殺生丸

登録日:2011/04/12 Tue 04:09:05
更新日:2025/04/06 Sun 03:03:27
所要時間:約 16 分で読めます






無駄死にかどうかはこの殺生丸が決めること。



出典:半妖の夜叉姫、23話「三姫の逆襲」、読売テレビ、小学館、サンライズ、
2020年10月3日~2021年3月20日まで放送、©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020


殺生丸とは高橋留美子の漫画作品『犬夜叉』、およびその続編であるアニメ『半妖の夜叉姫』に登場するメインキャラクターの一人。
主人公の犬夜叉とは異母兄の関係。




◆概要

長く美しい銀髪と額にある紫色の三日月模様、両頬の赤い虎縞模様が特徴の美青年*1の姿をした妖怪。
犬夜叉が半妖(人間と妖怪のハーフ)に対し、殺生丸は純粋な妖怪である。年齢も数百歳以上。
完全な妖怪であることに誇りを持っており、半妖である犬夜叉を毛嫌いしている。
同様に人間の事も見下しており、物語初期は敵役という位置から通り道にいたという理由だけで人間を惨殺していたが、後に心情に変化が表れてからは一切なくなっている。
犬夜叉とは何度も戦っているが、序~中盤にかけては普通に負けたり、途中で戦闘放棄したり、都合によりわざと負けたりとかませ犬的な役割が多かった。


◆略歴

父親である犬の大将は死ぬ際に二振りの刀、一度死んだ者を生き返らせる天生牙を殺生丸に、倒した相手の能力を奪い取る鉄砕牙犬夜叉にそれぞれ託す。

力を求める殺生丸ははこの世のものが斬れないナマクラではなく、鉄砕牙を求めて犬夜叉と戦うが、鉄砕牙の一撃で左腕を失い敗北。強い妖怪の腕を奪って使い捨てにしながら、刀々斎を脅したり付きまとったりしていた*2

その後、奈落から四魂のかけらを埋め込んだ人間の腕を貰って鉄砕牙を奪い取るが、仕込まれていた仕掛けで腕ごと取り込まれそうになったため、奈落の分身に報復。鉄砕牙をも噛み砕く悟心鬼の牙から作り出した闘鬼神を手に入れる。

この念願のメインウェポンは、ある戦いで折れてしまうが、天生牙を鍛え直した刀々斎によって、死神鬼の大技である冥道残月破を習得。これを使いこなすための修行中に天生牙は鉄砕牙から切り離されたものであり、父の目的が冥道残月破を鉄砕牙に吸収させることにあると知った殺生丸は犬夜叉と再度戦闘。

自ら天生牙を折り、未練を断ち切ることで鉄砕牙の正統な継承者として認めた*3


「こいつだけはこの手で殺す。この殺生丸の誇りだ」


物語終盤、四魂の玉に宿った邪悪な曲霊に、胸部を貫かれ重傷を負う。直後、突如殺生丸の体から光が溢れ出し、新たな腕と不死身の肉体を滅ぼすことのできる自分自身の刀『爆砕牙』を手に入れる*4

最強の大妖怪だった父親を越えた証*5を手にした殺生丸は戦国最強の力を如何なく発揮し、登場から最終戦まで大いに活躍した。

三年後の最終回では、りんを預けた人里の近くをうろちょろしていることが確認されている。最終回直後にあたるドラマCD「あさって」*6では、りんにプロポーズらしきものをしている。
プロポーズに喜んだ殺りんファンは多いが*7賛否両論
原作後日談である特別編「あれから」では、最終回の半年後が描かれた。

半妖の夜叉姫
日暮とわ』と『せつな』は娘で半妖。最初は妻は不明だったが、第15話でりんであることが明らかになった。知ってた
桔梗に封印された妖怪・根の首の出現に無関心を装っていたが、珊瑚の家の屋根に陣取り、犬夜叉と弥勒不在の村を守っていた。

