気になれず、決闘をすっぽかし(剣心曰く「愛想を尽かし」)、何も言わず人事異動という形で剣心達の前から姿を消した。
剣心のモノローグから、その後二度と剣心と斎藤が出会う事はなかった模様。
このため、北海道編で剣心は斎藤に直接会いに行こうとしたのに左之助に「斎藤の所に行く必要はない」と無理矢理フラグを折られた。



……阿呆が……



【史実の斎藤一】

前述通り、実在の人物であるが、歴史を動かすほどの活躍はしていない*12こと、来歴に不明点が多いことから、味付けの自由が効く人物として、幕末ものでは人気が高い。

天保15年(1844年)、江戸生まれ。当初は「山口一」という名前であったが、ケンカで人を斬ってしまい、逃亡の際に「斎藤一」と改名した。
新選組には20歳の時に参加。参加時期は史料によってまちまちで、永倉新八の手記では「試衛館時代から」となっているが、発足当初の名簿に斎藤の名前はない。
ただ、壬生浪士組時代からの参加だったのは確かなようで、この時点で副長助勤を拝命。組織改編の際に三番隊組長に抜擢される。
試衛館時代から近藤たちと交流はあったが、上洛の際は別行動を取っていて、後で合流した、というのが妥当であろうか。

伊東甲子太郎が新選組を抜け、御陵衛士を立ち上げた際は彼に同行しているが、のちにシレッと復帰しており、その直後に油小路事件*13が起きていることから、
最初からスパイ目的で御陵衛士に参加していたのではないかと見られている。

鳥羽・伏見の戦いの後も転戦を続け、会津藩が降伏してからも戦いをやめなかったが、松平容保からの説得によりついに投降。
しばらく謹慎の後に結婚し、明治7年(1874年)に警視庁に就職。るろうに剣心で描かれた活躍はこの時期にあたる。

明治25年(1892年)、警視庁を退職後、博物館のガードマンや、女学校の事務員など、堅実な人生を送る。
女学校時代は交通整理なども担当しつつ、自宅も学生の下宿として提供していたという。

死臭と血風むせる戦場を駆け抜けた前半生からは想像もつかないほど穏やかな生活であるが、一方で剣客としての自分も忘れてはいなかったようで、
博物館時代には剣術師範としても辣腕を振るっていた。
また、年老いた後も木に吊るした缶を竹刀でブチ抜くという離れ業を見せたとか。

大正4年(1915年)、胃潰瘍のため死去。享年71歳。
床の間で座禅を組んだまま亡くなるという、小説より小説じみた最期であったという。

愛刀は鬼神丸国重(きじんまるくにしげ)。天下五剣の一つ鬼丸国綱を彷彿とさせる名前だが、全く関係はない。
現在の大阪府池田市に拠点を置いていた江戸時代前期~中期の刀工の作で、新刀に分類される*14
池田屋事件の後、隊士が刀をメンテに出した時の研ぎ師のメモ書きに「斎藤一の刀、鬼神丸国重。細かい刃こぼれや傷がたくさんあった」とあり、これが証拠とされる。
ただし、そのメモ書きも現存しておらず、子母澤寛が「新選組についての史料を集めるうちに偶然見つけた」と主張しているだけのものである。
子母澤は新選組の研究において多大な業績を残しているが、不正確な記録も多々あるため、斎藤の愛刀については「不明」としておくのが無難であろう。
このためか、るろ剣に置いては斎藤の刀は「無銘」となっている。剣心に折られちゃうし
なお、関の孫六という話もあるが、こちらは明治時代の講談を元にした完全な創作である。
関の孫六といえば、(現実的な範囲で)名刀の代名詞だったために、勝手に名前を使ったのであろう。
もっとも、それだけの名品であったわけだから、斎藤が所持していたとしても不思議はないが。
ちなみに『再閃』ではしれっと斎藤の装備可能武器として登場している。

剣術の流派についても不明。
ファンブック『剣心華伝』では、溝口派一刀流と書かれたが、無外流*15であろうという意見もある。
剣腕について意見を求められたところ、「相手がこう斬りかかってきたらこう返す、なんて冷静な対処が実戦の殺し合いでできるわけがない。無我夢中で刀を振り回すだけです」という何とも泥臭くリアルな言葉を返している。

