桔梗(犬夜叉)

登録日:2020/06/24 (水) 00:53:33
更新日:2023/12/12 Tue 14:53:07
所要時間:約 4 分で読めます






私は玉を守る者。玉がなくなれば――ただの女になる。




出典:犬夜叉、第147~8話「めぐり逢う前の運命恋歌」、読売テレビ、サンライズ、
2000年10月16日~2004年9月13日まで放送、©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2000

概要

『桔梗』とは『犬夜叉』に登場するもう一人のヒロイン。
そしてヒロインである日暮かごめの前世でもある。


かつて『四魂の玉』を守護していた高い霊力を持つ巫女。
は実の妹であり、犬夜叉の元カノ。本編時には既に故人。享年18歳。
犬夜叉が人間換算で約15歳なので、そういう見方だと年上になる。
長い黒髪をうなじで結んだ知的な雰囲気の美人であり、この知的な表情を抜くとかごめに瓜二つとなる。
露出は少ないが、復活時や『紅蓮の蓬莱島』に登場したクローンをみる限りスタイルも良い。
巫女として自身を厳しく律していたこともあり、多感で活発なかごめと比べるとクールでやや鋭い面立ち。
高い霊力で村を守っていた事から周囲の妖怪たちから恐れられていたが、桔梗自身は優しい性格の持ち主で、大怪我をした盗賊・鬼蜘蛛を看病したことも。

現代から約550年前、戦国時代から50年ほど前に活躍していた巫女であり、
ある妖怪退治屋(珊瑚琥珀の祖父にあたる)から四魂の玉の浄化を任されていた。
(アニメでは当初は楓と共に歩き巫女として諸国を巡っていたという設定が加えられた。)
そのため玉欲しさに桔梗を狙う妖怪は後を絶たなかったが、桔梗はそれを全て返り討ちにしていた。
犬夜叉も当初は四魂の玉を手に入れ完全な妖怪化を目指す敵だったが、交流を経て相思相愛の関係へとなった。
恋をしたことで桔梗は霊力が落ちた事と犬夜叉と添い遂げるために、四魂の玉に正しい事を願う事で四魂の玉を消滅させ、巫女を辞めようと決意。
その正しい願いとは犬夜叉を人間にさせることだった……。

しかし、前述の彼女が看病していた盗賊「鬼蜘蛛」が自分に横恋慕し、その想いを遂げるべく妖怪と融合して奈落となったことが桔梗の運命を暗転させる。
桔梗と犬夜叉を憎み合わせるべく、奈落が犬夜叉に化けて桔梗を襲撃し、重傷を負わされたことで桔梗は自身を裏切った(と思わされた)犬夜叉を憎悪。
自分と同様に奈落の策略で四魂の玉を奪いに来た彼を、傷がさらに悪化することにも構わず、御神木に磔にする形で封印する。
その後、既に傷が致命傷に達していた桔梗は、四魂の玉をあの世に持っていくべく、楓に自身の亡骸と共に玉を燃やしてほしいと遺言して永眠。
桔梗は再び生まれ変わることを望んでおらず、彼女の魂はもうこの世に転生することはないはずだった。

が、裏切られ、命を落とすことになっても(どちらも奈落の策略で、犬夜叉にとっては濡れ衣なのだが)、桔梗は愛した犬夜叉を憎みきることが出来ず、
その彼女の未練ともいうべき部分を利用して再びこの世に戻ろうとした四魂の玉の思惑により、その魂は約550年後に日暮かごめという少女に転生する。
共に転生した四魂の玉を体内に有していたかごめは、実家の神社にある『骨喰いの井戸』から出てきた妖怪・百足上臈に攫われて戦国時代にタイムスリップ。
そしてかごめの手で、犬夜叉は封印から解き放たれることに。

さらに、裏陶という鬼女が桔梗の骨と土を使い作った体に、かごめの魂を入れたことで、桔梗は死人として蘇生させられてしまう。
生まれ変わることを望んでいなかった桔梗は怒りのままに裏陶を滅し、そして楓の制止も無視して犬夜叉を殺そうとするが、
かごめの身体に自身の魂の大半を奪還され、さらに崖から落下したことで犬夜叉の殺害にも失敗する。
が、かごめの魂の陰の部分――桔梗の生前の犬夜叉への憎しみが桔梗(死人)の身体に残されていたことで、
死人の桔梗は生前とは違って犬夜叉への憎しみ、怨念で動く、一種の悪霊とも呼べる存在になってしまった。
一方で、犬夜叉への愛情も残っているらしく、渦巻く愛憎から彼を地獄への道連れにしようとしたこともある。