その後は、かつて犬の大将とは好敵手であり腐れ縁の交友関係にあった麒麟丸と手を組み、「阿久留の風車」の捜索に時間の殆どを費やしていた。
……が、実際には阿久留を発見しても意図的に見逃していた。
製作スタッフ曰く「殺生丸はその慧眼によって最適解を見出しているが、とにかく無口で他人と情報共有をしない気性が禍して、単独で突っ走るきらいがある」と語られているように、当人の気性の所為もあって、とにかく厄介で面倒な立ち位置に居る。
……はっきり言えば、基本的にコミュ障の所為で後手後手に回っている。

産まれたばかりのとわとせつなが、麒麟丸の姉であり、かつての因縁から半妖を蛇蝎の如く嫌悪する大妖怪・是露に着け狙われたのが事の始まり。娘達を守るために、「剛億の試しを受けさせる」と称して、りんと引き離して愛娘二人を是露から隠した。
殺生丸ならば是露を返り討ちにするのは容易い。
だが、是露が半妖を憎む心境には殺生丸も思うところはあり*8数百年後に迫るだろう日本全土を滅ぼす程の脅威である妖霊星を退けるには、麒麟丸が携え制御する爆星剣の力が必要だったため、姉を殺して麒麟丸の不興を買うのも拙い状況であった。こうした事情を考慮すると、早々に是露を殺す訳にもいかなかったのだ。

その直後、本体に先んじて襲来した妖霊星の欠片は犬夜叉と共に迎撃に成功したが、その隙を付け入った是露にりんが襲われ、徐々に銀燐に覆われて死ぬ強力な呪詛をかけられてしまう。
是露を殺しても呪詛が解けないどころか、呪詛を通して是露と縁で結ばれているりんの命も潰えてしまう苦境に陥ったため、呪詛を少しでも遅滞させるために断腸の思いで時代樹にりんを封印。

だが今度は、犬夜叉をどうするかという問題が生じた。
本質は単細胞で戦闘好きな麒麟丸と半妖も人間の女も嫌悪する是露と犬夜叉が邂逅すれば、穏当な話し合いによる和解なんぞ到底不可能。
犬夜叉には二人を返り討ちに出来るだけの実力があるが、そうなるとりんは死んでしまうわ、妖霊星本体を阻止する術を失うわで、進退窮まってしまう。
そして止む無く、麒麟丸と手を組んで憎き半妖を殺す、と見せかけて黒真珠に犬夜叉日暮かごめを封印した。
産まれたばかりのもろはと弟夫婦を引き離すという惨い仕打ちには、流石の殺生丸も負い目を感じていたようで、もろはの成長を封印した二人に逐一報告するように邪見に命じている。


そして、とわとせつなに高い素質を見出した殺生丸は、二人を育成しつつ、何とかしてりんが死なないように奔走する方針にシフトした。

とわとせつなが麒麟丸に追い詰められた際は麒麟丸を退けた、かと思えば、今度はせつなに殺された是露を天生牙で蘇生。
娘達から見れば、敵か味方かさっぱり分からない状態である。
そのどさくさの中で、蘇生させられ情けをかけられたことに激高した是露によって、天生牙を折られてしまった。とは言え、天生牙は犬夜叉に折られた際にも即座に再生してのけた刀なので、折られた程度は大した障害にならない。
にも拘らず、天生牙が折られたままの状態を保っていることには意味を見出したか、折れた天生牙をとわに預けた。

その後はせつなの前に現れ、母のりんについて明かし、せつなの覚悟を引き出すためにせつなの中に眠っていた夢の胡蝶を切断。りんの呪いが再び進行し、りんの命がじきに尽きそうになるところでせつなを探し出す。その後は時代樹でりんの行く末を見守ったが、娘たちは是露を救い出し、縁が切られたことでりんは助かり、目を覚ました彼女に笑顔を向けた。
しかし犬夜叉とかごめの娘・もろはが麒麟丸と交戦していると察知し、戦場に向かう。
再び麒麟丸と対峙したが、娘たちともろはに麒麟丸の500年ぶりの大技、巨大妖火球が向けられたことで盾となり、爆砕牙も使わずに素手で受け止めた*9
耐え抜いて娘たちを黒真珠の力であの世とこの世の境に送ったが、直後に魄(はく、体を動かす力)が徐々に奪われ、瀕死の重傷に追い込まれてしまった。
そんな瀕死状態ながらも、りんや邪見の窮地には立ち向かい、事態を解決する為にあの世とこの世を境で奔走する娘を支援したりと、死力を振り絞りまくっていた。

