シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~

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シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~ - (2022/07/07 (木) 20:04:49) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2019/03/05 Tue 14:30:00
更新日:2024/04/11 Thu 23:56:09
所要時間:約 62 分で読めます





ああそうだとも、いまこの瞬間!

今が楽しければ先のことなんざどうでもいい!



概要

小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿されているweb小説。
作者は硬梨菜。

クソゲーをこよなく愛する主人公が経験とプレイヤースキルを活かし、神ゲーと称されるVRMMO『シャングリラ・フロンティア』を攻略する様を描く。

所謂「なろうテンプレ」の一つ、人気作品『ソードアート・オンライン』風のフルダイブ型VRゲームを題材としている。
似たり寄ったりな作品が多い同ジャンルの中、他作品との最大の違いは膨大な劇中作の「架空のゲーム」の存在
各ゲーム一つ一つに細かい設定があり、中でも主人公が好むクソゲーについての描写は常軌を逸したものばかりで、非常に強烈なインパクトを持つ。
これらクソゲーをやり込んできた経験が主人公の武器の一つであり、その強さに説得力を与えるギミックとして機能している。
また、一部のゲームは本編や短編で主題として取り扱われる。

作者が設定魔なこともあり、本編中の些細な小ネタに膨大な設定が付けられていることが多いのも特徴。
感想欄で作中の設定を長文短文問わずしれっと暴露しまくることも。(通称:「ゲロ」「お漏らし」
本編の舞台裏や各種設定、読者との質疑応答を纏めた番外編的小説『設定鍵インベントリア:シャンフロの諸々』も不定期で連載されている。

大前提として、本作の世界観ではフルダイブ型VRシステムが広く普及しているため、ディスプレイ型のゲームはレトロゲーに分類される。
また、プロゲーマーが憧れの職業としてプロスポーツ選手同様の扱いを受けており、無職でもアマチュアゲーマーを名乗っていれば取り敢えずは白目視されないニートに優しい世界。


2020年時点で未書籍化の作品にもかかわらず、
  • 数多の書籍化作品を差し置いて「小説家になろう」累計ランキング2桁。
  • 数多の書籍化作品を差し置いてアニメ化してほしいラノベランキングにて毎回上位にランクイン
  • 各種設定があまりに膨大すぎて、有志による作品WIKIが存在する。(当WIKIの関連項目も文章量が大変なことになっている)
  • ファンアートはもちろん、二次創作として作中のクソゲーを舞台にした小説、動画、ボードゲームが多数存在
  • しまいにはハーメルンの原作カテゴリに『シャンフロ』が追加される
など数々の逸話を持っている。

2020年7月より書籍化をすっ飛ばして週刊少年マガジンにてコミカライズが連載開始。既刊8巻(2022年4月時点)。
本来は他のWebノベル原作コミック同様に無料漫画アプリ「マガジンポケット」のみで連載する予定だったが、「これはいける」と判断した編集により、色々すっとばして本誌掲載となったらしい。
作画は『進撃の巨人 LOST GIRLS』『Fairy Gone』『ワールドエンドクルセイダーズ』の不二涼介。
原作がシャンフロと現実・他ゲームを頻繁に行き来するため、分かりやすさやテンポを重視して時系列の入れ替え・カットが行われている。
また、マガジン本誌には作者書き下ろしの番外編小説が掲載される場合があり、単行本化に当たってはこれを収録した小冊子が付属する特装版「エキスパンションパス」が通常版と同時刊行される。
特装版付属小説とは別に、単行本巻末にも別途新規書き下ろし番外編小説が収録されている。


あらすじ

クソゲーをこよなく愛するクソゲーハンターの陽務 楽郎は、レジェンドオブクソゲー「フェアクソ」こと『フェアリア・クロニクル・オンライン~妖精姫の祈り~』をクリアして燃え尽き症候群に陥っていた。
そんな時、行きつけのゲームショップで巷で“神ゲー”と話題の「シャングリラ・フロンティア」のパッケージを手に取る。
楽郎は普段ならば買わないであろうこのゲームを通常の精神状態ではなかったために購入し、PC「サンラク」としてその世界にのめり込んでいく。


