もろは(半妖の夜叉姫)

登録日:2021/01/06 (水) 00:13:19
更新日:2023/04/21 Fri 21:08:56
所要時間:約 5 分で読めます






紅をさした時、アタシは『国崩しの紅夜叉』に変わる!




出典:半妖の夜叉姫、6話「古寺の猫寿庵」、読売テレビ、小学館、サンライズ、
2020年10月3日~2021年3月20日まで放送、©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020

概要

『もろは』とは『半妖の夜叉姫』の三人いる主人公の一人。犬夜叉の娘。


黒髪をポニーテールにした四半妖の美少女。14歳。
見た目は朔の日に人間化した犬夜叉を思わせる恰好だが、かごめのママには目がかごめに似ていると言われている。
犬夜叉と違い犬耳もなく、妖怪要素は外見からは見つからない。一応犬歯が発達しているのが名残か。
同じ年の頃のかごめと比べるとやや胸元が寂しいまだ発展途上なのかもしれないが。また、従姉妹二人よりも身長は少し低い。
赤色の装束に脚絆を巻き、継ぎ接ぎ状の火鼠の衣の外套を羽織っている。
特徴的な髪留めのリボン高橋留美子先生曰く、「犬夜叉の犬耳の投影」とのこと。


父親は前作の主人公である犬夜叉であり、母親はメインヒロインであった日暮かごめ
そのため某総大将の孫と同じく、もろはは妖怪と人間のクォーター(四半妖)になる。
父方の血縁として、大妖怪の殺生丸は伯父にあたり、その双子の娘である日暮とわせつなは従姉妹(同年代だがもろはの方が数ヶ月ほど生まれるのが遅い)。
また母方の血縁には、叔父の日暮草太、叔母に日暮萌、従妹に日暮芽衣がいる。

しかし生まれて間もない頃、何らかの理由で犬夜叉夫婦は殺生丸と麒麟丸と敵対する事になったらしく、赤ん坊だったもろはを八衛門狸に託して逃がしている。
以来両親は黒真珠の向こう側に封印され行方不明であり、もろはは両親の顔を知らずに生きて来た。
一応言っておくと、冥加が仕えているため、両親の事は彼から聞かされているほか、
上記の出来事の後、鋼牙夫婦ら妖狼族に預けられ、
そのまま育てられており、かつて犬夜叉が半妖として差別され荒んだ人生を送っていた時のような様子は無かった模様。

8歳の頃からは師匠である凱風(やわらぎ)と共に修行のため過ごしていたが、
すぐに妖怪の力に頼ろうとするため一向に修行を完了できず、最終的に条件である倶利伽羅丸を譲る条件付きで借金のカタとして屍屋獣兵衛のもとに売られてしまう。
長く妖怪と過ごしてきたもろはにとって初めて会った親戚はせつなであり、その後現代にタイムスリップした際に母方の親戚と遭遇して一気に交流した親戚が増えた。


出典:半妖の夜叉姫、6話「古寺の猫寿庵」、読売テレビ、小学館、サンライズ、
2020年10月3日から放送中、©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020


明るく人懐っこい元気な性格で、叔父とはいえ男性のいる部屋にタオルで胸だけ隠した状態でやってくるなど、羞恥心はあまりない様子。
育った時代と環境が環境だけに犬夜叉ないし鋼牙のように野性味溢れるが、母親に似て頭脳は非常に優秀であり、賞金稼ぎとして蓄えた妖怪への知識は勿論、洞察力も鋭い。
また適応力も人一倍高く、犬夜叉が何時まで経っても理解できなかった現代社会に僅かな期間で適応してしまっており、
  • 曾祖父達に混じってラジオ体操を行う。
  • クレジットカードの使い方をマスターし草太持ちで大量に買い物をする。(きちんと領収書ももらってきている。)
  • 音楽プレイヤーと無線イヤホンで音楽を聴く。(ちなみにかごめは中学時点でまだ携帯をもっていない。)
  • 野営がてら、持参したカセットコンロとフライパンでホットケーキを作る。
などといった具合に現代機器にも適合し、たくさん購入した現代グッズを戦国時代に持ち帰っている。
とわはもろはの行動をタイムパラドックスが起きないかハラハラしているが、もろははまるで気にしていない。この辺りは両親そっくり。