出典:犬夜叉、23話「かごめの声と桔梗の口づけ」、読売テレビ、サンライズ、
2000年10月16日~2004年9月13日まで放送、©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2000


なお、蘇生したとはいっても身体は死人で、さらに魂もかごめに大半を奪還されたことで大きく欠けているため、
活動を続けるためには女の死魂を定期的に摂取する必要があり、死魂を集める死魂虫を使役している。
また、巫女として振る舞う都合上生前は感情の発露を抑え、冷静に振る舞っていたが、蘇生後はそれらの責務から解放されて感情を出している他、
敵対者には容赦せず、自身が死人だと見抜いて成仏させようとした僧侶・晴海に激高して怒り狂い、返り討ちにする等、生前からは考えられない行動もした*1
他にも、かごめを利用して犬夜叉を殺そうとした黒巫女の椿に対してブチ切れたことも。
ちなみに、かごめに呪いをかけたことに関しては特に何も言う事はなかった。
とはいえ、敵意を向ける犬夜叉や奈落の関係者以外には(自身に敵意を向けられない限りは)生前と同じく慈悲深い巫女として振る舞っており、
放浪する最中に立ち寄った村の村人などからは、その慈悲から「桔梗さま」と慕われることがほとんどである。


自身に執着する奈落については蘇生してからしばらくした後、妹の楓から彼こそが犬夜叉との関係を引き裂き、自分を死に追いやった元凶だと知って憎んでおり、
彼と敵対する犬夜叉や自身の転生体であるかごめたち犬夜叉一行とも時に共闘することに。
そして全ての出来事の黒幕が四魂の玉だと知ってからは、四魂の玉の完成と浄化、そして奈落を倒すことを目的として行動するが、
本懐を果たす直前に斃れ、かごめに後事を託すとともに、自分を涙ながらに看取る犬夜叉に「やっとただの女になれた」と笑顔で告げ、彼と口付けを交わしながら消滅した。
また、アニメでは亡くなる直前、意識を楓のもとへとばし、辛い思いをさせてしまったことを謝って別れを告げている。

これによって桔梗は成仏したが、かごめに魂を戻すことなくあの世に逝ったことで、かごめの魂は不完全なままになってしまっている。
この世に転生する理由となった犬夜叉への想いも遂げられた以上、最早この桔梗の魂は転生せず、あの世に留まっているのか、
それとも未練から解き放たれて再びかごめ以外の誰かとして転生したのかは不明。

半妖の夜叉姫』では、本人ではないが時代樹の精霊が木に残された桔梗の思念を通じて彼女の姿を借り登場している。


戦闘

腕力や生命力は一般的な女性と変わらないが、霊力と眼力・知力が5段階評価で5と凄まじく高い。
霊力に関してはかごめの潜在能力に劣っているが、妖怪への知識や霊力の扱い方などに長けており、式神の使役などかごめより上手く霊力を使える。
奈落の瘴気で身体を蝕まれていた際は聖さま(ひじりさま)として魂だけで戦っていた。

戦闘時にはかごめと同じく弓矢を使うが、かごめとは違い幼少の頃から練習しているので狙った場所に討てる。犬夜叉曰く弓の名人で、扱う弓も大弓である。
また封印もお手のもので、犬夜叉を50年も封印したほか、殺生に嫌気がさした時期にも封印によって妖怪達を退治していた。


余談

キャラ崩壊に定評があるドラマアルバム第2作では甘いもの好きという新たな側面を覗かせており
ドラマ中に出て来るとある甘味について聞いてもいないのに一方的に語り出して一行をドン引きさせた。

演じる日髙氏は、『犬夜叉』と同じく高橋留美子氏原作のアニメ『らんま1/2』にてヒロインの天道あかねを演じていた。

日髙氏は本作のオーディションを元々かごめ役で受けており、
オーディションに備えて原作を買ったところ、かごめ15歳という部分にひっくり返りそうになるほど驚いたという。
ちなみにもしも日髙氏がかごめ役になっていた場合、高橋留美子氏原作のアニメで二作に渡って主人公とヒロインのキャストが同じになっていたことになる*2

浜崎あゆみが担当したアニメのEDテーマ『Dearest』は桔梗のイメージソングとしてファンからしばしば解釈されており、完結編でも桔梗の死亡シーンにてアレンジバージョンがBGMとして流された。


追記・修正は転生した自分と恋愛バトルしてからお願いします。


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最終更新:2023年12月12日 14:53
添付ファイル

*1 春海に関しては、自身の巫女としてのプライドから、己の実力不足も弁えず自分を成仏させようとする彼が癪に障ったというのもある模様

*2 アニメ化の順も『らんま1/2』→『犬夜叉』なので二作連続にもなる。