用語

本作でメインとして扱われるVRMMO。通称:シャンフロ。
既存ゲームの5世代は先を行くと言われる程のオーパーツ。
世界観を要約すると「超高度文明が滅んだ後に発展したファンタジー世界」
このため一般的な剣と魔法のファンタジー要素に加え、超高度文明由来のSF要素も隠し要素として盛り込まれている。
所謂「異世界シミュレータ」タイプのゲームであり、ゲーム世界独自の物理法則に従って世界が回り、経済の概念も存在している。
「如何に世界観を考察・理解するか」が攻略の上で重要な要素となっており、発想次第で様々なことを実行または実現することができる。*1
キャラメイクが自在な一方、声は変化しないという特徴があり、ネカマ・ネナベは(一部例外を除いて)バレバレ。*2
プレイヤーは開拓者と言われ、NPCからは「殺されても復活できる不思議な存在」と認識されている。
NPCと一部モンスターには非常に高度なAIが搭載されており、リアルの人間と同様のコミュニケーションを取ることが可能。
そして、NPC達はリアルの人間と同様、死亡すると二度とリスポーンしない。

本作最大の特徴と言える常軌を逸した架空のゲーム群。

劇中に登場する架空の合法エナジードリンクシリーズ。

登場人物

VRMMOのプレイヤーはプレイヤーネーム/リアルネームで表記。

シャングリラ・フロンティア

クラン「旅狼(ヴォルフガング)

「墓守のウェザエモン」の討伐後、パーティメンバー3人で設立したクラン。
主人公のサンラクやヒロインのサイガ-0が所属する本作の主役組織…なのだが、サンラクが先行して他メンバーを誘えないままユニークを進行することが多く、影が薄くなることも。
詳細は個別項目を参照


クラン「黒狼(ヴォルフシュバルツ)」「黒剣」

「夜襲のリュカオーン」討伐を最終目標としているトップクラン。サイガ-0も元々はここの所属。
規模が大きくなった結果、当初の目的を第一とする「サイガ-100派」、トップクランの維持を目的とする「リベリオス派」に内部分裂している。
後に旅狼とのいざこざを発端として完全に分裂、サイガ-100派が主要メンバーを引き抜いて「黒剣」を結成した。



クラン「ライブラリ」

考察クラン。
様々なクラン・情報屋とパイプを持ち、ゲーム内屈指の情報を蓄積している。
劇中における「シャングリラ・フロンティアまとめwiki」の運営も兼任しているようだが、あまりにも重いのでライブラリ上位陣は業務用こと椅子型VRマシンの購入が義務のようになっている。
ちなみに「学歴マウントすると死ぬほど、というかお前が死ぬまでカウンター喰らうからやめた方がいいぞ」という不文律がある。



クラン「SF-Zoo」

Shangri-la Frontier Zoo
動物型モンスターの観察・スクショ撮影に情熱を注ぐケモナー達のクラン。
全クランの中でも最上級のデバッファーとタンク達が所属しており、一時的とは言えリュカオーンすら封じ込める侮れない奴ら。
タンクが攻撃を引き受けている間、デバッファーがありったけデバフを掛けて封殺した隙に撮影したりモフモフしたりしている。
ただし、アングルの関係で攻撃中に撮影を敢行する場合もあり、他クランから高評価されながらもレイド向きではないと思われている。
基本的に「動物好き」なプレイヤーで構築されているが、その内訳は「ファンタジーな動物を『見るのが』好き」「ファンタジーな動物を『愛でるのが』好き」「ファンタジーな動物を『調べるのが』好き」と細かい部分で統一されていない。



クラン「午後十時軍」

加入条件は「社会人であること」
所謂ガチ勢クランの一つで、クラン名の由来は午後十時以降にメインで活動するメンバーが多いことから。
メンバーの殆どが社畜であり、偶然にもそっち系のプレイヤーネームで統一されていたため名前で大体所属が分かる。
リソースを計画的に合理的に使うような攻略が特徴。
最近はリアルがOLのイムロンを勧誘中。



クラン「聖女ちゃん親衛隊」

アイドル的NPC「慈愛の聖女イリステラ」に熱を上げる変態クランロールプレイガチ勢
クランごとNPCの組織「聖盾輝士団」に加入した。
ロールプレイのため全メンバーが同一の見た目の装備を使用している。


クラン「ティーアスちゃんを着せ替え隊」

女性賞金狩人、中でも幼女のレアキャラ「ティーアス」を着せ替えることに情熱を捧げる変態クラン
新大陸渡航後、ティーアスが出現しないと分かるや旧大陸に即出戻った剛の者達
その活動上、メンバーは相互PKを繰り返しているPvPの達人である。
弊害として男性賞金狩人がメイド服やOLスーツを着用していることがあるが気にしてはいけない。
クラン内部門に「ルティアさんをどうにかして脱がし隊」が存在する。
仇討人の存在が判明するや全員が即カルマ値を精算して続々と転職している。