風貌についても不明で、鮮明な写真は残っておらず、斎藤ではないかとされる写真もかなり粗く、本人であるという確証もなかった。
肖像画は残っているものの、長男の勉をモデルにしたもので、斎藤本人の顔ではない。
そういうわけで、斎藤の顔については長らく謎とされてきたのだが、2015年になってついに発見。
明治30年(1897年)に、勉が陸軍士官学校を卒業した際の家族写真で、斎藤53歳の時のもの。
肖像画と似ているが、かなりカッコいい。


【本編以外での活躍】

ジャンプスクエアで連載されていた八重の桜(NHK大河ドラマのコミカライズ。作:竹村洋平)では、妻である時尾さんが重要人物として活躍するのだが、ドラマと違い斎藤一は登場しなかった。
が、同じ雑誌で和月氏のエンバーミングが連載されている縁なのか、最終回では彼女の夫の五郎氏と思われるオールバックでタバコを咥えた痩身の警官の後ろ姿が描かれていた。

完全版の再筆ではオールバックにした髪がボサボサになっており、また無精髭も生えているので、ワイルドなイメージになっている。
一方で新撰組時代の姿は比較的本編の姿に近い。

実写版では江口洋介氏が担当。
原作とは違って当時の陸軍大将・山形有朋の元で働いており、武田観柳が流していた新型アヘンの調査を行っていた。
山形有朋の命で剣心と戦った時の「己に向いた刃は、いずれお前を苦しめることになるぞ」というセリフは、
逆刃刀の反対側の刃で傷つく剣心の姿とかなりマッチしていることもあって、印象深いシーンになっている*16
なお、この台詞はキネマ版最終話でも「自身に向いた逆刃はいずれ必ず半端な貴様を傷つける」と人斬りに戻ろうとしない剣心への忠告として使われた。

続編の『京都大火編』では志々雄一派の潜伏している兵庫県のとある鉱山へ部下達を率いて彼らを一網打尽にしようとしたが、
逆に志々雄達に自分以外の部下たちを全滅させられてしまうという屈辱を味わうことに。
大久保利通暗殺後は京都へ向かい、同僚の警官達と共に対志々雄への対策を練っていた。
その後剣心との戦いに敗れた沢下条張から得た情報を元に京都大火を目論む志々雄一派との戦いに挑むことになる。
『伝説の最期編』では志々雄の脅しに屈することになった(ふりをしていた)伊藤博文と共に剣心に打倒志々雄への策を実行することになる。
その後は剣心、左之助、蒼紫と共に志々雄との最終決戦に臨むことになる。

キネマ版では武器の密輸を行う武田観柳の元へ潜入していたが、
剣心と交戦することなく結果的にサポートする立ち位置に。
外印との戦闘では負け犬扱いされるものの、自らが負け犬であることを肯定した上で世界一カッコイイ負け犬の遠吠えとともに
負けるとわかっていても最後まで戦い抜いた者と、戦わなかった者の差を見せつけた。

一つ教えてやろう

負け犬の負け犬たる所以は"負けた"からではない

"闘って"負けたから、闘わなかった者共に負け犬とそう呼ばれる

いいかッ

闘わなければ男は負け犬にすらなれやしない


この台詞が一番突き刺さるのは本編では負け犬扱いで済んだ宇水のような気がしなくもない

『明日郎 前科アリ』ではラストで、碧血碑*17を横から眺めている姿を見せている。
北海道編では、函館に現れた謎の逆賊「剣客兵器」と交戦しその内の一人を拘束するも左手に重傷を負いリタイア。
現在は湯の川温泉で療養中の模様。

【余談】

赤間倭子(著)の『新選組副長助勤 斎藤一』では、編集者の勉強不足から帯(帯紙)に「人気漫画「るろうに剣心」の主人公、新選組最強の剣士、斎藤一の激動の生涯を描く」と記され、ネットでは一時総突っ込みとなっていた。
本自体はまっとうな本だけに作者はとんだ災難である。


追記・修正・編集の正義と共に――

この項目が面白かったなら……\ポチッと/