ちなみにこの状態だが、目が黒く覆われるため、「グラサンをかけてる」「パンダみたい」などと視聴者にTwitterなどでネタ扱いされていた。

そうこうして限界を迎える寸前だったが、辛うじてとわによる救助が間に合い、吸妖根の力で回復に成功。
時代樹から現れた後は麒麟丸と最後の対決を迎えた。
娘のりおんのために最強の妖怪になろうとしている麒麟丸を「まるで人間だ」と評し、本気の妖気を解放した麒麟丸に対し、殺生丸も本気の妖気を解放。
麒麟丸を倒したが、「娘たちの心が救われぬ」という理由で止めを刺さず、妖霊星で麒麟丸親子の最期、魂を使い果たしたとわの復活を見届けた。

邪見曰く家族が再会を果たした時は嬉しそう、りんと共にとわとせつなの旅立ちを迎えた際はウキウキしていたという。

◆強さ

弟の犬夜叉と比べると、妖怪としての血の濃さの関係なのか戦闘能力は非常に高く、出遭ったほとんどの妖怪を鎧袖一触*10。犬夜叉が苦戦する敵を事も無げに退けている。
爪には強力な毒を持ち、奪った鉄砕牙で風の傷を披露した際には、遥か遠方の山までも穿つ*11

鋭利な刀剣を受ければ流血するので肉体の硬さはそこまで突出したものは見られないが、白心上人*12レベルはともかくとして、かごめの破魔の矢があたっても鎧が砕けるだけという竜骨精に継ぐ耐久性と、毒や瘴気への耐性は極めて高く、毒使いの霧骨の強力な毒霧を真正面から浴びせられてもビクともしない。原作者監修の劇場版「紅蓮の蓬莱島」では、妖力を解放して敵の炎の攻撃を防ぐシーンもある。

爆砕牙を手にする前のガイドブックですら、「戦闘能力だけなら戦国最強の妖怪」と作者の高橋留美子と評していた*13

ただし先述の通り、真に最強の大妖怪となるのは、生命に情をかけることを覚えて、父への執着から解放された後の話。
それ以前は、敵や情というものを軽んじて痛い目を見る噛ませ犬の役割も担っていたため、初期における戦績は微妙である。
魍魎丸や曲霊にはボコボコにされた*14などやられ役も担っているり、作品序盤に至っては風の傷*15を受けた際にはしばらく身動きできない程の重傷を負ったりするなど、犬夜叉相手には過剰に舐めてかかる影響で手を焼いている。


本性たる巨大な犬の姿になれば、より苛烈になった猛毒を操り強大な妖怪として猛威を振るう。
……と公式ガイドでは説明されているが、凶暴化しておつむがワンコに近付くためか、変身しない方が明らかに強い。
殆ど腕力バカのそれで、ボスの巨大化は自滅フラグを体現している。邪見にさえそれを指摘されている…。


装備

殺生丸が扱ってきた刀剣は三振り。

  • 『天生牙』
殺生丸の父親から鍛造され、譲り受けた癒しの刀。
生者に対しては傷をつける力を持たない鈍(なまくら)だが、死者に相対してこの刀を握るとあの世の使いが見える。その使いを斬り裂くことで、死者を蘇生させることが出来る。
極めれば一振りで百の命を救うらしいが、命の理に反するためか、実はこの効能は一人に対して一回しか行使出来ない*16

殺生丸は無意識的にこの刀の力を過信していた所為もあって、
後述の事情でりんを危うく死なせかけた時は、不敵な笑みを浮かべる以外には表情筋が死んでる鉄面皮疑惑すらある殺生丸が後悔で顔を歪め、
命の重さを完全に理解したことで天生牙を極めることが出来た。

