ハーメルン(小説投稿サイト)

登録日:2022/05/02 Mon 10:20:00
更新日:2025/04/21 Mon 21:40:12
所要時間:約 10 分で読めます






ハーメルンへようこそ



【概要】

ハーメルン」とは2012年に開設された、自作小説を自由に投稿・閲覧ができる会員制投稿サイトで、全ての機能を完全無料で利用出来る。
小説の投稿には会員登録が必須だが、閲覧には制限はない。なお、感想の書き込みには会員以外お断りの設定をされている場合もあるので、感想を送りたい場合には要確認。


【特徴】

もちろんオリジナル小説もあるが、「二次創作小説」の発表も許可されている事である。
有名な会員制小説投稿サイトは他にも「小説家になろう」があるが、そちらは一部の例外を除いて二次創作小説が禁止されている。

二次創作小説について

漫画、アニメ、小説、ゲームなどの原作を元にした創作のこと。
誰でも一度は「ドラえもんのひみつ道具を使ってみたい」「ドラゴンボールの悟空とキン肉マンが戦ったらどっちが勝つんだろう?」と思ったことがあるだろう。そんな妄想を形にできるのが二次創作だ。
内容によって様々なジャンルがあり、一例としてごく一部を紹介する。

  • 銀河英雄伝説のキルヒアイスや魔法少女まどかマギカの巴マミなど、作中で死亡するキャラが死なないルートを模索する『救済もの』
  • エヴァンゲリオンの碇シンジや機動戦艦ナデシコのテンカワ・アキトなど、作中のキャラクターが記憶を持ったまま序盤に戻る『逆行もの』
  • そもそも原作に存在しないオリジナルキャラクターを主人公にして、原作を追体験(或いは再構築)する『オリ主もの』
  • 原作の展開で、もしもあのとき逆にこうしていたら?(こうなっていたら?)をシミュレートする『ifもの』
  • まったく繋がりのない作品同士を繋げる『クロスオーバーもの
etc……
これ以外にも様々なジャンルがあるが、多くなりすぎるので割愛する。
さらにこれらを複合した作品も、もちろん無数に存在する。

二次創作サイトの変遷

2022年現在において、二次創作小説を扱っている小説投稿サイトは色々あるが、その中でもハーメルンが最大手と呼んで過言ではない。

さて、こうしたサイトができた経緯は少々複雑。
昔から小説は漫画と並んで娯楽の王道であり、90年代には架空戦記小説が一大ブームとなり、その後はライトノベルが流行ったこともあり、年代を問わずに親しまれてきた。
ただそれまでは本屋で書籍を買って購読するしか楽しむ方法は無かったが、その後90年代から00年代にかけてPC、携帯電話の普及によるインターネットの活発化が爆発的に進んだ。それにより、自然と誰もが自分で小説を書いて人に見せることが可能になった。

しかし、「小説を書き、web上で他人に見せる」という行為は誰かが主導したものではない。愛好家の手で自然発生したもので、00年代までは
などと発表の場所がバラバラであり、総合的網羅的に二次創作小説を投稿・閲覧できる場所は少なかった。
広大なネットの海に散らばるこれら小説サイトを探す為「検索エンジン」(サーチエンジン)と呼ばれるHPのリンクだけをまとめるWEBサイトも発生し、読者には重宝されていた。

とはいえ乱立していると淘汰が進むのは自然な事。
(ジャンルによっては)大型の個人運営投稿サイトなどを経て、徐々に作者達は個人サイト「Arcadia」や、2ちゃんねるに集まっていった。
……が10年代に入ると、Arcadiaも個人サイトとしての限界を露呈し始め、2ちゃんねるは元々エロパロ以外の二次創作は小規模だったうえに書き込み規制が激しくなり、個人が創作を投稿するには非常にしづらくなっていた。
「SS速報VIP」という、2chっぽいけど2chではない投稿サイトもできたことにはできたが、こちらはニュース速報VIPのSSスレが独立してできた経緯があるため、ここでの掲載もニュー速VIPに倣い「会話文(+効果音)のみで話を回す」という台本風或いはアニメ調のSS以外は歓迎されない傾向にあった。それも、普通の小説っぽく書く場合は冒頭で「地の文があります」的な警告が必須なレベルで。
或いは個人サイトや個人ブログを支える運営側のウェブサービス・ブログサービスの終了に伴い個人サイトそのものが強制的に消滅してしまう場合もあり、創作発表の場が失われる不幸なパターンも発生した。

