四魂の玉

登録日:2020/10/18 Sun 20:12:35
更新日:2024/02/16 Fri 04:52:24
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千年もの間戦い続ける、正と邪の一霊。




四魂(しこん)の玉』とは、『犬夜叉』に登場するキーアイテムである。


概要

『持ち主に強大な力を与え、どんな願いも叶えると伝わる宝玉。
そのため様々な人妖に狙われており、本編での争いはほとんどこれを巡って起きている。
ちなみに四魂とは、神道において神の霊魂が持つ側面の 荒魂(あらみたま) ・ 和魂(にきみたま) ・ 奇魂(くしみたま) ・ 幸魂(さきみたま) を指している。

本編より50年前、妖怪退治屋の頭領で珊瑚や琥珀の祖父にあたる人物・シャコが百足上﨟(むかでじょうろう)を退治した際体内から発見され、玉の浄化のため桔梗に預けられる。
その後、玉を守り切れないと感じた桔梗は玉の力で犬夜叉を人間にする事で玉を消滅させようと決意する。
だが、奈落の策略により犬夜叉と桔梗は憎しみあい、四魂の玉も穢れてしまう。
これ以上玉を巡って争いが起きるのを望まなかった桔梗が妹の楓に自身の亡骸と共に火葬させたことで、玉は一度消滅する。
それから500年後、桔梗の生まれ変わりである日暮かごめの誕生と共に復活。
彼女が戦国時代にタイムスリップしたことで桔梗の死より50年後の戦国時代に舞い戻った。

その後、屍舞烏(しぶがらす)に飲み込まれたところをかごめの矢を受けたことで木っ端微塵に砕け散り、犬夜叉たちの長い旅が始まることになる。

主な効果は『持ち主を特定の状態で固定すること』
この『特定の状態』が本当に何でもありで、かけら一つだけでも絶大な力を見せており、確認できただけでも、
  • 姿かたちを変える。(百足上﨟、屍舞烏、桃果人(とうかじん)など)
  • 身体能力の強化。(鋼牙蛮骨など)
  • 霊力、妖力の強化。(奈落など)
  • 重傷を治す。(煉骨)
  • 痛みを感じないようにする。(珊瑚)
  • 武器の強化。(蛮竜、破魔の矢など)
  • 絵に生命を与える。(紅達(こうたつ))
  • 死人の腕を妖怪に繋ぐ。(殺生丸)
  • 死者蘇生。(琥珀七人隊など)
  • 結界を張る。(銀骨)
  • 特定の道具と組み合わせての洗脳能力の強化。(玻璃)
と、様々な効果を見せている。ただし、弥勒によると、これらの力が正しい者のもとで使われたことは無いらしい。
また、作中では『半妖を完全な妖怪にも人間にもできる』と語られているが、実現されることは無かった。

これとは他に、『最後に四魂の玉を手にした者が、唯一の正しい願いを選んだ時、玉は浄化されこの世から消え去る』という伝承が存在する。


起源

四魂の玉の起源は、平安時代にまで遡る。
当時、翠子(みどりこ)という、優れた霊力を持つ巫女がいた。
彼女は、妖怪の体から魂を抜き出して浄化するという能力で妖怪を退治していた。
翠子の存在を疎ましく思った妖怪たちは、翠子に対して慕う心を持つ男に目を付け、彼をつなぎにして融合。翠子に襲いかかる。
戦いは七日七晩に及び、ついに翠子は力尽きて妖怪たちに魂を奪われそうになるが、翠子は逆に妖怪たちの魂を奪い、自らの魂と共に体外へと弾き出した。これが、四魂の玉となったのである。
玉の中では今でも翠子と妖怪たちが戦い続けているという。

上記の通り、四魂の玉の起源は奈落誕生の経緯と全く同じで、
それは桔梗が『犬夜叉を人間にする』という正しい願いで四魂の玉を浄化しようとしたタイミングでの出来事であった。
珊瑚はこれを「玉が繰り返させている」と語っている。






















































真相



井戸は閉ざされた。もうおまえに行き場はない。


CV:古谷徹

四魂の玉は、それ自体が意思を持っている。その目的は、正邪のどちらかに偏りすぎることなく、存在し続けること。
この性質から四魂の玉に善悪は無いのだが、それ故に非情。
奈落ですら、『桔梗に愛されたい』という本来の願いを叶えられず四魂の玉に利用された被害者であり、総じて『犬夜叉』における真の黒幕である。

一時的に消滅させることはできるが、本来の手段でしか完全に消滅させることはできず、殺生丸の爆砕牙をもってしても斬ることはできない。
作者・高橋留美子先生によると、「500年周期で活性化する時期がある」とのことで、かごめが誕生したのも、
四魂の玉が復活したいがために、桔梗の『犬夜叉に会いたい』という願いを自分に都合のいいかたちで叶えた結果だったのだ。
故に、四魂の玉は本当の望みを叶えてはくれない。
それどころか、自分を脅かす存在を抹消するために、所有者を利用して自分自身の願いを叶えさせようとすることすらある。



余談

上記の通り、四魂の玉の目的は『正邪のどちらかに偏りすぎることなく、存在し続けること』なのだが、
先代宝仙鬼(ほうせんき)の手に渡った四魂の玉のかけらは、彼に「再び四魂の玉を完成させてはならぬ」と語ったという。理由は不明。

また、かごめたちが欠片の一つを現代で回収したため、普通に考えれば四魂の玉が消滅した後も欠片が戦国時代に残っている事となる。

『奥義皆伝』に、戦国前世占いという付録があるのだが、これでかごめにたどり着くには、
『一 腹に丸いものが入っている気がする』に「はい」と答える
とされ、四魂の玉はネタっぽい使われ方をされていた。
この付録自体がネタなのだが……特に犬夜叉と奈落が酷い*1

アニメオリジナルストーリーの94話と95話「四魂の玉を造る者(前・後編)」では、人間の父と牛妖怪の母から生まれ、昼は人間の出雲、夜は妖怪になる半妖の牛王が、人間になりたいが故に、妖怪のオロチ太夫や九十九の蝦蟇次郎らと共に、新たな四魂の玉を作ろうと企んでいた。
牛王は四魂の荒魂、和魂、奇魂、幸魂を作り出すために犬夜叉一行の魂を狙っていた。
犬夜叉の魂は荒魂が司どる「勇」、弥勒の魂は和魂が司どる「智」、七宝の魂は奇魂が司どる「親」、珊瑚の魂は幸魂が司どる「愛」を意味しているらしい。
また偽の四魂の玉も複数作っており、これらを妖怪達に飲ませて強化して犬夜叉一行に差し向けたり、力ずくで犬夜叉達の魂を奪うために自ら飲み込んだりしていた。

「持ち主に力を与える」性質と、「バラバラになったので集める」という展開が、『トランスフォーマー アニメイテッド』のオールスパークと似ている。
トランスフォーマー限定であるものの、こちらもかけらだけで新しい命を生み出したり、死者を甦らせたりした。
ただし、オールスパークは四魂の玉とは違い、最後まで完全な状態に戻ることは無かった。



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最終更新:2024年02月16日 04:52

*1 犬夜叉は『フタマタはありだと思う』に、奈落は『髪の毛がワカメっぽい』に「はい」と答える。