犬夜叉

登録日:2014/04/09 (水) 00:06:23
更新日:2023/08/21 Mon 09:24:30
所要時間:約 3 分で読めます





【概要】

高橋留美子による少年漫画、それを原作としたテレビアニメ。
1996年から2008年まで、小学館『週刊少年サンデー』にて連載された。単行本は全56巻でワイド版は全30巻。第47回(平成13年度)小学館漫画賞受賞。
(なお、作者前作『らんま1/2』の連載期間は11年7か月)
『週刊少年サンデー』2013年10号では、東日本大震災復興支援企画『ヒーローズ・カムバック』の一環として最終回の半年後を描いた読切(特別編)が5年ぶりに掲載された(後述するアニメ続編の前日譚としてのちに映像化される)。


戦国時代タイムスリップしてきた中学生の少女・日暮かごめと、大妖怪の父と人間の母を持つ半妖の少年・犬夜叉の交流、手にした者に力を与え願いを叶えると言われる宝玉「四魂の玉」をめぐる戦いを軸にした戦国御伽草子。
これより以前のるーみっく作品と比べると、コメディやギャグ要素で中和されてはいるものの、人の四肢や首が当たり前に飛ぶ、心臓を食うなど全体的にハードな描写や、陰謀により引き裂かれる恋人や家族、時代背景故の差別といった鬱展開が多く見られる。例によって女性の乳首や裸体なんかもちらほら描かれてる。

作中で「織田のうつけ者・信長」に触れられている事から、舞台となった時代は吉法師が元服し「信長」になってから尾張統一まで(1546~1559)のどこかだと思われる。


2000年10月16日~2004年9月13日まで読売テレビ系でサンライズ製作(このほか京都アニメーションも下請け等で携わっている)のアニメが放送され、東宝系列で劇場アニメも四作公開されるなどかなり好評だった。
しかし、長期連載バトル漫画のアニメ化の宿命でアニメが原作に追いついてしまい、終盤は怒涛のオリジナルストーリーの連続の果てに最終回は何の落ちもつかない打ち切りに近い形での終了…という典型的なパターンは賛否両論だった。
しかし、原作者の意向で原作では殆ど触れられていなかったキャラの過去のエピソードの深掘りなどが多くなされており、原作では名無しだった犬夜叉の母親の名前や父親の過去、幾つかの特別編で犬夜叉と桔梗の馴れ初め、鬼蜘蛛が怪我をするまでの経緯等が描かれており、この点は好評である。
原作でのハードな描写などの多くが抑えられている他、一部展開をわざわざ否定させていたりする。特に倫理に反しまくった展開メインな桃果人の話はスタッフもかなり苦心したのか、中盤あたりまで映像化が見送られていた。

その後、原作終了後、2009年10月3日~2010年3月29日にかけて完結編が放送された。
しかし、こちらも残った原作約20巻分を2クール(26話)で収めている都合上、かなり端折られて・改変されているため、かなりハイペースで主要キャラ達が退場していく。
原作再現という点で批判もあるが、同時に
「実質機能していない鉄砕牙の一部の能力等、はっきり言ってしまえば引き伸ばし長期連載の都合上存在した無駄な部分が、丁度良い塩梅に削られている」
と評価する視聴者も居り、尺不足なりに纏め上げた点は概ね評価されている。
主題歌はOPED共にavex所属のアーティストで統一していた。


ドラマCDもいくつか出されている。市販されているものを挙げると
地獄で待ってた七人隊!
「紅と白の歌合戦!(2バージョン)」*1
「嵐と祭りの宝来島!」
の3つ。他にもワイド版予約購入特典やサンデー付録などでも幾つか出ている。

ドラマCDはどちらかと言えばキャラ個人・声優ファン向けな色が濃く、単純なキャラ崩壊は勿論(特に七人隊)、明らかに声優に焦点を当てた同人ノリな展開が多い。(特に宝来島) 
原作のようなシリアスなストーリーや本編の補完…などへの期待はあまりしない方が良いだろう。決してそういった要素も皆無ではないのだが。
逆にハマる人はとことんハマるはっちゃけぶりなので、中の人好きな諸君は一度手にとってみるのも悪くない。
ドラマCD全体を通してやたら「早口勝負」をしており、ここではキャラ達の演技も明らかにキャラではなく楽屋ノリな感じになっていたりするが、これも声優ファンを意識したものだろう。


総じて、前述したようなシリアスな描写や長期化ゆえの間延びした展開が苦手という意見もあるものの、人が抱える強さと弱さ、人と異形が紡ぐ絆といった王道なストーリー(特に複雑な恋愛模様は作者が女性だからこそ描けたとする声もある)に惹かれたファンは多く、今なお根強い人気を誇っている。
コミックの累計発行部数は4000万部を超えているほか、アメリカやヨーロッパなど海外約30ヶ国以上でもアニメが放送・配信されている*2
2020年には10月より最終回から十数年後を舞台にしたアニメ『半妖の夜叉姫』が放送開始している。

