犬夜叉(キャラクター)

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犬夜叉(キャラクター) - (2021/12/06 (月) 21:09:32) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2020/06/03 (水) 00:17:47
更新日:2024/01/05 Fri 17:45:29
所要時間:約 4 分で読めます







かごめは俺に会うために生まれてきてくれたんだ。

そして、俺も――かごめのために……。




出典:犬夜叉完結編、17話「曲霊の邪念」、読売テレビ、小学館、サンライズ、
2009年10月3日~2010年3月29日まで放送、© 高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2009

概要

『犬夜叉』とは『犬夜叉』の主人公。

CV:山口勝平関俊彦(少年サンデーCM劇場)ムースから乱馬に

銀色の長い髪をした半妖。人間換算で15歳。
実年齢に関しては原作では不明で(少なくとも50歳以上)、
アニメでは『天下覇道の剣』にて約200年前に生まれた事が明言されている。
右目には父の巨大な墓があるあの世とこの世の境への扉となる黒真珠が埋め込まれている。
作中ではあまり触れられないが、容姿はかなり美形。

長く生きている反面、性格は非常に子供っぽく口も悪い。
生まれ育った環境が環境なだけにしょうがないが、喧嘩っ早く口より先に手が出ると言っても良い程短気で暴れん坊である。
また、かなりのヤキモチやきでもあり、鋼牙との関係をしつこく聞いてかごめを激怒させた事もある。

とはいえ、不器用ながら根は優しく、彼なりにかごめに気を使ったり、敵でも事情があると見逃したりする。
特に同じ半妖については思うところがあるのかかなり気にしている。
序盤は、妖怪に捕まった子供ごと妖怪を倒そうとするなど冷酷な所もあったが、かごめや仲間と共に旅をするうちに徐々に変化が訪れ、
仲間の危機に自身の至らなさを後悔したり、アニメ版では妖怪の術で過去のトラウマに苛まれる仲間を1人1人必死に説得し立ち直らせたりと仲間想いな一面も芽生え始める。

戦国時代の約200年前に、人間の女性であり貴族の十六夜と、犬の大妖怪である父との間に生まれた。殺生丸は腹違いの兄。
しかし犬夜叉が生まれた日、十六夜を心配した犬夜叉の父が屋敷に向かうと、彼女に横恋慕していた刹那猛丸が、妖怪に取られるならばと十六夜を惨殺してしまっており、
十六夜は天生牙によって蘇生されて犬夜叉と共に逃げ延びることに成功するが、父親は妻たちを逃がすべく猛丸と戦い、相討ちとなった*1
なお、『犬夜叉』の名前は十六夜との最期の別れとなったこの時に、息子の名前として父が十六夜に告げたものである。

その後は母親と共に都の何処かで他の貴族たちと共に過ごしていたが、半分が妖怪という出自のせいで周囲から拒絶され、誰からも受け入れてもらえなかった。
母が存命の頃は慰めてもらえていたが、母が亡くなってからは犬夜叉は出自から来るこの境遇に一人で立ち向かわなければならなくなり、次第に自分以外を信じられなくなっていった。
人間からも妖怪からも半端者と蔑まれ虐げられる日々を送る中、犬夜叉は自分の居場所を得るためには力に頼るしかなかった。
そして野に下った彼は自分の命を狙う妖怪と命がけで戦う日々を送り、幾度となく死にかけ血肉にまみれながらも生き延びてきた。
こうして今の犬夜叉の人格が形成されていったのである。
そんな経緯からか、父に対する想いは限りなく薄いが、自分を慈しみ育ててくれた母への慕情は強い。
ちなみに十六夜は死後、火鼠の衣と紅差しを形見として遺しており、前者は防具として息子を護り続け、
後者は犬夜叉が初めて恋い慕った異性である桔梗に贈られている。亡母の紅差しとかプレゼントとしてはちょっと重くね?