そんな2010年代始め頃に作者たちが集まっていったのが、2022年現在でも小説投稿サイトの最大手として名が知れ渡っている『小説家になろう』である。
当初は「小説家になろう」も二次創作小説も受け入れ「にじファン」というなろう内の二次創作作品検索サイトが作られたので、『小説家になろう』で書く二次創作作者が一気に増えた。

一方、
  • 個人サイトに連載していた吉野匠の「レイン」が05年から書籍化
  • 06年から07年にかけて「恋空」を筆頭とするケータイ小説ブーム
  • 09年に2ちゃんねるのニュー速(vip)で連載され人気を博した「まおゆう魔王勇者」が2010年に書籍化
…と、00年代から10年代前半にかけて、ネット上の創作物が商業的成功を収めるようになり、企業は徐々に「ネット上での創作」というものを意識し始めるようになった。

「人」が集まったうえに「時勢」も重なるとなっては色々と起こるもので、二次創作作品に権利上の問題がある事*1を理由に、『小説家になろう』が「公式が正式に許可を出している作品を除き、二次創作作品の掲載を一切禁止する」と発表。
これにより膨大な数の作品が削除される事となった。
それらへの対処として2010年8月に『小説家になろう』から「二次創作小説のみを受け入れる派生サイト」として『にじファン』が分離し、二次創作作者はそちらへと移行。『小説家になろう』本家は現在の形となったのである。

だが、にじファンに分離されてもなお平穏とはいかず、ユーザーのマナー違反などその他諸々の事情の果てに、2012年ににじファンも閉鎖が決定。真面目に二次創作を楽しんでいた作者の多くが行く先を失ってしまう非常事態になってしまった。
そんな絶望な折りに、有志が製作してくれた避難場所のひとつが『ハーメルン』だったわけである。
この時期はハーメルン以外にも新たに開設した投稿サイトの他、pixivなどを筆頭とした既存の投稿サイトや個人サイトに移住した作品もある。

そんな経緯により作られた場所なので、ハーメルンでは『にじファン』で問題視されていたことへの対処・対策が最初から徹底されていて、特にマナー違反への制裁は厳しい。盗作などしようものなら速攻でアカウント削除で永久追放である。
しかも警告や追放を行ったアカウントに対しては「警告や追放を行った理由」まできちんと開示するなど透明性も確保。
その運営の厳格な対応のおかげで、開設当初から現在にいたるまでサイトの雰囲気は良好であり、致命的な問題もほぼ起きたことはない。

その後、管理人不在などで一時機能不全に陥った「Arcadia」や小説投稿が禁止された「2ちゃんねる」の両者からの移住者も受け入れている。
移住前からも合わせると10年以上連載し続けている作者も存在する。

なお、二次創作小説を扱える投稿サイトとして知られているものの、勿論ながらオリジナル作品の投稿も可能。
後述するように純粋に小説投稿サイトとしての利便性も高いため、オリジナル中心で活動しているユーザーも少なくない。
閲覧側も検索やランキングで二次創作とオリジナルを分けて探すことも可能である。
他の投稿サイトに比べるとまだまだ少数ではあるがオリジナルで商業展開した方もいる。


【主な機能】

小説投稿サイトとしての必要な機能はほぼ備えている。
二次創作主体サイトなので、トップページの主要な原作名から入ると更新順に題名が見えてくる。
原作カテゴリーは逐次追加されており、五十音順で並んでいるので見つけやすい。

これらのカテゴリーは人気の原作が増えるたびに逐次追加されていっている。
あくまでも「トップページの左側でリンクされている原作が上記リスト」というだけで、投稿時のカテゴリー分けでこれら以外のカテゴリーに登録することも出来るし、検索で原作:〇〇と入力すればちゃんとヒットする。