【登場人物】


~犬夜叉一行~

主人公一行。
主人公。
大妖である父と人間の母との間に生まれた半妖の少年。
ガラが悪く口より先に手が出てしまう性質だが性根は優しい。
どんどんパワーアップする鉄砕牙を武器に、今日も仲間たちとともに戦国の世を渡り歩く。

ヒロイン。
実家の日暮神社にある井戸を介して戦国時代にタイムスリップしてきた女子中学生。
スカートが短すぎる。でもどれだけ動こうが中身は見せない鉄壁ぶりに定評がある。
気が強いが、心が広く優しい子。

子狐妖怪。
一行のマスコットその1。地味に初期は半妖を見下していた。
アニメを見て女の子と思っていた人が多いらしい。
度々妖術で珍妙なものに化ける。

  • 弥勒(CV:辻谷耕史→保村真*3
妖怪退治を生業とする流れの法師。祖父が受けた死に至る呪い(例によって出処は奈落)を代々受け継いでいる。
……が、普段はそんな重さなんて微塵も感じさせないセクハラ三昧の毎日を送るエロ法師である。なお素の態度はかなりガラが悪い。
法師というありがたーい立場や他の面子(特に交渉力ゼロな犬夜叉とか)に代わって村人などとの交渉役を務める事が多い。
風穴以外にも一応錫杖による肉弾戦や簡単な法術や結界も扱えるがどれも微妙。戦闘では実質風穴係だが風穴も早い段階で封じられる事が多くなり一発屋気味な感がある。

セクシーな妖怪退治屋。ポニテボディスーツ。
猫又の雲母が相棒。
序盤は敵討ちに、中盤以降は弥勒とのラブコメに奔走する。
大技&高スペック揃いの一行に埋もれ気味で長い間戦力的にパっとしなかったが、終盤パワーアップイベントがあり戦線復帰。

珊瑚が連れている猫又。
一行のマスコットその2。もふもふ。
普段は仔猫サイズだが、戦闘時は仲間を乗せ宙を駆けれるほど巨大化する。


~犬夜叉一行の関係者~

犬夜叉の父に仕えていたノミじじい。
誰かの血を吸っては潰されて危なくなるとすぐ逃げる。がみょ~ん。
初期は一行として旅をしていた。途中から刀々斎のところへ移住。

  • 刀々斎(CV:八奈見乗児)
刀鍛冶。
鉄砕牙・天生牙を作った。
とぼけた雰囲気だが腕前は本物。

犬夜叉の元カノでかごめの前世。もう一人のヒロインで鬱要因その1。
ある事件で生き返ってから犬夜叉とかごめの愛憎入り交ざる三角関係を完成させるが、本質はいい人。
その最期はあまりにも切ない。

桔梗の妹の隻眼ババア。
影は薄いが結構実力者。
鬼蜘蛛曰く50年前ならヤレるらしい。50年前は10歳くらいなんですけど!?

妖狼族の若頭。
初期は人間を殺しまくっていたがかごめに惚れてからはやらなくなった。
後半で一行入りするも終盤欠片を奪われ戦力外となってフェードアウトしたっきり、最終回にも登場せず作者から忘れられた哀しき男。
アニメ版完結編の最終話では、まさかの展開があった。

  • 日暮草太(CV:中川亜紀子→榎木淳弥(『半妖の夜叉姫』青年期))
かごめの弟。
犬夜叉になついている。
続編では結構重要なポジションになっている。

  • ママ(CV:百々麻子)
かごめの母。
やや天然だが娘並に心が広い。
迷える娘をしばしば後押しをする。

  • じいちゃん(CV:松尾銀三→鈴木勝美)
かごめ達姉弟の祖父。
日暮神社の神主。
河童の手のミイラ等色々怪しい物を持っている。

犬夜叉と殺生丸の父親。故人。
生前は作中最強クラスの妖怪。
…なのだが、色々と説明が足りない&作品が進むにつれて強さ設定が曖昧になっていくためしばしば議論の種になっている。

犬夜叉の生母。
立場上色々辛い思いをしていた。

読んで字の通り。
おっかなそうに見えるが実際はいい御方。

~殺生丸一行~

何故か小さいキャラばかり集まってくる。
犬夜叉の異母兄。妖怪同士の間に生まれた純粋な妖怪で強大な実力を誇る。
初期は通り道にいたという理由だけで躊躇なく人間を殺す通り魔だったが、りんとの出会いで少しずつ変化が生じる。
ある意味作中最も成長した御方。

河童っぽい小妖怪。
いらん事を言ってはちょくちょくシバかれる。
生き返らせてもらえる程度には大事にされている。
出番を追っているとだんだん萌えてくる。

殺生丸に命を救われた人間の少女。
けな気なロリ。
かわいい。
アニメでは度々メイン回を製作されている。

珊瑚の弟。鬱要因その2。
奈落に操られていたが、記憶を取り戻し、桔梗のもとを経て途中から殺生丸一行に。
立場が色々複雑。
ショタ。着物の短さが、かごめのミニスカよりひどい。しかし見えそうで見えない。

  • 阿吽
双頭の龍っぽい妖怪。
一行の乗り物代わり。


~奈落一派~

宿敵一味なのだがまるで結束力がない。
犬夜叉一行の宿敵。
全ての元凶にして無理ゲー極まりない強さを誇る怪物…なのだが、何かと理由をつけて決戦から逃げまくる。
全裸になった回数もナンバーワン。

第一妖怪。無属性
ロリ。本体は鏡(色んな意味で)。
が奈落を殺す」ってなんだったの?