普段は明るく振る舞ってはいるが、ずっと一人で暮らしていたがゆえに寂しさを感じており、
とわとせつなの面倒を見たり一緒に行動するのも、生来の面倒見の良さの他に、ようやく会えた親戚というのも大きいようだ。


上述の経緯から借金返済と生活費のため賞金稼ぎとして活動しており、その腕前は『化け殺しのもろは』という通り名がつけられるほど。
しかしそう上手く賞金首を狩れないのか羽振りは特別いいわけでなく、獣兵衛には頭が上がらない。


なお、常にとわやせつなと行動を共にしているわけではなく、活動が活発になった妖怪の退治で居合わせれば力を合わせている感じ。
とわがせつなにべったりなのもあり、一人はぶられることがたまにある。



戦闘

犬夜叉から受け継がれた妖力とかごめから受け継がれた霊力を併せ持つハイブリッド。
犬の四半妖なので身体能力と嗅覚に優れており、妖気を嗅ぎ分けて人と妖怪を判別できる。
また霊力を使う媒体としてかごめ同様に弓矢を用いており、しかもかごめとは違い弓矢のコントロールもできる。
また妖刀『倶利伽羅丸』を持っており、基本的にはこの二つを併せて戦闘を行う。

半妖ならば月一で妖力を失う日があるが、もろはは人間の血が濃く妖怪の血が薄い四半妖なためかそれがないらしい。


祖母・十六夜の形見である赤色真珠付きの貝の器に入った紅を差すと妖怪の血が覚醒し、『国崩しの紅夜叉』と呼ばれる妖怪モードに入る。
この時のもろはは犬夜叉と同様に通常時以上の妖力と戦闘力を持ち、隔世遺伝なのか冥加が言うには犬夜叉兄弟以上に犬の大将のそれに近くなるらしい。
犬夜叉と違い任意で発動、しかも自我も失わないと良い所だらけに見えるが、このモードは1分間しか持たないうえ、変化が解けると丸一日眠り続けてしまう。
隙だらけになるデメリットが大きすぎるため、基本一人だったもろはは当初このモードになるのを躊躇していた。
また、発動の際には暗示のための前口上が必要なため、そこを狙われる事もしばしば。

以上はもろはの認識だが、実態は違う。
本来、最強クラスの大妖怪だった犬の大将の末裔としての血は四半妖のもろはに耐えられるものではなく、
妖怪とすら呼べない破壊衝動に身を委ねた化け物に成り下がる恐れがあった。
そのため、巫女として経験を積んだかごめは、娘が破滅しないように、
「紅をさせば力を出せるが、1分経過すると眠ってしまう」という暗示を利用した封印を施して、長時間力を発揮して血の悪影響に晒され続けないようにリミッターを設けた次第である。
これは父親で例えるならば、鉄砕牙を捨てて戦い続けないように、「鉄砕牙を手放すと一分間で否応なく眠ってしまう」と肉体に暗示をかけて抑制しているに等しい。
ただ、かごめの配慮に反して、もろはは窮地に陥る度に紅をさした際の力に依存するようになってしまい、その依存状態を矯正しようと敢えてスパルタ式で接した凱風とも仲違いしてしまった。

また、妖力と霊力を同時に持つことは同時にそれぞれの力を相殺しているという面もあり、
妖怪化しても先述の制限時間を含めて十分にその力を引き出せているとは言い難い(同じく暴走状態になったせつなと比較すると分かり易い)。
霊力も瘴気を浄化するぐらいには強力だが、桔梗のように熟練者でもなければ、かごめのように火力に特化しているわけでもない*1
そのため、そこまで大きなダメージにはなりにくく、一角の妖怪相手となると矢で射っても容易く一蹴されてしまうこともしばしば
フォローするならば、周囲に霊力の扱いを知る者がいなかったため、ほぼ独学で学ばざるを得なかった点だろうか。