りんの存在を通して命を愛でることを徐々に知った後とは異なり、力が全てだったかつての殺生丸は破壊の妖刀・鉄砕牙をひたすら欲した。
そのため生者を救う力に重きを置くこの刀は、かつての殺生丸にとっては、尊敬する父の遺品として一応とっておく鈍未満の飾り以外の何物でもなかった。

あの世の使いだけでなく、この世ならぬ存在に対しては唯一の攻撃手段。
曲霊を倒すことは天生牙がなければ不可能であった。

先述のように、鉄砕牙に与える為の能力ではあったが、冥道を開き敵を問答無用で叩き込む凶悪な技・冥道残月波も扱えた。
犬夜叉鉄砕牙から放たれるそれは冥道の斬撃だが、こちらは綺麗な満月状。


  • 『闘鬼神』
奈落が生み出した妖怪・悟心鬼の牙から、刀々斎の元弟子・灰刃坊が鍛造した剣。
まだ未熟な犬夜叉相手とはいえ鉄砕牙を折ってのけたその鬼の牙の力によって、強大な武器となった。
未熟者が扱っても、飛来骨をも軽く両断し、剣圧で相手を切り刻む程の驚異的な威力を発揮する。

が、その分リスクも凄まじい。
まず、その剣圧に耐えられる使い手でなければやがては自身が負けて切り刻まれて死亡してしまうし、何よりこの刀自体が強烈な怨念の篭った呪物となっている。
そのため、余程の大妖怪でもないと正気を保ったまま握っていることすらままならない。
その点殺生丸は剣の邪気を綽然と捻じ伏せてこの剣を完璧に使いこなす。
なお、鞘は調達できなかったのか鞘に入れずに腰に帯びている。(後述の爆砕牙の鞘は刀々斎が制作している。)

最終的には魍魎丸との戦闘で、神楽を罵倒した魍魎丸にブチ切れ、妖怪中最高の高度を誇る冥王獣の鎧甲を強引に砕こうとして折れてしまった。
かごめの矢による補助もありヒビを入れることはできた)

アニメでは、殺生丸固有の必殺技として、蒼い龍を象る妖気の衝撃波、「蒼龍波」をこの剣で放つ。
この技は彼が力を込めることで出力を調整したり、地面に突き刺して地中を伝達させる等汎用性が高い。
後者をやった劇場版では、妖力が噴火のように地面から溢れ出して、小山を一つ吹き飛ばした。


  • 『爆砕牙』
殺生丸が生み出した刀。
殺生丸の牙の癖に失った片腕から現れた、大妖怪の父親を超えた証でもある一振り。
機能的には鉄砕牙のような遠距離攻撃を備えてはいないが、殺生丸当人の剣圧や、この刀で斬り付けると生じる凄まじい爆発の影響で間合いも広く、爆流波や蒼龍波のような規模の衝撃波を放って妖怪の群れ等もまとめて消滅させてのける。

更に、この刀には、斬り付けた対象に極僅かでも傷が付けば、その傷が永続的に広がり続けていずれは強制的に完全破壊させる効果がある。
その為、奈落や曲霊のような無限再生能力を持つ妖怪も倒す事が出来る、と弥勒たちは推察していた。
しかし、"伝達して侵食し続ける"だけなので、破壊が及んでいない部分を先に切り離せば破壊を免れることができ、実際には奈落への決定打には成り得なかった。
とはいえ、無限に切り離し続けることもできないため確実に奈落の力をそいでいくことが出来る。
また、四魂の玉は斬れず、その影響を強く受けていた最終決戦終盤の奈落の顔面に直撃させた際には、奈落の顔は再生していた。


  • 毒華爪(どっかそう)
爪から石や骨をも溶かす体内の強力な猛毒を発する。人間なら毒で苦しむまもなく一瞬で消滅する。最早毒というより溶解系の攻撃と言ってもいいレベル。