クラン「N.M.M.」

NAKED MAPPING MARKET
誰よりも先に未踏に踏み込んで開拓調査を行うことに情熱を注ぐクラン。



クラン「黒竜討伐隊」「新大陸建設」

新大陸を拠点とする生産職メインの大規模クラン。
ノワルリンドに拠点を破壊されたことで報復に執念を燃やし、クラン名を「黒竜討伐隊」としていた。
大規模レイドイベント「竜災大戦」終結後にノワルリンドが謝罪したことで全てを水に流し、「新大陸建設」に名を改めた。
改名後は隠しダンジョン「リヴァイアサン」から得られた技術を元に海上ギルドの建築を進めている。



クラン「天ぷら騎士団」

中堅とガチの中間くらいのシャンフロ最大のクラン。
クラン名の由来はリーダーの好物とテンプル騎士団から。
他のクランと比べてユニーク保有数が少ない。



クラン「阿修羅会」

シャンフロでも有数であったPKクラン。ちなみに、設立のきっかけはペンシルゴンがドジって1vs3のPK戦をやる羽目になりかけた際に口走った出まかせから。
設立当初は「PK行為の過程」を楽しむクランであったが、賞金狩人の実装や団長がユニーク武器「殺戮者の魔剣(スローターブリンガー)」を手にしたことによるプレイスタイルと方針の変質により、ナンバー3のサバイバアルの脱退を皮切りに古参のPKが次々とクランを去ってしまう。
結果、「PK行為の結果」を追い求める地雷プレイヤーばかりが集まるクランと化してしまった。
ユニークモンスター「墓守のウェザエモン」を秘匿しレベル上げに活用していたが、方針に愛想をつかしたペンシルゴンによりアジトの場所をトップクランにチクられ、「黒狼」「午後十時軍」等の連合軍に奇襲を食らって壊滅。
団長もサイガ-0に一撃で屠られ、けじめとしてペンシルゴンも倒された事で阿修羅会は消滅した。



クラン「魔女の教会(ウィッチャーチ)

魔法職専門クラン。
加入条件は「女性アバターを使用していること」「魔法職をメインにしていること」「魔女的な要素があること」。
ネカマとリアル女性の割合は3:1程度だが、所属しているとだんだん性格がオネエ寄りになっていくと噂される。
実現杖を所有するプレイヤーを出禁としている。



クラン「配信戦線(ライブライン)

動画配信チャンネル四つと各チャンネルのリスナーによって作られた連合クラン。
シャンフロが生配信可能となったために参加した者たちの集まりで、当初は「配信者連合」と名乗っていた。
王国騒乱シナリオで新王アレックスの陣営に就いてイベントに参加を表明。



ゴルドゥニーネ関係者

ユニークモンスター「無尽のゴルドゥニーネ」の分け身と関わりを持ったプレイヤー達。


その他

特に明確にクランに属さないプレイヤー達。
登場期間の短い者が多いが、抜粋したメンバーだけでも異様にキャラが濃い。



NPC


シャンフロ外のゲーマー

シャンフロ以外のゲームで活躍している登場人物達。



ユートピアエンターテイメントソフトウェア

略称:UES。関連会社にリアルタイム翻訳システム「バベル」を手掛けた「ユートピアコンピュータエンターテイメント(UCE)」等がある。
シャンフロの制作・リリース元。現行のフルダイブVRシステムの開発元でもある。
主要スタッフである継久理と天地の2人は水と油以上に相性が悪く、顔を合わせると獣同士の殺し合いの如き様相を醸し出すが、お互い超貧弱なので仮に事が起こっても情けない光景が広がることになる。
加えて2人とも別に善人という訳ではないので、法的にグレーなことをしでかすこともしばしば。
そしてそれを知った木兎夜枝の胃にダメージが入るまでがオチとなる。
一応メイン3人は所謂外道3人衆みたいなポジであり、悪友みたいな関係を保っている。




陽務一家

楽郎の家族達。
父方、母方の祖父母、親戚、いとこも含めて全員根っからの趣味狂いの血筋であり、自身が見出した趣味に心血を注ぐ癖がある。
両親も子供も全員がバラバラの趣味に没頭しているために、血の繋がった家族としては恐ろしい程に顔を合わせない。
「家庭内環境大丈夫?」とよく心配され、楽郎が中学生の時に教師に三者面談を半強制されたり、近所の優しいおばさんに児童相談所を呼ばれたことすらある。
そのため「毎週日曜日の朝と晩は絶対に一緒に食事をし会話をする」というルールが成立。
このルールを破った者は他の三人からの趣味関連の物品を売り払われる制裁が待っている。
一家は特にシャンフロはしていない。