第二妖怪。風属性。
嫌々奈落のパシリにされていたが…?
最後はかなり切ない。

第三妖怪。心属性。
相手の心理を読める凄いやつ。鉄砕牙をかみ砕くすごい人。というかすごい鬼。
死後も滅茶苦茶強い刀になって大活躍。寧ろ死んでから本番?

第四妖怪。影属性。
超素早くてちっちゃい回虫みたいな奴。
相方と違ってよく喋る。

第五妖怪。獣属性。
喋れないし頭が悪いが獣のように強い。
奈落でさえ完全な制御が不可能なほど凶暴かつ無差別。唯一制御できるのは影郎丸だけ。

  • 赤子(CV:小林愛)
第六妖怪。人属性。
最高位の分身。でも自分じゃ動けない。赤さんだから仕方ないね。
魍魎丸の本体でもある。いつしか自分が奈落になろうとか企むけどお見通しでした。

第六妖怪の片割れでショタ。
奈落&赤子のパシリ。赤子の片割れなのに。
奈落と同じくらいチートだが風穴で吸われて終わりという雑魚妖怪並の最期を遂げた。

第七妖怪。幻属性。
神楽と白童子に代わるパシリ。
唯一、奈落を裏切らなかった分身。
特に最後の功績は分身の中でもトップクラス。

奈落に協力する高僧のミイラ(即身仏)。
聖人と呼ばれる程に徳を積みまくった高僧で、桔梗ですら若輩として敬語で接する。
広域に放つ浄化の気の威力は規格外で、弱い妖怪なら近づくだけで一瞬で浄化(消滅)させられ、殺生丸レベルであっても結界の中では満足に力を発揮出来ず、犬夜叉などの半妖はある程度近づくと人間に戻ってしまう程。オマケに弥勒の風穴にすら耐える。
ぶっちゃけぶっちりぎで作中最強キャラ。
仮に終盤の犬夜叉一行、覚醒した殺生丸、奈落一派、曲霊、桔梗が束になっても全く歯が立たず、コイツの立ち回り次第では奈落を即浄化して話のほとんどを終わらせることだって容易かった。

四魂の玉の半分を占めていた邪気が具現化したような存在。
奈落を半妖風情と見下しているが協力はする。
生身の身体能力&の強さは殺生丸以上で、毒で殺生丸を侵し彼を「弱い」と嘲った。しかも本体は霊体なので天生牙でしか倒せない。

七人隊(奈落一派)~
奈落が復活させた人間の傭兵集団なのだが、明らかに何人か人間をやめてる。
20メートルくらいの人間。…人間?
デカすぎ。これでも七人隊最弱。

七人隊切り込み隊長(自称)。
実は最古参メンバー。それゆえか蛮骨と煉骨に差を付けず兄貴と呼んでいる。

女をいたぶって殺すのが趣味。カエル。
「女の尻は、何故柔らかいのだろう?」

色々と時代を間違えている人間戦車。煉骨が大好き。
アニメ版での最期は切ない。

医者と殺人鬼の二重人格。
殺人鬼人格になると眉毛がなくなっちゃう。

やはり生きる時代を間違えている七人隊の副将。通称、兄貴。
頭はいいけど馬鹿。

七人隊首領。通称、大兄貴。頭の良い奴は馬鹿が信条。
犬夜叉と幾度となく死闘を演じた。


~その他~

みんなのトラウマ

みんなのトラウマ。

犬夜叉の父の宿敵。作者曰く父とは東西でヤクザのような派閥抗争をしていたらしい。
奈落や殺生丸より妖気が強い(二人を知る珊瑚が「こんなとんでもない妖気は初めて」と発言する)。

  • 死神鬼(CV:佐久田修)
犬夜叉の父に倒された若作り妖怪。
冥道残月破を使えるのに竜骨精より弱いというよくわからない設定。
アニメだと「思春期」にしか聞こえない。

この物語のキーアイテム。
序盤で幾多の欠片となりこれを集めるのが目的だった。
しかし、ラストでこの作品の真の黒幕であり真のラスボスと判明した。


【劇場版】



追記・修正は「四魂のかけら」を全て集めてからお願いします。

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最終更新:2023年08月21日 09:24

*1 「犬夜叉版」「殺生丸版」があるが、一部の展開やジャケ絵が異なっているのみ

*2 中には、例えば宗教上の理由等で本来は放送が難しい国でも、巧妙に規制をすり抜けて放送している。

*3 『半妖の夜叉姫』からの後任