そして本編の50年前、四魂の玉の情報を得て完全な妖怪になるために玉を持つ巫女・桔梗を狙う犬夜叉だったが、その度に呆気なく返り討ちにされる。
だが以前、玉のことを知らなかった頃の犬夜叉が、玉を狙ってきた妖怪の退治で疲弊し、目前で昏倒した自分を傷つけることなく心配したことを桔梗は覚え、興味を持っていたため、
桔梗は玉を狙う犬夜叉を撃退しつつもトドメを刺そうとはせず、徐々に犬夜叉と桔梗は交流を持つことになる。
そして、妖怪に襲われた自分の妹である楓を犬夜叉が守ってくれたことがきっかけとなって桔梗は犬夜叉に惹かれ始め、やがて両想いの関係となった。
かつて玉によって完全な妖怪となることを望んでいた犬夜叉は、桔梗と共に生きるために半妖から完全な人間となることを決意するが、
桔梗に横恋慕していた鬼蜘蛛が半妖化した奈落の策略によって桔梗と互いに憎しみ合うように仕向けられてしまう。
奈落の襲撃で致命傷を負っていた彼女の破魔矢で胸を射抜かれた犬夜叉は、意識がないまま50年もの間村の御神木に磔になる形で封印されることとなり、
その姿を見届けた後、既に自身がもう永くないことを悟っていた桔梗は妹である楓に四魂の玉を自分と共に火葬するよう託し、その後すぐに亡くなった。

そして本編の頃、桔梗の生まれ変わりである日暮かごめに封印を解かれて目覚めた犬夜叉は、失われた筈の四魂の玉をかごめが持っていた事を知り、
彼女から奪おうとまたも付け狙うも、紆余曲折の果てにかごめが放った矢により四魂の玉が砕けて欠片が四方に散ってしまい、かごめと共に四魂の欠片を探す旅に出る。

なお、理由は不明ながら彼もかごめ同様「骨喰いの井戸」で時を越えることができ、かごめの迎えなどで度々平成の世を訪れている。
現代文化を理解しておらず服装もそのままだが、耳は怪しまれるため日暮家から借りた野球帽や三角巾で隠している。
かごめの弟である草太からは「犬夜叉の兄ちゃん」と呼ばれたり、
その他家族からかごめの彼氏として普通に受け容れられている他、アニメ版ではかごめと共に買い物に出かけたり彼女の学園祭に訪れていたりと頻繁に現代ライフを楽しんでいる。
しかし現代にいるのは過去から来た犬夜叉だけであり、年齢的には存命なはずの現代の犬夜叉は姿を現さなかった。
理由は不明であり、タイムパラドックスが起きるのを気にしているのか、あるいは既に故人になってしまっているのか……。

尚、かごめを狙ってる最中に楓から言霊の念珠を首にかけられ、
かごめが放つ魂鎮めの言霊を受けると本人の意思に関係なく地面に叩き伏せられてしまうようになった。
以後、おイタをやらかしたりしてかごめに制裁されるという流れが定番となるが、思わぬ場所で彼を救ったりもしている。
「おすわり!!」
「ふぎゃッ!!」

かごめが現代から持ってくるお菓子やカップ麺などが大好物で、特にカップ麺が好き。
かごめの自転車を乗りこなそうとしたり、いつの間にか懐中電灯を使いこなしていたりもする。数学の教科書を読んだ時は何かの呪文にしか見えなかった。
逆に辛いものが苦手(舌が痛くなるので)。特にカレーは匂いをかいだだけで怖気ついて逃げてしまう程。



恋愛

かごめの事は当初桔梗の生まれ変わりであり、容姿も匂いも桔梗と一緒という事で嫌っていたが、彼女の気の強さや優しさから徐々に惹かれていく。
鉄砕牙を変化させる事が出来るようになったのも、かごめを想う心故である。
しかしその後、死んだ筈の桔梗が鬼女である裏陶の手により死人(故人の骨と墓土で作った身体に故人の魂を宿らせたモノ)として蘇った為、
桔梗に未練があった事と、彼女と殺し合う羽目になったのは奈落の策略で桔梗が裏切ったわけではなかったと知ったことで、両者の間で揺れ動く。