  • 光の鞭
中~遠距離攻撃用に爪から鞭状の妖気を放つアニメオリジナル技。
複数の人間から銃撃を受けた際は全てを受け止めて弾き返した。

  • 冥道残月破(めいどうざんげつは)
天生牙刀々斎に鍛え直されたことにより手に入れた技。
空間を切り裂いて冥道を開き、敵を冥界へと直接送り込む即死攻撃。
使用者の錬度によって冥道は真円へと近づいていき、母親に与えられた試練により完成度が上がりより円形に近づいた。
使用者の資質により威力や特性が異なり、殺生丸の場合他の使用者に比べ極めて巨大な冥道を開くことができる。
元々は死神鬼の技であり不完全な殺生丸の冥道は死神鬼の冥道に敵わなかったが、犬夜叉鉄砕牙との共鳴により完全な円形になり技は完成。
その後の犬夜叉との継承争いでこの技は鉄砕牙に吸収され、天生牙から冥道残月破を放つことは不可能になった。

  • 蒼龍破(そうりゅうは)
劇場版「天下覇道の剣」「紅蓮の蓬莱島」及びアニメオリジナル技。
刀身に蒼い光を纏わせ、蒼い龍を形った爆流波以上の破壊力の衝撃波を放つ。
闘鬼神で放ってるイメージが多いが、映画「天下覇道の剣」で天生牙から放っている事から、刀を媒介にして妖気を龍の形にして放つ技だと思われる。
半妖の夜叉姫』においてもこの技を使用している描写がある他、この技が作品において重要な役割を担っている。

  • 風の傷
鉄砕牙による技。優れた嗅覚で風の傷を正確に読み取り、犬夜叉より強力な一撃を放つことが可能。
ただし結界のせいで触れないので、奈落から人間の左腕を受け取って使用した。
アニメでは強引に使用する事もあったが、やはり結界に阻まれるためほんの短時間しか扱えず、使用後は手が火傷のようにただれダメージを受けている。


◆関連人物

CV:チョー
殺生丸の太鼓持ちや召使いのような役割を担う河童のような姿の小柄な妖怪。
殺生丸に仕えて結構長いらしく、(多分)心が通じ合っている。ほぼツーカーな間柄。
アニメの限りでは、元々小規模な妖怪の集団の長だったが、他の種族の妖怪との抗争を指揮していた際に
その抗争の只中を颯爽と通り抜けて行った殺生丸に惚れ込み、以降忠臣というか下僕となった。

扱いが若干ひどく、余計な発言をしては殺生丸に殴られている*17
が、邪見がマジで死んだ時には、とりあえず天生牙で甦らせてまたパシる程度には重用している。
作中で一番多く泣く。
純粋な肉弾戦ではかごめに負ける。
アニメではたまに需要なんぞない殺←邪っぽい演出が、原作と比べてもやたら多い。誰得?

しかし、手に持っている「人頭杖」の威力は本物で、多数の侍や雑魚妖怪に囲まれた際にはそれらを跡形もなく焼き払い、索敵もこなせる便利アイテム。
実力自体は紛れも無い一線級妖怪……と言いたいところだが、
アニメで邪見が語った過去によれば、殺生丸に忠誠を誓って付き従うと決意した際に、殺生丸から適当に下げ渡された護身用、と言うか効率良くパシる為の道具である。
とはいえ、人頭杖は父の墓の鍵でもあったため、殺生丸としても、信頼できる人物と見込んで託したと思われる。

またアニメで鉄砕牙を奪う為に研屋に化けた際、犬夜叉以外の一行の武器を研ぐ羽目になり、鉄砕牙も研いでほしくなるぐらい見事に研いでやろうと頑張り、一行から大好評など研屋としての才能もある模様。
尚、その研ぎ具合に犬夜叉鉄砕牙を研いでもらおうとしたが…邪見は研ぎすぎて疲れて眠ってしまったのだった…。


CV:能登麻美子
ある村で野盗に家族を殺されたショックで口がきけなくなり、村人達にも気味悪がられ疎んじられていた孤児だったが、ある日犬夜叉の風の傷により重傷を負った殺生丸を密かに介抱していた。
その村が妖狼の一団に襲撃された際に狼に噛み殺されたが、追い払っても自分の面倒を見ようとする奇特なょぅι゛ょに思うところがあったのか、
殺生丸が天生牙で蘇らせた第一号になる。
蘇生した後は言葉も取り戻し、それ以降は旅に同行するようになり明るい性格へと変わっていった。