現実の人々

  • 岩巻(イワマキ) 真奈(マナ)
楽郎行きつけのゲームショップ「SHOP ロックロール」の店長。木兎夜枝の妻。
フェアクソをクリアし燃え尽き症候群に陥っていた楽郎にシャンフロを勧めた張本人。
楽郎と玲の恋愛を応援しており、恋愛力クソザコナメクジな玲のアドバイザーとして裏からサポートしている。
「女の子はシンデレラに憧れるけど、大抵は継母達みたいな女にしかなれないのよ……」と語るように、夫とゴールインするまでに非常に陰湿かつドロドロにギスり、危うく刃傷沙汰に発展しかける波乱万丈の大恋愛の末に結婚。
そのため現実の恋は嫌っている。

筋金入りのギャル&乙女ゲーマーでプレイスタイルは重箱の隅から隅まで完全に攻略し切るやり込み型。
トロコンは当たり前、隠しCGから隠しルートまで完全制覇するまでやり込みにやり込むゲーマーの鑑。
楽郎が苦戦した「ラブクロック(通称:ピザ留学)」すら攻略難度的には緩いらしく余裕でクリアしたとか。
ギャルゲーや乙女ゲー攻略期間中はおおよその手間暇が8割減するため、普段は気合い入った愛妻弁当を作っている。徹夜攻略とかだとのり弁にまで堕ちる。

  • 雑菌福耳ピアス
楽郎のクラスメイト。本名不明だが「文系マン」というあだ名も持つ。
渾名の由来は、こっそり開けたピアスの穴に雑菌が入って愉快な福耳になったことを楽郎にネタにされ煽られたから。
文系の才能は豊かで、高校生の癖にドヤ顔で7×8の計算を間違え小論文(エッセイ)が現文の教師に引くほど大絶賛された逸話を持つ。

楽郎と玲との関係に嫉妬し、他の生徒と共によく楽郎を集団で拘束するも、報復でプライバシーを暴露されるまでがテンプレだがそこまで楽郎とは険悪ではないようで、クラスでは普通に雑談する仲。
実は「暁ハート」のHNでSNS上にポエムを公開しているポエマー。
SNSのポエム垢には万単位のフォロワーがおり、楽郎にネタにされる割にはクラスメイトからもポエムの出来は好評。最近では芸能人にまでポエムを絶賛されたりと才能は確か。
ポエマーの素性を秘匿している割には書きかけのポエム机に開いたまま席を離れてトイレに行ったり、カフェでカフェモカ飲みながら作詩しているところを知人に目撃されたり、ポエムを検索されて速攻で垢バレしたりと危機管理リスクが欠落気味でやや迂闊。
新作は「ラヴィニュー・ひまわり」。

  • 得間(エマ) 頼花(ライカ)
玲のクラスメイト。
いわゆる「攻略対象の友達ポジションの非攻略キャラ」。塚原パイセンみたいなポジション。
「皆斎賀さんばかり注目してるけど、俺はお前の魅力に気づいてるぜ……」的な人気が高く、実は潜在的な人気は玲より高い。
なお、玲の人気が実は低い、というより20thシークレットレアが高すぎるから隣にあるシークレットレアで妥協する感じ。
理想のタイプは「俺様王子系」、金持ちならなお良し。
玲と噂になった楽郎のことを色々調べているが、闇が深いのは玲の方だという事実には気づいていない。

  • 笹原エイト/笹原 八花
絶賛売り出し中のゲームプレイアイドル。
eスポーツ大会での司会進行や実況の仕事も受け、テレビで冠番組「笹原エイトのチャンネル8(エイト)!」を持っているなど人気は上々。
番組内容は同じ事務所のアイドルやゲーム声優を呼んで和気藹々とゲームしたりする感じらしい。
シャンフロでアイドル営業しようとしていたが、イリステラに完敗する哀しみを背負う。でもめげてない辺りメンタルは強め。
サンラク曰く「衣装自体はサイバーな印象を抱かせるものだが、本人の雰囲気がきゃるんきゃるんしているせいで妙にチグハグな印象」
永遠曰く「普通にいい子」

  • 武田 インゲン
古のオタク口調で喋るサンラクのクソゲーフレンド。
本名不明だがサンラクからは「武田さん」と呼ばれている。
いつもの外道2人とは異なり、レビュー仲間という立ち位置が近い。幻のクソゲー「風雲プレジ伝」をサンラクに送った恩人。
女児向けからR-18までありとあらゆるクソゲーを取り揃え、クソゲーのためだけに別荘を立てるサンラク憧れのクソゲーハンター。
リアルは顔パスVIP待遇な社会的強者。世界規模営業マンなため出張で世界中飛び回り、世界的に有名な企業の本社最上階からの写真をサンラクに送ったことも。
サンラクが勉強もしっかりしているのは武田さんを見習っているためである。



追記・修正はクソゲーと神ゲーをプレイしながらよろしくお願いします。


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