かごめは桔梗の生まれ変わりであり、両者の魂自体は同じという点で見れば一途と言えなくもないのだが、
当の犬夜叉が「かごめはかごめ」「桔梗は桔梗」と夫々別人として考えるようにしているため、実質誤魔化せないくらい二股である。
犬夜叉が二股野郎ということは読者だけではなく三人の関係を知る一行達からも言われていることであり、その流れになった際の犬夜叉一行からの犬夜叉を見る目は白い。

なお、桔梗に執着している奈落やかごめに惚れている鋼牙はそれぞれその相手の転生前・後には興味を持っておらず、
弥勒も弥勒で女なら誰でも良さそうに見えて、実は一貫して珊瑚に惚れていたりするから、犬夜叉の二股がより悪目立ちしてしまうというのもある。
良くも悪くも二人の女を愛した父親の子供か。

余談だが、後に蛇骨(♂)からもゾッコンな程気に入られている。

旅の中で惹かれあう犬夜叉とかごめだったが、最終決戦にて、四魂の玉によりかごめは冥道へと落とされてしまう。
犬夜叉が駆け付けかごめが『玉の消滅』を望んだ事で四魂の玉は消滅するが、これを境に「骨喰いの井戸」は塞がり二人の時代はつながらなくなり離れ離れになってしまう。

互いに「会いたい」と思い続け3年が過ぎた時、再び井戸がつながり、戦国時代で生きることを選んだかごめを迎える。
旅を終えて以降は弥勒と共に主に妖怪退治を生業としている。

続編である『半妖の夜叉姫』では、かごめと夫婦となり、娘のもろはを儲けている。


戦闘

半妖とは言え妖怪の血を引くので身体能力は高く、肉体自体もそこそこ頑丈。
それに加えて火や毒に強い耐性を持つ火鼠の衣を着ており、大妖怪譲りの強い生命力を持つため、戦闘・継戦能力は高い。
犬の妖怪なので嗅覚も鋭く、鋭い爪で相手を切り裂く。一行の中では終始主力、頼みの綱である。
ただし嗅覚の鋭さは、悪臭を利用した戦法などを前にすると犬夜叉自身を無力化させかねない欠点と化してしまう。

ただ、半妖である犬夜叉は完全な妖怪の父や兄の殺生丸のように犬の妖怪の姿になることは出来ず、
空を飛び、強力な毒を帯びた爪や強い毒耐性を持つ殺生丸と比べると、爪はただの爪で、自身の肉体そのものには毒耐性がない上、
身体能力や嗅覚の鋭さも兄には及ばないため、殺生丸には「出来損ない」と蔑まれている。
とはいっても大妖怪の父やその血を色濃く受け継いだ兄と比べると弱いというだけで、並の妖怪や人間相手なら普通に倒せるだけの強さはある。

戦闘スタイルは主に力や直感に頼った力任せのものが主で、頭脳戦などはかなり苦手。
鉄砕牙の扱いに関しても基本的に風の傷などの大技頼りと大味であり、知略に長けた相手にいいようにあしらわれてしまうこともある。

また、七人隊や弥勒のように卓越した武技の使い手を相手にする場合、兄の殺生丸なら初見であしらえる相手であっても、犬夜叉の場合は技量で圧されて苦戦することもしばしば。
ただし、同じ相手と交戦を重ねるうちに動きを見切って対処出来るようになっていく辺りから、
武術の才に欠けているのではなく、強敵との交戦経験や技術面の知識不足が原因であることが窺える。


なお、半妖である関係上、妖力が弱まって身体的には完全に人間になってしまう日がある。犬夜叉の場合は朔の日(新月)。
黒髪になり人間の耳が生え身体能力も人並みになる*2。こうなってしまうと弥勒や珊瑚よりも弱い。
さらに妖力が無くなってしまうために鉄砕牙を真の姿に変化させることも出来なくなるので、破魔の力が使えるかごめよりも弱くなってしまい、完全にお荷物扱いに。
また、強力な浄化の気に晒される事でも一時的にだが人間にされてしまう。*3