なお、クロスオーバー作品を探す際の注意点だが、ハーメルンではひとつの作品をひとつのカテゴリーにしか登録できないので、例えば「アイドルマスター」と「バイオハザード」のクロス作品を探したいと思っても、「アイドルマスター」か「バイオハザード」かのどちらか片方にしか無い。
これはクロス小説を投稿する場合にも悩ましい点で、読んでもらうためにはまず人目に触れなければならないわけで、どちらの作品のカテゴリに登録したほうがいいかは考えどころ。
こういった作品を探したいときには『アイドルマスター バイオハザード クロスオーバー』と入力すればよい。
クロス小説はタグに「クロスオーバー」を入力するのが必須となっているため(もちろん破ったら警告が飛んでくる)、クロス物だけを探すならこの単語で検索すればいいし、クロス物が読みたくなければ除外設定やマイナス検索すれば弾く事が可能。
他にも「オリ主」とか「BL(GL)」とか必須タグが存在するので、見たくないものは除外設定で弾くというのは基本にしておこう。

R-18作品の投稿も可能だが、通常検索では必須タグ「R-18」で必ず出て来ないようになっている。
R-18専用の検索モードに切り替えると、逆にR-18作品のみ出るようになる。

こんな内容の作品が読みたい、または前に読んだけどどんな題名の作品だか忘れてしまった、などの場合には「捜索掲示板」があるので、そこで聞いてみよう。

ランキングも整備されており、日間〜月間、果ては四半期や年間まで、人気の作品を一括で一覧できる。
ただし順位なんてものはしょせん水物なので、自分の推している作品がランキングに無くても怒らないように。そんな暇があるなら、作者に感想や応援を送るほうがよほど推しの助けになるのだから。
作者側も、ランキングに上がらなかったからといって自分の作品がつまらないんだと自信を無くす必要はない。
あなたの作品を読んで、おもしろかったと言ってくれる読者が一人でもいるならば、その人こそが日々変動するランキングより素晴らしい作者としての財産である。

気に入った作品があるなら、それを他の人にも紹介できる推薦記事を書ける機能もある。
これも作者にとってはかなり助けになる。どんなによい作品でも知名度がないと読んでくれる人は限られるので、推しの作品のレビューは遠慮しないで書いてあげよう。
ただし、ハーメルンでは複数アカ持ちは禁止されており、もし作者が複アカを使って推薦の自演をしたことがバレたら即垢BANになるので、みみっちいことは考えないこと。

直接評価する場合には、作品のページから「評価する」を選べば0~10点で採点できる。
ただし0点と10点は1アカウントにつき10作品までしか付けられない上に、何かしらの感想を添える必要がある。これは荒らし対策のためだと思われる。


【作品投稿までの流れ】

  1. 会員登録
    • メールアドレスが必要。フリーメールでも可。
  2. マイページから「新規小説作成」を選び、題名など必須項目を記入
  3. 小説本文を書き込んで、新規投稿

以上。非常に簡単である。
興味を持ったなら、君もすぐに小説を披露できる。細かい使い方は「取扱説明書」もあるのでそちらを読んで調べよう。

また、小説に関しては文章編集の自由度がとんでもなく幅広い。これこそハーメルンの最大の特徴と言えよう。
文字の色変えはもちろんの事フォントの埋め込み等カスタマイズが多彩で、いわゆる掲示板ネタは本当に5chっぽく作れる。例えばAAを貼って表記したり>>1とかのアンカーにマウス合わせた時のポップアップも実現可能なほど。
最近では
  • TwitterやLINE、YouTubeの画面を再現
  • WikipediaアニヲタWikiみたいに注釈を付ける
  • ニコニコ大百科やWikipedia風のデザイン
  • 大量のAAを用いてやる夫スレの如く仕立てる
といったことも可能となった。当然挿絵も表記できる。





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最終更新:2025年04月21日 21:40

*1 特に任天堂とコナミが二次創作作品に対して、極めて厳しい態度を見せている事で非常に有名。コナミに至っては『ときめきメモリアル』のアダルトアニメやPS版の改造メモリーカードを巡って、制作会社を相手に訴訟まで起こし、いずれも勝訴している。