  • 紅龍波
刀身に妖気を纏わせ赤い龍の姿をした衝撃波を放つ。

  • 紅の爆流破
バトントワリングの要領で倶利伽羅丸を腕の周囲で纏うように転がして、渦のような勢いに乗せて紅龍波を放つ。
父や祖父の爆流破と原理や効果は同じ。勢いに乗せた紅龍波で敵の技を巻き込んでそのままそっくり返すカウンター技である。
爆流破の要である相手の技を上回る気が犬夜叉よりも劣るからか、
もろはの場合は自分が放った紅龍波をわざと敵に反射させてそれに対して紅の爆流破を仕掛けることが多い。
この戦法のお陰で気軽に繰り出せて利便性は高いものの、つまるところ紅龍波二発分に過ぎないので、もろはよりも格段に高い妖力や技量の相手なら容易に迎撃出来てしまう。
半端な技に対して仕掛けると逆に自滅の原因になりかねないという、源流技である爆流破と同様の弱点も引き継いでいる。


  • 天空の矢襖
霊力を込めた破魔の矢を上空に射た後、矢を分裂させて相手に無数の矢を当てる。
正確には破魔ではなく封印の矢らしく、妖怪相手には大ダメージを与える。
ただし、一つの矢を分裂させて命中率を上げる代償として、一条一条の威力は低下してしまうので、簡易的な妖力の盾でも容易く防げてしまう欠点がある。

  • 散魂鉄爪
妖力を込めた鋭い爪で相手の肉体を切り裂く技。
通常時はとわの肉体にちょっと傷をつける程度(加減しているが)だが、
妖怪化している状態だと檮杌の頭と肉体を切り離し、若骨丸を瞬殺する威力を見せている。

  • 飛刃血爪
爪に血を付けて、妖力で硬化させながら相手に向かって飛ばす。
相手の返り血や自分の血や使うため、この技を使う時のもろははダメージを負っている。
妖怪化している時のもろはが繰り出せば四凶の檮杌をバラバラにするほどの威力を誇る。


余談

元々本作の企画段階ではとわとせつなだけが主人公であり、もろはは存在しなかった。
しかしとわとせつなだけでは物語を上手く展開できなかったため、物語を動かしやすいトラブルメーカーのもろはが作られたらしい。
そのため双子のキャラ立ちするまでの序盤は、メイン主人公のとわ以上にもろはが主人公している。
キャラの動かしやすさは大事というのが分かる話である。

もろはが妖怪化するさいに使う祖母の形見の紅だが、犬夜叉は生前の桔梗にも十六夜の形見の紅をプレゼントしている。外見はもろはの物と同じ。
犬夜叉は「母の形見は火鼠の衣とその紅だけ」と桔梗に説明しているが、その紅は犬夜叉に化けた奈落によって粉々に踏み潰されてしまっている。
この紅は理玖によって当代の宝仙鬼の手に渡り、そのまま犬夜叉の元に渡ったものである。
黒真珠を作るための設定を聞く限り偽物とは思えないが、紅は複数ないと思われる。いったいこの紅は何処から来たのだろうか……?

演じる田所あずさは声優を志したきっかけは犬夜叉で戦国時代に行きたいがために古井戸に入ったエピソードを持つほどであった。
その彼女が憧れの犬夜叉の続編に犬夜叉とかごめの娘役としてキャスティングされた際「感動に震えている」と感無量のコメントを残している。





追記・修正は紅を差してからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2023年04月21日 21:08

*1 桔梗の生まれ変わりであるかごめはいわば前世での経験値も引き継いでいる状態のため。