殺生丸も、りんのおかげで少しずつだが、優しさや思いやりの感情を持つようになった。
邪見曰く「りんに何かあれば殺される」
冥道残月破の修行中にりんが冥道に飲み込まれ、省みず助けに行くも間に合わず死亡。
天生牙を使って再び蘇らせようとするが、それも適わない。
この時殺生丸は

りんの命と引き換えに得るものなど何もない

と深く悲しみ後悔し、りんは大切な存在であることを悟る。
この際、生まれて初めて例えようのない悲しみと大切なものを失う恐怖や後悔という感情を持ち、冥界の無数の死者に対しても慈悲を抱き、その魂を浄化したことで天生牙の作り出す冥道が広がった。
この後すぐ殺生丸のママ様の力で生き返ることになるが、ママ様には人間の娘に執着する様を「変なところが父親に似てしまったな」と指摘されている。

ラストは楓の村で生活している。
理由は、りんの意思で人間と妖怪の生活のどちらでも選べるようにと殺生丸が配慮したから。
とは言え、殺生丸当人は内心ではいずれは自分との生活を選んでほしいようで、気長に待ちながら贈り物を手にこまめに村に通っている。


奈落の分身の一体。
だが心臓を(文字通り)握られており、無理やり命令を聞かされていた。
当初は敵として現れたが、殺生丸の強さなら奈落を倒せるかもしれないと思い、度々殺生丸と接触。
また徐々に彼に対し恋愛感情も芽生え始めていたよう。

しかし途中で奈落に心臓を返して貰った上で体を貫かれる……
神楽が死ぬ間際に殺生丸が駆けつけ

「(…天生牙では救えん)…逝くのか」

「ああ…もう、いい(…最後に、会えた…)」

このやりとりは涙腺崩壊もの。
直後、奈落の分身である魍魎丸との戦いで神楽の死に様を侮辱されたことに怒り(闘鬼神が壊れる原因)、魍魎丸に「神楽を憐れんでいるのではあるまいな」と気の乱れを読み取られる。
その怒りと神楽の死に対する悲しみの心が冥道残月破を得うるきっかけとなり、冥道残月破を習得した際には
「無駄死にかどうかはこの殺生丸が決めること」
と述べている。

  • 犬夜叉
腹違いの弟。
共闘関係になる以前も以後もとりあえず顔面をぶん殴る。
連載開始前から面識自体はあったようで、当時から互いに対して嫌悪を通り越した感情を向けていた。
原作当初は単に「妖怪全般で嫌われている、弱い人間との間に出来た子供」ということで侮蔑していた感があったが、
その根底には、「敬愛する父親が半妖に大切な形見を残し、自分を蔑ろにした」という嫉妬に近い感情も多分にある。

アニメや映画等を含めて言えば、
「自分が敬愛した最強の大妖怪たる父親が、よりによって半妖と人間を守るために死期を早め、妖怪らしく力で父を超えてやる機会を奪われた。」
ことへの恨みもある様子。

当初は完全に格下でしかない犬夜叉を嘲笑っており、彼相手に手を抜いて返り討ちに遭う小物ルートに殺生丸が堕ちかけもしたが、
上記のりんとの出会いや奈落一派との戦いを通して、犬夜叉の実力やメンタル面に殺生丸なりの一定の評価を下したようで、弟と認めるのも汚らわしい木端雑魚から、不出来な弟兼好敵手の類へと認識を改めた感がある。

最終回以降は、りんが住む村に犬夜叉も住んでいる関係で、ちょこちょこ顔を合わせている。


犬夜叉の連れぐらいにしか認識していないが、成り行きで度々助ける事となり、最終的には義妹になった。
しかし最終回で「お義兄さん」と呼ばれた際は、かなり嫌な顔をしていた(犬夜叉も同様)。