一方、鉄砕牙を手放している状態で生命の危機に陥ってしまうと、強力な大妖怪の血に人間の血が圧し負け、心まで妖怪と化してしまう。
強まった大妖怪の血の力で妖力は通常時の倍に急上昇し、完全な妖怪である殺生丸と同等レベルにまで身体能力その他が向上するために戦闘能力自体は高くなるが、
思考能力は大幅に低下し、戦闘本能と誰かを殺すことへの快楽が命じるままに、敵味方の区別なく、戦意がない者や命乞いをする者すら容赦なく手に掛けるようになってしまう。
鉄砕牙を持っている際にこの妖怪化が起こらないのは、犬夜叉の父がいずれ成長した犬夜叉がこうなってしまうことを危惧し、彼に受け継がれる予定の鉄砕牙に妖怪化を抑える力を持たせていたためであり、
鉄砕牙を持たせたり、かごめの「おすわり」などで強引に鎮静化させることで、妖怪化した状態から元の半妖に戻すことができるが、
稀に鉄砕牙を持っている状態でも、強大な邪気にあてられたりすると妖怪化してしまうことがある。


妖怪としては上記の通りなので、身もふたもなく鉄砕牙が本体などと言われる事が多い。詳しくは鉄砕牙の方を参照。
事実、犬夜叉自身の『切札』といえる攻撃の殆どが鉄砕牙から来るものであり、この刀の成長は犬夜叉のそれを軽く上回るのだ。
そのため、父の牙を鍛えて拵えられたという設定から、パワーアップしても「息子じゃなく親父(の牙)が強くなっているだけなのでは?」と読者などから揶揄されることもある。
しかし、一度へし折られた鉄砕牙を鍛え直す際に犬夜叉自身の牙を繋ぎとして使用したことから、それ以降の鉄砕牙の力は父親(の牙)の力とは単純に言えなくなっている。
その上、補修直後は父の牙の力に犬夜叉自身の牙の力が負けており、
結果使用者の犬夜叉は以前とは違う「重さ」を感じてそれに翻弄されていたものの、徐々に犬夜叉は新たな鉄砕牙を使いこなせるようになっていったことから、
戦いの中で犬夜叉の牙(と本人)の力が父親のそれと遜色ないものに成長していったと思われる*4
奥義・爆流破や冥道斬月波を扱うにしても、必要な相手の大技に勝る気(妖気等でなく気迫の類)等、鉄砕牙そのものが認める力量技量が無ければこの刀の力を満足に引き出せない。
半妖の身でないとそもそも扱えないという点を差し引いても、犬夜叉が使い手だからこそ鉄砕牙が劇中のような力を発揮していると言っても過言ではなく、
鉄砕牙のみならず犬夜叉もそれを振るうに相応しい実力を身に付けていっていることを忘れてはならない。

連載終了直後の作者のコメントによれば、最終回後の犬夜叉と戦国最強の大妖怪となった殺生丸は、互いに抜きつ抜かれつの好敵手になっているという。

火鼠の衣も、本人が「下手な鎧より頑丈」と豪語するようにかなりの防御力を誇り、人間の首を軽く切断するワイヤー状の髪や炎に撒かれても無傷で居られるほど。破れても再生するメンテ要らずの優れもの。
ただしこれも犬夜叉の妖気に反応しての作用なようで、彼が人間に戻るとただの衣服になってしまう。

以下は犬夜叉本人の技について記す。


  • 散魂鉄爪
その鋭い爪で相手の肉を切り裂く技。
流石に鉄塊を切り裂くような威力はないものの、人間の具足や下級妖怪の装甲程度であれば軽々粉砕する。

  • 飛刃血爪
爪に血を付けて、妖力で硬化させながら相手に向かって飛ばす。
相手の返り血や自分の血や使うため、この技を使う時の犬夜叉は満身創痍の事が多い。最後の悪あがきともいう。


ちなみに、上記の技は娘のもろはにも受け継がれている。


余談

犬夜叉役の山口勝平氏は高橋先生の前作である「らんま1/2」の主人公「早乙女乱馬」を演じていたので先生の作品では2作連続で主人公を演じることになった。
また、演じるにあたって高橋先生直々の推薦も受けたらしい。

2019年に行われた『全るーみっくアニメ大投票』では数多くいるるーみっく作品の人気キャラを抑え見事1位に選ばれている。



追記・修正は二股の運命に決着をつけてからお願いします。

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