半妖の夜叉姫』の主人公達にして、殺生丸の娘である半妖の少女達。
二人ともまだ若く未熟ではあるものの、最強の妖怪の血を引いてるだけあり戦闘センスはかなりのもの。
ファンの間では様々な憶測が流れたが、やはりと言うかりんとの間にできた子供達だと判明した。

  • 日暮草太
犬夜叉』では接点など全く無かったが、『半妖の夜叉姫』にて現代に迷い込んだ長女とわの養父となり、登場人物やファンも全く想像していなかった形で決して浅くは無い縁を持つ事になった。しかし、当然ながらお互い出会う機会があるかどうかは不明。



◆台詞集

「我が毒爪にて昇華せよ」

「薄汚い半妖が!」

「くだらん」

「貴様 私を誰だと思っている?」

「血と瘴気の臭いを追ってきた」

「お前だとわかっていた……」

◆余談

クビから右肩にかけてのフワフワはいわゆる羽毛襟巻き(ショール)で本来は 女性用着物の防寒衣 である。寒がりなんだろうか
女性の美しい着物を隠さずに逆に映えさせ、寒い時期の防寒に有効という理由で成人式の女性の着物の定番グッズになっている。
なので成人式のふわふわショールを「殺生丸」と呼ぶ本作ファンもいたが作者もその俗称を認識してネタにするようになった。


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最終更新:2025年04月06日 03:03

*1 首周りのもふもふも相まって担当声優の成田氏も初見で女性キャラと勘違いした。

*2 犬夜叉に対して「人間を手にかけて平気な奴に鉄砕牙を持つ資格はねぇ」と語る刀々斎が作る気は毛頭無かった

*3 折ったはずの天生牙は元に戻っていた

*4 奈落と同じ無限に再生する肉体には爆砕牙が、霊である故に何人たりとも攻撃が届かない本体には天生牙で攻撃が通る殺生丸は曲玉の天敵だったのである

*5 殺生丸は始めから自分の刀を持っていたが、手に入れるには鉄砕牙への執着心を断ち切る必要があった

*6 犬夜叉ワイド版の予約特典のドラマCDで市販はされなかった。現在ではやはりというかプレミア価格。

*7 言葉が聞き取れない程の早口で告白しており、それ現代から持ち込んだICレコーダーで録音していがかごめがスロー再生するという流れ。殺生丸のキャラを潰しにかかる展開なのは言うまでもない。なお、実際にこの音声をスロー再生しても意味が無いので注意。そもそもこのドラマCD自体、今までのドラマCDの系譜を受け継ぎ割とメチャクチャな内容(簡単にあの世とこの世の境に行けたり、父の亡骸が崩壊したりする)になっている為、「また楽屋ノリのギャグかよ」と落胆するファンも少なくない。

*8 是露はかつて犬の大将に恋慕しており、彼が愛した女・十六夜と彼女の間に産まれた半妖の子・犬夜叉を庇って落命してしまった事件を契機に、半妖やその母を強く憎むようになった。殺生丸からすれば、是露はかつての自分と似た存在でもある。

*9 無防備に受け止めずに迎撃しろ、と視聴者から突っ込まれた展開ではあった。りんや娘達がばらけた状況では、大技で迎撃するとその余波を彼女らが浴びてしまい耐えられない、といった事情があったのかも知れない

*10 奈落ですら新しい体を得る終盤までは搦め手でしか相対していない

*11 アニメ限定だが緑の光のような鞭らしきものも使う

*12 やろうと思えば奈落や桔梗、曲霊でさえも軽く倒せる最凶の妖怪キラー。

*13 尤も、最早妖怪なのかわからないイレギュラーな新生奈落や曲霊を含める場合は事情が異なってくるが。

*14 アニメでは魍魎丸を逆にボコる等、尺の圧縮に伴った超改変が見られる

*15 無意識に手加減された一撃

*16 四魂のかけらで蘇生した琥珀など、この刀以外の方法で一度蘇生した者も対象外である

*17 原作、アニメ共に殴るシーンが直接描かれる事は無く、タンコブができた事で表現したり、殴る音だけが響いたりする